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真正性とは?組織が直面する3つのリスクと管理職層別の対策を徹底解説

2025年5月1日

真正性とは?組織が直面する3つのリスクと管理職層別の対策を徹底解説

「真正性(しんせいせい)とは、どういう意味だろう?」

「どうすれば守れるのだろうか?」

このような悩みをお持ちではないでしょうか。

真正性とは「情報が正しい相手から送られてきて、途中で書き換えられていないこと」を意味します。これが守られることで、仕事や取引において安心して情報をやり取りできるようになります。

もし、真正性が守られていないと、本当は信用できない情報を信じてしまったり、なりすましにだまされたりする危険があるからです。

ビジネスの信用や安全を守るためには、真正性をきちんと意識して対策をすることが欠かせません。

この記事では、真正性とは何か、なぜ大切なのか、そして具体的にどんな対策をすればいいのかをまとめています。

読み終わるころには、真正性について理解でき、あなたの情報管理能力もぐっと高まるはずです。

1.真正性とは「情報が正しい発信者から改ざんされずに届けられている」こと

真正性とは、情報が正しい発信者によって作成されたものであり、信頼できる内容であることを保証する性質を指します。

情報セキュリティにおいては、この真正性を守ることが組織の信頼性を守るために欠かせない役割を果たしています。

真正性が守られていなければ、なりすましによる詐欺や偽物の情報に基づく誤った意思決定が発生するリスクが高まり、組織全体の信用を大きく損なう恐れがあります。

 (1)情報セキュリティにおける7つの要素と真正性の位置づけ

情報セキュリティには、守るべき7つの重要な要素が存在します。その中で「真正性」は、欠かせない役割を果たしています。

まず、情報セキュリティの基本とされる3つの要素として、「機密性」「完全性」「可用性」が広く知られています。

機密性は「見せるべきでない情報を守ること」、完全性は「情報が正しく保たれていること」、可用性は「必要なときに情報が使えること」を指します。

これに加え、情報セキュリティをより強固にするために、「真正性」「責任追跡性」「否認防止」「信頼性」という3つの要素が重要視されるようになりました。

中でも真正性は、「情報の発信者や内容が正しいこと」を保証するものです。たとえ機密性や可用性が守られていても、情報が改ざんされたり、なりすましによって発信者が偽装されたりすれば、組織の信用は大きく損なわれてしまいます。

このように、情報セキュリティにおける7つの要素は、互いに独立して存在するわけではありません。真正性をはじめとする各要素が相互に補い合うことで、はじめて本当の意味で情報の安全性が確保されるのです。

2.真正性が損なわれたときに起こる3つのリスク

真正性が損なわれたときに生じるリスクは、大きく分けて3つあります。

  • 業務や経営判断上のミス
  • システム全体の信頼性の低下
  • 法的責任の発生

もしこれらのリスクを知らずに放置してしまうと、組織の信用が失われたり、大きな損害を引き起こしてしまう可能性があります。

ひとつずつ見ていきましょう

(1)業務や経営判断上のミス

真正性が損なわれると、データの改ざんに気づかず、業務の誤りや経営判断ミスを引き起こすリスクがあります。

そのため、情報が正しいものであるという前提が崩れると、正確な判断ができなくなり、重大な損失を招く可能性があります。

たとえば、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出事例」によると、地方自治体が運営するWebサイトの一部が改ざんされていることを発見。

調査したところ、Webサイトの管理画面に対して、総当たり攻撃と見られる大量のアクセスがあり、一部のアカウントは不正ログインに成功していたことが判明しています。対応として、システムを停止させ、当該サイトの利用を制限する措置を行ったとの報告があります。

このように、情報の真正性が確保されていなければ、表面上は問題が見えないまま、業務の質や経営判断に深刻な影響を与えます。組織の健全な運営を守るためには、日常的にデータの真正性を担保する仕組みを整えることが不可欠です。

(2)システム全体の信頼性の低下

真正性が損なわれると、システム全体の信頼性の低下につながります。そこが引き金となり、組織の業務やサービス運営に深刻な影響を与えてしまう可能性もあります。

なぜなら、情報が正しい発信者(発信元)から届き、改ざんされていないことが保証されなければ、利用者や関係者はシステムそのものを信用できなくなるからです。

たとえば、製造業や物流業界で使われている「サプライチェーン管理システム」でデータ改ざんが起きた場合を考えてみましょう。

出荷記録や納品データに不正が入り、実際とは異なる情報が流通すれば、各拠点間での在庫管理や納期管理が大きく狂ってしまいます。

これにより、「在庫があるはずなのに出荷できない」「納品遅れが発生する」など、顧客対応に大きな影響を与えてしまう可能性があります。

とくにBtoB取引においては、一度でも納期トラブルを起こすと、取引停止や信用の低下といった、長期的なビジネス損失につながりかねません。

情報システムの安全な運用を守るためには、真正性の確保を単なるデータ管理ととらえず、組織全体のリスク管理の一環として取り組むことが重要なのです。

(3)法的責任の発生

真正性が損なわれると、情報漏洩や改ざんによる損害が発生し、組織が法的責任を問われる可能性があります。

情報の正当性を確保できていなかったことにより、被害を受けた個人や取引先から損害賠償請求を受けたり、行政指導や制裁措置を受けるリスクが高まるためです。

たとえば、製品データが不正に改ざんされた結果、誤った商品やサービスが提供され、大規模な契約違反につながった場合、企業側は民事上の損害賠償責任を負うことになります。

神戸製鋼所では、アルミ製品や銅製品の性能データを改ざんし、実際とは異なる数値を顧客に提供していたことが発覚。この問題に対して、アメリカの司法省(DOJ)は刑事捜査を開始し、日本国内でも損害賠償請求などの法的責任が問われる事態に発展しました。

神戸製鋼所にとって、単なる品質問題にとどまらず、国内外の信用失墜や法的制裁リスクに直結する深刻な問題となったのです。

参考:株式会社神戸製鋼所「当社グループにおける不適切行為に関するご報告

この事例では、「正しいデータであること」を保証する真正性が守られていなかったために生じた典型的な例といえます。

このように、真正性の欠如は単なるセキュリティ事故にとどまらず、法的な責任問題へと発展するおそれがあります。

組織を守るためには、情報の真正性を確保する体制を整え、リスクを未然に防ぐ意識と取り組みが不可欠です。

3.真正性を確保するために必要な3つの対策

真正性を確保するためには、押さえておくべき対策が大きく分けて3つあります。

  • デジタル署名を活用する
  • 電子証明書を活用する
  • 通信経路の暗号化を行う

対策をきちんと理解し、実践しておけば、安心して情報を取り扱い、取引先や社内からの信頼をしっかりと得ることができます。

それぞれの対策について順番に解説していきます。

(1)デジタル署名を活用する

真正性を守るためには、デジタル署名を活用することが効果的です。

デジタル署名とは、データに電子的な「印鑑」を押すような仕組みです。デジタル署名を使えば、情報が正しい人から送られてきたこと、そして途中で改ざんされていないことを証明できます。そのため、受け取った側は安心して情報を使うことができます。

たとえば、電子契約書にデジタル署名を付けると、送信者本人が作ったものであり、送信後に内容が書き換えられていないことが証明できるのです。

医療IT企業である株式会社アルムは、大量のPCR検査報告書にタイムスタンプ付きの電子署名を付与することで、受診者に対して報告書の真正性を保証しています。

参考:GMOグローバルサインの導入事例

安全な情報のやり取りを実現するためにも、ビジネスや行政の場では、デジタル署名を積極的に取り入れていくことが求められています。

(2)電子証明書を活用する

真正性を守るには、電子証明書を活用することも有効です。

電子証明書を使うことで、情報を送った人や組織が本当に正しい相手であること、そしてその情報が途中で改ざんされていないことを確かめることができます。

電子証明書とは、インターネット上で「この人(またはこの会社)は本物です」と証明するための、デジタルの身分証明書のようなものです。

たとえば、WebサイトにSSL証明書が付いていると、利用者は「このサイトは本当に安全な会社が運営している」と安心してアクセスできます。

また、企業同士で電子契約を交わすときや、オンラインで申請を行うときにも、電子証明書によって本人確認が行われ、なりすましやデータの改ざんを防ぐことができます。

ここで、先程のデジタル署名との違いについても押さえておきましょう。

電子証明書は「誰がその情報を出したのか」という発信者の身元を証明する役割を持っています。

一方、デジタル署名は「その情報が途中で改ざんされていないか」というデータの完全性を保証する役割を持っています。

つまり、電子証明書とデジタル署名は目的が異なりますが、どちらも情報の真正性を確保するために欠かせない技術です。

(3)通信経路の暗号化を行う

通信経路を暗号化することも真正性を守るためには重要です。

インターネットを使って情報を送るとき、そのままの状態では第三者に内容をのぞき見される可能性があります。

そこで、通信経路を暗号化することで、やり取りしている情報が途中で盗み見られたり、勝手に書き換えられたりするのを防ぐことができるのです。

たとえば、発注データや契約書類を取引先にメールで送る場合、通信が暗号化されていなければ、悪意のある第三者にデータを盗まれたり、勝手に内容を書き換えられたりする可能性があります。

こうしたリスクを防ぐために、SSL/TLSなどの暗号化技術を使い、通信内容をしっかり守ることは必須です。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)「政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(令和5年度版)」においても通信経路の暗号化は重要な対策として位置づけられています。

暗号化された通信であれば、送った情報が正しいまま相手に届き、取引を安全に進めることができます。

4.【管理職層別】真正性を守るための運用ルール

ここからは、経営層、部門長それぞれの立場で、どのような運用ルールに取り組むべきかを、順番に解説していきます。

部門ごとの役割をしっかりと理解し、それぞれに合ったルールを整えておけば、組織全体で一貫した真正性の確保に取り組むことができるようになります。

(1)経営層が取り組むべき運用ルール

組織として真正性を確保するためには、まず経営層が主導して運用ルールを整備し、実行を推進することが欠かせません。

トップ自らが方向性を示さなければ、現場任せになり、対策が形だけに終わってしまうリスクが高まります。

経営層が取り組むべき内容は、以下の3つです。

  • 組織の基本方針とする
  • 現場で実践できるように体制を整える
  • 実践されている状況を定期的に確認する

まずは、情報の真正性確保を組織の基本方針として明確に位置付けましょう。

たとえば、情報セキュリティポリシーに「発信者の正当性確認」や「データ改ざん防止」の取り組みを組み込み、全社員に周知徹底する必要があります。

また、方針を示すだけでなく、必要なシステム投資や人材育成にも積極的に取り組み、現場が安心して実践できる環境を整えることも重要です。

さらに、内部監査やモニタリング体制を整え、経営層自身が真正性対策の実行状況を定期的に確認することも欠かせません。

このように、経営層がリーダーシップを発揮し、真正性を守る文化を組織に根付かせることが、大切なのです。

(2)部門長が取り組むべき運用ルール

真正性を現場で守るためには、部門長が運用ルールを整え、日々の業務に根付かせていくことが大切です。

経営層が示した方針を、現場で具体的な行動に落とし込み、しっかり実行に移す役割を担うのが部門長です。

部門長が取り組むべき内容は、以下の3つです。

  • システムやデータのアクセス権限を適切に管理する
  • 情報を発信した人が正しいことを証明する仕組みを取り入れる
  • 真正性を守る意識を高める取り組みを行う

まず部門長が取り組むべきことは、システムやデータのアクセス権限を適切に管理することです。

たとえば、重要な契約書や顧客情報は、必要な人だけがアクセスできるように設定し、定期的に見直す必要があります。

また、デジタル署名や電子証明書を活用して、情報を発信した人が正しいことを証明する仕組みを取り入れることも効果的です。

さらに、部門内で定期的に研修やミーティングを行い、真正性を守る意識を高める取り組みも重要です。

このように、部門長が運用ルールを作り、現場に定着させることで、組織全体の信頼性の工場につながります。

5.まとめ

今回は、情報セキュリティにおける真正性の基本的な意味から、真正性が失われたときに起こる主なリスク、そして管理職層別に求められる具体的な対策までを解説しました。

真正性とは、「情報が正しい発信者から送られ、信頼できる状態が保たれていること」を指します。

もし真正性が損なわれると、なりすましによる情報漏洩や誤った情報に基づく判断ミス、システム全体への不信感など、組織に大きなダメージを与える恐れがあります。

こうしたリスクを防ぐためにも、真正性を確保する体制を整えることは、企業活動において欠かせません。

ただし、真正性を守るには、デジタル署名や電子証明書といった技術的な対策だけでなく、運用ルールやアクセス管理、社員教育といった現場レベルの取り組みも必要です。

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