【最新情報】ISMSとSCS評価制度の違いとは?企業が取得するべき認証を解説!
2026年7月13日

2026年度末(2027年3月頃)に申請受付開始が予定されているSCS評価制度をご存じですか?
企業担当者様も、ISMSやPマークを取得しておけば、SCS評価制度は不要ではないかと考えている方も多くいらっしゃると思います。
結論から申し上げますと、「SCS評価は特に必要ない」という認識を持ってしまうと、企業としてはとても危険です。
なぜなら、ISMS・SCS評価制度は目的も評価軸も全く別物となるからです。
ここでは、ISMS・SCS評価制度の違いや特徴について、分かりやすく比較していきます。
本コラムを読み終えていただければ、自社が本当に必要である認証を理解することができ、ISMSとSCS評価制度の違いについて再確認することができるようになるでしょう。
1.ISMSとSCS評価制度の基本情報

冒頭でも述べたように、ISMSの認証を取得しているからといって、SCS評価制度を理解していなくてもよいという認識をもってしまうと、会社としての基準が下がってしまう恐れがあります。
そこで、第1章ではISMSとSCS評価制度の違いについて解説致します。
(1)ISMSは国際基準のセキュリティ体制を作るために必須
ISMSは、組織全体で情報の安全を守るための仕組みを指し、国際規格に基づいています。
顧客データや技術ノウハウなどの情報資産を、機密性・完全性・可用性の3つのバランスを保ちながら組織全体で守るためのルールブックともいえます。
(2)SCS評価制度は国が始めた取引先のための最新の物差し
SCS評価制度(サプライチェーン・セキュリティ対策評価制度)は、経済産業省が主導する最新の評価制度のことです。
企業の対策レベルを星の数(★3~★4 ※制度設計段階のため、レベル設定は変更の可能性があります)で可視化し、取引契約において「取引先には★3以上の対策を求めます」といった共通の物差しとして活用することができます。
これまで中小企業の大きな負担となっていた、取引先ごとのバラバラなセキュリティアンケート対応を一本化するために誕生しました。
2.ISMSとSCS評価制度の違いを比較
第1章では、それぞれの概要について説明いたしました。
次に、経営者が最も気になるであろう、具体的に何が違うのかについて比較して説明します。
(1)守る対象の範囲と評価方法の違い
ISMSは、企業が保有するすべての情報資産(紙・人・データなど)が対象です。
これに対して、最新のSCS評価制度は、共通のIT基盤とPCやスマホなどの端末に的を絞っています。
また、評価方法にも違いがあります。
ISMSは外部の審査機関が現地審査を行う第三者認証です。これに対し、SCS評価制度の「★3」は、セキュリティ専門家の確認と署名を経た自己評価を登録する仕組みです。
標準的な水準である「★4」からは第三者評価が必要になります。

引用:経済産業省 「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針」(SCS評価制度の構築方針)を公表しました(閲覧日:2026.06.22)
(2)ISMSとSCS評価制度の違いがわかる比較表
| 比較項目 | SCS評価制度(★3目安) | ISMS |
|---|---|---|
| 主導・策定機関 | 経済産業省・内閣官房 | ISO/IEC |
| 主な目的 | サプライチェーン全体のサイバーリスク低減 | 組織全体での情報安全管理体制の構築 |
| 保護・評価対象 | 共通IT基盤、PC・スマホ等の端末 | 組織内のあらゆる情報 |
| 評価の方法 | ★3:専門家確認付き自己評価 ★4:第三者評価機関の審査 | 第三者認証機関による審査 |
| 有効・更新期間 | ★3:1年(毎年更新) ★4:3年(毎年自己評価を実施し結果を審査機関に提出) | 3年(毎年の中間審査あり) |
| 取得期間の目安 | 5~10ヶ月 | 6~12ヶ月 |
| 取得費用の目安 | 低コスト(※専門家確認費用が別途必要)(※★4は数十万円~) | 50万円~200万円(初回) |
| 国際的な標準基準 | NIST CSF 2.0 ベース | ISO/IEC 27001 |
| 2026年現在の重要性 | ★★★(取引条件化の動き加速) | ★★★(信頼性の高い定番認証) |
3.ISMSを取得するメリット・デメリット
一般的に聞きなじみのあるISMSの取得には、メリット・デメリットが存在します。
本章では、ISMSを中小企業が取得した際にもたらされる具体的なメリット・デメリット、特徴について解説していきます。
(1)ISMSを取得するメリット
ISMSを取得することは、国内外の大手企業や官公庁との新規取引を劇的にスムーズにし、ビジネスの可能性を大きく広げる手段の一つとなります。
なぜなら、ISMSは世界共通の国際規格に従っているという、客観的で極めて高い社会的信用の証明になるからです。
例えば、大手企業の新規サプライヤー募集や、官公庁の入札案件に挑戦する際に、ISMSを取得しているという証明書を出すだけで、相手側に深い安心感を与えることができます。
したがって、ISMSを取得することは、競合他社がセキュリティの書類作成に時間をかけている間にアピールすることができ、大きなビジネスチャンスに繋げることができます。
(2)ISMSを取得するデメリット
一方で、社内のセキュリティ体制が未熟な段階でISMSの取得に踏み切ると、実務の現場において、過度な業務負担とコストの重荷を与えてしまうリスクがあります。
なぜなら、組織全体のリスクをすべて集めて洗い出し、膨大な数の規則や規定を作成した上で、年に一回以上の内部監査や社員教育、外部審査を長く続けなければならないからです。
専任のセキュリティ担当者を置くことができない中小企業の現場としては、通常業務が忙しいなかで書類作成の仕事ばかりが増えてしまい、実態が伴わない名前だけのルールにとらわれてしまい、疲弊してしまうケースが後を絶ちません。
また、維持費もかかってしまうため、コスト面でまとまった支出が定期的に発生します。
そのため、社内リソースが不足している場合は、形だけの書類仕事に追われてしまい、本来の業務が圧迫されるというデメリットがあることを、理解しておく必要があります。
4.SCS評価制度を取得するメリット・デメリット
第3章では、ISMSを取得するにあたり、生まれてくるであろうメリット・デメリットについて解説しました。
では、これからの取引に不可欠となるであろう最新のSCS評価制度についてのメリット・デメリットはどのようなものがあるでしょうか。本章で、解説していきます。
(1)SCS評価制度を取得するメリット
SCS評価制度の星(★)を取得することは、既存の取引先との良好な関係を維持し続け、面倒な個別確認の手間を減らすための有効な手段になります。
なぜなら、SCS評価制度は国が定めた統一の物差しであり、SCS評価制度を取り入れることで、発注元企業に対して十分な安心感を与えられるようになるからです。
これまで、各取引先から異なるフォーマットで送られてきたアンケートや資料に、手作業で回答するという大きな負担を抱えた中小企業が少なくありません。その課題に対して、SCS評価制度を取り入れることで、星の数を提示するだけでアンケートや資料の回答にかかっていた負担を免除することができるようになるのです。
そのため、SCS評価制度への対応は、対応遅れなどのリスクを完全に避けることができ、さらに大切な既存顧客への信頼を確固たるものにすることができるのです。
(2)SCS評価制度を取得するデメリット
SCS評価制度を取得・維持する上では、社内で継続的な運用体制を保てなければ、取得した星の価値を維持できないという運用のハードルがあります。
SCS評価制度にはレベルに応じた有効期間があり、★3は「1年(毎年更新)」、★4は「3年(ただし、年次での自己評価提出が必要)」と定められています。どちらを選択する場合でも、一度取得して終わりではなく、毎年継続して状況を点検し、最新の状態を維持し続けるための社内体制が欠かせません。
よくある失敗例として、初年度に外部コンサルタントに任せきりで書類を整えて星を取得したものの、社内に運用ノウハウが残っていないケースです。これでは、翌年の更新時や年次の自己評価提出時に、「昨年どう対応したか分からない」「何を準備すればよいか不明」といったトラブルに直面し、評価を維持できなくなるリスクがあります。
したがって、一度取得して安心するのではなく、継続的に運用・管理するための最低限の社内体制を維持し続けなければならない点が、中小企業にとっての共通のデメリットとなります。
5.まとめ
経済産業省と情報処理推進機構(IPA)の最新スケジュールによると、2026年度末頃に「★3」および「★4」の申請受付が一斉に開始される予定です。
制度が開始されるときは、すべての企業 が同時にスタートラインに立つため、様子を見てから準備しよう、という気持ちでは取引先から求められた提示期限に間に合わなくなります。
本コラムでも解説しましたが、ISMS認証を取得しているからといって、SCS評価制度を理解する必要はないという考えをもってしまうと、他社との差がつきにくくなってしまいます。
顧客からの信頼や満足、また、新規取引を考えている経営担当者の方は、ぜひ本コラムを読んで自社が今後のためにとるべき行動について参考にしてください。
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