2025年12月2日

目次
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- 1.Pマーク取得に不可欠な委託先管理とは
- (1)委託先管理の重要性
- (2)委託先管理の具体的なプロセス
- (3)委託先の例とリスク
- 2.Pマークにおける委託先管理の基本
- (1)なぜ委託先管理が必要なのか?その目的と対象範囲
- (2)「委託」と「提供」の違いを正しく理解する
- (3)委託先管理の全体像を把握する
- 3.委託先管理を簡単にする3つの方法
- (1)【方法1】 チェック項目を最小限に絞る
- (2)【方法2】 委託先とのスムーズなコミュニケーション術
- (3)【方法3】 基準未達時の特例設定と柔軟な対応策
- 4.委託先管理の実務ステップ
- (1) ステップ①:委託先の洗い出しと評価表の作成
- (2) ステップ②:評価基準の設定と実施
- (3) ステップ③:契約締結(NDAなど)と文書化・記録の残し方
- 5.Pマーク審査で見られる委託先管理のポイント
- (1)審査員が確認する書類とは
- (2)見落とされやすいチェック項目
- 6.委託先を見直すタイミング
- 7.特殊ケースへの対応
- (1)再委託が発生した場合の注意点
- (2)クラウド・SaaS利用時のリスクと対応策
- 8.まとめ
「Pマークを取得するには委託先の管理まで必要なの?何をどうすればいいのか分からない」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
個人情報保護の重要性が高まるなか、プライバシーマーク(Pマーク)取得を目指す企業が増えています。
しかし、委託先管理の理解が不十分なまま進めてしまうと、審査で不適合となったり、情報漏洩リスクを見逃してしまう可能性があります。
この記事では、Pマーク取得における委託先管理の基本から、実務ステップ、審査で見られるポイント、そしてクラウドや再委託といった特殊ケースへの対応まで、体系的に解説します。
最後までお読みいただくと、委託先管理に必要な知識と実務対応の流れが整理でき、Pマーク取得・維持に向けて確実な準備が進められるようになります。
個人情報保護の信頼性を高め、安心してビジネスを展開するための第一歩を踏み出しましょう。
1.Pマーク取得に不可欠な委託先管理とは

プライバシーマーク(Pマーク)を取得・維持するためには、個人情報の取り扱いに関する厳格なルールを遵守する必要があります。これは自社内の体制だけでなく、業務を外部に委託する場合にも適用されます。そこで重要となるのが「委託先管理」です。
(1)委託先管理の重要性
いくら自社が万全な個人情報保護体制を整えていても、委託先が不適切な取り扱いをすれば、情報漏洩などの事故が発生し、その責任は委託元である自社に問われる可能性があります。Pマークの審査では、こうしたリスクを未然に防ぐための「委託先管理体制」が構築されているかが厳しくチェックされます。
(2)委託先管理の具体的なプロセス
委託先管理は単なる契約の締結にとどまらず、以下のような一連のプロセスを含みます。
①委託先の選定
個人情報を適切に取り扱える体制・実績がある事業者を選ぶ
②契約の締結
個人情報保護に関する条項を含む契約を締結する
③定期的な監査・確認
委託先が契約内容やセキュリティレベルを遵守しているかを定期的にチェックする
④改善の促進
問題が見つかった場合は、改善を求め、必要に応じて再教育や契約見直しを行う
(3)委託先の例とリスク
委託先には以下のような業種が含まれます。
- コールセンター
- システム開発会社
- 配送業者
- 廃棄処理業者
- Web制作会社
- データ入力業務のアウトソーシング先
これらの委託先が顧客の個人情報を扱う場合、情報漏洩などの事故が発生すれば、自社の信用やPマークの維持に大きな影響を与える可能性があります。
2.Pマークにおける委託先管理の基本
1章で述べた通り、Pマークを取得・維持するためには、個人情報の取り扱いに関する厳格な管理体制が求められます。その中でも特に重要なのが「委託先管理」です。
ここでは、委託先管理の目的、委託と提供の違い、そして管理プロセスの全体像について詳しく解説します。
(1)なぜ委託先管理が必要なのか?その目的と対象範囲
委託先管理の最大の目的は、個人情報保護のリスクを最小限に抑えることです。JIS Q 15001(Pマークの要求事項)では、個人情報を外部に委託する際、委託元が委託先を適切に監督する責任を負うことが明記されています。
委託先がPマークやISO27001(ISMS)などの認証を取得していたとしても、それだけで安心せず、委託元が独自の基準で管理・監督する必要があります。委託先が自社と同等レベルの個人情報保護体制を確保しているかどうかを担保することが、委託先管理の本質です。
対象範囲は「個人情報の取り扱いを伴うすべての委託業務」であり、以下のような業務や事業者が含まれます。
| 委託業務の例 | 内容 |
| データ入力・集計 | 顧客名簿、アンケート結果などの処理 |
| Webサイト運営 | 会員情報の管理、保守作業 |
| 物流・配送 | 顧客への商品発送など |
| システム開発・保守 | 個人情報データベースの構築・管理 |
| 人材派遣 | 派遣社員が個人情報を扱う業務 |
| クラウドサービス | 個人情報を保存・処理する外部システム |
(2)「委託」と「提供」の違いを正しく理解する
Pマーク審査で頻繁に指摘されるのが、「委託」と「提供」の混同です。両者は管理責任の所在が異なるため、正しく理解することが不可欠です。業務内容が「委託」に該当するにもかかわらず「提供」として扱ってしまうと、Pマークの規程違反となる可能性があります。契約内容や監督体制の設計を誤らないためにも、両者の違いを明確にしておく必要があります。
【委託と提供の違い】
| 区分 | 委託 | 提供 |
| 定義 | 自社業務を外部に代行してもらう | 自社の判断で個人情報を外部に渡す |
| 目的 | 業務遂行のため | 自社とは異なる目的(例:マーケティング) |
| 所有権 | 委託元に残る | 提供先に移る |
| 管理責任 | 委託元が負う | 原則として提供先が負う |
| 例 | 顧客リストを基にDM発送を委託 | 提携会社へ顧客情報を引き渡す |
(3)委託先管理の全体像を把握する
委託先管理は一度きりの作業ではなく、継続的なプロセスです。
以下のステップに沿って、体系的に管理を行うことが求められます。
①委託先の洗い出し
個人情報を取り扱う可能性のある委託先をすべて把握する
②評価・選定
セキュリティ体制や個人情報保護の取り組みを評価し、適切な委託先を選定する
③契約締結
NDA(秘密保持契約)や委託契約を締結し、個人情報の取り扱いに関する条件を明記する
④監督・監査
業務遂行中に契約内容が遵守されているかを定期的にチェックする
⑤是正・見直し
問題が発生した場合や契約更新時に、管理体制や契約内容を見直す
委託先管理は、Pマーク取得において「形式的な対応」ではなく、「実効性のある運用」が求められる領域です。1章で述べた通り、委託先の不適切な取り扱いは自社の責任に直結します。だからこそ、委託先管理はPマークの根幹を支える重要な要素なのです。
3.委託先管理を簡単にする3つの方法
Pマーク取得において委託先管理は非常に重要なテーマです。しかし、実際の現場では「委託先が多すぎて管理が大変」「評価シートの作成や回収が負担」といった声も少なくありません。ここでは、実務の負担を軽減しながら、効率的かつ確実に委託先管理を行うための3つの方法をご紹介します。
(1)【方法1】 チェック項目を最小限に絞る
委託先評価シートやチェックリストを作成する際、項目が多すぎると実務が回らなくなります。Pマークの要求事項に沿って、自社の業務内容に応じた「最低限かつ網羅的な項目」に絞ることで、管理の効率が大幅に向上します。以下の内容をチェックリスト化し、委託先に記入・提出してもらうだけで、必要な情報を効率的に収集できます。
| 最低限チェックすべき項目 | 内容 |
| 秘密保持契約(NDA)の有無 | 契約書に明記されているか |
| 個人情報の持ち出しルール | USBや紙媒体の持ち出し制限 |
| 情報漏洩時の報告体制 | 緊急連絡先や報告フローの整備 |
| 業務終了後の情報処理 | 個人情報の返却・消去方法 |
| セキュリティ体制 | 施錠・入退室管理の有無 |
| 管理責任者の設置 | 個人情報管理責任者が明確か |
| 過去の事故履歴 | 情報漏洩などの有無 |
(2)【方法2】 委託先とのスムーズなコミュニケーション術
委託先との関係は、単なる監督ではなく「協力関係の構築」が鍵です。評価シートの提出を依頼する際も、相手の負担を軽減する工夫が必要です。
【効率的なコミュニケーションのポイント】
- 目的の共有
- 「Pマーク運用上、必要な確認である」と事前に説明する
- 回答期限の明示
- いつまでに提出してほしいかを明確に伝える
- 回答方法の工夫
- オンラインフォームなど、簡便な手段を用意する
- 定期的なミーティング
- 月1回など、進捗や懸念点を共有する場を設ける
- 感謝の気持ちを伝える
- 協力してくれた委託先には、感謝を言葉で伝える
こうした配慮により、委託先の理解と協力を得やすくなり、管理体制の質も向上します。
(3)【方法3】 基準未達時の特例設定と柔軟な対応策
すべての委託先が理想的なセキュリティ体制を整えているとは限りません。特に中小企業や個人事業主などは、Pマークの基準を満たせないケースもあります。そうした場合でも、一律に「NG」とせず、柔軟な対応を検討することで、ビジネスチャンスを逃さず、かつPマークの要求事項も満たすことが可能です。
以下のような対応により、委託先との関係を維持しながら、Pマークの審査にも対応できる体制を構築できます。
| 状況 | 柔軟な対応策 |
| セキュリティポリシーが未整備 | 改善計画の提出(例:1ヶ月以内に策定) |
| 物理的セキュリティが不十分 | 個人情報の取り扱いを特定部署に限定 |
| 管理体制が不完全 | 追加の誓約書を取得、自社側で補完的管理 |
委託先管理は「厳格さ」と「柔軟さ」のバランスが重要です。実務負担を減らしつつ、確実な管理を実現するために、上記の3つの方法をぜひ活用してください。
4.委託先管理の実務ステップ
ここでは、委託先管理を実務レベルでどのように進めていくか、具体的なステップに沿って解説します。
(1) ステップ①:委託先の洗い出しと評価表の作成
まずは、自社がどの業務を誰に委託しているかを明確にすることから始めます。個人情報を取り扱う可能性のある委託先をすべて洗い出し、以下の項目を含む「委託先管理台帳」を作成しましょう。
【委託先管理台帳の項目例】
- 委託先名
- 委託業務の内容
- 取り扱う個人情報の種類・件数(氏名、住所、電話番号など)
- 契約開始日・終了日
- 担当者名
次に、委託先ごとに評価を行うための「委託先評価表」を作成します。これはPマーク審査で提出を求められる重要書類です。
(2) ステップ②:評価基準の設定と実施
委託先評価表には、最低限チェックすべき項目を盛り込みます。評価形式は「はい/いいえ」の二択や、1〜5点の点数制など、自社の管理しやすい方法で設定しましょう。
【委託先評価表:例】
| 評価項目 | 評価基準 | 評価形式 |
| NDAの締結 | 秘密保持契約を締結しているか | はい/いいえ |
| アクセス制御 | 個人情報を取り扱う担当者が限定されているか | はい/いいえ |
| 廃棄方法 | 業務終了後、個人情報が適切に廃棄されるか | はい/いいえ |
| 物理的セキュリティ | 入退室管理、施錠状況 | 点数制(1〜5点) |
| 技術的セキュリティ | アクセス権限管理、ウイルス対策 | 点数制(1〜5点) |
| 管理体制 | 責任者の設置、教育の実施 | 点数制(1〜5点) |
委託先評価表はGoogleスプレッドシートなどで作成し、委託先に記入・提出を依頼することで効率的に情報を収集できます。
(3) ステップ③:契約締結(NDAなど)と文書化・記録の残し方
評価の結果、問題がなければ正式な契約を締結します。通常の業務契約書とは別に、以下の内容を盛り込んだ「個人情報の取り扱いに関する覚書」や「NDA(秘密保持契約書)」を交わすことが重要です。
【契約書に盛り込むべき内容】
- 個人情報の利用目的の特定
- 安全管理措置に関する事項
- 再委託の際の事前承諾
- 情報漏洩事故時の報告義務と責任範囲
契約書・評価表・委託先台帳はすべて記録として保管し、Pマーク審査時にすぐ提示できるようにしておきましょう。これらの文書は、適切な委託先管理体制が構築されていることの証明となります。
委託先管理は、単なる形式的な作業ではなく、継続的かつ実効性のある運用が求められます。本章で紹介したステップを踏むことで、Pマーク取得に向けた委託先管理が確実に進められるはずです。
5.Pマーク審査で見られる委託先管理のポイント
審査では、委託先に対する監督義務が適切に果たされているかどうかが、書類と運用の両面から厳しくチェックされます。本章では、審査員が注目する書類と、見落とされがちなチェック項目について解説します。
(1)審査員が確認する書類とは
Pマーク審査では、以下の書類が整備されているかが重点的に確認されます。これらが不備の場合、「委託先への監督義務を果たしていない」と判断され、審査に通過できない可能性があります。
【審査で確認される書類】
| 書類名 | 審査での確認ポイント |
| 委託先管理台帳 | 委託先が網羅されているか、最新状態か |
| 委託先評価表 | 評価基準が明確か、全委託先に評価が実施されているか |
| NDA・委託契約書 | 個人情報の取扱い、再委託制限、事故時の報告義務などが盛り込まれているか |
| 定期的な見直し記録 | 監査報告書など、継続的な管理が行われているか |
これらの書類は、審査員から提出を求められることが多いため、常に整備・保管しておくようにしましょう。
(2)見落とされやすいチェック項目
委託先管理において、以下のような項目は多くの事業者が見落としがちですが、審査では特に注目されるポイントです。これらの項目は、審査員から直接質問されることもあるため、事前に確認・対応しておくことが不可欠です。
【見落としやすい項目】
| チェック項目 | 審査での懸念点 |
| 業務完了後の個人情報の廃棄 | 契約通りに返却・消去されているか |
| 再委託の監督体制 | 委託先がさらに別の事業者に再委託していないか、している場合は監督が及んでいるか |
| クラウドサービスの利用 | SaaSやクラウド事業者が個人情報保護に十分配慮しているか |
| 放置された委託先 | 一度契約したまま、定期的な評価や見直しが行われていない委託先がないか |
委託先管理は、書類の整備だけでなく、実務運用の継続性と実効性が問われます。Pマーク審査をスムーズに通過するためには、形式的な管理ではなく、実態に即した監督体制の構築が求められます。本章のポイントを踏まえ、万全の準備を整えましょう。
6.委託先を見直すタイミング
委託先管理はPマーク取得・維持において継続的な取り組みが求められます。委託先との契約や評価は「一度やれば終わり」ではなく、状況に応じて定期的に見直すことが重要です。本章では、委託先を見直すべき代表的な3つのタイミングについて解説します。
【見直しタイミングと対応内容】
| タイミング | 見直しの目的 | 推奨される対応 |
| 契約更新時・ 新規取引開始時 | 委託先の体制や自社の要求事項が変化している可能性があるため | 再評価表の提出依頼、 契約内容の再確認・更新 |
| トラブルや事故発生時 | 情報漏洩などのインシデント対応と再発防止 | 原因究明、改善要求、 必要に応じて契約解除の検討 |
定期的な再評価 (例:年1回) | リスクの早期発見と継続的な管理体制の維持 | 評価表の再提出、 監査記録の更新、台帳の見直し |
【補足ポイント】
- 契約更新時・新規取引開始時には、委託先の体制が変わっている可能性があるため、過去の評価をそのまま流用せず、必ず再評価を行いましょう。
- トラブルや事故発生時には、迅速な対応が求められます。再評価だけでなく、契約内容の見直しや再発防止策の策定も重要です。
- 定期的な再評価は、契約更新のタイミングに限らず、年に一度などのサイクルで実施することで、予期せぬリスクを未然に防ぐことができます。
委託先管理は「継続的な改善」が鍵です。これらのタイミングを逃さず、定期的な見直しを行うことで、Pマークの審査にも対応できる強固な管理体制を維持することができます。
7.特殊ケースへの対応
委託先管理においては、通常の業務委託だけでなく、再委託やクラウドサービスの利用といった特殊なケースにも対応する必要があります。これらはPマーク審査でも重点的に確認されるため、事前に適切な管理体制を整えておきましょう。
(1)再委託が発生した場合の注意点
委託先がさらに別の事業者に業務を任せることを「再委託」と呼びます。この場合、委託元は再委託先に対しても監督義務を負うことになります。再委託を放置すると、情報漏洩などのリスクが拡大し、Pマークの審査で不適合とされる可能性があります。
| 対応項目 | 内容 |
| 事前承諾の義務付け | 委託契約に「再委託には委託元の事前承諾が必要」と明記する |
| 再委託先の評価 | 委託元が再委託先にも直接評価を行い、安全管理体制を確認する |
| 同等の管理体制の確認 | 再委託先が委託先と同等のセキュリティ・管理体制を整えているか確認する |
(2)クラウド・SaaS利用時のリスクと対応策
近年、クラウドサービスやSaaS(Software as a Service)の利用が一般化していますが、これらも個人情報を取り扱う場合は「委託先」とみなされます。特に国外のデータセンターを利用する場合は、越境移転リスクやセキュリティの不透明性が懸念されます。
| リスク | 対応策 |
| データの保管場所が国外 | 契約書で「データの取扱い場所・範囲」を明確にし、国外移転の有無を確認する |
| セキュリティ体制が不明瞭 | プライバシーポリシーやセキュリティポリシーの公開状況を確認し、ISO27001やSOC2などの第三者認証の有無をチェックする |
| サービス利用終了後のデータ消去 | 解約後にデータが確実に消去されるか、サービス提供元の規約を確認する |
| 利用状況の把握 | ログ監査や定期的な利用状況の確認を行い、継続的な管理を実施する |
特殊ケースへの対応は、委託先管理の中でも見落とされがちな領域です。しかし、これらの対応が不十分だと、Pマークの審査で重大な指摘を受ける可能性があります。再委託やクラウド利用の実態を把握し、契約・評価・監督の体制を整えることで、リスクを最小限に抑えましょう。
8.まとめ
本記事では「Pマーク取得における委託先管理」をテーマに解説しました。
要点をまとめておきましょう。
委託先管理の重要性について、以下を解説しました。
- 委託先が個人情報を不適切に扱った場合でも、責任は委託元に及ぶため、管理体制の構築が不可欠
- 委託先管理は契約だけでなく、選定・評価・監督・見直しまで含む継続的なプロセスである
委託と提供の違いについて、以下を解説しました。
- 委託は業務代行であり、個人情報の所有権は委託元に残る
- 提供は目的外利用であり、所有権が提供先に移る
- この違いを誤ると、審査で不適合となるリスクがある
委託先管理の実務ステップについて、以下を解説しました。
- 委託先台帳・評価表の作成から契約締結・文書保管までを体系的に進める
- 評価は点数制やチェックリスト形式で効率化し、Googleスプレッドシートなどの活用も有効
委託先管理を簡単にする方法について、以下を解説しました。
- チェック項目を最小限に絞ることで実務負担を軽減
- 委託先との信頼関係を築くコミュニケーションが鍵
- 基準未達時には柔軟な対応策を講じることで、ビジネス機会を守りながら管理水準を維持
委託先を見直すタイミングについて、以下を解説しました。
- 契約更新時・新規取引開始時には必ず再評価を行う
- トラブル発生時は即座に体制を見直し、必要に応じて契約解除も検討
- 年1回などの定期的な再評価で、リスクを未然に防ぐ
Pマーク審査で見られるポイントについて、以下を解説しました。
- 委託先台帳、評価表、契約書、監査記録などの書類整備が必須
- 廃棄方法、再委託、クラウド利用などの見落としがちな項目も審査対象となる
特殊ケースへの対応について、以下を解説しました。
- 再委託には事前承諾と再委託先の評価が必要
- クラウド・SaaS利用時は、データ保管場所、セキュリティ認証、契約内容の明確化が重要
本コラムを参考に、委託先管理の全体像と実務対応のポイントを把握し、Pマーク取得・維持に向けて、確実な体制構築を進めていただければ幸いです。
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