2026年7月17日

個人情報の定義は、生存する個人に関する情報であって、他の情報と照合することによって特定の個人を識別できるものとされています。具体的には氏名、生年月日、住所や電話番号、メールアドレス、顔写真、指紋、遺伝子情報などが該当します。
「個人情報には何が該当するの?」
「扱う上で大切なことは?」
このような疑問を持っている方も少なくないかもしれません。
そして、SNSが普及し続けている現代において、個人情報を守ることは自分の人生を守ることにもつながります。
なぜなら、情報が漏洩すると犯罪や金銭的な大きな被害を受けたり、精神的苦痛を感じたりする可能性があるからです。さらに、 一度漏れると完全に消去できません。
ここでは、個人情報保護法違反の事例やヒヤリハット事例とともに、個人情報を守ることの大切さを解説していきます。
本コラムを読み終えていただければ、個人情報の大枠をつかみ、漏洩を避けるための行動をとることができるようになるでしょう。
1.個人情報の概要
個人情報とは、生存する個人に関する情報で、単体または他の情報と容易に照合することで特定の個人を識別できる情報です。
マイナンバー、パスポート番号、指紋データなどの「個人識別符号」も含まれ、個人情報保護法で保護されています。
(1)個人情報に該当する具体例
- 氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス
- 顔写真、指紋、音声データ
- マイナンバー、基礎年金番号
(2)要配慮個人情報
要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いを特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報のことです。
氏名、住所、生年月日等の情報は、基本情報に分類されるため、要配慮個人情報には該当しません。
2.個人情報保護法
個人情報の適切な取扱いと保護を目的とし、企業が氏名や生年月日等の情報を収集・利用・管理する際のルールを定めた法律です。
(1)個人情報保護法の目的
個人情報保護法の目的は、個人の権利と利益の保護、情報の有用な活用にあります。
個人情報が本人の意図しない形で流出したり、悪用されたりすることで、プライバシーが侵害されたり、差別や詐欺などの不利益を被ったりすることを防ぎます。
「自分の情報は自分でコントロールできる」状態を法的に保障する側面があります。
一方で、情報を過剰に保護しすぎて全く使えなくなると、便利なサービスの開発や社会の進歩が止まってしまいます。
一定のルールの下で適切にデータを流通させることで、新たなビジネスの創出や社会課題の解決に役立てることも、この法律の重要な目的です。
(2)違反した際の罰則
| 違反内容 | 個人への罰則 | 法人への罰則(罰金) |
| 委員会の命令に違反 | 1年以下の拘禁刑 または 100万円以下の罰金 | 最大 1億円 |
| 不正な利益目的での提供・盗用 | 1年以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金 | 最大 1億円 |
| 委員会への虚偽報告など | 50万円以下の罰金 | 50万円以下の罰金 |
これらの刑事上の罰則に加えて、民事上の損害賠償責任が発生することもあり、個人情報の漏えいは経営に大きな影響を与えることになるでしょう。
(3)社会的信用を失うリスク
個人情報の漏えいといった個人情報保護法の違反行為は、企業の社会的信用を失うことにつながります。
企業イメージが下がってしまうと、顧客からの信頼を失い、利用控えや契約解除の可能性があります。
例え直接的な業績悪化につながらなくとも、株価の下落によって資金調達が困難になったり退職者が増加したりすることで経営が厳しくなる恐れもあります。
3.個人情報保護法の違反事例

個人情報の漏えいを防止するためにも、具体的な違反事例からどのようなリスクが潜んでいるかを把握しておきましょう。
(1)従業員による個人情報の不正持ち出し
大手通信会社の子会社から約900万件の個人情報が流出し、個人情報保護委員会は子会社2社に対し、情報管理体制の不備等による個人情報保護法違反があったとして是正勧告を出しました。
取引先の企業や自治体等が取り扱っている個人データ約900万件を元派遣社員の男が不正に持ち出し、漏えいしたとされています。
個人情報の流出被害に遭った企業や自治体が、大手通信会社側に対して損害賠償請求に踏み切ることも予想されます。
(2)従業員による社外への個人情報の流出
教育事業を行う大手企業の関連会社で働いていた派遣社員が約4,800万人分の個人情報を不正に入手し、社外へ売却していた事例もあります。
この顧客情報流出事件をめぐり、東京地方裁判所は同社や関連会社に対し、被害にあった顧客ら約5,700人に1人当たり3,300円、総額約1,300万円の賠償を命じました。
4.個人情報違反に繋がるヒヤリハット事例
個人情報の漏えいを防ぐためには、個人情報保護法の違反につながりかねない具体的な事例を把握したうえで、適切な対策を立てることが大切です。
ここで、個人情報違反に繋がるヒヤリハットの事例を紹介します。
「会社の営業部に、従業員の親を名乗る者から電話があり、至急子供(従業員)と 連絡を取りたいので、携帯電話番号を教えてほしいと言われた。従業員が営業で外出中であったため、携帯電話番号を教えてしまいそうになった。 」
(1)本人の同意は必須
人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を 得ることが困難であるときなど第三者提供制限の例外事由に該当する場合を除き、 個人データを第三者に提供する場合には、あらかじめ本人の同意が必要です。
(2)会社から本人への連絡をする
社会通念上、やむを得ないと思われる場合や本人の家族・親族等からの照会であっても、個人データを第三者に提供する場合には、あらかじめ本人の同意が必要であることから、まずは会社から従業員に連絡をするなどの対応が望ましいと考えら れます。
(3)事前に同意を得る
個人データの第三者提供に当たっては、必ずしも第三者提供のたびに同意を得なければならないわけではありません。例えば、個人情報の取得時に、その時点で予測される個人データの第三者提供について、包括的に同意を得ておくことも可能です。
5.まとめ
最後にまとめとして、個人情報に関する事項を振り返ります。
- 個人情報には、氏名や電話番号が該当し、要配慮個人情報には、病気や犯罪経歴が該当する
- 個人情報保護法の目的は、個人の権利と利益の保護、情報の有用な活用にある
- 個人情報保護法に違反した場合は、罰金がある
個人情報の漏洩は、決して私たちが無関係な話ではなく、生活していれば誰でも加害者・被害者になってしまう大きな問題です。その後の人生に大きな影響を与えないためにも、注意を怠らずにいきましょう。
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