ISOロゴマークの使用方法│登録マークの入れ方と禁止例
2026年11月4日

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国際標準化機構(ISO)のロゴは、認証を受けた会社でも使えません。会社が使えるのは、審査をした認証機関が渡す「登録マーク」と、その認証機関を認めた認定機関の「認定シンボル」です。検索でISOロゴマークと呼ばれているものは、実際にはこの2種類のマークを指しています。
使い方の規則は認証機関ごとに文書があります。一般財団法人日本品質保証機構(JQA)、日本規格協会ソリューションズ株式会社(JSA)、LRQAリミテッド(LRQA)、DQSの4つの認証機関の公開文書と、公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)の規則を読み比べると、要点は次のとおりです。
- ISOロゴは使えない。使うのは登録マークと認定シンボルで、認定シンボルは登録マークと並べたときだけ使える
- 名刺やWebサイトには登録範囲が分かる形で入れる。名刺に入れられるのは登録範囲で働く人に限られる
- 製品と製品の包装には付けられない。社用車や建物への表示は認証機関によって可否が分かれる
1.ISOのロゴは認証を受けた会社でも使えない

ISOのロゴと略称「ISO」は、ISOが100か国以上で登録している商標です。使えるのはISO、ISO会員、ISOの専門委員会だけで、それ以外は原則として使えないとISO自身が公式サイトで示しています。会社を認証しているのはISOではなく審査機関です。そのため、認証を受けた会社であってもISOのロゴを使うことはできません。
ISOは会員以外に向けて使い方の指針を示しており、特にマークや表示を行いたい企業は、次の3点に留意する必要があります。
- ロゴを使ったり複製したりしないこと
- ISOに認証されたと言わないこと
- 規格は「ISO9001:2015」のように発行年まで含めた番号で書くこと
名刺や会社案内で見かけるマークは、会社を審査した認証機関が交付する登録マークです。認証機関とは、会社のマネジメントシステムを審査して登録証を出す機関のことです。ISOという規格そのものの説明はISOとはで扱っています。
2.会社が使えるマークは登録マークと認定シンボルの2種類
認証を受けた会社が使えるマークは、認証機関の登録マークと、認定機関の認定シンボルの2種類です。認定機関とは、認証機関が審査を正しく行えるかを審査して認める機関で、日本ではJABなどがあります。
(1)登録マークは規格名と登録番号を添えて使う
登録マークは、その会社が認証機関の認証を受けていることを示すマークです。JSAの登録ロゴマークは、ロゴマークの部分、適用規格、登録番号の3つでできていて、ロゴマークの部分だけを表示することは禁じられています。
JQAも、登録マークの下部に登録番号を必ず書くよう定めています。デザインや縦横の比率は変えられません。JQAは登録マークの使用料は無いとしています。DQSは登録番号を添えることを推奨にとどめ、規格名をマークのすぐ近くに示すことを求めています。添えるものは認証機関ごとに違うため、自社の認証機関の文書で確かめます。
(2)認定シンボルは登録マークの近くに置いたときだけ使える
認定シンボルは、認定機関が認証機関に交付するシンボルです。JABの規則は認証機関に対して、認定シンボルを機関のマークの近くに置き、組み合わせて使うよう定めています。JABの規則によれば、認証機関はこの規則に沿った方針のもとで、認証した会社に認定シンボルを使わせることができます。
JQAとJSAの文書は、どちらも認定シンボルを単独で使うことを禁じています。JSAは、登録ロゴマークとほぼ同じ大きさで並べるよう求めています。一方でDQSは、認定シンボルは通常は認証機関だけが使うもので、登録証を持つ会社は条件を満たした場合に使えると説明しています。JQAとDQSの文書では、使える認定シンボルは自社の登録証に載っているものに限られます。
(3)IAF MLAマークは登録組織には使えない
IAF MLAマークは、国際認定フォーラム(IAF)の国際相互承認協定を示すマークです。JABの規則は認証機関に対して、「顧客にIAF MLAマークを使用させてはならない」と定めています。JQAの文書も、登録組織はIAFマークを使えないと明記しています。JSAは、登録証に表示されたIAF MLAマークを名刺やホームページ等に使えないとしています。
IAFは2026年1月1日に活動を終え、Global ACI(Global Accreditation Cooperation Incorporated)に引き継がれました。Global ACIのMRAマークも、使えるのは認定機関と認定を受けた機関です。日本の認証機関が新しいマークにいつ切り替えるかは、2026年10月15日の時点では確認できていません。
3.登録番号の入ったマークがあれば取引先は認証の範囲を確かめられる
登録マークは、認証を受けた事実を社外に公表するためのものです。登録番号が付いていれば、マークを見た取引先が認証機関や認定機関のサイトで、登録の範囲と有効性を確かめられます。
(1)取引先は登録番号から登録範囲を調べられる
JQAの文書には、登録番号をもとにJQAのWebサイトで登録範囲を確認できると書かれています。JABのサイトにも、認証規格とキーワードでJAB認定の認証組織を探せる検索があります。

IAF CertSearchは、認定を受けた証明書の公式データベースです。会社名や証明書の情報で検索でき、世界の2,500を超える認証機関・認定機関からデータを受けていると説明しています(2026年10月15日確認)。番号の無いマークや、登録範囲の外で使われたマークは、取引先が調べたときに登録内容と食い違って見えます。認証の期限についてはISO認証の有効期限で説明しています。
(2)誤った使い方を直さないと登録の一時停止や取消しにつながる
JQAは、定期審査や更新審査のときにマークの使用状況を確かめると定めています。誤った使い方には修正を求め、修正されない場合や故意の場合は、期限を定めて登録を一時停止し、期限までに解消しなければ登録を取り消します。
JSAも、不適切な公表に対して是正の要請、登録の一時停止、取消し、違反の公表を行うとしています。LRQAの文書にも、注意しても対策が取られない場合は認証が取り下げとなることがあると書かれています。
4.名刺とWebサイトには登録範囲が分かる形でマークを入れる
JQAとJSAの文書は、名刺とWebサイトをマークを入れてよい媒体に挙げています。条件は、どの組織のどの業務が認証の対象かが、見た人に分かることです。
(1)名刺に入れられるのは登録範囲で働く人に限られる
JSAは、登録範囲の職員の名刺であることを条件にしています。登録範囲に含まれない職員の名刺には表示できません。経営者と役員は、登録範囲の組織に指示を出せる立場にあり、誤解されない表示ができる場合に限って例外とされています。
JQAとDQSの文書でも、JABの認定シンボルを名刺に使えるのは登録範囲の業務に従事する人だけです。JQAは、情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)の認定シンボルにも同じ条件を付けています。ISMS特有のルールについてはISMSの認証マークの上手な使い方にまとめています。
(2)一部の事業所だけの認証なら登録範囲を書き添える
一部の工場や支店だけが認証を受けている場合は、マークの近くに登録範囲や登録事業所を書きます。JSAは、組織全体で登録している場合に限ってこの記載を省略できるとしています。
JQAも、登録範囲外の組織や製品が載る印刷物では、登録番号に加えて登録範囲が分かるように書くよう求めています。JSAは名刺の裏面に範囲外の事業所を載せる場合も、登録範囲が分かるようにするよう示しています。
(3)マークのデータは認証機関から受け取ったものを使う
印刷やWebサイトに使うデータは、認証機関が提供する電子データを使います。JQAは、登録証などの印刷物から電子データを作らないよう求めています。JQAの電子データを申し込めるのは登録組織だけで、マークを第三者に譲ったり貸したりすることもできません。
大きさを変えるときは比率を変えず、マークの中の文字が読める大きさにします(JQA・LRQA)。JQAは、名刺やカタログのデザイン案を事前に書面で出せば、内容を確認して回答するとしています。
(4)登録証の画像は文字が読める大きさで載せる
JQAは、登録証を印刷物やWebサイトに載せることを認めています。条件は、書かれた文字が読める大きさにすることと、最新版を使うことです。JSAは、社内に掲示するために精巧な複製を作るときは「写し」と書くよう求めています。
5.製品と包装と報告書にはマークを付けられない
【よくあるご相談】
「自社製品のパッケージや製品カタログにISO認証の登録マークを表示してアピールしたい」というご相談をよくいただきます。
しかし、マネジメントシステム認証(ISO 9001やISO 14001など)のマークを製品自体や個別包装、製品の単独カタログに表示することは、製品そのものが品質保証や安全認証を受けたかのような誤解を招くため禁じられています。
【お勧めの代替表現】
マークの代わりに、文章で「組織のマネジメントシステムが認証されていること」を明確に示すテキスト表現を記載します。
- 「当社の〇〇工場は、品質マネジメントシステムに関する国際規格『ISO 9001:2015』の認証を取得しています。(登録番号: XXXX)」
- 「本製品は、環境マネジメントシステム規格『ISO 14001:2015』の認証を取得した工場で製造されています。」
このように、認証対象が「製品」ではなく「製造体制や工場・組織」であることを具体的に明記することで、ルールを遵守しながら取引先や顧客へアピールできます。
マネジメントシステムの認証は、会社の業務の進め方を審査したもので、製品そのものを審査したものではありません。そのため製品に付けると、製品が認証を受けたと受け取られます。
(1)製品や個別包装に付けると製品の認証と誤解される
この記事で確認したJQA、JSA、LRQA、DQSの4つの認証機関の文書は、いずれも製品または製品の包装へのマーク表示を禁止しています。JQAは、製品認証との誤解を招くことを理由に挙げています。JABの規則も、IAF MLAマークと認定シンボルを組み合わせた複合マークを製品に使ってはならないと定めています。
(2)試験報告書や見積書に付けられない認証機関もある
JSAは、試験・校正・検査の報告書、出版物、図面、色見本、見積書、提案書、製品保証書、人材派遣業での要員の履歴書を、マークを表示できないものに挙げています。DQSも、検査や校正の報告書と見積書には使わないとしています。
同じ書類でも、認証機関によって扱いが違います。JQAは保証書と取扱説明書について、「この登録マークは製品またはサービスを保証するものではありません。」という注釈を付けて表示する例を示しています。校正証明書と試験成績書には、JQAでも表示できません。
(3)輸送用の大箱は注釈を付ければ表示できる認証機関がある
JQAは、最終ユーザーの手に渡らない輸送用の梱包箱に限り、注釈を付けて登録マークを表示できるとしています。注釈の例は「この製品は、ISO9001の認証を取得した工場で製造されています。」です。
JSAも、ダンボール製の大箱外装には、注釈を付ければ例外として表示できるとしています。どちらの文書でも、ISO22000などの食品安全の規格はこの例外から外れています。
6.社用車や建物への表示は認証機関によって可否が分かれる
社用車にマークを付けてよいかは、認証機関と、一緒に使う認定シンボルの組み合わせで答えが変わります。

| 認証機関とマーク | 社用車・車両 | 建物・看板 |
|---|---|---|
| JQA | 文書に記載なし(UKAS認定シンボルは不可) | 看板は表示例あり |
| JSA | 不可(文章での表示は可) | 文書に記載なし |
| LRQA(自社マーク単独) | 可 | 可(建物・旗) |
| LRQA(UKASマークと併用) | 不可 | 不可(建物・旗) |
| DQS | 可(車体) | 文書に記載なし(展示スタンドは可) |
JSAは車両へのマーク表示を認めていません。代わりに「ISO 14001:2015 認証取得」と認証機関名、登録番号、登録範囲を文章で書く表示例を示しています。
LRQAは、自社の認証マークだけなら建物、旗、車両に使えるとしています。英国の認定機関UKASのマークと組み合わせる場合は、これらに使えません。
JQAも、UKAS認定シンボルを車両、建物の外側、旗に表示できないとしています。建物の内側の壁、ドア、展示スタンドには表示できます。
表で「文書に記載なし」とした項目は、読んだ文書に言及が無かったという意味で、表示してよいという意味ではありません。社用車や看板に入れる前に、自社の認証機関の文書で確かめましょう。
7.マークを使わなくても文章で認証取得を伝えられる
マークを使えない部署や媒体でも、認証を受けた事実は文章で公表できます。JQAとJSAの文書は、どちらも文章での公表を認めています。
JSAは「ISO14001:2015 認証取得」のような表現を例に挙げ、規格番号全体を書くよう推奨しています。ISOも、規格は発行年まで含めた番号で書くよう求めています。
製品の包装や取扱説明書に文章で書く場合、JQAは登録組織名、マネジメントシステムの種類と規格、認証機関名または登録番号を入れるよう求めています。製品が認証を受けたと読める書き方はできず、認証マークに見える独自の図柄も使えません。
【よくある誤りの具体例】
審査や外部からの問い合わせで特に見つかりやすい表記の誤りには、次のようなものがあります。自社の名刺や会社案内、Webサイトに同様の例がないか確認してみましょう。
(1)「ISO認定」という表現を使っている
- 誤り
- 「当社はISO9001の認定を受けています」「ISO認定企業」
- 理由
- ISO(国際標準化機構)は規格の制定機関であり、直接企業の審査や認証を行うことはありません。正しくは「ISO9001の認証を取得しています」「審査登録されています」となります。
(2)登録マークのロゴ部だけで表示している
- 誤り
- 認証機関のロゴマークだけがポツンと載っており、下部に必要な規格名や登録番号が添えられていない。
- 理由
- 多くの認証機関の規則で、ロゴマーク単体の使用は禁じられています。必ず規格名や登録番号をセットで記載する必要があります。
(3)登録範囲外の社員が名刺にマークを入れている
- 誤り
- 認証の対象となっていない支店や、登録範囲外の業務に従事する社員の名刺に登録マークが印刷されている。
- 理由
- 名刺へのマーク表示は、登録範囲内で実際にその業務に従事している人に限られます。
(4)古い認証マークや旧規格の番号をそのまま使っている
- 誤り
- 期限が切れた旧規格の表記(例: ISO9001:2008 など)が残っている、または改訂前のデザインのままになっている。
- 理由
- 規格の改訂や認証更新に伴い、表示も最新のものに差し替える必要があります。
8.マークの表示は4つの作業で見直せる
名刺、Webサイト、会社案内、社用車の表示は、次の順に見直せます。

- 自社の認証機関から、登録組織向けのマーク使用規則の最新版を取り寄せる。認証機関の違いはISO9001認証機関の選び方でも扱っています
- 登録証と付属書の登録範囲・登録事業所を、名刺、Webサイト、会社案内、社用車の表示と1つずつ照らす
- 判断がつかない表示は、デザイン案を認証機関に出して確認を受ける。JQAは事前確認に応じるとし、JSAも判断できない場合は書面等で確認するよう求めている
- 登録範囲の縮小、一時停止、取消し、有効期限の満了があったときに外す表示物を、あらかじめ一覧にしておく
【社内用】ISOマーク表示物 管理一覧表(様式例:規格 ISO9001の場合)
| 管理番号 | 表示物の種類 | 設置場所・使用媒体 / 管理部署 | 表示内容(マーク・規格・登録番号等) | 対象のISO9001認証範囲 | 変更・失効・取消時の対応 | 担当者 / 最終確認日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| M-01 | 名刺(対象部門所属社員) | 営業部・品質保証部 / 総務部 | 登録マーク+「ISO9001:2015」+登録番号(※スペース制限のため認定シンボルは省略) | 本社・第1工場(※ISO14001専任部門・第2工場は除外) | 印刷版下の修正・旧名刺の回収および廃棄 | 〇〇 / 2026-10-01 |
| M-02 | コーポレートサイト | 会社概要ページ・フッター / WEBチーム | 登録マーク+認定シンボル+「ISO9001:2015」+登録番号+対象拠点テキスト | 第1工場・品質保証部(※全社取得と誤解されないよう認証範囲を明記) | WEB画像・テキスト表記の修正・削除 | 〇〇 / 2026-10-05 |
| M-03 | 会社案内パンフレット | 総合会社案内 沿革ページ / 営業推進部 | 登録マーク+「ISO9001:2015」+注釈テキスト「当社の第1工場は品質規格ISO9001の認証を受けています」 | 第1工場(※未取得の第2工場製品カタログへの表示は不可) | 旧版の配布停止・回収廃棄・改訂版印刷 | 〇〇 / 2026-09-20 |
| M-04 | 社用車(営業車) | 車体側面表示 / 運行管理課 | テキスト表記のみ「ISO9001:2015 認証取得(第1工場)」※マーク使用不可の規約に準拠 | 第1工場配属車両 | カッティングシート・ステッカーの剥離 | 〇〇 / 2026-08-15 |
| M-05 | 輸送用梱包外箱 | 外箱印刷 / 第1工場物流部 | 登録マーク+注釈文章「この製品はISO9001認証工場で製造されています」 | 第1工場製造製品のみ(※個別製品パッケージや製品本体への表示は禁止) | 印刷版の差し替え・旧資材の廃棄 | 〇〇 / 2026-10-10 |
管理番号の「M」はMedia(媒体)やMark(マーク)を意味し、社内でISO9001のマークや認証表記を使用している媒体・表示物をあらかじめ一元管理するために付与しています。特に複数の工場や部門を擁する企業で、拠点や規格ごとに認証範囲が異なる場合や、媒体ごとの表示規約(スペース制限による認定シンボルの有無、車体や外箱での注釈要否など)に対応するため、このように詳細に記録しておくことが不可欠です。これにより、規格の改訂や認証範囲の変更、万が一の登録一時停止や失効時にも、対象の表示物を迅速に特定して修正・撤去が行えます。
4つ目の内容は、JQAやDQSのルールに対応するためのものです。どちらも、認証の取り消しや有効期限切れの後は、マークの使用をすぐにやめてデータを消すよう求めています。普段からどの媒体にマークを使っているかを把握しておけば、使えなくなった日にも焦って対象を探さずに済みます。
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