2023年11月7日

ISO規格は、製品やサービスの品質を確保し、国際的な取引をスムーズに進めるための重要な制度です。組織がISO規格に準拠したマネジメントシステムを運用することで、その信頼性を証明することができます。
1.ISOとは?
ISOとは、International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称で、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関のことを指します。
ISOは1947年に設立され、2021年現在で165か国の国と地域が加盟しています。
(1) ISOの目的とは
ISOは、「物質及びサービスの国際交換を容易にし、知的、科学的技術的及び経済的活動分野の協力を助長させるために世界的な標準化、その関連活動の発展開発を図ること」を目的に発足しました。
つまり、様々な製品やサービスに対して世界共通の基準を定めることで、国際的な取引をスムーズにしよう!ということです。
ISOの考えや取り組みが浸透するまでは、各国ごとの独自の基準があったため、その解釈や品質の違いにより、国際間の取引の障害となっていました。
ISOにより、製品やサービスの品質、安全性、信頼性が確保され、消費者の利益が保護されるようになりました。
(2) ISO規格とは
ISO規格とは、ISOが制定する国際標準のことを指します。「国際規格」や「標準」というと少し難しく聞こえますが、簡単に言うと「モノサシ」のようなものです。
これには、製品の寸法や性能などを定めた「品物」の規格と、組織のマネジメントシステムを評価する「マネジメントシステム」の規格があります。
例えば、「品物」の規格の1つである「ネジ」の規格では、その形状や大きさ、強度などが定められており、製品の互換性を保障します。
一方、マネジメントシステムの規格は、組織の「仕組み」にフォーカスしており、品質管理といった、組織が商品やサービスを作るときのルールを決めて、そのルール通りにきちんと作られているかをチェックするための規格等があります。
(3) ISOの種類っていくつあるの?
ISOは、様々な分野で20,000以上の規格を策定しています。これらは、製品やサービスの品質、環境、エネルギー、食品安全、情報セキュリティなど、幅広い分野をカバーしています。
規格の策定には、各国の標準化団体や関連組織が参加し、定められた手順に従って審議が行われ、その過程で、各国の合意を得る必要があります。
ただ、それらの規格がすべて均等に認知されているかと言えば答えは「NO」で、各規格の取得企業数はバラバラです。これは、規格の内容や適用範囲、取得の難易度などによるものです。例えば、製造業に特化した規格は、製造業の企業にとっては非常に重要なものである一方で、サービス業の企業にとってはあまり関係がないかもしれません。また、規格の取得には一定のコストと時間がかかるため、それが負担となる小規模な企業は取得を見送ることもあります。
しかしながら、規格を取得することで、企業の信頼性を高め、ビジネスチャンスを広げることも可能となります。そのため、企業にとっては、自社の事業内容や目指す方向性に合ったISO規格を選び、取得するのがよいでしょう。
2. マネジメントシステムのISO規格の認証
マネジメントシステムのISO規格では、下記のように、認証の基準が定められています。
(1) 認証制度の仕組み
ISOの認証には、それぞれ規格ごとに要求事項と呼ばれる基準があります。
組織がISO規格の要求事項を満たしているかどうかのチェックは、認証機関によって行われます。
認証機関は、ISOの規定に基づいて公正かつ厳密に審査を行い、要求事項を満たしている企業に対してISO認証を付与します。
(2) マネジメントシステムの仕組みとPDCAサイクル
そもそもマネジメントシステムとは、一般的に組織の目標達成を助けるために設計された一連の手順やプロセスのことを指します。
簡単に言うと、目標達成のための仕組みやルールのことです。
ISO規格に対しても、それぞれの規格のテーマに合わせ、組織がISO規格の要求事項を満たすためのマネジメントシステムを構築し、その運用と維持を通じて組織のパフォーマンスを向上させることを目指します。
また、マネジメントシステムの運用において、PDCAサイクルは必要不可欠な仕組みで、継続的改善手法の一つにあたります。
Plan :計画を作成すること
Do :実施すること
Check:点検すること
Action:改善すること
の頭文字からPDCAサイクルと称します。
このPDCAサイクルを繰り返すことで、組織は持続的に改善し、成長していくことができます。
3.有名なISOマネジメントシステム規格
・ISO9001(品質マネジメントシステム)
・ISO14001(環境マネジメントシステム)
・ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)
・ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
・ISO22000(食品安全マネジメントシステム)
・ISO13485(医療機器品質マネジメントシステム)
ISO/IEC 27001のように、いくつかのISO規格でISOの後に記号がついているものがあります。
これは「ISOと他の団体が合同で規定した規格」という意味を持ちます。 ISO/IEC 27001もそのひとつで、IEC(国際電気標準会議)と合同で規定した規格なので、ISO/IEC 27001となってます。
4.ISO規格の認証取得の流れ
ISO規格であれば、認証取得の大まかな流れは一緒です。
①規格の選択
取得するISO規格を選択します。
ISO規格は多数存在するため、自社の事業内容や目指す目標に合った規格を選びます。
②取得までの計画立て
取得目標時期の設定や、管理責任者の選定、自社でやるか、外部のコンサルタントに依頼するか等、取得までの計画を立てます。
③審査機関の選定
どの審査機関を選択するかにより、費用に違いがあり、審査の傾向も審査機関によって違うケースがあります。
④マネジメントシステムの構築
要求事項を満たすためのマネジメントシステムを構築します。
⑤運用
構築したマネジメントシステムに基づいて、管理責任者を中心に運用を回します。
⑥認証審査
認証機関が審査を行い、マネジメントシステムがISO規格の要求事項を満たしているかを確認します。
⑦認証取得
審査で問題がなければ、ISO規格の認証を取得します。これにより、組織は公式にISO規格を満たす企業と認められます。
⑧継続的な改善
認証取得後も、マネジメントシステムの継続的な改善と、定期的な再認証審査が求められます。これにより、企業は常に高い品質やサービスを提供し続けることが求められます。
5.まとめ
ISO規格は、製品やサービスの品質、安全性、信頼性を確保し、消費者の利益を保護するための重要な制度です。
また、マネジメントシステムのISO規格の認証は、組織が継続的な改善を行い、様々な目標を達成するための枠組みを提供します。これらの規格を理解し、適切に活用することで、組織は競争力を強化し、持続可能な成長を達成することができます。
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