2019年6月11日
今回は、昨年新たに規格改訂されたISO9001/2015年版における新要求事項「組織の状況」について述べさせて頂こうと思います。
新項番、4.1項~4.3項がする要求事項、4.1項
以下にてまず4.1項分を参照致します。
4.1 組織及びその状況の理解
組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければならない。
組織は,これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない。
組織の外部及び内部の課題を明確にし,顧客だけでなく利害関係者のニーズ及び期待を広く理解し,これらに基づいて,品質マネジメントシステムの適用範囲を決定することが要求されています。
ここでの“組織の外部及び内部の課題”を明確にするにあたり、通常の方々は躓くことかと思います。しかしながら、ここで新しく抽出しなければならないであったりや、やたらめったらと課題を抽出するものでもございません。
普段やっている事を思い出してください。経営会議、幹部会議、その他会議において、それぞれにおいて組織それぞれの課題・問題点・懸念点などが洗い出されているはずでございます。
組織のサービス提供、製品サービス開発といったように様々な事業体系がございますが、どのプロセス体系においても組織のそういった課題状況を考慮した上で、ISO9001いわゆる品質マネジメントシステムを運用できているかポイントになっています。
課題⇒改善点という捉え方が一番ISOの中ではしっくりくると思います。ISOの基本的な考え方であります“継続的改善”というキーワードに基づきます。課題の考慮、検討、対策という流れは、継続的にプロセスの改善に努めるということに置き換えられます。
4.2項
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
次の事項は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,組織は,これらを明確にしなければならない。
a) 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者
b) 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項
組織は,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を監視し,レビューしなければならない。
この項番においては、サービスプロセスを運用するための組織能力への影響を深堀して広く把握していき、影響種類・度合を認識、理解していかなければいけないといった要求となります。
a) 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者”についてでは、“利害関係者”というのがキーワードとなってまいります。利害関係者とは言ってみれば、利害がお互いに発生する可能性がある関係性ということになりますが、それだとはっきりしないためどういった分類で考えるべきなのかを簡単に下記にて示したいと思います。
利害関係者=取引先顧客、協力会社、委託供給先、株主、個人事業主などが含まれます。建設会社や薬品会社等ですと、地元住民といったような関係性もピックアップされてくると思われます。しかしあくまでここで決定するのは密接な関係性を持つものだけですので、全てが全てというわけではありません。関わる機会が少なかったりと、密接とは言えないような状況も考慮しながら洗い出していくと言わずとも絞れてくるかと思われます。
b) 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項”についてでは、上記a)にて特定した利害関係者との間で要求されている要求事項についてリアルタイムにて監視及び見直しが実施することが要求されています。
4.3項
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなければならない。
この適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を考慮しなければならない。
a) 1に規定する外部及び内部の課題
b) 2に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項
c) 組織の製品及びサービス
決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば,組織は,これらを全て適用しなければならない。
組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持しなければならない。適用範囲では,対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについて,その正当性を示さなければならない。
適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を表明してよい。
以上の4.3項においては、4.1項~4.2項を踏まえた上で、品質マネジメントシステムにおける適用範囲を決定するといった従来通りの内容となっております。
ここで注意したいのが、4.1項~4.2項のみならず適用範囲の決定において考慮すべき事項が並列しているということです。組織が提供するサービス及び製品に関するプロセスが、本品質マネジメントシステム要求事項に対して適用できるのかどうかを判断しなければなりません。適用不可能ができないわけではありませんが、適用不可能にすることについての正当な理由を同時に明確にしなければならないことは配慮しなければなりません。
またここで適用範囲を決定した後、それを明確に明示する文書化した情報を維持しなければなりません。
以上がISO9001/2015年版における新要求事項「組織の状況」についての内容となります。不慣れな部分はあるかと存じますが、継続的に的確な組織状況を見出していって頂ければと思います。
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