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ISO9001の「品質管理責任者」って何をすればいいの?

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2024年10月17日

ISO9001の「品質管理責任者」って何をすればいいの?

ISO9001の品質管理責任者は、品質を維持・向上させ、顧客満足を達成するために業務を整備し改善する役割を担います。
ISO9001:2015の改訂以降、品質管理責任者という明確な役職は規格上、必須ではなくなりました。しかし、組織の規模や複雑さによっては、品質マネジメントシステムの円滑な運用のため、依然として品質管理責任者のような役割を担う人物が必要となる場合があります。

1.品質管理責任者とは

ISO9001における品質管理責任者の役割は、組織の品質を維持・向上させることで、顧客満足を達成することにあります。

まず具体的な品質目標を設定し、それに基づいて業務手順や作業方法を整備します。

そして、実行状況を継続的にチェックし、改善が必要な箇所を特定して対応します。

プロセスの効果を確認し、問題や改善の機会を見逃さずに対策を講じることで、組織全体の品質を高められるようにします。

品質管理責任者は、単に既存の業務を維持するだけでなく、全体の業務効率を向上させるために、継続的な改善活動を行うことも重要です

このように、組織全体のパフォーマンスを向上させることで、最終的には顧客満足を確保することが求められています。ISO 9001の品質管理責任者は、組織の品質に関する中心的な役割を担い、組織がよりよくなるように努めます。

2.管理責任者を必ず任命しなければならないのか?



 

ISO 9001:2015では、以前必須とされていた「品質管理責任者」の任命が必須ではなくなりましたが、その役割を明確に定義することが求められています。

要求項番5.3において、トップマネジメントは、品質マネジメントシステム(QMS)の構築、維持、改善に責任を持つ人に権限を割り当てる必要があります。
品質管理責任者を任命しない場合、その役割は組織内で分担する必要があります。

主な役割には、以下のようなものがあります。

  • 品質目標の設定:組織全体の品質目標を設定し、各部門に展開します。
  • 内部監査の実施:QMSが規格に適合しているかを定期的に監査します。
  • プロセスの監視と評価:業務プロセスの効果を継続的に監視し、改善を行います。
  • 改善活動の推進:品質に関する問題を特定し、全体的な業務効率を向上させるための改善を主導します。

これらの役割を適切に分担できれば、品質管理責任者を特に任命する必要はありません。

しかし品質管理責任者を1名を配置することで、業務の効率化や審査時の対応がスムーズになります。

そのため、多くの企業では品質管理責任者を任命する方針をとっています。

3.品質管理責任者の役割とは?9つを具体的に説明

ISO 9001の品質管理責任者には、多岐にわたる重要な役割が求められます。具体的には、以下の9つの役割があります。

⑴プロセスのコントロール

日々の業務手順を監督し、品質基準が守られているか確認します。例えば、製造工程を定期的に見直し、必要な調整を行います。

⑵目標の設定

年間の品質目標を設定し、それに向けた具体的なKPIを策定します。不良率の削減や納期遵守率の向上がその一例です。

⑶力量の評価・教育

従業員のスキルを定期的に評価し、必要な研修を計画・実施します。新しい設備の導入時に、操作トレーニングを提供することが典型的です。

⑷コミュニケーション

品質に関する情報を組織内で共有し、問題が発生した場合は関係者と迅速に連携します。定期的な品質会議を通じて情報共有を図ります。

⑸文書管理

品質手順書や記録の更新と管理を行い、常に最新情報が利用できるようにします。新しい手順の導入時には、関連文書を迅速に更新します。

⑹内部監査

定期的に内部監査を実施し、手順が適切に守られているか確認します。不適合が見つかれば、是正措置を計画・実行します。

⑺パフォーマンス評価

生産データを分析し、顧客満足度を測定します。例えば、納期遵守率や顧客クレームの数を評価指標とし、定期的に見直します。

⑻トップへの報告

品質状況や改善活動の進捗を定期的にトップマネジメントに報告します。報告書を作成し、経営会議でプレゼンテーションすることが一般的です。

⑼是正処置

品質問題が発生した場合、その原因を調査し、再発防止策を実行します。例えば、製品不良の発生時には、製造プロセスの見直しを行い、改善を実施します。

これらの役割を担うことで、品質管理責任者は組織の品質向上と顧客満足の実現に寄与し、最終的には組織の成功に貢献します。品質管理責任者を1名任命することは、業務の効率化や審査対応のスムーズな進行を助けるため、実務的には非常に有効です。

4.品質管理責任者になるには資格が要るのか?

品質管理責任者になるために特定の資格は必須ではありませんが、企業が求める基準に従う必要があります。

企業によっては、ISO 9001に関する知識や品質管理の経験が重視され、関連する資格(例えば、品質管理検定やISO 9001内部監査員資格)の取得が推奨されることがあります。

また、品質管理責任者には、組織の品質目標達成に向けたスキルやリーダーシップが求められます。最終的に、企業ごとに求められる基準は異なるため、必要なスキルや資格は企業内で定義されます。

5.品質管理責任者の教育=セミナー参加は間違い?

品質管理責任者を育成する際、社外のセミナー受講は必須ではありません。

ISO 9001では、品質管理責任者の力量や基準を企業が自社に合った形で設定できます。そのため、まずは社内で基準や教育体制を整えることが重要です。

必要なスキルや知識は、社内の実務を通じて効果的に養うことができます。セミナーは補完的な手段とし、実務に基づいた教育を優先するべきです。

まとめ

ISO 9001における品質管理責任者は、組織の品質向上と顧客満足の実現において中心的な役割を果たします。

その役割は、品質目標の設定から内部監査、改善活動の推進まで多岐にわたり、組織の成功に直結します。

任命が必須ではないものの、責任者を配置することで業務が効率化し、審査対応もスムーズに行えます。

また、セミナー参加に頼るだけでなく、実務を通じた教育が重要です。企業ごとに合った基準で、効果的な育成を行いましょう。

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