2025年6月12日

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「情報セキュリティって何?」
「難しそうだけど、なぜ大切なのか知りたい」
結論からお伝えすると、情報セキュリティとは、大切な情報を守るために必要な考え方と行動のことです。
ただし、守るべき情報はパソコンの中だけではありません。紙の書類や口頭での会話も、すべてが対象になります。
では、なぜそんなに幅広く守る必要があるのでしょうか?
それは、ひとたび情報が漏れたり、書きかえられたり、使えなくなったりすれば、信用を失ったり、大きなお金の損害につながる可能性があるからです。
この記事では、「情報セキュリティとは何か?」という基本から、「守るべき情報の範囲」「大切な7つの考え方」まで、わかりやすく解説しています。
読んでいただくことで、「自分や会社の情報をどう守ればいいのか」が見えてきます。ぜひ、最後までご一読ください。
1.情報セキュリティとは
情報セキュリティとは何かを理解するためには、基本的な意味や概念、定期について知っておく必要があります。
これらの考え方を知らずに情報を扱ってしまうと、気づかぬうちに情報漏えいや不正アクセス、信頼の低下といった大きな問題につながるかもしれません。
ここからは、情報セキュリティの基本である「守るべき情報とは何か」「サイバーセキュリティとの違い」「4つの基本原則」「拡張された4つの要素」について、順を追って解説していきます。
(1)情報セキュリティとは大切な情報を守るための取り組みである
情報セキュリティとは、「企業にとって大切な情報を、外に漏れたり勝手に使われたりしないように守る」ための取り組みを意味します。
ここでいう情報とは、パソコンやスマートフォンに保存されたデータだけでなく、紙に書かれた書類や口頭で交わされる会話も含まれます。個人の名前や住所、会社の取引内容、パスワードなど、他人に知られてはいけない情報は、すべて守るべき対象です。
たとえば、顧客の名前や住所、取引先との契約内容、財務データなどは、社外に出ると大きなトラブルにつながる恐れがあります。
つまり、情報セキュリティは、企業の経営活動を守るための大切な考え方です。
(2)情報セキュリティはサイバーセキュリティよりも広い概念
情報セキュリティは、サイバーセキュリティよりも広い意味を持っています。
サイバー攻撃から守ることは大切ですが、それだけが情報セキュリティではありません。情報を守るという考え方には、もっと多くのことが含まれているのです。
サイバーセキュリティは、インターネットやネットワークを通じた攻撃や不正アクセスを防ぐための対策を中心としています。たとえば、パソコンにウイルスが入り込まないようにしたり、外部からの侵入を防ぐ仕組みを整えたりするのが、サイバーセキュリティの主な役割です。
一方、情報セキュリティは、紙の書類や口頭での会話、さらには情報を扱う人の行動や社内ルールまで対象に含みます。たとえば、会議で話した内容が漏れないように配慮したり、機密文書を鍵のかかる場所に保管したりするのも、情報セキュリティの一部です。
つまり、サイバーセキュリティは情報セキュリティの一部であり、情報セキュリティはもっと広い視点から、あらゆる情報とそれを扱う環境全体を守る考え方です。
(3)情報セキュリティの基本定義
情報セキュリティの基本的な考え方には、大きく分けて以下の3つの要素があります。
- 機密性
- 完全性
- 可用性
それぞれの要素について、順番に解説をしていきます。
1.機密性
機密性(きみつせい)とは、「許可された人だけが情報を見られるようにしておくこと」を意味します。
たとえば、企業の内部資料が関係のない第三者の目に触れてしまうと、競合に機密が漏れたり、取引先との信頼関係が壊れたりすることもあります。
具体的には、社員の給与や人事情報、顧客の個人情報、開発中の新製品に関するデータなどです。
こうした情報は、必要な人だけが扱えるように、アクセス制限を設けたり、パスワードを設定したり、ファイルを暗号化するなどの工夫が必要です。
つまり、機密性は情報を安全に管理するための基本的なルールです。日々の業務の中でも常に意識しておくことが大事なのです。
また、機密性については以下の記事で詳しく解説をしています。
2.完全性
完全性(かんぜんせい)とは、「情報が正しく、勝手に書き換えられたり消されたりしていないこと」を指します。
たとえば、伝票の金額が書き換えられていたら請求ミスにつながり、顧客の住所が間違っていれば荷物が届かないといったトラブルが起こります。
また、会社のホームページの内容が知らないうちに書きかえられてしまったら、会社の信頼にも関わります。
このような状況を防ぐために、正しい情報がそのままの形で保たれていることがとても大切です。
完全性は、「いつ見ても、間違っていない安心できる情報であること」を守るための考え方です。
データを保存するだけでなく、正しい内容のまま使えることがポイントになります。
完全性については以下の記事で詳しく解説をしています。
3.可用性
可用性(かようせい)とは、システムやサービスが「使いたいときに問題なく使える状態にあること」を意味します。
たとえば、スマートフォンで地図アプリを使おうとしたときに、アプリがうまく起動せず開けなかったら、不便に感じますよね。
必要なときに使えないサービスは、利用者にとって大きなストレスになります。
反対に、どんな状況でも安定して使えるアプリやシステムは、使いやすい、安心できると感じられます。これが、可用性が高いということです。
つまり、可用性とは「いつでも正しく使える安心感」を与えるための考え方です。
なお、可用性については以下の記事で詳しく解説をしています。
(4)現代における情報セキュリティの拡張した定義
情報セキュリティの定義は、機密性、完全性、可用性が重要とされてきました。さらに現代では、以下の4つの考え方も新しく加えられ、より包括的な7つの要素として捉えられることが増えています。
- 真正性
- 責任追跡性
- 否認防止
- 信頼性
それぞれについて、見ていきましょう。
1.真正性
真正性(しんせいせい)とは、「その情報が本物で、正しい発信者から出されたものだとわかること」を意味します。
たとえば、上司からのメールに見せかけて、実は別の人が送ってきた偽のメールだったとしたらどうでしょう?その内容を信じて行動してしまうと、トラブルになるかもしれません。
こういった「なりすまし」や「偽の情報」を防ぐために、その情報が本当に信頼できるものかどうかを確認できる仕組みが大切です。
真正性は、「この情報は信じていいのか?」を見極めるための考え方なのです。
真正性について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
2.責任追跡性
責任追跡性(せきにんついせきせい)とは、「誰が、いつ、どんな操作をしたかを記録して、あとから確認できるようにしておくこと」です。
たとえば、社内のファイルが勝手に書き換えられていたとします。
そのとき、誰がそのファイルを開いたのか、いつ変更したのかがわかれば、すぐに原因を調べることができます。
でも、そういった記録が残っていなければ、問題が起きても誰がやったのか分からず、対応が遅れてしまうかもしれません。
このようなリスクを避けるために、「ログインの記録を残す」「ファイルの操作履歴を記録する」「IDやパスワードで本人かどうか」を確認するといった対策が重要です。
「あとから確認できる仕組み」があれば、万が一のときにも落ち着いて対応できますし、会社や顧客からの信頼を守ることにもつながります。
3.否認防止
否認防止(ひにんぼうし)とは、「やったことを、後からやっていないと言い逃れできないようにすること」を意味します。
たとえば、ある社員が書類の内容を変えたのに、あとで「自分じゃない」と言ったとします。
でも、システムに「いつ、誰が、どこを変更したか」という記録が残っていれば、その言い訳は通りません。
このような仕組みは、とくに電子契約や社外との取引において重要です。
たとえば、誰が契約に署名したのか、いつ書類を送ったのかがわかるようにしておかないと、あとでトラブルになるかもしれません。
そのために、電子署名、タイムスタンプ、操作ログといった技術を使って、後から「確かに本人がやった」と証明できるようにすることが大切です。
4.信頼性
信頼性(しんらいせい)とは、「システムや情報が、いつも正しく動いて安心して使えること」を意味します。
たとえば、給料の計算や取引データの集計で使っているシステムが、ある日突然止まったり、間違った数字を出してきたらどうでしょう?
業務が止まってしまったり、間違ったお金が支払われてしまったりして、大きなトラブルになるかもしれません。
だからこそ、「いつでもきちんと動いて、正しい結果を出してくれること」がとても大切なのです。
そのためには、システムを安定して使い続けること、万が一にそなえてバックアップを用意しておくことなどの対策が必要です。
信頼性は、ただ動いているだけでなく、正しく動き続けることに意味があるという考え方です。
2.なぜ情報セキュリティが必要なのか
情報セキュリティは、会社の信頼や仕事を続けていくために、とても大切なものです。
なぜなら、大事な情報が漏えいしたり、勝手に書き換えられたりすると、大きなトラブルになるからです。
たとえば、顧客の名前や住所などの個人情報が外に流れてしまったら、会社はその責任を取らなくてはいけません。
謝罪や補償したりするだけでなく、信頼を取り戻すのにも時間がかかってしまいます。
また、業務に使っているシステムが止まってしまうと、商品が売れなかったり、仕事が進まなくなったりして、会社にとって大きな損失になります。
実際に、2024年には上場企業とその子会社で189件もの個人情報の漏えい事故が起きており、過去最多を更新しています。
参考:東京商工リサーチ「2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故 過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分」
このようなリスクを防ぐためには、経営層が「情報をしっかり守ろう」という気持ちを持って、対策に取り組むことが大切です。情報セキュリティは単なるITの話ではなく、会社を守るためのとても大事な仕組みなのです。
3.情報セキュリティの対象はどこまで?

情報セキュリティの対象は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器だけに限られません。
実際には、紙の書類や会話、USBメモリ、コピー機など、情報が存在するあらゆる形態や媒体が含まれます。
経済産業省が策定した「情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)」では、情報資産の管理に関する具体的な方針が示されています。この基準では、情報資産の分類や取り扱い、アクセス制御、物理的なセキュリティ対策など、情報の形態を問わず、包括的な管理策が求められています。
たとえば、会議での発言内容やホワイトボードに書かれた情報も、外部に漏れることで問題につながる可能性はゼロではありません。
また、紙の書類の置き忘れや誤廃棄によって、重要な情報が第三者に渡るリスクも存在します。
このように、情報セキュリティはデジタル情報だけでなく、紙媒体や口頭での情報も含めた、すべての情報を対象としています。
4.まとめ
今回は、情報セキュリティの基本的な定義について解説しました。
情報セキュリティとは、企業や個人が保有する大切な情報を、外部からの不正アクセスや内部の不注意などから守るための考え方や取り組み全般を指します。
守るべき情報は、パソコン内のデータだけでなく、紙の書類や会話内容なども含まれ、デジタル・アナログを問わず幅広い対象が含まれます。
基本的には、機密性、完全性、可用性の3つが重要な柱とされており、さらに現代では真正性、責任追跡性、否認防止、信頼性といった要素も加わっています。
情報を守ることは、自分自身だけでなく周囲の人や組織を守ることにもつながります。今後の行動に役立てていただければ幸いです。
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