2024年4月19日
ISO9001の取得および維持費用には、審査費用やマネジメントシステム構築費用、設備費等がありますが、必須なのは「審査費用」です。ISO9001を取得し維持するには毎年審査を受ける必要があるので、その度に審査費用が発生します。審査費用は業種・規模・審査機関によって金額が異なり、不透明な費用体系となりがちなので、相見積もりをとったり、削減できる費用を確認しておきましょう。
目次
- 1.ISO9001新規取得、維持費用とは
- (1)ISO9001新規取得費用
- (2)ISO9001の維持・更新費用(ランニングコスト)
- 2.ISO9001新規取得・維持/更新費用の相場(事例)
- (1)A社(大阪府/製造業/従業員数5名)の場合
- (2)B社(東京都/製造業/従業員数80名)の場合
- 3.ISO9001の取得時に必ずかかる費用
- (1)審査料
- (2)審査員の移動・宿泊
- (3)ISO登録料
- 4.ISO9001の取得時に抑えることのできる費用
- (1)マネジメントシステム構築費用
- (2)設備投資、諸経費
- 5.自力で取得を目指す場合の費用
- 6.コンサルタント利用の費用相場
- (1)コンサルタントが外注かどうか
- (2)認証後のフォローがあるか
- 7.新規取得費用と工数はトレードオフ
- 8.まとめ
1.ISO9001新規取得、維持費用とは
(1)ISO9001新規取得費用
ISO9001新規取得費用とは、初めてISO9001を取得する際に必要となる総合的な費用のことです。
具体的には、マネジメントシステム構築費用や審査費用、設備費等があります。
冒頭にあったコンサルティング費用はというと、マネジメントシステム構築費用に含めます。
ISO9001を取得する方法や全体の流れについてはこちらの記事で詳しく説明しております。
(2)ISO9001の維持・更新費用(ランニングコスト)
ISO9001維持・更新費用とは、ISO9001を取得後に認証を持ち続けるために必要となる総合的な費用のことです。
具体的には、新規取得時にかかるものと大きくは変わりませんが、マネジメントシステム維持費用や審査費用、設備費等があります。
ISO9001を維持する方法や更新準備のポイントについてはこちらの記事で詳しく説明しております。
2.ISO9001新規取得・維持/更新費用の相場(事例)
ISO9001にかかる総費用の相場ですが、実際に取得した企業の事例を紹介します。
(1)A社(大阪府/製造業/従業員数5名)の場合
【新規取得】
マネジメントシステム構築費用 50万
審査費用 50万
設備費 5万
合計105万円
【維持】
マネジメントシステム構築費用 50万
審査費用 40万
設備費 5万
合計95万円
(2)B社(東京都/製造業/従業員数80名)の場合
【新規取得】
マネジメントシステム構築費用 70万
審査費用 115万
設備費 10万
合計195万円
【維持】
マネジメントシステム構築費用 70万
審査費用 60万
設備費 10万
合計140万円
上記はあくまで事例であり、認証する範囲の拠点数・規模数、審査機関、導入する場合のコンサルティング費用は各企業によって異なります。
また、ISOはISO9001だけでなくISO14001など他の規格と複合して取得することもできるため、受ける規格の数によって金額がさらに変わってきます。
3.ISO9001の取得時に必ずかかる費用
ISO9001の取得時に必ずかかる費用が大きく3つあります。
(1)審査料
審査を依頼するにあたって発生する費用です。
算出方法は審査機関により違いがありますが、対象人数と業務内容等で費用が違ってきます。
以下は対象人数での費用イメージです。
人数/年 | 初回(新規) | 2年目(維持) | 3年目(維持) | 4年目(更新) |
---|---|---|---|---|
1 ~ 10 | 400,000 | 270,500 | 270,500 | 300,000 |
11 ~ 15 | 520,000 | 280,000 | 280,000 | 355,000 |
16 ~ 25 | 610,000 | 300,000 | 300,000 | 400,000 |
26 ~ 45 | 770,000 | 355,000 | 355,000 | 460,500 |
46 ~ 65 | 910,000 | 410,000 | 410,000 | 515,000 |
66 ~ 85 | 1,060,000 | 510,000 | 510,000 | 680,000 |
(2)審査員の移動・宿泊
最近はオンライン審査も普及してきましたが、ISOでは現地審査(現地確認)の原則が根強く残っています。
審査が現地開催の場合は審査員の交通費・宿泊費が発生する可能性があります。
実費請求の場合もあれば、エリア毎に一律料金に設定されているケースもあります。
(3)ISO登録料
審査及び改善事項への対応が完了すると晴れてISO取得となりますが、ISOを登録・維持するための手数料が別途発生します。
こちらも審査機関によって異なりますが、3~5万円が相場です。
こちらは取得タイミングだけでなく、サーベイランス審査、更新審査も同様に毎年費用が発生します。
4.ISO9001の取得時に抑えることのできる費用
審査費用以外の費用はできるだけ削減できる費用でもあります。
(1)マネジメントシステム構築費用
審査を受けるにも、まずはマネジメントシステムを構築し運用しておく必要があります。
構築は容易なものではないため、コンサルティング会社に依頼している企業は多くあります。
コンサルティング会社やコンサルタント、サービス内容によって費用が大きく異なるため、複数の費用を検討することが大事です。
比較サイトを利用することも費用削減につながるでしょう。
また、自社で構築するとなった場合、担当者が本業の傍らで地道にやっていることが多く、 担当者の人件費や手当を想定しておかなければなりません。
(2)設備投資、諸経費
よく「必要な設備は何でしょう」と聞かれることがありますが、ISO9001に絶対に必要な設備というものはありません。
強いて言えば、規程などの文書類の印刷代などは必要ですが、データ上で確認できるのであれば節約することができます。
製造業であれば測定機器の校正費、営業車を持っている企業であれば車検の費用など、業務上必要になる経費はISO9001の審査を受けるために必要な準備のための費用ともなります。
また、審査で設備関連について指摘があった場合には、費用をかけて対応したという事例もあります。
5.自力で取得を目指す場合の費用
外部のサポートを利用せず、自社の人手だけでISOの取得を目指すケースもあるかと思います。
コンサルティング費用・サポート費用がかからないので、最も低コストと思われがちですが、実はそうではありません。
ISOプロジェクトを進める責任者の方は役職者がほとんどです。なぜなら、自社の事情を理解していなければならないからです。
ISOをゼロから構築するとなると、まず知識を仕入れる必要があります。
規格書に目を通し、時には審査機関が開催するセミナーに参加し…とゼロからはじめる場合、圧倒的に時間がかかります。
知識を蓄えたのち、いざ進めていくと分からないことが出てくるので、また調べる工数が発生します。
なんとか申し込みを終え、審査を受けられたとしましょう。そうすると審査員から指摘をもらうのです。
期日までに再発防止をしてくださいと言われても、規格の用語で書かれていて何から手を付けてよいか分からない…
というように、あらゆるフェーズで役職者の時間と手間が必要になります。
ISOに時間をとられてしまい、通常業務がおろそかになってしまうケースもよく聞きます。
自力取得の際に検討すべきことは、目先のコストではなく、自社で取得を目指す際の学習時間・作業量・拘束時間・時給を含んだトータルコストです。
ISOの為にかかった工数をトータルで見ると、案外外注した方が安かったみたいなケースが多いです。
6.コンサルタント利用の費用相場
コンサルティング会社によるサポートの費用相場は、企業の規模にもよりますが、年間50~100万円ほどです。
年間50万円で専門知識を持った専任者を置けると考えると1名雇用するよりも安くつきます。
サポート内容は様々で、当社のように作業面までサポートするコンサルもいれば、アドバイスメインのコンサル、コンサルを入り口としてマネジメントシステムの管理ツールを展開している企業等があります。
また、コンサル支援の際に検討すべきことは大きく2つです。
(1)コンサルタントが外注かどうか
作業面のサポートを行うコンサル会社でもコンサルタントを外注しているパターンは注意が必要です。
営業時に聞いた話とコンサルの話にギャップが生まれる可能性があるので、”コンサルタントは外注か”を選定段階で確認しておくと良いです。
(2)認証後のフォローがあるか
取得するまでサポートして終わりというパターンもあります。
取得後何も手が付けられず、審査前にバタバタしてしまうケースは本当によく相談を受けます。
取得してから次の審査までの定期的なフォローがあるのかも選定段階で確認しておくと良いです。
当社のサポート内容についてはこちらをご覧ください。
7.新規取得費用と工数はトレードオフ
ISO 9001を取得することになったらまず「いつ取得するか」を決めるべきです。
構築に時間がかかってしまうと、取得までの期間が延びてしまうため、構築・運用にどれほどの期間を費やすかがカギとなります。
構築をできるだけ短期間で完了させるため、ある程度の予算を組んで手伝ってもらえるコンサル会社を探すか、予算はないが時間がある場合には、ある程度自力でやって予算を抑えることになるでしょう。
また、ISO9001を取得するまでのスケジュールには、7つのステップがあります。
詳しくはこちらの記事で説明しております。
8.まとめ
ISO 9001を取得するにあたって必須のものは審査費用です。
その他、マネジメントシステム構築費用や設備費がいかに削減できるかは、いつ取得するかを決め、自力で取得する場合でもコンサルティング会社を一度確認するようにしてみましょう。
← 記事の内容をまとめた動画はこちら!!
\ フォローしてね /
ISO・Pマーク(プライバシーマーク)に関することなら
何でもお気軽にご相談ください
今聞きたいこと、今すぐ回答!
最短即日・全国対応いたします!お問合せは
こちらから全国どこでもオンラインで対応!
気軽にご相談ください!相談予約は
こちらから
お電話受付:平日9:30〜17:00
認証パートナーのサービスご説明資料
8,000社以上の支援実績に裏付けされた、
弊社サービスの概要を紹介しております。
資料の内容
- ・当社のサポート内容
- ・規格の概要
- ・取得までに必要な審査費用
ISO9001認証パートナー
サービスのご案内
認証パートナーの専門コンサルタントが御社の一員となって事務局業務を行います。
お客様の作業は審査機関との窓口役だけ。それ以外はすべてお任せください。
-
Pマーク
個人情報保護マネジメントシステム
高い保護レベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立し、運用していることを示します。
認証パートナーなら、個人情報漏えい防止の観点も踏まえたサポートを実現します。Pマークの認証ページへ -
ISO9001
品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステムは一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるための規格です。
認証パートナーなら、負担が増える形だけのISOではなく、より現場の実態に沿ったISOを実現します。ISO9001の認証ページへ -
ISMS・ISO27001
情報セキュリティマネジメントシステム
情報セキュリティマネジメントシステムは企業・組織の情報を守る規格です(ISMSとISO27001は同義)。
認証パートナーなら、情報セキュリティリスクへの対応計画、緊急時の対応計画踏まえPDCAサイクル回せるような仕組み作りを実現します。ISMS/ISO27001の認証ページへ -
ISO14001
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステムは環境を保護し、変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを示します。
認証パートナーなら、課題になりがちな環境法令の対応についても一緒にサポート致します。ISO14001の認証ページへ -
ISO27017など各種対応規格
ISO27017やISO22000など各種規格もお得に 新規取得や運用・更新ができます。ご気軽にお見積りください。
ISO27017など各種対応規格ページへ -
複数規格の同時取得
ISOやプライバシーマークを同時に認証取得すると費用や工数を抑えることができます。安心してご相談ください
複数規格の同時取得ページへ