2026年7月22日

「ISO27001とヘルステック業界の関連性は?」
「導入することでメリットはあるの?」
医療の分野でどのような場面で活用されているか疑問を持たれる方もいると思います。
実は、ISO27001は患者のデータや個人情報を保護し、安全な運用を可能にします。
様々な患者に対応する医療現場でデータの保護はとても重要なことです。
病歴やゲノム情報などの患者データは最高レベルの機密性が求められます。
ここでは、ヘルステック業界がISO27001を導入することでのメリット、デメリットを紹介します。
本コラムを読み終えていただければ、ISO27001を導入することで、患者の安全をより確保できることを深く理解出来ることでしょう。
1.ISO27001とヘルステック業界の関連性とは?
まず、ヘルステック業界とはどのようなものなのかを簡単に説明します。
ヘルステック業界とは、「健康(Health)と技術(Technology)をかけ合わせたもの」になります。
AIやIoTなどの最新デジタル技術を用いて新しいサービスや価値を創造する取組みのことを指します。
では、ISO27001との関連性について深堀していきます。
先述したように、医療の現場では様々なデータを日々扱っています。
そのどれもが患者様を守るとても重要なものです。
そのような中、ヘルステック業界は病院や患者と高い信頼関係を築く必要性があります。
そこでISO27001の出番です。
ISO27001は組織が情報セキュリティを管理する国際的な枠組みに適合していることを証明してくれます。
一目で「情報を守る手段や管理体制がしっかりとありますよ」と知らせることができるようになります。
2.ISO27001の認証を受けることのメリット

では、ヘルステック業界がISO27001の認証を受けることでどのようなメリットがあるのかを以下でご紹介します。
(1)絶対的な信頼性向上
ISO27001は、世界的に認められた情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格です。
世界中の企業や団体に通用する情報セキュリティの信頼証明になります。
病院や患者に対して「患者の個人データを適切に管理している企業である」という安心感を与えることができます。
患者の個人データは、医療や介護の現場において最も保護されるべき非常に高い重要度を持つ情報です。万が一漏洩した場合、患者のプライバシー侵害だけでなく、差別や偏見にもつながってしまいます。
そのような事故は起こらないということを、病院や患者に証明することはとても重要なことなのです。
(2)セキュリティリスクの低減と事故時の管理体制
ISO27001の認証プロセスを通じて、情報の取り扱いや管理に関するルールや手順が明確になります。
セキュリティ事故が発生した際の手順が明確になることで迅速な対応が可能になり、被害を最小限に抑えることができます。
また、リスク評価に基づいた物理的、技術的、組織的な対策を講じることになる為、不正アクセスや内部不正による情報漏洩事故を大幅に抑えることが可能になります。
従来は見過ごされていたリスクや潜在的な脆弱性を可視化し、計画的に対応できるようになります。
事故がない事が一番ですが、万が一の時の被害を最小限に抑える仕組みが整っていることは大事なことです。
(3)事業力拡大と営業力の強化
ISO27001は先述したように国際規格です。
特に、大手企業との取引開始条件や、官公庁の入札参加資格として認証が求められるケースが増えています。
また、海外の取引先に対しても一貫した信頼性を示すことが出来ます。
データを守るだけでなく、ビジネスを有利に進める『攻め』の施策としても有効です。
3.ISO27001の認証を受けることのデメリット
ここまで多くのメリットをお伝えしました。
では、デメリットにはどのようなものがあるか深堀していきましょう。
(1)導入コストがかかってしまう
ISO27001の認証を取得するためには、外部の審査機構から審査を受ける必要があります。そこにかかる「審査費用」「コンサルティング費用」「セキュリティ対策費用」などが発生します。
導入をしようとすると多くの費用がかかります。
しかし、状況によっては予算の確保が容易ではない可能性があります。
(2)運用コストが発生する
ISO27001は認証を取得して終わりではありません。
取得後もPDCAサイクルを回し、必要に応じて追加のセキュリティ対策を講じなければなりません。
また、一年に一回の維持審査、三年目には更新審査を受ける必要があります。
それぞれ従業員が30名規模だった場合、維持審査には約25万円、更新審査には約37万円程度がかかるとされています。
審査の頻度や企業の規模、業種によっても異なりますが、年間で数十万円から数百万円程度が必要とされています。
(3)社員の業務負担が増える
セキュリティを確保するために必要なことを考えると、「社員の手間が増える」「業務が窮屈になる」といったリスクが発生する可能性があります。
これまで口頭で確認していたことを文書化する必要が出てきたり、結果だけを文書やデータで残していたものに対して、プロセスも文書やデータで記録する必要が生じるかもしれません。
セキュリティを保つことは重要ですが、それによって日常業務が行いにくくなってしまっては本末転倒です。
そのため、状況に応じたルールや手順を判断していく必要があります。
4.まとめ
いかがでしたか?
今回はISO27001とヘルステック業界の関連性や認証によるメリット、デメリットについて説明してきました。
たくさんの重要なデータを扱う医療の現場において安全性、信頼性を示すには有効な手段といえるでしょう 。
ヘルステック業界において、ISO27001を取得することにより病院や患者様に対して「個人データを適切に管理している企業である」という安心感を与えることができます。
また、デメリットをご紹介しましたが、事故の予防による経済的損失の抑止効果があることを考えると、長期的に回収できる投資と考えることができます。
病院や患者の安全を守るためにも、ISO27001の認証を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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