2023年1月11日
ISO9001を取得するメリットは「社内」「社外」それぞれにあります。
その反面「手間が増える」「記録が増える」等のデメリットもあります。
ISO9001取得のデメリットを解消するために、コンサルティング会社にサポートを依頼するケースがほとんどです。
1.ISO9001とは
ISO9001とは、組織が提供する商品やサービスの品質維持や向上を目指し、顧客満足度を高めることを目的としたマネジメントシステムです。
マネジメントシステムとは、「管理の仕組み」と訳すことができます。
ISO9001は、品質マネジメントシステムとも呼ばれ、「商品やサービスを顧客に提供するまでのプロセスを管理する仕組み」と捉えることができます。
詳細は下記の記事をご覧ください。
2.ISO9001認証のメリット
ISO9001を認証するメリットは、「社外」「社内」それぞれの観点であります。
⑴「社外」のメリット
①新しい取引先の拡大
ISO9001を取得した企業は「商品やサービスを顧客に提供するまでのプロセスが管理されている企業」として、取引先から安心と信頼を得ることができます。
これは新しい取引先を拡大するには、非常に重要です。
ISOを取得することで、「新しく契約する企業がどんな企業か?」「この企業と契約しても大丈夫か?」という不安を解消し、取引先に安心感を与えることが出来ます。
そのため、取引の契約条件や入札条件に入ることが多く見られます。
②取引先への信頼獲得
ISO9001は現在契約している顧客にも有効です。
ISO9001を認証取得していることで、取引先による顧客監査を省いたり、書類提出だけで済む場合もあります。
これはISO9001が求める要求事項を満たすことで、品質面を担保しているからと言えるでしょう。
⑵「社内」のメリット
①社内の生産性が高まる
ISO9001は「商品やサービスを顧客に提供するまでのプロセスを管理する」ものです。
つまり、これまでなんとなくやっていた作業を明確に手順化することが求められます。
無駄な作業や人によって違う作業をなくすことが出来、生産性が高まると言えるでしょう。
②従業員教育の効率化
前述の通り、プロセスの明確化・手順化が進みます。やるべき仕事が何か・自分の仕事が何につながるのか、がはっきりします。
つまり、自分が何が出来て、何が出来ないのかも明確になると言えるでしょう。
組織として誰が何の教育をすべきかが見え、力量を上げる計画を立てやすくなります。
教育側面にも良い影響をもたらすことが出来るでしょう。
③従業員満足度UP
プロセスの明確化・手順化をするには、各プロセスの責任者を決めることも重要です。
それぞれの部門責任者がマネジメントシステムに沿って組織を管理することにより、
従業員は自身の役割を認識し、仕事のやりがいを感じ、従業員の満足度の向上にもつながります。
3.ISO9001認証のデメリット
⑴ マニュアルや書類を作成する手間が増える
日常業務とは別にISO9001に関する作業が発生します。
ISO9001の担当者に抜擢される方は社内のエース級が多く、日常業務を圧迫してしまい、負担に感じるケースがあります。
⑵ 保管する記録が増える
ISO9001で決められた記録類が増えてしまい、「いつまでに書類を完成させなければならないのか」 など、書類の保管場所とは別に、管理も必要となります。
書類に対する保管もデメリットの1つとして挙げられます。
⑶ 審査費用が発生する
ISO9001は1回審査を受ければ終わりではありません。毎年審査が発生するため、毎年審査費用を支払わなければなりません。
取得する事によって得られる対価として費用を支払うのは当たり前のことですが、やはりできるだけ支出は抑えたいものです。
4.ISO9001認証が多い業種とは
では、どんな業種でISO9001を認証取得しているのでしょうか。
認証取得している企業が多い業種を紹介します。
・製造業:約23,000社
・建設業:約7000社
日本国内でISO9001認証取得企業が多い業種はこの2業種です。
もちろん、この業種以外でも取得されている業界は多いです。
学術研究、専門・技術サービス業(約2000社)、卸売・小売業(約2000社)、
サービス業(約1500社)、情報通信業(約1000社)、運輸業、郵便業(約1000社)と
品質マネジメントシステムに準拠し、製品やサービスの品質や顧客満足の向上を目指している業種は様々で、業界問わず取得のメリットがあると言えます。
5.実際にISO9001認証取得した企業事例
実際に認証取得した企業事例を紹介します。
◆顧客から要求されたので取得をしたが、その後マネジメントシステムを運用して、
実際に現場で不良品が減ったりすると、ISO9001の効果を感じることができた。
◆マニュアル等の手順書の作成をしないといけないイメージだったが、
現場で使っている手順書を少し改良するだけで取得できたので、ISO9001が少し身近に感じた。
◆今まで誰が何をやるのか明確ではなかったため、いつもその場しのぎの対応しか出来なかった。
責任部署や管理者を明確にすることで、そういった煩わしさが解消された。
6.ISO9001を取得する企業の目的とは
ISO9001を取得する目的は企業によって異なります。
一番多いのは、お取引先から求められるケースです。
10年以上前までは、決まった主要取引先とのやり取りだけで業務が回っていた企業も多かったです。
しかし、時代が進んでいく中でリスク分散の観点から新しい取引先を増やす活動をする会社が増え、新しい取引先から取引を始めるにあたってISO9001を求められる機会が増えてきました。
先方の視点からすると、上司に新しい取引先を説明する際に「ここの会社は信頼できます」と理解してもらうためにISO9001を持っていることが手っ取り早いということがあげられます。
7.ISO9001認証取得までの大まかな流れ
ここでISO9001認証取得の大まかな流れを紹介します。
①まず取得までの計画を立てる
②品質マネジメントシステムを構築する
③マネジメントシステムに則り、運用をする
④申請する
⑤審査を受ける(一次審査・二次審査)
⑥審査会を通過する
⑦認証取得完了
大まかにこの7つのステップで進める必要があります。
詳細スケジュールはこちらの記事で詳しく解説しております。
8.ISO9001を返上する理由
ISO9001をやめる企業は少なからずあります。
どういった理由でISO9001をやめるのでしょうか。
例えば、下記2つがあげられます。
①ISO9001を維持・更新する理由がなくなった
元々、取引先よりISO9001の取得を求められたから取得したものの、その取引先とのやり取りが無くなったことにより、ISO9001を取得が必要なくなった場合、やめるケースがあります。
②ISO9001の運用が回らなくなった
この理由が一番多いかもしれません。
ISO9001を取得できたのは良いものの、
毎年の審査からの指摘や運用ルールの多さに手一杯になり、ISO9001を運用することが形だけになってしまう企業が多いです。
担当者にすべて任せきりになってしまうこともあります。
そして最終的には審査に間に合わなくなり、結局やめてしまうケースもあります。
まとめ
ISO9001のメリットは
社外では「取引先への信頼獲得」、
社内では「社内の生産性アップ」「従業員教育の効率化」「従業員満足度UP」があげられます。
ISO9001のデメリットは、「書類に関する手間がかかる」「審査費用の発生」が主となります。
取得の目的で一番多いのは「お取引先や顧客から求められたから」です。
また、ISO9001を維持・更新する必要がなくなったり、運用がまわらなくなってしまい、やめてしまう企業もあります。
お困りの際は外部の専門家に一度相談してみるのもいいでしょう。当社では月額4万~で運用・更新サポートをしております、ぜひお気軽にお問合せ下さい。
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