2025年12月12日

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「ISO14001のマニュアルって絶対必須なの?」
「ISO14001のマニュアルの役割って何だろう?」
このような悩みやお困りごとに直面したことはありませんか?
業務中などに使用することが多いマニュアルですが、実は重要な役割を持っているのです。
また、マニュアルを作成する意味を理解することで、業務の効率化だけでなく組織における共通認識の統一化にも繋がるのです。
ここでは、マニュアル作成が本当に必須なのか、またマニュアルが持つ役割や作成時の注意点について、記載する事項も踏まえてご紹介していきます。
本コラムを読み終えれば、マニュアル作成の必要性が明らかになり、業務だけでなく組織全体にもたらす効果が明確になるでしょう。
1.ISO14001のマニュアルとは何か

ISO14001のマニュアルとは、環境マネジメントシステムを構築する際に、社内での情報伝達や業務の引き継ぎを効率的に行うことを目的として、「適用範囲」や「記録作成の手順」などを記載した文書のことです。
ISO14001においてマニュアルの作成は、事業活動を円滑に進めるために非常に重要です。
また、マニュアルはマネジメントシステムを運用する従業員に対し、「企業の方針」「目標や組織構造」「業務プロセス」などについて共通認識を与える役割を担っています。
2.ISO14001の取得にマニュアル作成は必須?
実は、ISO14001を取得するうえでマニュアル作成は必須ではありません。
ISO14001の要求事項では「環境マニュアル」を作成しなさいといった要求事項はありません。
いくつか手順を求められている箇所はありますが、使用する記録様式の欄外に手順を記載してしまえば、マニュアルとして文書化する必要はありません。
ただ、ISO14001規格要求事項4.4.4の文書類で定められている以下の部分については、どう補うかといった検討は必要となります。
- 環境マネジメントシステムの適用範囲の記述
- 環境マネジメントシステムの主要な要素、それらの相互作用の記述、並びに関係する文書の参照
3.14001マニュアル作成を推奨する理由
ISO14001マニュアルは義務化ではなく、文書化する必要がないのにコンサルタントが作成を進めてくることがあります。
この、マニュアルを作成を推奨することには、大切な理由が2つあります。
- 業務に当たる部署や、それらに関連する作業員に伝えるため
- 従業員に共通認識を持たせるため
このような理由から、コンサルタントは作成を推奨しているのです。
4.ISO規格におけるマニュアルの記載事項
では、ISO規格のマニュアルを作成する際、どのような内容を記載すれば良いでしょうか。
各ISO規格の要求事項を満たすため、企業が取り組むことについて記載をし、以下に示す要求事項の構成に沿って作成することがおすすめです。
(1) 適用範囲
ISOマネジメントシステムを適用する事業所や工場などを記載します。
(2) 適用規格
自社に適用する規格を記載します。
(3)用語の定義
自社に適用する規格と同様の定義を適用することを記載します。
(4) 組織の状況
会社内外の課題や利害関係者からのニーズを明確化し、適用範囲を決める旨を記載します。
(5)リーダーシップ
品質方針や環境方針などの記載、また組織図などで組織の役割を記載します。
(6)計画
品質目標や環境目標などの記載、また目標達成のための計画やルールを記載します。
(7) 支援
必要な環境や資源、設備、従業員に必要な力量を明確にし教育訓練について記載します。また文書化した情報管理について記載します。
(8) 運用
品質目標や環境目標を達成するための日々の業務の運用についてのルール等を記載します。
(9)パフォーマンス評価
内部監査のプロセスや監査・測定に必要なものを記載し、マネジメントレビューに必要なインプット項目・アウトプット項目についても記載します。
(10)改善
不適合における是正措置の手順やマネジメントシステムの継続的な改善について記載します。
しかし、上記に示した規格の構成通りに作成すると、専門用語の多さや内容の細かさによって、従業員から「よくわからない」という声が出ることもあり得ます。規格の要求事項をそのままなぞらえるだけのマニュアルは実際に使用したとしても、使いにくいものとなってしまう恐れがあるため注意が必要です。
5.業務で「使える」マニュアル作成
ただマニュアルを作っても業務で使えないと意味がありません。
ここでは業務で「使える」マニュアルを作成する際の3つの要素をご紹介します。
(1) 現場担当者に限らず全従業員が理解しやすい文書構成を意識し、専門用語の多様は避けること
全ての従業員が理解できるように、専門的な用語は避け、日常的な言葉を用いて書くと良いでしょう。
これにより、マニュアルが全従業員にとって理解しやすいものとなり、業務の効率化やミスの減少へとつながります。
(2) 全体像を把握しやすくすること
業務プロセスを表や図を用いて業務の流れを示すことによって、社員は全体像を把握しやすくなります。
これにより、各自の業務が全体の中でどのような位置づけにあるのかを理解しやすくなり、業務の意義であったり目的を明確にすることができるのです。
(3) マニュアルを定期的に見直すこと
最後に、マニュアルを定期的に見直し、現場の変化に合わせて都度更新することが重要です。業務環境は常に変化しているため、マニュアルもそれに合わせて、柔軟に対応していく必要があります。
これにより、マニュアルは常に最新の現場の状況を反映したものとなり、社員が適切な業務を行うための指針となります。
マニュアルの内容に業務の流れを図で表すフローチャートを業務フローや手順書の部分に積極的に取り入れることで、より理解しやすくなり、作業ミスの防止にもつながります。
6.まとめ
ISO14001においてマニュアル作成は。
ですが、マネジメントシステムを運用する従業員に、「企業の方針」「目標や組織構造」「業務プロセス」などの共通認識を与えるために、マニュアルはなくてはならない存在になっています。
業務で「使える」、従業員が「理解しやすい」そういったマニュアルを作成することがまずは重要です。
マニュアルは現場状況や日々変わっていく業務環境に応じて変化させていく必要があるので、定期的に見直しを行っていきましょう。
本コラムが、会社のISO14001をより効果的に活用し、マニュアルによって作業ミスの防止につなげていくための一助となれば幸いです。
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