2021年3月15日
ISO14001を維持するためには審査を受けて更新していく必要があります。
ISO14001の審査には更新審査と維持審査があり、審査の内容が少し異なります。
各審査で気を付けるポイントや、審査でなぜ指摘が出るのかも含めて解説していきます。
1.維持審査とは
ISO取得後、毎年行われる審査の1つに維持審査があります。
維持審査とは、前回の審査からの運用状況の確認であり、
「問題なく運用が継続できているかどうか」を確認することが目的です。
なお、審査機関によって「維持審査」や「定期審査」、「サーベイランス審査」など呼び方が変わります。
2.更新審査とは
ISOの有効期間は3年です。
そのため、取得後も3年ごとに更新審査を受けてISOの認証を継続していく必要があります。
更新審査とは、3年間分の運用状況を審査することであり、「ISO登録の更新が問題ないか」を確認することを目的として行われています。
維持審査とは違って、審査員の人数・審査期間が増えることもあり「昨年より長い」「確認されることが多い」と感じる方もいるかもしれません。
大変かもしれませんが、ISOを更新するためには必要な責務となります。
そして、更新審査の方が維持審査よりも厳しく審査されます。
更新審査においては前回更新時からの変化や再度3年間の運用を見直して問題はないかを見られるため、維持審査では出てこなかった指摘が出てくることがあります。
なお、更新審査も審査機関によって「再認証審査」など呼び方が異なります。
3.ISO更新審査、維持審査で落ちないための4つのポイント
ISO14001に限らず他のISO規格でも言えることですが、審査を受けるにあたって最低限対応すべき事項が4つあります。
これが実施されないと、審査を受けられない、もしくは審査に落ちる可能性があります。
①審査費用を支払うこと
②内部監査を実施すること
③マネジメントレビューを実施すること
④不適合が出た場合、2週間以内に是正対応すること
審査に落ちてしまい、また審査を受けるとなると(=再審査)、
追加で審査料が発生します。準備ももう一度しなければなりません。
この4点だけは漏らさず実施してくださいね。
4.審査を受ける7つの準備物
いよいよ審査を受けるとなったら、維持審査も更新審査も両方とも運用記録を審査員に見せられるように準備しておく必要があります。
維持審査は1年分、更新審査は3年間分の運用記録を用意しましょう。
審査員に見せる運用記録として以下が必須です。
・目的目標管理
・環境側面
・教育の記録
・遵守評価の記録
・緊急事態訓練の記録
・内部監査の記録
・マネジメントレビューの記録
その他、現場で使っている記録や現物などを要求されることがありますが、運用記録も含めて審査員が全てをチェックするわけではないので過剰に準備をすることはありません。
「完全・完璧を目指そう」「全て網羅したものを用意しよう」などと準備してしまうと、書類が大量になってしまい、矛盾が発生する場合があり、指摘につながってしまいます。
まずは7つの運用記録が確認できるようにしておきましょう。
5.審査ではあえて指摘を受ける
審査での指摘にはマイナスイメージが強いものですが、実は指摘を受けることで3つのメリットがあります。
①業務上では気づかなかった点や経営上で困っている点などの改善点を発見してもらえる
②指摘されることで従業員にもルールを再認識してもらえる
③改善点の対応策について質問ができる
ISOの審査は、審査員という客観的な立場の人から「こうしたらもっとよくなる」という改善点を指摘してもらえる場であると認識しましょう。
そのため、準備に時間をかけて取り繕うというよりも、審査で出してもらった改善点に対する是正のほうを重視して時間をかけるようにしましょう。
6.審査の流れ
ISOの審査は審査機関によって内容の差は多少なりともありますが、基本的には下記の流れです。
オープニングミーティング
↓
トップインタビュー
↓
現場視察
↓
管理責任者や各部署ヒアリング
↓
審査のまとめ
↓
クロージングミーティング
前回審査で出た指摘(観察事項含む)についてどう対応したかは必ず確認されますので、前回の結果を見返しておくとよいでしょう。 (観察事項とは、不適合ではないが今後そうなる可能性のある指摘です。対応しなかった場合には理由も聞かれます。)
更新審査では、前半で登録内容の確認があります。
また、管理責任者や各部署ヒアリングが維持審査より長い時間を取って行われます。
7.まとめ
ISO14001での審査を受けるためにはまず運用記録を出せるようにしておくこと、審査機関への支払いを行うことが必要です。
審査で指摘が出た場合には必ず是正対応を行うようにして認証を維持していきましょう。
また、審査で指摘は必ず出るものであり、改善の機会とポジティブにとらえて対応するようにしましょう。
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