2024年11月13日
ISO27017のコンサルってどうやって選べばいいの?
ISO27017(クラウドセキュリティ認証)のコンサルを選定するポイントは、実績数、専門知識、サポート体制の3点です。
具体的には、どれだけの支援実績があるか、そして業界特有の知識があるか、書類作成など作業まで支援してもらえるのか、打ち合わせはオンライン会議か訪問かなど、自分たちの要望に合うか確認しましょう。
2024年8月23日
情報セキュリティ認証は、企業や組織が情報資産を正しく取り扱いできていることを第三者機関が認証する制度です。情報セキュリティに関する認証として有名な認証制度は、ISO/IEC 27001(ISMS)、ISO/IEC 27017、プライバシーマーク(Pマーク)です。
目次
情報セキュリティ認証は、組織が情報セキュリティに関する規格や基準を満たしていることを第三者機関が認定する制度です。
この認証は、組織の情報セキュリティ対策が適切に行われていることを対外的に証明することを目的としています。
第三者機関が審査を行い、規格や基準を満たしているかを確認します。審査に合格すると認証が付与され、認証を維持するためには数年に一度の継続的な審査を受ける必要があります。これにより、情報セキュリティ対策が常に最新の状態であることが確認されます。
情報セキュリティは現代のビジネス環境において非常に重要な要素です。適切な対策を講じることで、組織の信頼性を高め、リスクを最小限に抑えることができます。
情報セキュリティの認証は、日本国内でも複数の種類があります。
その中でも昨今よく耳にするのは、以下の3つです。
現代のビジネス環境において、情報は企業の重要な資産の一つです。
情報の漏洩や改ざん、システムのダウンタイムなどのリスクは、企業の信頼性や競争力に大きな影響を与える可能性があります。
これらのリスクを管理し、情報資産を適切に保護するために、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)が導入されます。
今回ISO27001に焦点を当てて、情報セキュリティについて紹介します。
ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)における情報セキュリティとは、組織が保有する情報資産を適切に保護し、機密性、完全性、可用性を確保するための一連の管理活動や対策を指します。
これには、リスクアセスメント、セキュリティポリシーの策定、従業員の教育、技術的な防御策の導入などが含まれます。
情報が許可された人だけにアクセスされることを保証します。
これは、個人情報や企業の機密情報が不正にアクセスされないようにすることを意味します。
情報が正確であり、改ざんされていないことを保証します。
これは、データの変更や削除が不正に行われないようにすることを意味します。
必要なときに情報にアクセスできることを保証します。
これは、システムのダウンタイムを最小限に抑え、情報が常に利用可能であることを確保します。
ISMSは、これらの活動を体系的に管理し、継続的に改善することで、情報セキュリティの維持と向上を図ります。
情報セキュリティ認証としては、プライバシーマーク、ISO27001(ISMS)、ISO27017などがよく知られています。
ここでは、同じくISO27001に焦点を当てて情報セキュリティ認証を受けるメリットについて紹介します。
ISO27001は情報セキュリティのマネジメントシステムです。そのため、ISO27001のルールを策定しながら、社内の情報セキュリティに関するルールを整備し、それに基づいた運用が求められます。
また、第三者である認証機関(審査機関)から公平な観点で審査を受け、認証を取得することで、社内のセキュリティに関する課題を発見し、新たな改善を行うことができます。
社内のセキュリティルールが整備されることで、従業員はそのルールに従った活動が求められます。
また、ISO27001の認証を受けるためには、セキュリティ教育を受ける必要があります。基準が明確になれば、従業員も自分の行動が正しいかどうかを判断しやすくなります。
ISO27001の認証を受けることで、利害関係のない第三者からの評価が行われます。そのため、適切なセキュリティ体制を整備している組織として認定されます。他社との差別化にも活用でき、取引条件としてISO27001の認証を求める企業もあります。お客様からの評価も得やすくなるでしょう。
ISO27001の認証を受けると、名刺やホームページにロゴマークを掲載することができます。ISO27001を取得している企業は、情報セキュリティに関して高い信頼を得ることができ、取引先条件において非常に有利になることが多いです。これにより、他社との差別化が可能となります。
近年では、行政機関の入札条件としてISO27001を取得している企業が求められることが増えており、この動きは行政機関だけでなく、民間企業にも広がっています。
認証を取得するためには、審査機関による審査を受ける必要があり、審査費用は機関によって異なりますが、一般的に最低でも50万円以上かかります。
さらに、情報セキュリティ認証を取得する際の初期費用だけでなく、継続的に発生する費用も考慮する必要があります。
例えば、ISO27001認証を維持するためには毎年維持審査を受ける必要があり、この審査にも費用がかかります。また、認証取得の際にコンサルティング会社のサポートを受ける場合、そのサービス利用料も発生します。
認証取得後にかかる費用やコンサルティング会社に支払う費用は、情報セキュリティ認証の種類やコンサルティング会社によって異なりますが、数十万円以上のコストが定期的にかかることを理解しておきましょう。
情報セキュリティ認証を取得するためには、規格に関する知識やノウハウが必要です。自社で取得することも可能ですが、担当者は通常業務に加えて認証制度(ISO27001やPマークなど)について一から情報を収集する必要があります。
そのため構築までに時間がかかります。
認証取得には書類作成や審査対応なども必要となるため、認証に向けて動き出す前に、かかる時間・費用・工数を十分に検討することが重要です。
また、認証取得のスケジュールに余裕がない場合、自社での取得は難しいかもしれません。急いで取得する必要がある場合は、コンサルティング会社のサポートを利用することを検討した方が良いでしょう。
さらに、自社で取得する場合、担当者の作業時間や人件費の確保も必要です。取得時期が迫っている場合は、構築や運用に充てる時間が限られるため、費用と工数のバランスを考慮することが求められます。
Pマーク(プライバシーマーク)は、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営する認証制度で、日本国内における個人情報の適切な取り扱いを行っている事業者に対して付与される認証マークです。
Pマークを取得することで、事業者が個人情報保護に関する法律やガイドラインに基づいた適切な管理体制を整えていることを対外的に証明することができます。
ISO27001は、国際標準化機構(ISO)が策定した情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格です。
ISO27001認証を取得することで、企業や組織が情報セキュリティリスクを適切に管理し、情報資産を保護するための仕組みを整えていることを証明できます。
この認証は、情報セキュリティに関する国際的な信頼性を高めるために重要です。
ISO27017は、クラウドサービスに特化した情報セキュリティ管理の国際規格です。ISO27001の拡張規格として位置づけられています。
この認証は、クラウドサービスプロバイダーおよびクラウドサービス利用者が、クラウド環境における情報セキュリティリスクを適切に管理し、セキュリティ対策を実施していることを示します。
ISO27017を取得することで、クラウドサービスの安全性と信頼性を高めることができます。
これらの認証制度は、それぞれ異なる側面から情報セキュリティや個人情報保護を強化するための枠組みを提供しています。企業や組織は、自社のニーズや業務内容に応じて適切な認証を取得することで、信頼性や競争力を高めることができます。
Pマークは日本の個人情報保護に焦点を当てた認証制度であり、個人情報の取り扱いに関連する事業者が対象となります。
一方、ISO27001は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準であり、情報資産全般のセキュリティに焦点を当てています。
ISO27001は組織全体の情報セキュリティに適用され、個人情報だけでなく、企業情報全般のセキュリティに関連します。
PマークとISO27001はそれぞれ異なる情報に焦点を当てており、審査内容も異なります。Pマークは中身の妥当性を、ISO27001は適合性を審査します。
したがって、取得する目的や使用する場面、望む審査によって、どちらを取得するべきかが異なります。
ISO27001の認証を取得するためには、まず計画が必要です。取得の目的を明確にし、社内の役割や取得までのスケジュール、予算を決める必要があります。
認証を取得するためには、自社で全てを対応することもありますが、専門的な知識や判断が必要になるため、コンサルティング会社に依頼することも多いです。自社に合った認証方法を判断することも重要です。
計画が整えば、ルールを構築し、それに基づいて運用を行うことで、スムーズな認証取得につながります。運用が整ったら、認証機関(審査機関)による審査を受け、認証が行われます。
ISMS(ISO27001)認証取得までの流れについての詳細は、こちらをご確認ください。
ISO27001の認証を受けるには、認証機関に審査費用を支払う必要があります。
費用は、人数や拠点の規模によって異なります。リモート勤務を推奨する企業も多いですが、出社しないからといって審査対象外になるわけではありません。
また、認証機関によっても費用が異なることもあります。さらに、コンサルティング会社を利用して認証を受ける場合は、コンサルティング費用も発生します。
ISMS(ISO27001)の新規取得費用についての詳細は、こちらでご確認ください。
ISO27001を認証するまでの期間は、コンサルティング会社を利用するか、自社の力のみで認証するかによって異なります。
一般的に、コンサルティング会社に依頼してISO27001を認証する場合は、約半年程度での認証が可能です。
一方、自社の力のみで認証する場合は、1年~1年半程度かかることが多いです。
しかし、ISO27001の認証はゴールではなく、認証してからがスタートです。自社の目的に沿った取得方法や期間を定めていきましょう。
ISO27001の認証機関(審査機関)は、日本国内に約60社あります。
数が多いため、どの認証機関を選べばよいか迷うこともあるでしょう。
まず大前提として、どの認証機関で認証を受けても、ISO27001の認証としての価値に差はありません。
そのため、自社に合った認証機関を選ぶことが重要です。
認証機関によって審査のスタイルや費用に違いがあります。
以下の3つのポイントを参考に、認証機関を選ぶと良いでしょう。
認証機関ごとに審査の特徴や方針が異なることがあります。
自社に合った審査スタイルを持つ認証機関を選ぶことで、よりスムーズな審査が受けられます。
認証機関によって審査費用は異なります。
ISO27001は一度認証を受けたら終わりではなく、毎年の審査が必要です。そのため、ランニングコストを把握し、自社の予算に合った認証機関を選ぶことが重要です。
自社で立てた認証スケジュールに間に合うかどうかを確認する必要があります。
審査を受けられる時期や、ロゴマークや認証書が手元に届くタイミングを把握しておくと、計画通りに認証を進めることができます。余裕を持ったスケジュールを立てることをお勧めします。
以上のポイントを考慮して、自社に最適な認証機関を選びましょう。
最近では、クラウドセキュリティ認証であるISO27017の認知度も徐々に上がってきています。
ISO27017とは、クラウドサービスに関する情報セキュリティの第三者認証であり、クラウドサービスを利用・提供している企業がクラウドセキュリティの安全性を証明するものです。
ただし、ISO27017はアドオン認証と呼ばれるもので、必ずISO27001とセットで認証する必要があります。
つまり、ISO27017のみを認証することはできません。
ISO27001で情報セキュリティに関する仕組みを構築した上で、ISO27017でクラウドセキュリティに関する安全性をチェックします。
ISO27001と重複する部分もありますが、クラウドに関してはより細かく、深くセキュリティを確認する必要があります。なお、ISO27001の中でクラウドに関するセキュリティ対策を組み込むことも可能です。
そのため、ISO27017も目的を明確にした上で認証すると、より企業に役立つものになるでしょう。
ISMS認証は、組織の情報セキュリティマネジメントシステムが国際標準に適合していることを証明する制度です。
この認証は、情報セキュリティを維持・管理するための仕組みそのものを認証するものであり、特定の情報セキュリティ対策が実施されていることを保証するものではありません。
そのため、組織が必要な情報セキュリティ対策を十分に検討せずにISMS認証を取得することも可能です。
さらに、ISMS認証は会社全体ではなく、特定の部署に限定して適用することもできます。そのため、取引先がISMS認証を取得している場合でも、特定の部署ではその運用が行われていないことがあり得ます。
したがって、取引先がISMS認証を取得している場合でも、情報セキュリティ対策が十分であるとは限りません。取引先のISMS認証の適用範囲や実際のセキュリティ対策状況を確認することが重要です。
情報セキュリティ認証は、Pマーク、ISO27001(ISMS)、ISO27017など複数あります。
横並びにして検討されることも多くありますが、それぞれ特徴があります。
そのため、企業の目的によって認証すべき規格がどれなのかは異なります。
企業としての目的を明確にしたうえで、適切な情報セキュリティ認証を受けていきましょう。
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