2025年6月24日
ISO認証で補助金利用は可能?サクっと解説
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2025年10月10日

目次
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ISO9001の要求事項とはISO9001を認証取得する上での要件であり、また、品質マネジメントシステム(以下QMS)を効果的に運用するための手順書のようなものです。
組織がこれらの要求事項を満たすことによって、顧客満足度の向上を実現することが可能になります。
しかし、ISO9001取得検討にあたって、
「要求事項って何?」
「何をすれば良いのか?」
と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、要求事項の各項目の概要からQMSを構築する7つの要素について簡単に解説します。
ISO9001は、国際標準化機構(ISO)によって定められた、品質マネジメント(QMS)に関する国際規格を指します。
このISO9001を取得することで、対外的に「弊社は国際基準を満たす品質管理体制が整っている会社です」ということをアピールすることができます。
このISO9001が目指す最終的なゴールは「顧客満足」の向上です。それを達成するために、各業務のプロセスの継続的な改善を行うことが求められます。
単に製品の品質だけでなく、価格、顧客からの問い合わせ・苦情の対応、納期などの顧客満足に影響を与えるあらゆる側面が対象です。
ISO9001について更に詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
品質マネジメントシステム(QMS)は、組織が提供する製品やサービスの品質を向上させ、継続的に改善するための仕組みです。
QMSは、ISO9001の国際規格に基づいて構築されます。
顧客満足度の向上を目的としており、計画、実行、評価、改善のサイクル(PDCAサイクル)を通じてプロセス管理を行います。
具体的には、品質方針の設定、品質目標の策定、必要資源の管理、プロセスの監視と測定、内部監査、そして継続的な改善活動につなげていくことになります。
QMSの導入によって、組織は効率的に運営され、顧客の期待に応える製品やサービスを提供することが可能となります。

ISO9001の要求事項とは認証取得する上で、企業が満たさなければならない要件であり、QMSを効果的に運用するための「手順」でもあります。
以下は、ISO9001で要求されている項目一覧です。
ISO9001の要求事項は10項目ありますが、そのうち「1. 適用範囲」「2. 引用規格」「3. 用語及び定義」は、規格の前提となる部分で、PDCAサイクルとは直接関連しません。
「6. PDCAサイクルによる継続的改善が必要」で解説する、PDCAサイクルに関連する要求事項について簡単にご説明いたします。
組織の内部および外部の課題を理解し、QMSの範囲を決定します。
自社を取り巻く環境を分析し、QMSをどこまで適用するかを定めます。
経営層が品質方針を策定し、組織全体に浸透させる責任を持ちます。
トップマネジメントが品質へのコミットメントを示し、組織全体を導く役割を担うということを明確化します。
リスクと機会を評価し、品質目標を設定し、それを達成するための計画を立てます。
潜在的なリスクと改善の機会を見つけ、具体的な目標と行動計画を策定します。
ここで設定する「品質目標」は、以下で解説する「品質方針」に基づいています。
【例】
・品質方針を達成するために品質目標を定め、その達成を図る活動を行う。
・顧客満足の向上を目標とし、要求事項への適合及びQMSの有効性の継続的な改善を行います。
【例】
・顧客満足度の向上:アンケート平均9点以上
・年間クレーム10件以内
QMSの運用に必要な人、物、情報などを確保し、従業員への周知を徹底します。
顧客に提供する製品やサービスの製造・提供プロセスを管理し、実行します。
製品やサービスの提供に関するプロセスを計画し、管理します。
顧客に提供する製品やサービスの製造・提供プロセスを管理し、実行します。
QMSの有効性を監視し、測定し、分析します。
QMSが効果的に機能しているか、データに基づいて客観的に評価します。
継続的な改善を行い、不適合の是正措置を実施します。
評価結果に基づき、問題点があれば修正し、品質向上を目指します。
ISO9001を取得するためには、ISO9001の要求事項に基づいたQMSの構築が必要です。
しかし、QMSを構築しただけでは申請できません。QMSを実際に運用し、最低1回はPDCAサイクルを実施して運用状況を確認し、継続的な改善を行うことが求められます。
ISO9001の詳しい取得方法はこちらで詳しく解説しています。
品質マネジメントの基礎となる7つの原則は、組織が高品質な製品やサービスを提供するための指針となります。

顧客のニーズと期待を理解し、顧客満足度の向上に努めます。
顧客の声を集め、その期待を超える製品やサービスを提供することで、長期的な信頼関係を築きます。
組織の指針や方向性を明確にすることで、目的実現と企業の成長に繋がります。
従業員だけではなく、経営層・組織のトップマネジメントが率先して品質改善にコミットメントし、
共通の目標に向かうよう促します。
全ての従業員が組織の成功に貢献できるようにします。
従業員一人ひとりが主体的に品質改善に参加できるような環境を整えます。
仕事の流れを明確にして管理することを意図し、インプットとアウトプットに対してそれぞれを繋げていくことで製品やサービスを提供できます。
業務を一つの連続したプロセスとして捉え、各工程のつながりを可視化し最適化することで、効率的に安定した品質の製品・サービスを生み出します。
継続的に改善を繰り返しレベルアップできる仕組みを目指します。
現状で満足するのではなく、小さな問題点や非効率な点を継続的に見つけ出し、改善し続けます。
主観的な意見や感情ではなく、客観的なデータや事実に基づいて行います。
勘や経験だけでなく、データ分析、測定結果やアンケート結果を用いて、根拠に基づいた判断を行います。
顧客やサプライヤーなど利害関係者との関係を管理し、品質向上を実現します。
サプライヤーや外部パートナーとの連携を強化し、相互にメリットのある協力関係を構築することで、サプライチェーン全体の品質を高めます。
これらの原則を実践することで、組織は持続的に高品質な製品やサービスを提供し、顧客満足度を向上させることができます。

ISO9001は最低でも1年に1回ISO9001の運用をPDCAサイクルにて回していく必要があります。
その内容として、前の章で説明しましたISO9001要求事項の大枠になっており、PDCAサイクルに落とし込んでいくと、下記のような表現になります。
多くの取引先や顧客は、ISO9001を取得していることを取引の条件としています。
これにより、品質管理が確立されている企業と安心と信頼の担保が期待されているためです。
ISO9001を取得することで、競合他社との差別化が図れます。
品質管理の体制が整っていることを証明でき、顧客からの信頼を得やすくなるためです。
公共工事の中にはISO9001を取得していることが参加条件となることがあります。
特に建設関係の企業は、入札加点の対象となることが多いです。
ISO9001はこれまで解説してきました通り顧客満足を目的とした「品質管理」に関するマネジメントシステム規格です。
他にも多くのマネジメントシステム規格があり、それぞれ異なる目的があります。
| 規格名 | 目的 | 対象 |
| ISO9001(QMS) | 顧客満足度の向上 | 製品やサービスの質 |
| ISO14001(EMS) | 環境リスクの低減 | 事業活動、製品・サービスが環境に及ぼす影響 |
| ISO27001(ISMS) | 情報セキュリティの強化 | 組織の情報資産 |
| ISO45001(OSHMS) | 労働安全衛生の向上 | 労働環境 |
ISO9001が「取得しても意味がない」と言われる理由として、認証マークを掲げることが目的になり形式的な取得で終わるケースが挙げられます。
ISO9001の取得はあくまで手段であり、製品品質の向上や顧客満足度の向上、業務プロセスの管理体制の構築など、会社の課題を改善するための一つの手段として活用することで、より効果的なマネジメントシステムの構築が期待できます。
この記事では、ISO9001の要求事項が品質・顧客満足度を高め、組織を継続的に改善していくための「手順書」であることを解説しました。
要求事項を理解し、7つの原則を実践しPDCAサイクルを回すことが求められます。
しかし、ISO9001の取得のみを目的としてしまうと、形骸化してしまうケースがほとんどです。
ISO9001の取得は品質・顧客満足の向上を目的とし、自社にあったQMSを構築しましょう。
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