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【総額公開】ISMS認証取得にかかる全費用と相場を徹底解説!コストダウンと自社負担軽減の極意

2025年10月27日

【総額公開】ISMS認証取得にかかる全費用と相場を徹底解説!コストダウンと自社負担軽減の極意

目次

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「ISMS認証の取得を検討しているけれど、どのくらいの費用がかかる?」
という疑問をお持ちではないでしょうか。

結論からお伝えすると、大きく分けて、審査費用・コンサル費用・内部費用の3種類の費用が生じます。

そのうち、審査費用の目安を表にしたものが下図となります。

近年、情報セキュリティの重要性が高まるなか、ISMSへの関心が高まっています。しかし、認証取得には一定のコストがかかるため、費用対効果を見極めたいという方も多いでしょう。

この記事では、ISMS認証取得にかかる3種類の費用について、具体的に解説します。

効果的に費用を抑えるポイントもご紹介しますので、ISMS認証取得の意思決定や予算組みの参考情報として、お役立てください。

1.ISMS認証とは?認証取得のメリットと費用対効果

(1)ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の基本

ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)認証とは、組織が保有する情報資産(顧客情報、技術情報、経営情報など)を「機密性・完全性・可用性」の観点から適切に管理・保護していることを、国際規格ISO/IEC27001に基づき第三者機関が証明する制度です。

単なるセキュリティ機器の導入ではなく、組織全体でルールを定め、運用し、PDCAサイクルを回して継続的に改善する仕組みを構築していることが評価されます。
この認証は、組織が国際的な標準レベルのセキュリティ体制を備えていることの証明であり、対外的な信頼性と内部統制の両面を強化するものです。

(2)コストをかけてでも取得する4つのメリット

ISMS認証の取得には審査費用や人件費など一定のコストがかかりますが、それを上回る効果が期待できます。主なメリットを整理すると以下の通りです。

メリット内容
取引先・顧客からの信頼向上第三者認証により、情報管理体制の信頼性を客観的に示せる。特に機密情報を扱う取引で有利。
入札・取引条件での優位性公共調達や大手企業との取引で、ISMS取得が条件となるケースが増加。
法的・社会的要請への対応個人情報保護法などの法令遵守体制を整備し、コンプライアンスを強化。社会的責任を果たす基盤となる。
リスク低減と内部統制の強化リスクアセスメントに基づき脆弱性を把握・対策。人的・技術的リスクを抑制し、経営資源を保護。
社内意識の向上と業務効率化セキュリティ教育を通じて意識を高め、文書化されたルールにより業務を標準化。無駄の削減や効率化にも寄与。

(3)費用対効果を最大化するための視点

ISMS認証は「単なるコスト」ではなく、経営資源の有効活用と捉えることが重要です。

費用対効果を高めるためのポイントは以下の通りです。

認証範囲を適切に設定
必要な部門・拠点に絞ることで無駄なコストを抑制。
既存の仕組みを活用
既存のルールや教育制度を統合し、二重管理を防ぐ。
効率的な運用を意識
クラウドツールや専門家の支援を活用し、維持・更新の負担を軽減。
「認証のため」ではなく「事業のため」
形だけの文書作成に終わらせず、自社の事業リスクに即した実効性ある仕組みを構築。
コンサルティングを投資と捉える
安さだけでなく、運用定着を支援できる質

ISMS認証は、

  • 外部への信頼性向上(顧客・取引先・社会への証明)
  • 内部体制の強化(リスク低減・業務効率化・意識向上)

の両面から企業価値を高める投資です。

費用対効果を意識した運用を行うことで、単なる「認証取得」にとどまらず、経営に資するセキュリティ基盤を築くことができます。

2. ISMS認証取得にかかる費用(1)審査費用

ISMS認証を取得する際に必ず発生するのが、第三者認証機関に支払う「審査費用」です。
この費用は初回の認証取得時だけでなく、毎年の維持審査、3年ごとの更新審査でも継続的に発生します。

審査費用は一律ではなく、認証機関の方針・組織規模・拠点数・審査日数・事業内容の複雑性など、複数の要因によって変動します。
費用は「審査工数(審査員が費やす日数)」を基準に算出されるため、見積依頼時には審査範囲・対象従業員数・拠点情報を正確に伝えるようにしましょう。

ここでは、まず審査費用を左右する主な要因を解説した上で、各審査費用の内訳を見ていきます。

(1)審査費用が変動する要因(認証機関、組織規模、拠点数など)

審査費用は一律ではなく、主に以下の要因によって大きく変動します。

要因内容

認証機関の違い

機関ごとに料金体系や審査日数が異なる。大手機関は費用が高めだが信頼性・サポートが充実。

組織規模・従業員数

対象部門や従業員数が多いほど審査工数が増え、費用も上昇。

拠点数・地域分散

複数拠点が対象の場合、現地審査や出張費が加算される。

事業内容の複雑性

高度な機密情報を扱う、または業務が複雑な場合は審査が慎重になり、工数が増加。

体制の成熟度

文書整備や管理体制が整っていれば審査が短縮され、費用を抑えられる場合もある。

(2)初回審査費用(1年目に発生)

初めてISMS認証を取得する際には、第三者認証機関による「初回審査」を受ける必要があります。

申請書類の提出から始まり、一次審査、二次審査、判定委員会での認証可否の判定を経て、認証取得に至る一連のプロセスが初回審査です。

【初回審査費用の相場(※概算)】

従業員数費用
1~10名535,000円
11~25名640,000円
26~45名880,000円
45~65名1,020,000円
66~85名1,090,000円
86~125名1,240,000円

【初回審査の流れ】

申請書提出
認証機関に申請書を提出し、審査日程や費用見積もりについて打ち合わせます。
一次審査
申請書類に不備がないか、ISMS文書が要求事項を満たしているかを確認します。
二次審査
審査員が実際に現地に赴き、ISMSが適切に運用されているかを確認します。
判定委員会
一次審査・二次審査の結果を踏まえ、認証可否の判定が下されます。
認証取得
判定委員会にて認証取得が承認されると、認証書が交付されます。認証書の有効期間は3年間です。

初回審査では、社内のISMS体制が認証基準に適合しているかが厳しく審査されます。万全の準備を行い、スムーズに認証を取得できるよう尽力しましょう。

重大な不適合が出て再審査になった場合には、再審査費用と審査員の交通費などが追加で発生しますので、注意が必要です。

(3)維持審査費用(毎年発生)

ISMS認証は取得して終わりではありません。認証取得後も、ISMSが継続的に適切に運用されていることを示すため、毎年1回の維持審査を受ける必要があります。

【維持審査費用の相場(※概算)】

従業員数年間費用
1~10名210,000円
11~25名290,000円
26~45名340,000円
45~65名440,000円
66~85名440,000円
86~125名480,000円

【維持審査のポイント】

  • 前回の審査から変更された部分に重点が置かれ、変更管理が適切に行われているかがチェックされます。
  • 軽微な指摘事項は、その場で是正できれば問題ありません。重大な不適合は再審査が必要になることもあります。
  • 審査工数は1〜2日程度で、審査員1〜2名で行われるのが一般的です。
  • 審査に合格すると、次回の維持審査まで認証の有効性が維持されます。

維持審査は、ISMS運用の定着度や改善状況を確認する重要な機会です。日頃からISMSのPDCAサイクルを回し、審査に万全の態勢で臨みましょう。

(4)更新審査費用(3年ごとに発生)

ISMS認証の有効期間は3年間です。有効期限が切れる前に、あらためて認証基準への適合性を確認するための更新審査を受審します。

【更新審査費用の相場(※概算)】

従業員数更新審査費用
1~10名400,000円
11~25名470,000円
26~45名600,000円
45~65名670,000円
66~85名790,000円
86~125名840,000円

【更新審査の特徴】

  •  1年ごとの維持審査よりも審査工数が多くなるのが一般的です。
  •  文書類の改訂状況、パフォーマンス評価、マネジメントレビューなどが重点的に確認されます。
  •  前回の審査から変更された部分も注意深くチェックされます。
  •  不適合がある場合、有効期限までに是正処置を完了させる必要があります。
  •  審査に合格すると、新たに3年間の有効期間が付与されます。

更新審査は、3年間のISMS運用の集大成ともいえる重要な審査です。日頃の取り組みが問われる場だけに、審査に向けた入念な準備が欠かせません。

以上のまとめとして、冒頭の表を再掲します。

5年目以降も、毎年の維持審査費用と3年ごとの更新審査費用が発生します。

(5)注意点

  • 審査費用は認証機関によって異なり、相見積もりを取ることが推奨されます。 
  • 見積金額には「審査員の交通費・宿泊費」が含まれない場合が多いため、別途確認が必要です。
  • 認証範囲を限定する「スモールスタート」を行えば、初期コストを抑えることも可能です。

3. ISMS認証取得にかかる費用(2)コンサルティング費用

自社の情報セキュリティ体制を見直し、ISMS認証基準に適合させるのは容易ではありません。

そのため、多くの企業がコンサルティングを利用します。

続いて、コンサルティング費用について解説します。

  1. コンサルティング費用とは?
  2. コンサルティング費用の相場
  3. 自社で対応できる?
  4. 月額4万円でしっかり運用サポートまで行う認証パートナー

(1)コンサルティング費用とは?

ISMS認証取得の際、専門知識を持ったコンサルタントに支援を依頼するための費用が、コンサルティング費用です。

【ISMSコンサルティングのおもな内容】

ISMS構築支援
現状分析、リスクアセスメント、ISMS文書作成、教育・訓練、システム導入支援など、ISMSの認証取得に向けて必要な体制構築をサポートします。
認証取得支援
適切な認証機関の選定、審査対策、審査対応、不適合対応など、スムーズに認証を取得するためのサポートを行います。
ISMS運用支援
内部監査、マネジメントレビューなどの支援や、 ISMSの継続的な改善活動のサポートを行います。

コンサルティングを活用する意義は、大きく2つあります。

1つめは「認証取得の可能性を大幅に高められること」です。早く確実にISMS認証を取得したい企業にとって、コンサルティングは不可欠です。

2つめの意義は、「時間とコストを削減できること」です。ISMS構築や認証取得に必要な作業をコンサルタントに委託し、自社の負担を軽減できます。

(2)コンサルティング費用の相場

コンサルティング費用は、依頼する会社や支援内容によって大きく異なります。相場は一律ではありませんが、おおよそ以下のような金額感になるでしょう。

【コンサルティング費用の目安】

「アドバイスのみ」
コンサル
30〜50万円/年
リーズナブルな価格設定ですが、アドバイスを受けながら担当者がイチから作るため、無駄なルールが増えやすく、認証後の運用が大変になりやすいという課題があります。
「アドバイス + 運用サポート」
コンサル
50〜150万円/年
プロがお客様の現状をヒアリングしながら、文書・ルールを作成するため、必要最低限で実務に沿ったISMSの運用が可能です。

自社の体制に合わせ、適切な支援内容と期間を見極めることが重要です。

(3)自社で対応できる?

「コンサルティング費用を抑えるために、自社のみでISMS認証を取得できる?」
という点が知りたい方も多いでしょう。

結論からいえば、非常に困難な道となるケースが多いため、おすすめはできません。社内で試行錯誤が必要なため、社内リソースを多く割かざるを得ず、それでも認証を受けられないリスクがあります。

一方で、一定の条件を満たしている企業であれば、自社対応でのISMS認証取得も選択肢となり得ます。具体的には以下をご確認ください。

【自社対応を検討できる企業の要件】

情報セキュリティ専任担当者の在籍
情報セキュリティに関する専門知識を持ち、ISMSの構築・運用をリードできる専任の人材が社内に在籍していることが、まず大前提です。ISMSの規格であるISO27001の要求事項を理解し、社内の実態に合わせて適用できる人材の存在が欠かせません。
経営層の強力なコミットメント
ISMS認証取得の意義を理解し、強力にバックアップする経営層の存在が必要です。トップのリーダーシップなくして、全社的なISMSの浸透は望めません。予算や人員の確保など、経営層の強力な後ろ盾が必要不可欠といえるでしょう。
従業員のセキュリティ意識の高さ
ISMSの実効性を高めるには、全従業員のセキュリティ意識の向上が欠かせません。自社対応で進める場合、従業員一人ひとりにISMSの重要性を浸透させ、協力を得られる土壌が必要です。
文書化の習慣
ISMSでは、規程や手順書などの文書化が重要な要素のひとつです。日頃から業務プロセスや手順を文書化する習慣が社内に根付いていれば、ISMS文書の整備もスムーズに進めやすいでしょう。
品質マネジメントシステム導入の経験
ISO9001など、ほかのマネジメントシステム認証の取得経験があれば、ISMSへの対応もスムーズといえます。PDCAサイクルを回す習慣が備わっていたり、システム運用の知見が社内に蓄積されていたりと、ISMSの土台となる基盤が既に存在しているケースが多いからです。

(4)月額4万円でしっかり運用サポートまで行う認証パートナー

「自社だけでの対応は難しいが、高額のコンサル費用の捻出も難しい」
という場合には、月額4万円(年間48万円)の認証パートナーのご利用をご検討ください。

料金はお手頃価格でありながらも、認証率100%を誇る高品質なコンサルティングをご提供します。

詳しくは以下の資料をダウンロードしてご確認ください。

4. ISMS認証取得にかかる費用(3)内部費用

ISMS認証取得には、審査費用やコンサルティング費用以外にも、自社で負担する内部費用が発生します。人件費、教育費用など、見過ごされがちな内部費用についても理解を深めておきましょう。

  1. 従業員の人件費
  2. 教育費用
  3. システム改修費用
  4. ツール導入費用

(1)従業員の人件費

【ISMS関連で発生するおもな業務】

プロジェクト管理
ISMS認証取得プロジェクトの計画、推進、進捗管理などを行います。
現状分析・リスクアセスメント
自社の情報セキュリティの現状を分析し、リスクアセスメントを実施します。
文書整備
規程・手順書などISMS文書の整備を行います。既存の文書の改訂も必要です。
実装・運用
ISMSで定めた管理策を実装し、運用します。運用の記録も欠かせません。
内部監査
ISMSが適切に運用されているか、定期的に内部監査を行います。

これらの業務を本来の業務と並行して進めなければならないため、負荷が大きくなります。

人件費を最小限に抑えるには、効率的な体制作りと、メリハリのある業務の進め方が重要です。加えて、前述のコンサルタントをうまく使うことも鍵となります。

(2)教育費用

ISMSを全社的に浸透させ、実効性を高めるためには、従業員教育が欠かせません。その際に発生するのが、教育費用です。

【教育費用のおもな内訳】

教材作成費
ISMSの基礎知識、自社の規程・手順などを解説する教材の作成費用がかかります。
講師への謝金
社外の講師を招く場合は、謝金が発生します。
会場費・設備費
教育を行う際の会場費や、必要な設備のレンタル料などがかかります。
受講者の人件費
教育に参加する従業員の人件費も、広い意味での教育費用といえます。

eラーニングを活用するなど、工夫次第で教育費用を抑えることは可能です。ただし、教育の質を落とさないよう注意が必要です。

(3)システム改修費用

ISMSの要求事項を満たすために、既存のシステムの改修が必要になることがあります。

【システム改修が必要になりやすい例】

アクセス制御
重要な情報へのアクセス制御が不十分な場合、改修が必要になります。
ログ管理
証跡を残すため、ログ管理機能の改修・追加が求められることがあります。
暗号化
重要な情報を暗号化していない場合、暗号化機能の実装が必要になります。
脆弱性対策
既知の脆弱性を放置していると、改修を求められます。

改修の規模によっては、大きな費用が発生する可能性があります。過度な投資を強いられないよう、適切な改修範囲の見極めも重要です。

(4)ツール導入費用

ISMS関連の業務を効率化するために、専用ツールの導入を検討することもあるでしょう。

【ISMS関連のツール例】

リスクアセスメントツール
リスクの抽出、分析、評価をサポートするツールです。
文書管理ツール
ISMS文書の作成、承認、配布などを一元管理できるツールです。
監査支援ツール
内部監査の実施、指摘事項の管理などをサポートするツールです。
脆弱性診断ツール
自社のシステムやWebサイトの脆弱性を自動的に診断するツールです。
eラーニングシステム
ISMSに関する教育をオンラインで実施できるシステムです。教育の効率化に寄与します。

ツールを適切に活用すれば、業務の効率化や品質向上が期待できます。一方で、導入・運用には一定のコストがかかることも事実です。

費用対効果を見極めつつ、自社に本当に必要なツールを選定することが大切です。

なお、システム改修やツール導入の要否は、専門家でないと見極めが難しい面があります。コンサルタントのアドバイスを受けながら判断することをおすすめします。

5. ISMS認証取得にかかる費用を抑えるポイント

ここまで見てきたように、ISMS認証取得には相応の投資が必要です。最後に、費用を抑えつつ、効果的に認証を取得するためのポイントをお伝えします。

  1. 認証機関は相見積もりを取って比較する
  2. 助成金制度を活用する
  3. 自社のリソース(人的・物的)を事前に明確化する
  4. 自社の業務負荷を減らせる効率的なコンサルティングサービスを選ぶ

(1)認証機関は相見積もりを取って比較する

1つめのポイントは「認証機関は相見積もりを取って比較する」です。

ISMS認証取得にかかる費用を抑えるために、まず検討したいのが、認証機関の選定です。審査費用は認証機関によって異なります。

場合によっては、最安と最高値の機関で3倍もの差があるケースもありますので、複数の認証機関から見積もりを取り、比較検討することが欠かせません。

【見積もり確認のポイント】

宿泊費や交通費
直接的な審査費用以外に、審査員の宿泊費や交通費といった必要経費の支払いが必要となります。認証機関によって差が出やすいポイントですので、十分に比較しましょう。
長期的な料金体系
見積もりを取る際は、初回審査費用だけでなく、維持審査費用や更新審査費用など、トータルコストを確認することが大切です。

ただし、単に安い認証機関を選ぶのではなく、自社のニーズに合った認証機関を選ぶことも大切です。認証機関との信頼関係が、円滑なISMS認証取得と、その後の継続的な改善活動に大きく影響するからです。

認証機関の選び方については、以下の記事もあわせてご覧ください。

(2)助成金制度を活用する

2つめのポイントは「助成金制度を活用する」です。

セキュリティ対策に関わる助成金制度の利用によって、費用の一部を補助してもらえる可能性があります。

【代表的な助成金制度】

サイバーセキュリティ対策促進助成金
中小企業などを対象に、サイバーセキュリティ対策を実施するための設備などの導入を支援する制度です(参考:サイバーセキュリティ対策促進助成金(東京都中小企業振興公社))。
IT導入補助金
中小企業などの生産性向上に資するITツール導入を支援する制度です。業務効率化やDXに向けた ITツール(ソフトウェア、サービスなど)の導入費用に活用できます(参考:IT導入補助金2025)。
自治体の支援制度
自治体によっては、独自の補助金制度を用意していることもあります。役所や地元の商工会議所などに相談してみるとよいでしょう

助成金を受けるには、申請書類の作成など、一定の手間がかかります。しかし、費用の一部を補助してもらえるメリットは大きいため、積極的に活用を検討しましょう。

(3)自社のリソース(人的・物的)を事前に明確化する

3つ目のポイントは「自社のリソース(人的・物的)を事前に明確化する」です。

ISMS認証取得において、自社のリソース(人的・物的)を事前に正確に把握することは、費用を抑えつつ効率的にプロジェクトを進めるための重要なステップです。

人的リソース
プロジェクトを推進する担当者やチームのスキル・経験、確保できる時間を確認する。
物的リソース
既存のITインフラ、セキュリティ対策ツール、文書管理システムなど、活用可能な資産を洗い出す。

特に見落とされがちなのが、従業員が費やす時間や労力(内部コスト)です。外部費用(審査費用・コンサル費用)を抑えても、社内での文書作成や教育に過大な負担がかかれば、本業を圧迫し、結果的にトータルコストが増大する可能性があります。

【リソース明確化のメリット】

メリット内容

無駄な外部委託を防ぐ

自社で対応可能な作業を把握することで、外部コンサルや認証機関への依頼範囲を最小限に抑えられる。

コンサル費用の最適化

「どこまで自社で対応し、どこから外部に依頼するか」を明確化し、必要な部分だけに費用を集中できる。

スケジュールと人員計画の精度向上

誰が・いつ・どれくらいの時間を割けるかを把握し、無理のない計画を立てることで遅延リスクを減らせる。

予算の最適化

必要なリソースと不足しているリソースを明確にし、予算を適切に配分して無駄なコストを削減。

必要なIT投資の明確化

既存システムで対応できる部分と、新規導入が必要な部分を切り分け、不要な投資を避けられる。

 

(4)自社の業務負荷を減らせる効率的なコンサルティングサービスを選ぶ

4つめのポイントは「自社の業務負荷を減らせる効率的なコンサルティングサービスを選ぶ」です。

コンサルティング費用を抑えつつ、自社の負担をできる限りなく減らせるパートナーを選ぶことが重要です。

【理想的なコンサルパートナーの条件】

実績が豊富
数多くの認証取得支援実績があり、業界や企業規模に応じた最適なアプローチを提案できるコンサルタントを選びましょう。
社内で行うタスクを委託できる
文書作成やリスクアセスメントなど、時間と労力のかかる作業を代行してくれるコンサルタントなら、社内リソースを効率的に活用できます。本業への影響を最小限に抑えられます。
費用対効果が高いサービスを提供している
コストの安さだけでなく、それ以上の価値をもたらしてくれるコンサルタントを見極める必要があります。

コンサルタントの選定は、ISMS認証取得の成否を大きく左右します。サービス内容や相性なども含めて総合的に判断することをおすすめします。

その際には、ぜひ8,000社以上の支援実績と認証率100%を誇る認証パートナーへご相談ください。

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6.ISMS認証取得後の運用・維持にかかるコストと注意点

ここまではISMS認証を取得する際に発生する費用について解説してきましたが、実際のところ認証取得はゴールではなく始まりです。

ここでは、ISMS認証取得後の運用・維持にかかるコストと注意点 について解説します。

認証を維持し、情報セキュリティレベルを継続的に改善していくためには、教育・システム運用・外部委託といった多様なコストが毎年発生します。
これらをあらかじめ予算化し、計画的に運用することが不可欠です。

  1. 継続的なセキュリティ教育と予算化の重要性
  2. システム・ツールのランニングコスト
  3. 運用をアウトソーシングする場合の費用

(1)継続的なセキュリティ教育と予算化の重要性

ISMSの運用において、人は最も重要であると同時に最も脆弱な要素です。

教育を一度きりで終わらせてしまうと、時間の経過とともに従業員の意識は低下し、ヒューマンエラーによる情報漏洩リスクが高まります。そのため、フィッシングや標的型攻撃、クラウド利用やリモートワークといった新しい脅威に対応するためにも、定期的な教育や研修を継続的に実施することが欠かせません。

教育の方法としては、外部講師による研修、eラーニングや動画教材の活用、社内テストの実施、さらには内部監査員を育成するための専門研修など、さまざまな手段があります。

これらの取り組みを効果的に行うためには、教育費用を毎年の予算に組み込み、ISMSの基本原則である「継続的改善」を確実に担保することが重要です。

【ポイント】

教育費用を年間予算に組み込み、ISMSの「継続的改善」を担保する。

(2)システム・ツールのランニングコスト

ISMSの運用を支えるためには、各種システムやツールの維持が欠かせません。

項目内容

ライセンス・保守費用

ファイアウォール、アンチウイルス、クラウドサービスのセキュリティ機能、ログ管理ツールなどの利用料。

システム更新・陳腐化対策

技術進化に伴い、数年ごとにシステムの入れ替えやアップデートが必要。
内部運用コスト

システム監視、設定変更、インシデント対応などにかかるIT担当者の人件費。

ツール利用の最適化

情報資産台帳やリスク分析ツールなどはユーザー数や機能追加で費用が変動。重複機能を見直すことでコスト削減も可能。

 

【ポイント】

初期費用だけでなく、将来的な維持費を含めた総コストを見積もる。

(3)運用をアウトソーシングする場合の費用

自社リソースが限られている場合、ISMSの一部業務を外部に委託する選択肢もあります。

委託内容メリット注意点
ISMS事務局業務の代行社内負担を軽減し、
効率的に運用可能
委託範囲を明確化し、
責任体制を維持する必要あり
内部監査の代行専門家による客観的な
監査が可能
機密保持契約を徹底すること
文書改訂・リスクアセスメント支援専門知識を活用し、品質向上丸投げせず、自社にも最低限の
知識を残すこと
教育・訓練の実施支援社員教育の効率化外部依存度が高くならないよう
注意

 

【ポイント】

アウトソーシングは費用が発生するが、専門家の支援により品質と効率が向上し、結果的に費用対効果を高められる。

7.まとめ

まとめ本コラムでは、ISMS認証取得にかかる費用を「審査費用」「コンサルティング費用」「内部費用」の3種類に分け、その内訳とコストを抑えるポイントについて詳しく解説しました。

【ISMS認証取得にかかる費用の要点】

1.審査費用

初回審査、維持審査(毎年)、更新審査(3年ごと)の3種類が発生します。費用は組織規模や拠点数、認証機関によって大きく変動するため、複数の機関から相見積もりを取り、トータルコストを比較検討することが必須です。

2.コンサルティング費用

認証を迅速かつ確実に取得し、業務負荷を軽減するために利用されます。相場は支援内容によって異なりますが、自社のリソースと課題を明確にした上で、「認証取得後の運用定着」までを支援できる費用対効果の高いパートナーを見極めることが重要です。

3.内部費用

見落とされがちなコストとして、従業員の人件費(作業工数)が最も大きな割合を占めます。その他、教育費用、システム改修費用、ツール導入費用が発生します。

【コストダウンと効果最大化の鍵】

費用対効果を最大化し、ISMS認証を成功に導くためのポイントは以下の通りです。

認証機関の徹底比較
複数の認証機関から見積もりを取り、長期的なコストを比較検討します。
助成金・補助金の活用
国や自治体の制度を調査し、積極的に費用補助の制度を活用します。
自社リソースの事前把握
プロジェクト開始前に、人的・物的リソース(従業員が割ける時間、既存システムなど)を明確にし、外部委託の範囲を最適化することで無駄なコストを削減します。
効率的なコンサルタントの選定
安さだけでなく、自社の業務負荷を軽減し、実効性のあるISMS運用を支援できる専門性の高いパートナーを選びましょう。

ISMS認証は、情報漏洩リスクの低減、コンプライアンス強化、そして対外的な信頼性向上という、企業価値を高めるための重要な投資です。

本記事で解説した費用の全体像を理解し、コスト効率を意識した戦略的な取り組みを進め、スムーズな認証取得と継続的なセキュリティレベルの向上を実現されることを願っています。

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