2025年10月30日

目次
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- 1.海外でもISOは有効か?
- 2.【最新データ】2024年の海外ISO認証数ランキング
- ⑴ISO9001の認証状況
- ⑵ISO14001の認証状況
- ⑶ISO27001の認証状況
- 3.海外拠点でISOを取得できるのか?
- 4.海外拠点でISOを取得するメリット
- ⑴国際的な信頼性と信用
- ⑵国際取引の促進
- ⑶法令順守とリスク軽減
- 5.海外でのISO取得企業事例
- ⑴海外拠点でも日本語対応で審査をスムーズに
- ⑵ISOの適用範囲を拡大して、海外拠点でも認証を獲得
- 6.当社でのISO取得企業事例
- ⑴既にある社内規程をベトナムの運用に併せて改訂・翻訳
- ⑵内部監査の実施
- ⑶ISO記録のベトナム語翻訳
- 7.認証完了までの7ステップ
- ⑴ステップ1:社内体制の構築
- ⑵ステップ2:スケジュールの立案
- ⑶ステップ3:審査機関の選定・申し込み
- ⑷ステップ4:運用
- ⑸ステップ5:一次審査
- ⑹ステップ6:二次審査
- ⑺ステップ7:認証完了
- 8.実際の審査はどうやってやるの?
- 9.認証後運用はどうやっていくのか?
- まとめ
「海外でもISOは有効?」
「海外進出したいけど、ISOはどう取得すればいい?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
ISO認証は国際ビジネスにおける信頼の証であり、海外拠点での取得も可能です。
この記事では、海外の認証数ランキングや、海外拠点でISOを取得する具体的な7ステップ、メリット、審査の事例を分かりやすく解説します。
最後まで読めば、海外展開を加速させるISO活用の道筋が明確になるでしょう。
1.海外でもISOは有効か?

ISO(国際標準化機構)の規格は、異なる国の規制や基準を超えて一貫性を保つため、国際ビジネスにおいても非常に有効なツールとなります。
ISO認証は、海外市場でも信頼と品質の証明として評価されています。そのため、取引の円滑化や国際競争力の向上に役立っています。
2.【最新データ】2024年の海外ISO認証数ランキング
世界中でISO認証がどれくらい取得されているか、最新の統計データ「ISO Survey」の2024年版から見てみましょう。
ここでは、主要な3つの規格(ISO9001、ISO14001、ISO27001)における国別の認証件数ランキングを紹介します。
⑴ISO9001の認証状況
品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001は、全世界で最も多く認証されている規格の一つです。
2024年のデータでは、中国が約65万件と圧倒的な件数で1位となっています。日本は7位にランクインしており、引き続き多くの企業が品質管理体制の構築・維持に取り組んでいることがわかります。
引用:ISO Survey
ISO9001 国 件数 1位 中国 651,851 2位 イタリア 101,426 3位 インド 95,007 4位 韓国 51,647 5位 ドイツ 45,983 6位 スペイン 41,616 7位 日本 41,525 8位 イギリス 32,988 9位 アメリカ合衆国 28,783 10位 フランス 14,766
⑵ISO14001の認証状況
環境マネジメントシステムに関するISO14001においても、中国が約38万件でトップを占めています。
ISO9001と同様にアジア諸国の認証が目立ち、韓国が2位、日本は4位となっています。ヨーロッパ諸国(イタリア、スペインなど)も上位に入っており、環境への取り組みがグローバルな課題であることが反映されています。
引用:ISO Survey
ISO14001 国 件数 1位 中国 381,019 2位 韓国 28,137 3位 イタリア 28,116 4位 日本 22,932 5位 スペイン 20,836 6位 インド 17,609 7位 イギリス 16,140 8位 ドイツ 10,473 9位 オーストラリア 8,575 10位 ルーマニア 7,103
⑶ISO27001の認証状況
情報セキュリティに関するISO27001は、DXやサイバーセキュリティの重要性が高まる中で、近年急速に認証数が増加している規格です。
こちらでも中国が約3.3万件で1位ですが、2位にインド(6,758件)、3位に日本(6,644件)と僅差で続いています。トップ3をアジア諸国が占めており、この地域での情報セキュリティに対する意識の高さが伺えます。
引用:ISO Survey
ISO27001 国 件数 1位 中国 33,359 2位 インド 6,758 3位 日本 6,644 4位 イギリス 4,455 5位 アメリカ合衆国 4,260 6位 イタリア 3,284 7位 トルコ 3,202 8位 ドイツ 2,444 9位 スペイン 2,425 10位 オーストラリア 2,217
3.海外拠点でISOを取得できるのか?
海外拠点でISOを取得することは、可能です。
実際、日本の企業でも海外拠点のベトナムの工場でISO9001を取得しているケースもあります。
全世界で見ると、認証数が多いのは中国ですが、最近は韓国やアメリカの認証数も増えてきています。
海外拠点のISO認証することで現地でのイメージアップにも繋がるでしょう。
当社でも、ベトナム・インドネシアでのISOコンサルティングを行なっております。
日本語にも長けた現地コンサルタントが担当しますので、ぜひ一度ご相談ください。
4.海外拠点でISOを取得するメリット
ISO認証は世界的に認知される国際的な標準を遵守していることを証明するものです。
そのため、海外拠点でISOを取得することで得られるメリットがあります。
メリットは以下のようなものです。
⑴国際的な信頼性と信用
ISO認証することで、海外での事業展開において、企業の信頼性と信用性が向上します。
顧客や取引先、投資家などが、世界標準の品質・安全性・環境への遵守を重視することが増えており、ISO認証を持つ企業は競争力を高めることができます。
⑵国際取引の促進
ISO認証は海外でのビジネス展開において重要です。
国際取引においては、品質・安全性・環境などの標準を共有することが大切であり、ISO認証を持つことで海外取引が円滑に進む可能性が高まります。
⑶法令順守とリスク軽減
ISO認証は法令遵守やリスク管理においても役立ちます。
規格を遵守することで、企業は法的なトラブルや不適切な事業実践によるリスクを軽減できます。
ただし、海外拠点でISO認証を取得するにはかなりの期間が必要です。適切な規格を選定し、実装・維持するためのコミットメントを持つ必要があります。
また、各国によって異なる法律や規制にも対応しなければならない点を理解し、十分な準備を行うことが重要です。
5.海外でのISO取得企業事例
⑴海外拠点でも日本語対応で審査をスムーズに
ある企業様では、日本の審査機関を活用してISOを取得しています。
海外でも、条件を満たせれば日本語で審査を受けることが出来ます。
日本語で審査をすることでミスコミュニケーションが無くなります。審査後の指摘や改善もすべて日本語のため、改善活動がスムーズに進みます。
⑵ISOの適用範囲を拡大して、海外拠点でも認証を獲得
もう一つの事例は、認証範囲の拡大を行い海外拠点でもISOを認証することです。
すでに構築されているISOの仕組みをそのまま現地に落とし込むだけで認証が出来るため、海外で一からISOを始める手間や時間が大幅に削減できます。
その半面、翻訳作業にかなりの時間を要することになります。
また、既にある規程を現地のルールに合わせて少しブラシュアップする作業が発生します。
6.当社でのISO取得企業事例
当社のお客様でも、日本の審査会社を使ったり、認証範囲の拡大の対応をしてベトナム拠点で認証を取られた事例があります。
これらの取組みとして、以下の対応を当社でお手伝いしました。
⑴既にある社内規程をベトナムの運用に併せて改訂・翻訳
本社の規程をそのままベトナム語に翻訳するのではなく、現地特有のルールや現ルールで運用が出来ているのかを確認しながら翻訳をしました。
現地のやり方に合わせた運用を規程に反映させることが認証範囲拡大審査では重要になります。
⑵内部監査の実施
認証範囲を拡大して審査をする場合も、内部監査の実施は必要です。
当社が内部監査員となり、翻訳した規程通りの運用が実施できているかを確認し、改善点があれば改善指示を出します。
⑶ISO記録のベトナム語翻訳
認証範囲拡大で確認されるISO記録が現地でも運用されているか・現地の言語で作成されているかを確認します。
確認される記録が準備出来ていない場合には、当社で帳票を作成し、運用記録を作成して頂きます。
ベトナム・インドネシアでのISOコンサルティングはお任せください!
日本語にも長けた現地コンサルタントが担当いたします。
7.認証完了までの7ステップ
海外拠点でISO認証するまでの7ステップを紹介します。
⑴ステップ1:社内体制の構築
まずは誰が責任者として取得に向けて取り組んでいくのかを決めましょう。
何事も責任者を決めないと何かが起こった際に責任の所在がわからなくなってしまいます。
マネジメントシステムの改善は全社で行うものですが、誰が責任をもって進めていくのかを明確にしましょう。日本法人で海外拠点がある会社だと、日本法人の方が責任者になるケースもございます。
⑵ステップ2:スケジュールの立案
社内の体制が決定した後は認証までのスケジュールを立てます。
計画を立てることでいつまでに何をしなければいけないのかが明確になります。最初にいつまでに認証したいのかというゴールをまず決めましょう。
ゴールが決まればそこから逆算し、いつまでに審査を受けなければならないのか、いつ内部監査をしなければならないのかなど具体的に決めやすくなります。
⑶ステップ3:審査機関の選定・申し込み
スケジュールを立案した後は、審査機関の選定と申し込みをしましょう。
後ほど詳しく紹介しますが審査機関によっても審査の対応方法も異なりますので、審査の形式(オンラインなのか、対面なのか)や費用など何を重視するかを決めて、自社に合う審査機関を選定しましょう。
海外拠点の審査を受け付けない審査機関も数多く存在しますので、選定には注意が必要です。
⑷ステップ4:運用
審査機関の選定ができたら実際に運用を開始しましょう。
ISOはPDCAサイクルを回し改善することを目的としているので、最低でも審査までに1サイクルは運用できるようにしましょう。
ISMS(ISO27001)であれば情報資産の洗い出し、ISO9001では品質マニュアルの作成、ISO14001では順守評価などを実施し、運用した結果を内部監査でチェックする必要があります。
そのチェックした結果をマネジメントレビューで報告し、次年度のアウトプットを貰います。
このようにPDCAサイクルを最低でも1サイクルは回して審査への準備をしましょう。
⑸ステップ5:一次審査
マネジメントレビューまで完了したら、いよいよ審査です。
初回審査は一次審査と二次審査と2回審査があります。
一次審査は簡単に言うと文書類の審査です。
ISOを運用する枠組みがあるのかというところをチェックする審査と思ってよいでしょう。一次審査で必要な文書や記録が揃っているかを確認し、二次審査へ進めることができるのかを確認されます。
何か指摘が出た際には、二次審査までに改善をするようにしましょう。
⑹ステップ6:二次審査
一次審査が無事に終了したら、一次審査からおよそ1か月〜1か月半後頃に二次審査を受けることになります。二次審査では一次審査で確認した枠組みを基に実際運用ができているのかを確認されます。
一次審査で確認された文書や記録の中身、内容についてチェックされるというイメージです。
二次審査でも審査員から何か指摘を受けた際には、早急に対応するようにしましょう。
「不適合」と呼ばれる改善が必須な指摘が出た場合は、改善できていることを審査員に報告し、認めてもらわないと認証に進めないため、なるべく早めに対応するようにしましょう。
⑺ステップ7:認証完了
二次審査も無事に終了すれば、認証完了となります。審査機関によって様々ですがおよそ2か月で登録証が発行されます。
しかしながら、認証して終わりではなく、毎年審査はあるので認証ができたからといって気を抜かず、継続してPDCAサイクルを回していきましょう。
8.実際の審査はどうやってやるの?
皆さんが気になるのは海外拠点でのISO認証をする際、審査ってどうやってやるのか?ということではないでしょうか?
実際には、海外拠点の現地で審査を実施することが多いです。
しかしながら、審査機関によってはビデオ通話機能を用いてオンラインで審査ができる審査機関もあります。
海外拠点のISO認証となると言語の心配をされる方も多いかと思いますが、実はオンラインで対応できる審査機関があるように海外拠点のISO審査でも日本語で対応していただける審査機関もあります。
審査機関によっては渡航の障壁や、言語の障壁なく審査を受けることができるので自社に合う審査機関を選定しましょう。
9.認証後運用はどうやっていくのか?
先ほどもお伝えした通り、認証して終わりではありません。
認証後、海外拠点でも日本と同様、継続的にマネジメントレビューや内部監査を実施しPDCAサイクルを回すことが必要です。
海外拠点でもPDCAサイクルを回すことで、マネジメントシステムを改善していきましょう。
まとめ
7ステップを踏めば、ISO海外拠点でもISO認証は可能だということをお分かりいただけたでしょうか。
やることは日本での認証と大きく異なることはないですが、審査機関の選定によって審査の対応方法などが異なるので様々な審査機関を見て選定することがポイントです。
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