2019年6月17日
ISOの要求事項の1つに7.3認識とあります。要求事項では一番、行数少なく書いてあります。しかし、会社としては重要なことなので7.3認識を実際の出来事を踏まえて書かせてもらいます。
「いや、知りません」
私が担当させてもらっている会社さんの内部監査を行ったときの一場面です。
「今、会社として何に向かっているか知ってますか」という質問をしてみたら、知りませんとの答えが出てきました。
そもそも認識とは?
まず、はじめに認識とは、
JIS Q 9000:2015の場合
人々が,各自の責任を理解し,自らの行動が組織の目標の達成にどのように貢献するかを理解したとき,認識は確固としたものになる。
大辞林の場合
物事を見分け、本質を理解し、正しく判断すること。また、そうする心のはたらき。
認識されている状態とは、
お客様から御社の強みは何ですか?と問われた場合、同じことが答えられる状態。目指している目標は?と社長に聞かれた場合、全員同じ目標を言える状態などなど、これにもステップはあると思います。
①とりあえず言えること
②意図まで理解していること
③行動できていること
今度は認識されていない状態とは、
お客様から御社の強みは何ですか?と問われた場合、各担当者によって言うことがバラバラになっている状態。目指している目標は?と社長に聞かれた場合、言えない状態。
なんでか?恐らく教育できていないことが挙げられます。ISO的に言うと7.2力量ですね。力量の判断基準としてる会社さんを見受けられます。
認識が出来ている事例
では実際の会社さんの事例ではどうか、
とある製造工場の社長さんは「良品率を上げる」という方針を掲げていらっしゃる会社でした。これは4つの要求のうちの1つです。社内要求(社長要求)です
工場監査で各セクションを見ていくと良品率を見える状態になっているチームに分けて競っていらっしゃいました。不良の軽減ではなく、良品率を監視していました。これはリーダーの方々が認識した結果、従業員さんにどう見せるかという工夫の結果でした。
確かに一気に全員が認識するとなると無理だと思います。社長が幹部に、幹部がリーダーに、リーダーが従業員に、この会社さんはこの構図でした。合理的ですね。あとは継続できるかが今後のポイントです。
ちなみに良品率は20%アップされてました。すごい!
認識が出来ていない事例
逆に出来ていない会社の事例はどうでしょうか
これは商社さんのお話です。
売上は目標とする数字以上に出ているが利益が予想より低くなってしまっている状態
なぜか?社長の方針(目標)は営業利益を上げることと掲げておられました。
次に幹部の方々に聞くと同じく営業利益をあげることと認識されていました。所長に聞くと売上を上げることと認識されていました。おや?従業員さんに聞くと売上を上げること。そりゃ、そうですね。所長が言ってますから。
お気づきのとおり、方針(目標)が途中でずれてるんです。
結果どうなるか利益度外視で売上額が上がっていき、利益はそれに比例せずの結果でした。たった認識が違うだけで意図した結果ではなくなります。しかし現在、これに気づかれたので所長教育を導入し、改善されています。
最後に
如何でしたか?
ISOでもかなり簡単に書いてあります。なので他社さんでも意識しないことが多いです。でも内部監査、会議等でチェックしてもらうと現実が確認できます。
これを機にチェックしてみては如何でしょうか。
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