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ISO9001:2015年度(QMS)規格改訂9.3項「マネジメントレビュー」規格解釈

スタッフ写真
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2019年6月4日

ISO9001:2015年度(QMS)規格改訂9.3項「マネジメントレビュー」の規格解釈とはどういう内容かを、2008年販との対比を交えてご説明します。

ISO9001:2008年版と、ISO9001:2015年版(QMS)の対比

まずは、ISO9001:2008年版と、ISO9001:2015年版(QMS)の対比からご紹介します。

ISO9001:2008年版における構成
5.6 マネジメントレビュー
5.6.1 一般
5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
5.6.3 マネジメントレビューへのアウトプット

ISO9001:2015年版(QMS)における構成
9.3 マネジメントレビュー
9.3.1 一般
9.3.2 マネジメントレビューへのインプット
9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット

上記のように、章の構成は変わっていますが、大きな要素としては変わっていません。

ISO9001:2015年版(QMS)で明確にされたこと

次に、ISO9001:2015年版(QMS)で明確にされたことをご説明します。

“一般”の記述に関する比較

ISO9001:2008年版における5.6.1項「一般」の記述は下記の通りです。

トップマネジメントは、組織の品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効であることを確実にするために、あらかじめ定められた間隔で品質マネジメントシステムをレビューしなければならない。
このレビューでは、品質マネジメントシステムの改善の機会の評価、並びに品質方針及び品質目標を含む品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価も行わなければならない。
マネジメントレビューの結果の記録は、維持しなければならない(4.2.4 参照)。

ISO9001:2015年版(QMS)における5.6.1項「一般」の記述は下記の通りです。

トップマネジメントは、組織の品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効で更に組織の戦略的な方向性と一致していることを確実にするために、あらかじめ定めた間隔で、品質マネジメントシステムをレビューしなければならない。

一見して分かることは、2015年版では5.6.1項に、「組織の戦略的な方向性と一致していることを確実にするために」という表記が追加された点です。

2015年版では、経営層の思いや戦略が重視されてくると予想されていましたが、この点が明確になったことで、2008年版に比べてISOにおける取り組みと、経営的な取り組みとの整合が必要となってきます。

また、2008年版では、記録を維持することが求められていた一方、2015年版では,文書化した情報を保持するように求められていることも特徴です。

すでにISO活動をしていらっしゃる組織においては運用上の大きな変更点はありませんが、新規にISOを取得しようとお考えの企業様については、マネジメントレビューを実施した証跡をどのような形で保持するかを検討する必要性があるかもしれません。

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“マネジメントレビュー”についての比較

続いて、ISO9001:2008年版における5.6.2項「マネジメントレビューへのインプット」、5.6.3項「マネジメントレビューへのアウトプット」の記述は下記の通りです。

「マネジメントレビューへのインプットには,次の情報を含めなければならない。
a) 監査の結果
b) 顧客からのフィードバック
c) プロセスの成果を含む実施状況及び製品の適合性
d) 予防処置及び是正処置の状況
e) 前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
f) 品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性のある変更
g) 改善のための提案

マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項に関する決定及び処置すべてを含めなければならない。
a) 品質マネジメントシステム及びそのプロセスの有効性の改善
b) 顧客要求事項にかかわる,製品の改善
c) 資源の必要性

ISO9001:2015年版(QMS)における9.3.2項「マネジメントレビューへのインプット」、9.3.3項「マネジメントレビューからのアウトプット」の記述は下記の通りです。

「マネジメントレビューは,次の事項を考慮して計画し,実施しなければならない。
a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
c) 次に示す傾向を含めた,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
1) 顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
2) 品質目標が満たされている程度
3) プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合
4) 不適合及び是正処置
5) 監視及び測定の結果
6) 監査結果
7) 外部提供者のパフォーマンス
d) 資源の妥当性
e) リスク及び機会への取組みの有効性(6.1 参照)
f) 改善の機会
マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項に関する決定及び処置を含めなければならない。
a) 改善の機会
b) 品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性
c) 資源の必要性
組織は,マネジメントレビューの結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。」

このように、ハイレベルストラクチャーの導入に伴い、インプット・アウトプット情報について、他規格との整合が取られています。

お客様訪問時に、障壁に感じていらっしゃるとよく伺うのは、2015年版「e) リスク及び機会への取組みの有効性」について、どのようなインプット情報を報告すればよいかという点です。

組織によっては、SWOT分析をおこない、その結果報告をなさっているところもありますし、組織ごとの指標をもとに、定期的に報告をしている組織もあります。

この点に関しては、経営層がどのような指標をもとに経営的なご判断をなされているのかを洗い出してみるのがよさそうです。

ISO9001:2008年版から、ISO9001:2015年版(QMS)に移行するにあたって

最後に、ISO9001:2008年版から、ISO9001:2015年版(QMS)に移行するにあたって確認すべきことを考えていきます。

私たちコンサルタントは、様々な業種・業態の組織様のお手伝いをさせていただく中で、役得と言いますか、様々な形・内容の「マネジメントレビュー」を拝見させていただいております。

その中で感じることは、新規構築時にとても皆さんがよく勉強されて、現在の「マネジメントレビュー」の書式を作り上げられたということです。

多くの組織様においては、2015年版の9.3.2項および9.3.3項に定められている事項を既に網羅しておられました。

しかし、ごく一部の組織様においては、2015年版の9.3.2項および9.3.3項に定められている事項が網羅されていないことがございました。

特に、b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化と、e) リスク及び機会への取組みの有効性が漏れていることが多いです。

よって、まずは貴社の「マネジメントレビュー」において、2015年版の9.3.2項および9.3.3項に定められている事項が明確になっているかどうか、確認してください。

それから、これまでは、いわゆる「マネジメントレビュー」にて報告や指示がなされていた以外にも、日常のコミュニケーション(例えば、経営会議、幹部会議、営業会議、等)にて、該当する項目の報告および指示がなされていないかを探してみてください。

おそらくは、「マネジメントレビュー」という形を取らずしても、要求事項を満たすような定期的なイベントが実施されているのではないでしょうか。
重要なのは、マネジメントレビューを実施した結果の、文書化した情報が保持されているかです。

いわゆる既存の「マネジメントレビュー」にて満たした項目は、既存のマネジメントレビュー記録にて要求事項を満たしているとして、2015年版にて該当する場と捉えられたコミュニケーションにおいては、その文書化した情報を保持する手立てが決まっているかどうかという点です。

上記のような点にフォーカスをあてて、貴社の「マネジメントレビュー」が整っているかを確認しましょう。

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