2025年12月25日

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ISO14001:2015の8.1「運用の計画および管理」は、組織が環境目標や順守義務、環境側面、リスクおよび機会に対応するために、実際の業務プロセスをどう構築・管理していくかを定めた条項です。
言い換えれば、「誰が、いつ、何を、どのように行うのか」という運用手順を明確にし、それを実施・管理するためのルールを定めることが求められています。抽象的な計画を具体的な行動に落とし込むステップであり、組織が環境マネジメントを現場レベルで運用するための要となる条文です。
1.要求事項の内容を整理する

8.1では、以下のような事項が要求されています。
(1)運用プロセスの確立と管理
組織は、環境目標やリスク対応、順守義務といった事前に特定された課題に対して、必要なプロセスを整備・運用し、常に管理・維持することが求められています。その際、「運用基準(例:数値的な条件や手順)」を定め、それに従って活動する必要があります。
(2)変更への対応
計画した変更はもちろん、予期せぬ変更についても、それが環境に与える影響を評価し、必要に応じて対策を講じることが求められます。
(3) 外部委託プロセスの管理
アウトソーシングした業務も、組織の管理下に置く必要があります。たとえ委託先が行う作業であっても、その品質・影響を自組織が把握・管理していなければならないということです。
(4)ライフサイクルの視点
製品やサービスが「調達→製造→流通→使用→廃棄」に至る各段階で、環境への影響を考慮し、必要な情報提供や管理の仕組みを構築することが求められます。以下のような点を押さえることが必要です。
- 設計段階で環境配慮がなされているか
- 調達時に環境要件を設定しているか
- 外部業者へ必要な環境情報を伝えているか
- 使用後や廃棄時の影響についても配慮しているか
(5)文書化された情報の維持
運用が計画通りに行われていることを確認するために、必要に応じて記録や手順書といった「文書化した情報」を整備し、維持することが求められます。
2.現場での実践に活かすための考え方
抽象的な要求を現場に落とし込むには、「誰が」「いつ」「何を」「どこで」「どのように」といった5W1Hの視点で運用プロセスを明文化し、関係者が理解・実行できるようにしておく必要があります。
また、「運用基準」の設定も重要です。例えば、温度管理であれば「40度を超えてはいけない」というような数値基準を設けたり、作業行動として「○○をしてはならない」といったルールを定めることが該当します。
さらに重要なのは、これらの基準や手順が形式だけに留まらず、実際に運用されていることです。現場で実効性を持たせるためには、定期的な教育・訓練や内部監査、現場との双方向のコミュニケーションが欠かせません。環境部門だけで完結する仕組みではなく、全社的な運用体制が求められるのです。
3.具体例で理解を深める
では、実際の業務において「8.1の運用」がどのように関わってくるのか、ある製造業の例で見てみましょう。
例:原材料費の高騰を環境リスクと捉えるケース
ある企業では、原材料費の高騰をリスクとして認識しました。これは業界全体の動きであり、同業他社と同様に「好ましくないリスク」と判断されました。
そこで、この企業は新素材の導入を決定。新素材は製品の差別化につながる一方、不慣れな使用により不良品が増加する可能性もありました。こうした影響は「環境側面」「リスク及び機会」として整理され、対応策として運用プロセスが再構築されました。
このプロセスでは以下のような手順が必要となります。
- 【誰が】品質管理部門が
- 【いつ】素材切り替えの各工程段階で
- 【何を】不良率のチェックを行い
- 【どこで】製造ラインの中間検査ポイントにおいて
- 【どのように】マニュアルに沿って不良品率を測定・報告
このように、8.1の考え方に基づくと、単なる新素材導入だけでは不十分であり、関連プロセス全体を環境マネジメントの視点で管理する必要があるのです。
4.ライフサイクル思考と外部委託管理の重要性
特に見落としがちなのが、製品の使用後や廃棄時に発生する環境負荷に対する情報提供の必要性です。製品マニュアルに回収方法や再利用の案内を記載するなど、顧客に対して「その後」の配慮ができているかが問われます。
また、作業の一部を外部業者に委託する場合、そのプロセスが自社の運用基準に則って行われているか、管理方法や影響範囲を明確にしておくことが必要です。
実際には、外注先に「環境方針を共有する」「作業手順書を提供する」「定期的な現場立入や確認を行う」といった対応が考えられます。これにより、自社の責任範囲としてのガバナンスが確保されるのです。
5.旧版(2004年版)との違いとは?
2004年版との主な違いは、「インプットの考え方」が進化した点です。旧版では運用手順そのものに重きが置かれていましたが、2015年版では「なぜその手順が必要なのか」という背景(リスクや環境側面)から設計し、それに応じたプロセスを計画・実施するという構造になっています。
つまり、環境パフォーマンスの継続的改善のためには、行動の「理由」と「根拠」が一体化している必要があり、単なる作業マニュアルでは不十分だという考え方が強化されているのです。
6.まとめ
ISO14001:2015の8.1では、環境マネジメントを“絵に描いた餅”にしないための仕組みづくりが求められます。
- 目標・順守・リスクに対応する運用の計画
- 運用基準の設定と手順の明文化
- 変更管理と外部委託の対応
- ライフサイクルの視点での配慮
- 文書化された情報の保持
これらを整えることで、組織は継続的改善とリスク低減を図ることが可能となります。
最終的には、「ルールをつくること」ではなく「ルールを運用できているか」が問われることを忘れてはなりません。日々の業務において、環境意識と運用の確実性を両立させることが、真に実効性あるマネジメントにつながるのです。
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