ESGに取り組むと何が変わる?企業が得られる6つの具体的なメリット
2025年10月24日

目次
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- 1.ESG企業とは
- 2.SDGsとの違い
- 3.ESG評価の高い企業の特徴4選
- (1)環境負荷を減らす具体的な取り組みを実施している
- (2)多様性や人権に配慮した職場環境を整備している
- (3)ESG情報を積極的に開示、透明化している
- (4)長期的な視点での持続可能な経営戦略を持っている
- 4.ESG対応が企業に与える6つのメリット
- (1)投資家や金融機関からの信頼が高まり資金調達が有利になる
- (2)優秀な人材の採用や定着につながる
- (3)企業イメージの向上により顧客からの支持を得やすくなる
- (4)サプライチェーンからの選定基準を満たし取引機会が広がる
- (5)リスク管理が強化され経営の安定性が高まる
- (6)法規制や社会的要請への対応力が向上しトラブルを回避できる
- 5.ESGに取り組む際の3つの注意点
- (1)表面的な取り組みにならないように注意する
- (2)自社に合ったESG課題を見極める必要がある
- (3)ESG情報の開示は正確かつ透明性を保つ必要がある
- 6.まとめ
「そもそもESGって何?」
「自分の会社も対応すべき?」
「評価が高い企業は何をしているの?」
結論からお伝えすると、ESGへの対応は信頼される企業づくりと将来の成長のために必要不可欠です。
なぜなら、環境への配慮や社会への責任、会社の正しい運営は、投資家や取引先、働く人々からの信頼につながるからです。
本記事では、ESGの基本的な考え方から、評価が高い企業が行っている具体的な取り組み、そして中小企業でも始められるステップまでをわかりやすく解説します。
最後まで読んでいただければ、ESGに取り組むことで企業にどんな良いことがあるのか、何から始めればよいのかがわかるはずです。
ESGは難しいものではありません。この記事を通して、最初の一歩となるキッカケをつかんでみてください。
1.ESG企業とは

ESG企業とは、環境や社会、企業の統治を大切にしながら経営を行う企業のことを指します。
利益だけを追いかけるのではなく、地球や人々、そして会社の仕組みを整えることにも力を入れているのが特徴です。
例えば、二酸化炭素の排出を減らす努力をしたり、社員の働きやすい環境を整えたり、会社のお金や情報を正しく管理する仕組みを作ることなどが挙げられます。
こうした取り組みは、社会全体からの信頼につながり、結果として企業の成長や安定にも良い影響をもたらします。
つまり、ESG企業とは、環境や社会への責任を果たしながら、信頼される会社を目指す存在なのです。
2.SDGsとの違い
ESGとSDGsはどちらも社会や環境をより良くするための考え方ですが、目的や使われ方に違いがあります。
【比較表】SDGsとESGの違い
| 項目 | SDGs | ESG |
| 意味 | 持続可能な開発目標 | 環境・社会・企業統治の観点 |
| 誰が使うか | 世界中の国や地域、人・団体など | 主に企業と投資家 |
| 目的 | 世界の課題をみんなで解決するための目標 | 企業の取り組みを評価するための基準 |
| 内容の例 | 貧困・教育・気候変動・平和など17の国際目標 | CO₂削減・人権配慮・ガバナンス強化など |
| 関係性 | 世界が目指す「ゴール(目的地)」 | 企業がそのゴールに向かうための「手段」 |
SDGsは国連が定めた17の目標であり、世界中の人々や国々が協力して達成を目指すものです。
一方で、ESGは企業が持続可能な社会の実現に向けて、どのように取り組んでいるかを評価するための視点です。
ESGでは、環境に配慮しているか、人権を尊重しているか、社内のルールが正しく機能しているかなどが重視されます。
つまりSDGsは「目標」であり、ESGは「行動や判断の基準」といえます。
3.ESG評価の高い企業の特徴4選
ESG評価とは、企業が環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の3つの観点でどれだけ適切に取り組んでいるかを数値や指標で評価する仕組みをいいます。
ESG評価の高い企業には、どのような共通点があるのでしょうか。その特徴は、大きく分けて4つあります。
- 環境負荷を減らす具体的な取り組みを実施している
- 多様性や人権に配慮した職場環境を整備している
- ESG情報を積極的に開示、透明化している
- 長期的な視点での持続可能な経営戦略を持っている
ここでは、それぞれの特徴について解説していきます。
(1)環境負荷を減らす具体的な取り組みを実施している
ESG評価の高い企業は、環境への影響を減らすための行動を実際に行っていることが特徴です。
例えば、再生可能エネルギーの導入や製品やサービスの見直し、二酸化炭素の排出を減らす取り組みが行われています。
ほかにも、廃棄物の削減や水の使用量を減らす工夫など、日々の業務から改善を図る姿勢が見られます。
つまり、目に見えるかたちで環境負荷を軽減しようと努力する企業は、持続可能な社会に貢献していると評価され、ESGスコアでも高く評価されます。
(2)多様性や人権に配慮した職場環境を整備している
ESG評価を受けている企業では、性別や年齢、国籍に関係なく、すべての人が安心して働ける環境づくりが進められています。
特に、障がいのある人や子育て中の社員など、働くうえで配慮が必要な人にも対応できる制度を整えていることが大きな特徴です。
また、ハラスメント防止や人権尊重に関する教育も定期的に行い、社内の意識向上にも力を入れています。
このように、多様な人々が活躍できるように取り組む姿勢がある企業は、社会的な責任を果たしているとして高い評価を受けています。
(3)ESG情報を積極的に開示、透明化している
信頼される企業は、自社が取り組んでいるESG活動の内容を、積極的に外部へ伝えています。
例えば、サステナビリティレポートや統合報告書を通して、環境・社会・ガバナンスに関する具体的な目標や成果を公表しています。
これにより、投資家や取引先、一般の人々も企業の姿勢を正しく理解することができ、信頼を築くきっかけになります。
情報を隠さず、わかりやすく伝える姿勢は、企業の透明性の高さを示すだけでなく、ESG評価において重要な要素なのです。
(4)長期的な視点での持続可能な経営戦略を持っている
ESGで評価される企業は、目先の利益だけでなく、将来の社会や環境の変化も見すえて経営を行っています。
例えば、気候変動や人口減少、国際的な規制など、将来的に起こる変化を予測し、今から対策を始めていることが特徴です。
また、社員の育成や地域社会との連携など、短期間では成果が出にくい分野にも地道に投資しています。
このように、すぐに利益にならなくても、10年先、20年先のために行動している企業は、信頼性が高く、持続的な成長が期待できると評価されているのです。
4.ESG対応が企業に与える6つのメリット
ESGへの対応が企業に与えるメリットは、大きく分けて以下の6つです。
- 投資家や金融機関からの信頼が高まり資金調達が有利になる
- 優秀な人材の採用や定着につながる
- 企業イメージの向上により顧客からの支持を得やすくなる
- サプライチェーンからの選定基準を満たし取引機会が広がる
- リスク管理が強化され経営の安定性が高まる
- 法規制や社会的要請への対応力が向上しトラブルを回避できる
これらを知らずに取り組んでしまうと、せっかくの活動が評価されなかったり、競合他社に後れを取ってしまうかもれません。
それぞれのメリットについて、順番に解説していきます。
(1)投資家や金融機関からの信頼が高まり資金調達が有利になる
ESGに真剣に取り組む企業は、投資家や金融機関からの信頼を得やすくなります。
例えば、気候変動への対応やガバナンス体制の強化などは、経営のリスク管理としても評価されます。
このような企業は、株式や社債を通じた資金調達がしやすくなり、銀行からの融資でも有利な条件を得られる可能性が高くなるでしょう。
結果として、ESGへの取り組みは信頼につながり、資金面での強みを生み出すことができます。
(2)優秀な人材の採用や定着につながる
ESGを重視する企業は、働く環境や価値観を大切にしていることが多く、優秀な人材にとって魅力的な職場といえます。
特に若い世代では、企業の社会的責任や環境意識を重視する人が増えており、その姿勢が就職先選びに影響を与えているのです。
また、柔軟な働き方の導入や育児・介護との両立支援などに取り組むことで、社員の満足度が高まり、離職率の低下にもつながります。
つまり、ESGへの取り組みは人材の獲得だけでなく、長く働いてもらえる職場づくりにも効果があります。
(3)企業イメージの向上により顧客からの支持を得やすくなる
環境にやさしく、社会に貢献している企業は、消費者や取引先からの印象が良くなります。
例えば、環境負荷の少ない商品を開発したり、地域社会との関係づくりを大切にしたりする企業は、共感や信頼を得やすくなります。
また、企業の考え方や取り組みがSNSなどで広まりやすい今、誠実な姿勢はブランド力の向上にもつながるでしょう。
このような印象は、顧客の購買意欲やリピートにもつながるため、長期的な収益にも良い影響を与えます。
(4)サプライチェーンからの選定基準を満たし取引機会が広がる
大手企業では、取引先を選ぶ際にESGの視点を重視する動きが強まっています。
例えば、環境に悪影響を与えていないか、労働環境が整っているかなどが、選定基準に含まれることがあります。
そのため、ESGに取り組んでいない企業は、取引の機会を失ってしまうかもしれません。
逆に、環境配慮や人権尊重などの対策が整っている企業は、新たなビジネスパートナーとして選ばれやすくなります。
ESGへの対応は、信頼される企業になるだけでなく、事業拡大のチャンスにもつながる重要な条件となっています。
(5)リスク管理が強化され経営の安定性が高まる
ESGに取り組むことは、企業にとってのさまざまなリスクを早めに発見し、防ぐための仕組みづくりにもつながります。
例えば、自然災害や労働問題、不正行為などは、対応が遅れると大きな損失につながる恐れがあります。
環境保全のルールや社内の統治体制を整えておくことで、問題が起きにくくなり、万が一のときでも被害を最小限に抑えられるでしょう。
このように、リスクに強い体制を持つことは、経営の安定性を高めるだけでなく、取引先や投資家からの信頼にもつながります。
(6)法規制や社会的要請への対応力が向上しトラブルを回避できる
社会や法律の変化に柔軟に対応できる企業は、トラブルを未然に防ぐ力があります。
例えば、環境に関する新しい法律や人権・労働に関する社会の期待は年々高まっています。
ESGに取り組んでいる企業は、こうした変化を早く察知し、必要な対応を前もって進めることが可能です。
その結果、法令違反や社会的批判といったリスクを避け、企業の評判を守ることができるようになります。
ESGは、時代の変化に強い企業づくりに欠かせない考え方なのです。
5.ESGに取り組む際の3つの注意点
ESGに取り組む際には、以下の3つの注意点があります。
- 表面的な取り組みにならないように注意する
- 自社に合ったESG課題を見極める必要がある
- ESG情報の開示は正確かつ透明性を保つ必要がある
事前にこれらの注意点を理解しておけば、効果的かつ信頼性の高いESG活動を進めることができます。
ひとつずつ見ていきましょう。
(1)表面的な取り組みにならないように注意する
ESGに取り組む際は、実態を伴わない表面的な活動にとどまらないよう注意が必要です。
見た目だけを良くするためにスローガンや宣言を出しても、実際の行動が伴っていなければ信頼を失う恐れがあります。
特に、環境問題や人権尊重について、実態と異なる発信をすると「グリーンウォッシュ」や「ソーシャルウォッシュ」として批判の対象になることがあります。
企業として信頼を得るには、内容のある具体的な行動と継続的な改善が必要です。
(2)自社に合ったESG課題を見極める必要がある
ESGへの対応は、自社の業種や規模、事業内容に合わせた課題を選ぶことが重要です。
他社の取り組みをそのまま真似をしても、自社にとって意味がなければ実効性に欠ける結果となります。
例えば、製造業であればCO₂排出の削減が重要ですが、サービス業では人材育成や労働環境の改善が中心になることもあります。
自社にとってのリスクや社会からの期待を丁寧に見極め、それに対応した方針を立てることが必要です。
(3)ESG情報の開示は正確かつ透明性を保つ必要がある
ESGに関する情報を外部に伝える際は、内容の正確さと透明性が欠かせません。
情報を出すことで信頼を得ようとしても、事実と異なる内容やあいまいな表現では、かえって疑念を招く原因になります。
具体的な数値や取り組みの進捗状況を示し、良い結果だけでなく課題や失敗も包み隠さず伝えることが、信頼を得る近道です。
統合報告書やサステナビリティレポートなどを活用し、読み手にとってわかりやすい形で公開することが必要です。
6.まとめ
今回は、ESGに取り組むことで企業に与える6つの具体的なメリットについて、お伝えしました。
ESGとは、環境・社会・ガバナンスの3つの観点から企業の姿勢を評価する考え方であり、今や経営の重要な要素となりつつあります。
記事内では、ESGへの対応が投資家や金融機関からの信頼を高め、資金調達を有利にすること、優秀な人材の確保と定着につながること、そして企業イメージの向上によって顧客からの支持を得やすくなることを紹介しました。
この記事を通して、ESGが単なる社会貢献ではなく、企業の成長戦略に直結する重要な取り組みであることを理解し、実践に向けて踏み出すきっかけとなれば幸いです。
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