1.Pマーク取得に必要な3種類の費用とコンサルティング費用
⑴審査機関に支払う費用
Pマーク取得にかかる審査費用の金額は、会社規模によって異なります。最も小さい「小規模」に該当する場合でも、およそ30万円かかります。
審査費用は、①申請料、②審査料、③付与登録料の3種類に分かれており、「新規取得」と「更新」では金額が異なります。
費用の種類ごとに支払い先や支払い時期が異なり、まとめて振り込むことはできないため、注意が必要です。
また、どの審査機関で受けても金額は同じです。
①申請料
申請時に必要な費用です。
申請先の審査機関へ振り込み、審査機関で振り込みが確認され次第、審査手続きが開始されます。
なお、形式審査の結果、申請が受理されない場合でも申請料は返金されませんのでご注意ください。
②審査料
審査時に必要な費用です。
付与適格性審査(※)を受ける際には、審査結果が合格でも、不合格の場合でも審査料が必要です。
また、料金表に記載された金額以外に、審査を担当する機関の規定により、現地審査にかかる交通費や宿泊費が別途請求される場合があるため、注意が必要です。
※付与適格性審査とは、文書審査および現地審査の結果に基づき、プライバシーマークの付与適格性を判断する審査です。
③付与登録料
Pマークの付与が決定すると、付与機関である、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の請求に基づき、有効期間(2年間)の付与登録料を一括で納める必要があります。
また有効期間とは、Pマーク新規取得後から更新までの期間を指します。
⑵コンサルティング費用
コンサルティング費用とは、専門のコンサルティング会社からサポートを受ける際に支払う費用のことを指します。
コンサルティング会社によって費用は異なりますが、相場はおおよそ50万円から100万円程度です。
2.審査費用の料金表
審査にかかる費用(申請料+審査料+付与登録料)について詳しくご説明いたします。
金額を確認する上で、必要となる情報は以下の通りです。
- 事業者の規模がどこに該当するか
- 「新規取得」か「更新」のどちらなのか
この2点をもとに確認していただくと、金額がわかりやすくなります。
(1)事業者規模の判断表
出典元:事業者規模の区分|申請手続き |プライバシーマーク制度|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
(2)「新規取得」料金表
出典元:費用|申請手続き|プライバシーマーク制度|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
(3)「更新」料金表
出典元:費用|申請手続き|プライバシーマーク制度|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
3.再審査の場合、追加料金が発生する
現地審査後に組織体制や事業内容に大幅な変更があった場合、再度現地審査が必要となります。
この再審査には追加費用が発生するため、ご注意ください。
なお、再審査の費用は審査機関によって異なります。
再審査が必要になった場合に備えて、事前に審査費用を確認しておくことをおすすめします。
また、再審査の際にも、審査員の宿泊費や旅費などが別途請求される場合があります。
ここでは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が発表している再審査費用についてご紹介します。
費用 | 料金 |
基本料金 | 52,382 |
時間単価/人 | 20,952 |
合計 | (基本料金)+(時間単価/人)×(審査時間)×(審査人数) |
引用:https://privacymark.jp/p-application/cost/reexamination.html
4.Pマークが取得できない場合
Pマークは、以下のような企業では取得できない場合があります。
- 外国法人*
- 役員が「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に基づき指定暴力団または暴力団連合に指定された暴力団の構成員である場合
*ただし、日本の法令に従って設立された外資系法人や、日本の法令に従い登記されている外国法人の日本支店は除きます。
これらの「欠格事項」に該当する企業は、Pマークを取得することができません
また、情報漏洩事故などを起こした場合も、一定期間申請が不可となることがあります。
詳しくは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会のウェブサイトをご確認ください。
https://privacymark.jp/p-application/qualification.html
5.コンサルティングサービスを利用する
⑴Pマーク取得をコンサルに依頼するメリット
Pマークを取得する際に、コンサルティング会社にサポートを依頼する企業が多いです。
依頼することには以下のようなメリットがあります。
- 取得に必要な作業が明確になり、スケジュールを立てて進められる
- コンサルタントから規格について分かりやすく説明してもらえる
- セキュリティに関する専門的なアドバイスが得られる
- 他社の豊富な事例を参考にできる
- 本業に集中しながら、取得のための作業を進められる
- 文書審査や現地審査後の指摘事項に対する対応方針の決定や改善対応のフォローを受けられる
費用はかかりますが、これらのメリットにより、自社だけで取得するよりも確実にPマークを取得できるようになります。
⑵コンサル会社選定のポイント
コンサルティング会社によって具体的なサポート内容は異なりますが、ノウハウ不足、知識不足、リソース不足、人手不足など、自社で不足している部分を補うためにサポートを利用する方がほとんどです。
自社で不足している部分を考えながら、以下の5つのポイントで選定するとよいでしょう。
①サービスの内容・範囲
②サービスに対する価格
③レスポンスのスピード感が自社に合っているか
④どんなコンサルタントが在籍しているか
⑤サポートの体制
コンサル会社の選定ポイントについては、こちらの記事で詳しく説明しております。
プライバシーマーク(Pマーク)サポート会社の選び方5つのポイント
⑶コンサルティング費用の相場
コンサルティング費用は30万~100万円程度で、会社によって異なります。
自社でPマークの取得・運用を行う場合、約197時間の作業が必要です。管理者の時給を3,690円とすると約72万円の人件費がかかります。
また、通常業務を続けながら対応するため、残業や休日出勤が増えることが多いです。
一方、当社のサポートを利用すれば、作業時間は約27時間に短縮でき、約11万円の費用で済むため、作業時間を約170時間、費用を約62万円削減することが可能です。
このように、Pマーク業務にかかる時間と負担を大幅に軽減できることから、コンサルティング会社を活用することをおすすめします。
特に、通常業務が忙しくPマーク準備が進まない企業や、Pマーク業務で通常業務が滞っている企業にとって、コンサルティング会社のサポートは非常に有効です。サポートを受けることで効率的にPマークの取得・運用が進められます。
コンサルティング会社のサポートを検討する際には、相見積もりを取り自社に合った会社を選びましょう。
6.Pマークにかかる費用を安くする2つの裏技
Pマークの取得に際し、「できるだけコストを抑えたい」とお考えの方も多いことでしょう。
費用を抑える方法としては、主に2つの選択肢があります。
1つは助成金を活用すること、もう1つはリーズナブルなコンサルティング会社を利用することです。
⑴助成金や補助金を活用
まず、自治体が提供する「Pマーク取得に対する助成金」を活用する方法があります。
例えば、東京都内では、港区、江東区、文京区、江戸川区、北区などでPマーク取得の活動に対する助成金制度が設けられています。必要な条件を満たせば、助成金や給付金を受け取ることが可能です。
当社でも、助成金や補助金に関するご相談を承っております。
【助成金の探し方】
助成金制度の内容は自治体によって異なります。
まずは、所属する自治体のホームページを確認し、助成金制度の有無や詳細を確認しましょう。
⑵リーズナブルなコンサル会社を活用
Pマーク取得には審査費用が必ず発生し、この金額を削減することはできません。
しかし、コンサルティング費用については調整が可能です。
リーズナブルな価格設定のコンサルティング会社を利用することで、全体のコストを抑えることができます。コンサルティング費用はサポート内容や会社ごとの基準により異なりますが、以下の工夫により費用を抑えられることがあります。
- 不要なサービスをカットする
- 自社で対応できる内容はアウトソーシングしない
大切なのは、自社のニーズを的確に伝え、複数のコンサルティング会社のサービス内容を比較することです。
相見積もりを取り自社に合った会社を選びましょう。
7.まとめ
プライバシーマークの新規取得や更新にかかる審査費用と、自社の事業者規模についてご確認いただけましたでしょうか?
初めて取得する場合と更新する場合では、費用が異なります。
さらに、コンサルティング会社を利用する場合には、コンサルティング費用も別途発生します。
まずは自社の事業者規模を確認し、その規模に応じたすべての費用、支払い先、支払い時期を調べることをおすすめします。
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