2026年4月1日

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「退職者の写真をホームページに掲載し続けているけど、これって大丈夫?」このような疑問をお持ちの方いらっしゃいますよね。
実は、退職者をホームページに掲載し続けてしまうと、思わぬ法的リスクが潜んでいる場合があります。
なぜなら、写真の取り扱いがプライバシーに関する法律に当てはまってしまう可能性があるからです。
本稿では、ホームページに掲載してしまっている写真の管理について解説していきます。
読み終えた後には、会社のホームページ運用で気を付けるべき点を理解し、今後の対策がわかるようになるでしょう。
1.退職した従業員を掲載し続けることは違法になる場合がある

退職者を企業のホームページに掲載し続けた場合、違法になってしまう可能性があります。
個人情報保護法では、個人情報について利用目的の範囲を超えて使用することは禁止されています。
また、肖像権侵害やプライバシー権の侵害のリスクもあります。
例えば、ホームページに個人が特定できるような写真を載せたとします。
その場合、ホームページに掲載された写真は、社外の人でも確認することができるようになります。
ホームページへの掲載理由が社員の紹介であった場合、退職してしまえば、社外の人に紹介する必要はありません。
そのため、退職後にホームページなどに社員の写真を掲載し続けることは、利用目的の範囲を超えて使用しているものであり、個人情報保護法や肖像権に違反することになります。
2.写真を掲載するときの4つのポイントと起こりうるリスクについて
企業のホームページに写真などの個人が特定できるものを掲載し続けることで、リスクがあるということは分かっていただけたでしょうか?
そうならないためには、きちんとしたルールを作ること、また、以下の4つのポイントに気を付けなければなりません。
- 写真の撮影や掲載を行う際に、契約文書を作成し、その文書内で同意を得る。
- 個人が特定できる写真を掲載する際には公開前に必ず同意を得る。
- 退職時には、写真の掲載を継続することについて意思の確認を行う。モザイクや黒塗りなど、加工が必要な場合は対応しなければならない。
- ホームページに写真を継続して掲載する際に同意した場合でも、削除の求めがあったら速やかに対処する。
このようなルール作りをしておかないと、様々な法律や権利に該当してしまうリスクがあります。
ここでは、該当する可能性のある法律や権利についてご紹介いたします。
(1)肖像権の侵害(民法第709条)
肖像権とは、
人格権の一部で、他人から無断で写真を撮られたり、撮られた写真が無断で公表・利用されないように主張できる権利
引用:総務省(閲覧日2025/9/1)
のことをいいます。
この内容は法律に明記されているわけではありませんが、民法第709条(不法行為)に基づき認められています。
人物の写真などの場合は、撮った人などが著作権を有するだけではなく、写っている人に肖像権があります。ネットやSNSで公開・投稿する場合にはこれらの権利者の許諾が必要になる場合があります。
引用:総務省(閲覧日2025/9/1)
故意又は過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、その損害を賠償する責任を負う。
引用:e-Gov法令検索(閲覧日2025/9/1)
リスクとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。
また、それ以外にも、企業の信頼性を失ってしまう可能性もあります。
(2)プライバシー権の侵害(憲法第13条)
プライバシー侵害とは、一般的には、公表されたくないことを公表されないようにする権利のことを指します。
プライバシー権という権利や法令の名称はありませんが、過去の判例などからも憲法第13条の条文を根拠にプライバシー権が広く認められています。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
引用:e-Gov法令検索(閲覧日2025/9/1)
リスクとして、写真の掲載が個人のプライバシーを侵害する場合、人格権の侵害として法的責任を問われる可能性があります。
職員の尊厳を損なう行為として、企業にとっては大きなリスクとなります。
(3)個人情報保護法への違反(個人情報保護法第16条、第23条)
個人情報保護法では、個人情報の適切な取り扱いが義務付けられています。
写真は個人情報に該当し、本人の同意なしに第三者に提供・公開することは違法となります。
第16条(利用目的による制限)
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。第23条(第三者提供の制限)
個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
一 法令に基づく場合
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。」引用:厚生労働省(閲覧日2025/9/1)
リスクとして、違反した場合、行政処分や刑事罰の対象となる可能性があります。
事業所の信用を失うだけでなく、法的な制裁を受けるリスクも高まります。
(4)同意の有効性と撤回権
同意は、本人が自らの意思で行うものですが、一度した同意が永続的に有効であるとは限りません。
特に、退職後に本人から同意を撤回する権利(自己決定権)は法的に認められています。
リスクとして、同意が無効と判断された場合、肖像権やプライバシー権の侵害となる可能性があるため、企業担当者は常に写真の掲載がある本人の意思の確認を取り、適切に対応する必要があります。
このように、写真の掲載一つでも、様々な法律や権利によって個人が守られているため、前述で述べた4つのポイントは必ず押さえておきましょう。
3.退職した従業員をホームページに掲載し続けても違法とならないケース
前述では、退職した従業員の写真を掲載し続けた場合、違法になってしまうケースの紹介を致しました。
しかし、違法とならないケースもあります。
それは以下の3つです。
- 利用目的の範囲内の場合
- 個人を特定できない場合
- 退職後の使用に同意した場合
それでは、なぜこれらのケースは違法とならないのでしょうか。
(1)利用目的の範囲内の場合
企業は、従業員の個人情報を取得する際に、取得する情報の利用目的を決めておかなければなりません。
その利用目的次第では、従業員が退職後も写真の掲載を続けても良いことになります。
例えば、従業員の紹介ではなく、商品の紹介をした際に退職後の社員が掲載されていたとします。
このようなケースでは、あくまでも利用目的は「商品の紹介」になるため、従業員が退職していても掲載を続けても良い場合があります。
(2)個人を特定できない場合
掲載されていた写真が、退職者だと判断できない場合も違法とならないケースがあります。
なぜなら、その人だと証明することができないからです。
しかし、少しでも個人を特定できる写真が掲載されてしまうと、肖像権侵害にあたる可能性があります。
(3)退職後の使用に同意した場合
個人情報保護法で禁止されているのは、本人の同意を得ないで利用目的の範囲を超えて使用することです。
したがって、本人から同意を得られており、かつ、利用目的の範囲を超えていなければ、継続して退職者の写真を使用することができます。
例えば、ホームページの写真掲載の削除に時間がかかってしまい、その間に退職してしまった場合でも、本人から承諾を得ていれば違法とはならないケースがあります。
4.まとめ
企業のホームページの写真掲載には、さまざまなリスクがあります。
掲載されている人の承諾を得ずに、退職後もホームページに写真の掲載を続けることは違法になる可能性があります。
それは、以下の法律や権利に該当してしまう可能性があるためです。
- 肖像権
- プライバシー権の侵害
- 個人情報保護法への違反
- 同意の有効性と撤回権
これらの法律や権利に該当しないようにするためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 入社時に、写真の撮影や掲載などについての同意を契約事項に含ませる形で文書で得る。
- 個人がクローズアップされる写真の掲載に関しては公開前に必ず同意を得る。
- 退職時には、写真掲載継続についての意思確認。加工が必要な場合は対応する。
- 掲載継続に同意した場合でも、削除の求めがあったら迅速に対応する。
ポイントを押さえておくことで、様々なリスクに対して先回りの対処をすることができます。
しかし、このポイントを押さえていても、写真の掲載というものにリスクは付き物です。
ぜひ、本稿を読んで一度企業のホームページを見返してみてはいかがでしょうか。
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