CSマークとは?取得に必要な条件から流れまでを徹底整理
2025年12月23日

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「CSマークの取得って何から始めたらいいのか、期間はどのくらいかかるのか、正直よくわからない」
クラウドサービスを提供する企業にとって、情報セキュリティへの信頼は非常に重要ですが、CSマークの制度について詳しく説明された情報はまだ少なく、調べても難しい言葉ばかりで戸惑う方も多いでしょう。
この記事では、CSマークの取得に向けて必要な準備や審査の流れ、取得までの期間などをできるだけやさしい言葉でまとめています。
実際に取得を目指すにあたって、どんなステップを踏めばよいのか、どの部分で時間がかかるのかを理解すれば、不安はぐっと減っていきます。
CSマークは、大企業だけのものではありません。中小企業でも、自社のクラウドサービスが安全に運用されていることを、きちんと示す体制が整っていれば、十分に取得可能です。
だからこそ、この記事を読むことで、まず何から始めるべきかが明確になり、行動に移すきっかけをつかんでいただけるはずです。
1. CS(クラウドセキュリティ)マークとは

CSマークとは、クラウドサービスが一定の安全基準を満たしていることを示す認証制度です。
このマークが付いているサービスは、第三者のチェックを受けた上で、安全性が確保されていると判断されます。
(1)CSマークの種類
CSマークには「ゴールド」と「シルバー」の2つの種類があり、クラウドサービスの安全性に応じて使い分けられます。
①CSゴールドマーク
CSゴールドマークは、クラウドサービスの中でも特に高い安全性が確保されていることを示す認証です。
具体的には、国際規格である「ISO/IEC 27001」や「ISO/IEC 27017」などの認証を受けることが必要です。
これらは情報管理やクラウド特有のリスクに対応した基準であり、取得には高度な運用体制と実績が求められます。
また、審査ではセキュリティ対策だけでなく、管理者の教育や記録の保存状況なども確認されます。
特に官公庁や大手企業など、情報の取り扱いに慎重な相手との取引を行う場合には、CSゴールドマークがあることで高い信頼を得やすくなるでしょう。
②CSシルバーマーク
CSシルバーマークは、クラウドサービスが基本的な安全対策をしっかり行っていることを示す認証です。
高い専門性や大規模な仕組みがなくても、一定の基準を満たしていれば取得することができます。
取得のためには、セキュリティに関する社内ルールの整備や利用者情報の管理、リスクに対する考え方などを明確にする必要があります。
ゴールドマークと比べると要求される内容は少ないものの、実際の運用が行われていることは重視されます。
中小企業や新しいサービスでも取得しやすいため、クラウドの安全性を外部に伝えたい企業にとって有効な手段といえるでしょう。
(2)CSマークの対象範囲
CSマークは、クラウド技術を使ってサービスを提供している事業者を対象とした認証制度です。
データをインターネット上で扱う仕組みであれば、業種や分野を問わず広く対象となります。
具体的には、ファイルの保存や共有を行うクラウドストレージ、顧客管理や業務支援などを行う業務用アプリケーション、さらには動画配信サービスや学習プラットフォームなども対象です。
SaaS(サース)・PaaS(パース)・IaaS(イアース)と呼ばれるクラウドサービスの形態にかかわらず、利用者のデータを預かる以上、安全性の確保が求められます。
(3)SEマークやCEマークとの違い
CSマークはクラウドサービスの安全性を示す認証ですが、SEマークやCEマークは製品の安全基準への適合を証明するマークです。
それぞれの目的や対象が異なるため、混同しないように注意が必要です。
以下、一覧表にまとめましたので、合わせてご覧ください。
| 項目 | CSマーク | SEマーク | CEマーク |
対象 | クラウドサービス | 電気製品など(日本国内) | 製品全般(ヨーロッパで販売される物) |
認証の目的 | 情報の安全性、セキュリティ対策の確認 | 電気製品の国内安全基準への適合 | EUの規制に合った製品であることの証明 |
主な使用場面 | オンラインサービスやシステム提供時 | 日本市場での製造・販売 | EU市場での製品流通や販売 |
対象の性質 | 「サービス」や「運用体制」 | 「物理的な製品」 | 「物理的な製品」 |
SEマークは、電気製品などが日本国内の安全基準に適合していることを示すもので、製造や販売の際に必要とされます。CEマークは、ヨーロッパで販売される製品が、EUの規則に合っていることを意味しています。
どちらも「モノ」の安全性を対象としていますが、CSマークは「クラウド上のサービス」に対して付けられる認証で、情報の取り扱いやセキュリティ対策が評価の中心となります。
つまり、SEマークやCEマークは物理的な製品に関する安全、CSマークはデータや運用体制の安全性を示すもので、それぞれの役割には明確な違いがあるのです。
2.CSマークの必要性
クラウドサービスを提供する企業にとって、CSマークは信頼性と安全性を証明するための重要な認証です。
クラウドでは、個人情報や業務データなど、大切な情報がインターネット上で扱われます。そのため、情報が流出したり、不正に使われたりする危険性は切っても切り離せません。
CSマークを取得していれば、第三者による審査を通じて、一定のセキュリティ対策がなされていることが確認された証になります。
特に、官公庁や大手企業との取引では、認証の有無が選定基準となることもあります。
つまり、CSマークはクラウド事業者にとって安心を形にする仕組みであり、利用者との信頼関係を築くうえでも欠かせないものとなっています。
3.CSマークを取得するための条件
CSマークを取得するための条件については、大きく分けて4つあります。
- 情報セキュリティ体制の構築ができている
- 国際規格に基づいたクラウドセキュリティ基準を満たしている
- データ保護と個人情報管理のルールを整備している
- 外部審査や第三者評価に対応できる体制を持っている
取得の流れや審査の通過に必要な準備を理解していないと、申請が通らなかったり、無駄な時間や費用が発生してしまう可能性もあります。
順番に見ていきましょう。
(1)情報セキュリティ体制の構築ができている
CSマークを取得するためには、企業内にしっかりとした情報セキュリティ体制が整っていることが前提となります。
ただ仕組みをつくるだけでなく、それを日々の業務で正しく使えていることが重要です。
情報セキュリティ体制とは、社員の役割を明確にし、管理ルールを定め、トラブルが起きた際の対応手順まで用意しておくことを指します。
例えば、誰がどの情報にアクセスできるのか、外部への持ち出しをどう管理するかなど、情報を守るためのルールが必要です。
CSマークの取得にはこれらが実際に守られているかを、記録や定期確認で証明できる体制が求められます。
(2)国際規格に基づいたクラウドセキュリティ基準を満たしている
CSマークを取得するには、世界共通のセキュリティ基準に合った対策を行っていることが必要です。
これは、単なる社内ルールではなく、国際的に通用する水準を満たしている必要があります。
代表的な基準には、「ISO/IEC 27001」や「ISO/IEC 27017」などがあります。
これらは情報の取り扱いやクラウド特有のリスクにどう対応するかを、細かく定めた国際規格です。
例えば、情報へのアクセス権の管理、データの暗号化、利用者との契約内容の明示などが含まれます。
つまり、CSマークを通して信頼を得るためには、国際規格にもとづく高度なセキュリティ対応が欠かせない条件となっています。
▼「ISO/IEC 27001」や「ISO/IEC 27017」については、こちらの記事で詳しく説明しています。
(3)データ保護と個人情報管理のルールを整備している
利用者のデータや個人情報を安全に取り扱うための社内ルールが明確に整っていることも、CSマークを取得するためには欠かせません。
情報を預かる責任を果たすには、適切な管理体制をつくることが重要です。
具体的には、どの情報をどのように収集し、保管し、削除するのかといった流れをあらかじめ決めておく必要があります。
さらに、社内でのアクセス権の管理や、情報が外部に漏れないようにする仕組みも大切です。
加えて、法令やガイドラインに従い、本人の同意を得た上で情報を扱うといった基本的な考え方も含まれます。
(4)外部審査や第三者評価に対応できる体制を持っている
CSマークを取得するには、外部機関による審査や、第三者の評価を受け入れられる体制を整えておくことが必要です。
自社だけの判断ではなく、外からの目で公平に確認されることが求められます。
審査では、提出した書類や社内の運用状況について、専門の審査員が細かく確認を行います。その際、必要な記録がきちんと保存されていることや、改善点の指摘に対して柔軟に対応できる仕組みが重要になります。
また、担当者が説明に応じられるよう、社内での情報共有や教育が行き届いていることも大切です。
つまり、第三者からの指摘を前向きに受けとめ、改善につなげていける仕組みがあることが、CSマーク取得の条件となります。
4.CSマークを取得するまでの期間
CSマークの取得には、通常6カ月から12カ月程度の期間がかかるとされています。
初めに社内ルールの整備と実施が必要で、これに2〜3カ月を要します。
続く内部監査と外部監査には3〜4カ月、申請から認証取得までにさらに1〜2カ月程度を見込んでおくとよいでしょう。
組織の準備状況や監査の進行により、全体の期間は前後しますが、計画的に進めれば1年以内での取得が可能です。
5.CSマークを取得するの流れ
CSマークを取得するには、大きく分けて5つのステップに分かれています。
- CSマーク取得に向けた社内ルールの整備
- 内部監査の実施
- 外部監査評価
- 申請手続き
- ゴールド/シルバーマークの審査・取得
ここからは、各ステップをわかりやすく解説していきます。
(1)管理基準の整備
CSマークの取得に向けては、まずクラウド情報セキュリティ管理基準に沿った社内ルールの整備が必要です。
この基準では、情報の取扱い方法やアクセス制限、監視体制などについて、具体的な管理ルールを定めることが求められます。
例えば、従業員が取り扱う顧客データの保護方法や、外部からの不正アクセスへの備え、サービス障害が発生した場合の復旧手順まで、細かく文書化して社内に周知させる必要があります。
こうした基準が形だけでなく、日常業務の中で確実に実施されている状態が理想です。
(2)内部監査の実施
管理基準を整えた後は、社内での実施状況を確認するために内部監査を行います。
これは、企業自身が定めたセキュリティルールが正しく運用されているかどうかを客観的に確認する工程です。
具体的には、管理責任者が各部門を点検し、文書や記録、実際の運用をチェックします。
問題点や改善が必要な箇所が見つかれば、その都度対応策を講じて修正していきましょう。
この段階での確認が不十分だと、次に行われる外部監査で多くの指摘を受ける可能性があります。
(3)外部監査評価
内部監査を終えたら、次は外部の専門機関による監査を受けます。
この段階では、第三者が社内体制の実効性を客観的に評価し、安全性のレベルを確認します。
監査では、提出された書類や運用記録をもとに、管理が適切かどうかが検証されます。
また、実地確認やヒアリングを通じて、ルール通りに業務が行われているかもチェックされます。
この外部評価に合格することが申請の前提条件となるため、事前の準備が欠かせません。
(4)申請手続き
内部監査・外部監査の双方を終えたあと、正式な申請書類をクラウド情報セキュリティ推進協議会(JCISPA)に提出します。
この書類には、監査報告書や必要な添付資料が含まれます。
申請は電子ファイルで行うことが基本とされており、不備がある場合は差し戻されるため、提出前の最終チェックがとても大切です。
また、マークの区分(ゴールドまたはシルバー)に応じて、求められる基準も変わります。
(5)ゴールド/シルバーマークの審査・取得
申請後、CSマークには「ゴールドマーク」と「シルバーマーク」の2種類があり、どちらかを選んで審査を受けます。
ゴールドマークはより高いセキュリティレベルを求められ、公共機関や大企業との取引を想定したサービスに適しています。
一方、シルバーマークは中小規模のクラウドサービスなど、基本的な安全対策が整っていれば取得しやすい認証です。
いずれも、申請書類や監査結果に基づいて審査が行われ、基準を満たしていればマークの使用許可が与えられます。
6.まとめ
今回は、CSマークについて、取得に必要な条件から申請までの流れ、取得までにかかる期間までを解説しました。
CSマークとは、クラウドサービスにおける情報セキュリティ対策の適切な運用を第三者が認証する制度です。
取得にあたっては、まず「クラウド情報セキュリティ管理基準」に沿った社内ルールの整備と内部監査の実施が求められます。その後、外部機関による監査評価を経て、必要な書類を提出し、審査を受けることで認証が進みます。
この記事を通して、CSマークの意義と取得プロセスの全体像をつかみ、安心して準備を進めていただければ幸いです。
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