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日常業務で[ISO9001 9.1.2顧客満足]を最大限活用する方法

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2024年3月18日

日常業務で[ISO9001 9.1.2顧客満足]を最大限活用する方法

SO9001:2015の9.1.2顧客満足では、組織の製品・サービスに対する顧客満足を監視することを求めています。
そもそもISO9001は「顧客要求(顧客満足)を満たした製品・サービスを一貫して提供する」ことや「顧客満足の向上」を目的としているため、重要な要求事項であることが分かります。

1.9.1.2 顧客満足とは

ISO9001の要求事項「9.1.2顧客満足」には以下のように書かれています。

9.1.2
顧客満足
組織は,顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について,顧客がどのように受け止めているかを監視しなければならない。組織は,この情報の入手,監視及びレビューの方法を決定しなければならない。
注記 顧客の受け止め方の監視には,例えば,顧客調査,提供した製品及びサービスに関する顧客からのフィードバック,顧客との会合,市場シェアの分析,顧客からの賛辞,補償請求及びディーラ報告が含まれ得る。

「ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項」

つまり、製品やサービスについての「顧客の声」を入手し、評価することを意図しています。
自社では良い製品・良いサービスを提供しているつもりでも、顧客からの評価が同じとは限りません
だからこそ顧客満足を知ることで、PDCAサイクルをまわしていくことにつながります。

これにはトップマネジメントの関与は不可欠で、リーダーシップを発揮することが求められます。

2.「顧客満足」の定義づけ

さらに、ISO9000の用語解説では「顧客満足」が詳細に定義されています。

3.9.2
顧客満足(customer satisfaction)
顧客(3.2.4)の期待が満たされている程度に関する顧客の受け止め方。

注記1 製品(3.7.6)又はサービス(3.7.7)が引き渡されるまで,顧客の期待が,組織(3.2.1)に知
られていない又は顧客本人も認識していないことがある。顧客の期待が明示されていない,
暗黙のうちに了解されていない又は義務として要求されていない場合でも,これを満たすと
いう高い顧客満足を達成することが必要なことがある。
注記2 苦情(3.9.3)は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,苦情がないことが必ずしも
顧客満足が高いことを意味するわけではない。
注記3 顧客要求事項(3.6.4)が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満
足が高いことを保証するものではない。

「ISO 9000:2015 品質マネジメントシステム-基本及び用語」

注記2では苦情が無いことが顧客満足の指標にならないと書かれており、注記3にはサービス(製品)を提供し、受領してくれている状態だからといって、顧客が満足しているとは限らないと記載されてます。
これは要求事項として、顧客満足を追求する際には、あらゆる観点からアプローチする必要があるとされています。

3.9.1.2 顧客満足の目的

顧客満足の目的は何なのか?

それは「自社の価値を把握・向上させること」です。

規格は組織が顧客要求を理解し、それに応えるための仕組みを築くことを要求していますが、単に仕組みを作るだけでなく、顧客とのコミュニケーションを通じて、自社の価値を把握することが大切です。

また、企業が持続的な成功を達成することを促し、競争優位性を築くための手段を用いて、自社の価値を向上させることが重要となります。

4.企業としての取り組み方

では企業としてどう取り組むか。

顧客満足を追求するには、製品やサービスの品質保証だけでなく、企業として「売上が増えた」や「お客様数が増えた」という実感や成果も大切です。

ISOで要求するところの要諦は「理解し、実践し、成果を実感し、継続的に改善する」ことです。
放置するとISOは形骸化し、いつの間にかただただ負担になっている、なんていうこともあります。

「お客様アンケートをやっているけど何のためにやってるのか?」という社内の声はありませんか?
顧客満足度を明確にし、各プロセスを見直し、ISO9001を再構築することで、企業価値を最大限に引き出せます。

5.実務で活用する顧客満足度調査のやり方の実例


アンケート

では、実際の顧客満足度調査はどのように行われているのでしょうか。

最終的には組織が決定しますが、「①顧客とのコミュニケーションで直接入手する方法」と「②間接的な情報によって判断する方法」の二つがありますので、参考にしてみてください。

①顧客とのコミュニケーションで直接入手する方法

・顧客訪問や会合
・クレーム・苦情
・顧客からの協力会社としての評価結果

②間接的な情報によって判断する方法

・市場調査、シェア分析
・顧客からの紹介数や口コミ内容
・リピート注文状況

6.よくある現地審査での不適合・推奨事項の事例

ISO9001の審査では、下記のような事例が有ります。

不適合内容:顧客満足度調査として「お客様アンケート」を実施としているが、顧客からのアンケート結果が毎回同じ内容であるため、内容の見直しを検討してください。】

このお客様はやはりアンケートが形骸化したお客様でした。
顧客に対し、「前回と同じ内容で良いので書いて送ってください」とお願いしていたのです。

これはまさに形骸化ですね、アンケートを取ることが目的になっています
これではアンケートの意味が有りません。

アンケートを続けるのか、続けるなら頻度はどれくらいか、どういった内容でアンケートをとるのか、つまりどこの組織の価値を感じてもらうのかという顧客満足の根本から考えていく必要があります。

7.まとめ

ISO9001の9.1.2顧客満足について、まとめると

  • 手段にこだわらず、顧客の満足度を入手する
  • それを組織の改善に取り入れる
  • より一層の顧客満足を得られるように組織として取り組む

となります。
ISO9001の目的は「顧客満足の追求」であることから、顧客満足を知るプロセスはISO9001の目的達成のために非常に重要であることを理解しましょう。

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