2025年6月24日
ISO認証で補助金利用は可能?サクっと解説
「ISOの取得にはお金がかかると聞いたけど、何か補助金って使えるの?」 「中小企業でも使える制度ってあるのかな?」 結論から言うと、ISO認証の取得に使える補助金は、自治体などで実際に用意されています。 ただし、制度によ […]

2025年11月10日

現状正式な発表はされていませんが、2026年9月に「ISO9001:2026」が発行される予定です。
それに伴い国内規格である「JIS Q 9001:2026」が発行されます。
ISO規格の改定プロセスは、以下のような段階を経て進行しています。
ISO9001の改定作業は現在進行中であり、2026年に新しいバージョンが発行される予定です。
ただし、具体的な内容はまだドラフト段階であり、今後の議論やレビューを経て確定します。
新しい規格が発行されると、認証を取得している組織は移行期間内に新しい規格に適合する必要があります。
通常、移行期間は3年ほど設けられます。この期間中に、企業は新しい規格に基づいた運用体制を整える必要があります。
したがって、2026年の発行後、2029年までに新規格への移行を完了することが求められます。
移行期間中に認証機関と連携し、スムーズな移行を目指しましょう。
今回の改訂は、規格の項番が大きく入れ替わるなどはなく、ほかのマネジメントシステムとの整合や文言の変更などがメインとなりそうです。
以下が改訂の主なポイント3つです。
各項番ごとの変更点を見ていきましょう。
※改訂内容はDIS時点での内容です。さらに見直しが入る可能性があります。
「付属書SL/HS」とは、ISOマネジメントシステム規格全体の統一的な枠組みを提供するものです。
様々あるマネジメントシステム規格の共通の雛型のイメージです。
それが、2015年以降、適宜改訂されております。
今回のISO9001の改訂では、「付属書SL/HS」と構成や文言を準拠させる方向で改訂が行われています。
【例】
対象項番:5.1.1、6.1.1、9.3.3
「改善」→「継続的改善」に文言が統一されています。
対象項番:5.1.1、5.2、5.3、6.1.1、6.2.1、7.3、8.1、9.3.2
規格の順番が、「付属書SL/HSで共通の項目」の下に「規格固有の項目」となっています。
例えば、
7.3 認識
a)品質方針
b)関連する品質目標
c)パフォーマンスの…
d)品質マネジメントシステム…
という順番から
7.3 認識
a)品質方針
b)パフォーマンスの…
c)品質マネジメントシステム…
d)関連する品質目標
と順番が変わっています。
対象項番:4.2、4.4、7.2、9.3.2、10.2.1
付属書SL/HSにないQMS固有の文言が削除されています。
例えば、以下の文言がQMSのみで記載がある文言のため、削除されています。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
次の事項は、顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品およびサービスを一貫して提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与えるため、組織は、次の事項これらを明確にしなければならない。
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
今回の改訂にあたり、テーマを挙げてそこから優先されるテーマを絞り込みました。
テーマは全部で14項目の候補が挙げられました。
上記から、
の4つのテーマがピックアップされ、規格要求事項への反映が決まりました。
変更を計画的な方法で実施する際の考慮事項として、以下(赤文字)が追加されている。
6.3(変更の計画)
a)変更の目的、起こり得る結果
b)QMSの完全に整っている状態
c)資源及び情報の利用可能性
d)責任・権限の割り当て又は再割当て
e)変更の有効性の監視方法及び評価方法
f)変更のコミュニケーション
g)変更の結果のレビュー方法
5.1.1、7.1.4、7.3に以下(赤文字)が追加されている。
5.1.1
i)品質文化および倫理的行動を促進する。
7.1.4
注記 (中略)一部の要因は、倫理的行動を含む、組織の品質文化に依存する。
7.3
e)組織の品質文化および倫理的行動
6.1.2、8.2.1にて、以下(赤文字)の文言が見直し、追加された。
6.1.2
注記1 決定されるリスクには、中断中及び中断後に適合した製品およびサービスを提供する能力に関連するリスクを含む可能性がある。
8.2.1
顧客とのコミュニケーションには、次の事項を含めなければならない。
e)提供される製品又はサービスのあらゆる中断に関連する場合を含む、不測の事態への対応に関連する特定の要求事項の確立情報
「リスク」と「機会」を分けるように変更されています。
これまでは「リスク及び機会」としてまとめて考えられることが多く、機会への対応が十分でない場合がありました。
しかし、リスクと機会をそれぞれ分けて考えることで、機会への取り組みがより積極的に行われることが期待されていると考えられます。
6.1 リスク及び機会への取組み
6.1.1 リスク及び機会の決定
6.1.2 リスクへの取組み
組織は、適合した製品・サービスを継続的に、一貫性をもって提供し、顧客満足を向上する、組織の能力に望ましくない影響をもち得るリスクを決定し、分析し、評価しなければならない。
次を計画する。
a)決定したリスクへの取組み
b)1)取組みのQMSプロセスへの統合・実施、2)取組みの有効性評価
・・・(省略)
6.1.3 機会への取組み
組織は、適合した製品・サービスを継続的に、一貫性をもって提供し、顧客満足を向上する、組織の能力に望ましい影響をもち得る機会を決定し、分析し、評価しなければならない。
・・・(省略)
※リスク、機会に対して、分析し、評価をしなければならないとされているが体系的な文書を作らないといけないわけではないです。(付属書A参照。)
ISO9001の改訂は、主に以下の背景を受けて行われています
グローバル化やデジタル化の進展により、品質管理の方法や考え方が変化しています。これに対応するため、規格の見直しが必要とされています。
環境問題や社会的責任が企業活動において重要視される中、品質管理にもこれらの要素を取り入れる必要があります。
2015年版の運用を通じて得られたユーザーの意見や課題が、改訂の重要な材料となっています。
これらの背景を踏まえ、ISO9001はより現代的で実用的な規格へと進化しようとしています。
新しい規格に対応するためには、現行の品質マニュアルを新規格の項番に合わせて整理することが重要です。これにより、改訂後の運用がスムーズになります。
ISO9001と他の規格(例:ISO14001)を取得している場合、統合マニュアルを作成することで、効率的な運用が可能になります。改訂が行われる前に、統合マニュアルの作成をしていきましょう。
品質マニュアルの内容を再検討し、不要な記載や重複部分を削除することで、より簡潔で実務に即した運用を目指しましょう。
特に、ISOを10年以上運用している企業では、長年の運用や審査を通じて改善を重ねてきた結果、現在の業務にそぐわないルールや、形骸化した規定が残っているケースが少なくありません。
「以前からのルールだから守らなければならない」と思い込んでいる場合も多く、改めて見直しを行うことが重要です。
2026年の規格改定に備え、現行の規定をスリム化しておくことで、改定時には必要な要件をスムーズに追加・修正できるようになります。これにより、改定対応の負担を軽減し、効率的な移行が可能となります。
自社で上記の作業に手が回らない場合は、ISOコンサルタントに依頼することでムリなく・ムダなく移行作業を行うことができます。
認証パートナーでは、統合マニュアルの作成やスリム化の各業種ごとの事例が豊富にありますので、「自社の場合だと、どうすれば良いだろう?」といった悩みを解決することができます。
2026年のISO規格改定に向けて、企業は早めの情報収集と改訂内容の把握が重要です。
この改訂対応は、単に規格に適合するためだけではなく、企業の競争力を向上させる絶好の機会でもあります。
改訂を契機に、品質管理体制を見直し、より効率的で持続可能な運用を目指すことが求められます。
ただし、自社内でのスリム化や改訂作業は、手間や時間がかかる場合がほとんどです。
こうした負担を軽減するためには、ISOコンサルタントに相談し、時間のかかる記録修正や文書を整える作業を任せていきましょう。
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