2020年9月8日
1.なぜPDCAサイクルが大切なのか?
PDCAサイクルは、ISO9001をはじめマネジメントシステムの継続的改善における基本的な考え方になります。
ISO9001に取り組むにあたっては、このマネジメントシステムに取り入れられているPDCAサイクルを理解して、運用していくことが大切です。ISO9001の項番もこのPDCAサイクルの順番になっています。
※「PDCAサイクル」についてはこちらをご参照ください。
>>用語集:PDCAサイクル
2.ISO9001のPDCAサイクルでやること
ISO9001のPDCAサイクルで実施することを順に紹介します。
① P(Plan)
リスク及び機会への取り組み、目標・達成するための計画を立てましょう。
② D(Do)
Pで立てた取り組みの実施や目標を達成するための計画の実施、運用をしましょう。
③ C(Check)
内部監査・マネジメントレビューを実施しましょう。
計画・ルール通りに実施できたのか、実施した結果が予定通りのパフォーマンスだったのか、そもそもの計画・ルールが妥当だったのかを見ていきます。
チェック結果を、マネジメントレビューを通して評価をして、次の計画・ルール作りに向けたアウトプットをしていきます。
④ A(Action)
マネジメントレビューのアウトプットや不適合をもとに、是正処置・次の計画を立てるといった改善を進めることです。
次の計画・ルール作りを具体的に作成し改善を進めるというサイクルがISO9001で実施することです。
3.ISO9001のPDCAサイクルの具体事例
① P(Plan)の事例
・お客様への納期遅れ0件の目標を立てる
・納期遅れ0件を達成するために、製造現場への作業指示書の作成と、作業指示書へのお客様納期の記載をする計画を立てる
※実際には、目標や目標達成のために1部署や1プロセスではなく、全社挙げて作っていくほうが望ましいです。
② D(Do)の事例
・製造現場へのお客様納期を記載した作業指示書作成を進める
③ C(Check)の事例
・内部監査でお客様納期を記載していない作業指示書が見つかる
・作業指示書にお客様納期を記載していた案件でお客様納期遅れがあったことが見つかる
④ A(Action)の事例
・お客様納期の書き忘れ防止のために、作業指示書の一番左上にお客様納期記載欄をもってきた
・お客様納期だけではなく、持ち込みの営業マンの手元に届く日程も記載するようにした
といったように、計画通り実施してみた結果、実施していなかったとか、実施していたけど結果が伴っていなかった、ようなことに関して、じゃあどうしたらうまくいくのかを考えて次の計画と実施につなげていきます。
4.ISO9001のPDCAサイクルをうまく回すためには
ISO9001のPDCAサイクルをうまく回すための、サイクルの各局面でのコツを紹介します。
① P(Plan)で大事なこと
ゴールの設定と現状の把握、そのギャップである課題を把握すること
と
計画を立てるときはより具体的に立てること
が大事です。
具体的に立てるには、何をいつからいつまでに誰がどのようにするのかまで決めておきましょう。
この二つを徹底するだけで計画がうまくなります。
② D(Do)で大事なこと
計画通りに実施してみること
が大事です。
決めたことなどを計画通りにまずは実施してみなければ、計画が正しかったのか評価ができない、何がうまくいったのかがわからない状態になります。どうしても計画通りにするよりもやりたいことがあったり、うまくいきそうなことがある場合には、計画の変更をしっかりとやることです。
③ C(Check)で大事なこと
あらかじめタイミングを決めて必ずチェック・評価の実施をすること
が大事です。
チェックや評価をされず、計画と実施まではやるけどやりっぱなしになっているケースが多いです。やりっぱなしだと、計画は良かったのか?実施はちゃんとされたのか?パフォーマンスは向上したのか?などの判断がつきません。
また、あらかじめチェック・評価のタイミングを決めていないと、計画と実施だけが重要視されてチェック・評価がおいていかれます。
④ A(Action)で大事なこと
C(Check)、評価の結果を確実にインプットすることが大事です。
改善ということで、思いつきだけで進めてしまうことも多いですが、必ずチェック・評価の結果もインプットし、その内容をもとにアウトプットを決めて次の計画につなげましょう。
5.まとめ
PDCAは継続的改善を進めていくにあたって効果的な手法です。ただ、手法ということはやり方であって、100%ではありません。PDCAサイクルの考え方・やり方をうまく使って、自分たちの成果につなげられるようにしましょう。
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