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ISO9001の文書管理とは?基礎知識から実践ステップまでわかりやすく解説

2025年4月21日

ISO9001の文書管理とは?基礎知識から実践ステップまでわかりやすく解説

ISO9001の文書管理とは、品質マネジメントシステムに関連する文書の作成、承認、管理、保管、改訂、廃棄のプロセスのことです。「文書」とは「ルール」のことを指します。文書の種類や文書管理に関する要求事項、実践の手順まで徹底解説します。

1. ISO9001の文書管理とは、「ルール」を管理すること

ISO9001の文書管理とは、ルールを管理することです。

ISO9001において「文書」とは、「ルール」のことを指しています。

「管理」とは、文書の作成・承認・保管・配布・改訂・廃棄の一連の流れのことを指しています。

ISO9001の「要求事項」にも文書管理は含まれており、組織の品質維持・向上に欠かせない要素です。

2.文書管理の対象となる文書の種類

文書の分類の仕方


どんな種類のルールが、何に記載されているのかをわかりやすく、見やすく、見つけやすくするためにも、文書を分類をしましょう。

ISO9001の文書管理の対象となる文書は、以下の5つです。

  1. 品質マニュアル
  2. 手順書
  3. 作業指示書
  4. 記録
  5. 外部文書

それでは、詳しく見ていきましょう。

(1)品質マニュアル

品質マニュアルは、組織の品質管理システムに関する全体的な指針を提供する文書です。

品質ポリシー、品質目標、責任範囲、プロセスの相互関係、手順書の構成などを定義し、組織の品質マネジメントシステムの基本的な枠組みを示します。

(2)手順書

手順書は、特定のプロセスまたは活動を実行するための手順や方法を詳細に記述した文書です。

これには、品質管理、購買、製造やサービス提供、維持、改善など、品質マネジメントシステムに関連するさまざまな分野が含まれます。

(3)作業指示書

作業指示書は、個々の作業やタスクを正確かつ効果的に実行するための具体的な指示を提供する文書です。

これには、機器の操作方法、測定や検査の方法、適切な包装や標識、安全手順などが含まれます。

(4)記録

記録は、組織の品質マネジメントシステムの運用に関連する情報が記録された文書です。

これには、品質検証、保守、校正、監査、問題解決の過程などが含まれます。

記録は、プロセスが適切に実行されたことを証明し、改善のためのデータを提供します。

(5)外部文書

外部文書は、組織の品質マネジメントシステムに関連する、組織の外部で作成された文書です。

これには、法規制、業界標準、お客様の要件などが含まれます。

3.文書管理のメリット

ISO9001における文書管理を行うことで、たくさんのメリットがあります。

(1)情報の整合性と一貫性の確保

文書管理を適切に行うことで、組織内の情報が整合性を持ち、一貫性が保たれます。

正確な最新の情報を提供することで、意思決定や業務の効率化を図れます。

(2)リスク管理とコンプライアンスの向上

文書管理は、リスク管理とコンプライアンスの向上に役立ちます。

規制要件や法的義務に従い、文書の作成、変更、保管、廃棄を適切に管理することで、リスクを軽減し、法的トラブルや規制違反のリスクを最小限に抑えます。

(3)生産性と効率性の向上

文書管理は生産性と効率性の向上に寄与します。

組織内のプロセスや手順が明確に文書化されることで、作業の一貫性と効率化が図られます。従業員は正確な情報に基づいて作業を行い、ミスや重複作業を減らすことができます。

4. 文書管理に関するISO9001の要求事項

では、ISO9001:2015では文書管理について、どのような要求があるのでしょうか?

文書管理に関する要求事項は、「7.5.3 文書化した情報の管理」に規程されています。

要求事項を詳しく見ていきましょう。

(1)文書化した情報の管理

7.5.3 文書化した情報の管理の要求事項は、以下のとおりです。

7.5.3.1 品質マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は、次の事項を確実にするために、管理しなければならない。
a) 文書化した情報が、必要なときに、必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。
b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば、機密性の喪失、不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)。
7.5.3.2 文書化した情報の管理に当たって、組織は、該当する場合には、必ず、次の行動に取り組まなければならない。
a) 配付、アクセス、検索及び利用
b) 読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存
c) 変更の管理(例えば、版の管理)
d) 保持及び廃棄
品質マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書化した情報は、必要に応じて識別し、管理しなければならない。
適合の証拠として保持する文書化した情報は、意図しない改変から保護しなければならない。
注記 アクセスとは、文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定、又は文書化した情報の閲覧及び変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。

ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項

(2)つまり、何が求められているのか?

つまり、「7.5.3 文書化した情報の管理」では以下の5つのことが求められています。

  1. アクセスの確保:必要なときに、必要な場所で文書にアクセスできるようにする。
  2. 文書の保護:機密性や完全性を守るために、文書を適切に保護する。
  3. 管理の実施:文書の配布や利用を管理する・読みやすく保管し、長期間保存する・変更履歴を管理する(版の管理)・不要な文書は適切に廃棄する。
  4. 外部文書の管理: 外部からの文書も適切に識別し、管理する。
  5. 証拠の保護: 適合性を証明する文書は、改ざんから守る。

要求事項にある「文書」とは、業務における「ルール」を指しています。

業務内容や時代背景などの影響により、ルールは変化する可能性があります。

ルールが変わることを前提に、常に最新のルールを管理し、それが適用されるようにしていきましょう。

5.ISO9001文書管理を進める3ステップ

組織が品質マネジメントシステムを効果的に運用するためには、文書の作成、承認、保管、配布、改訂、廃棄が求められます。文書の作成〜廃棄において、必要なことを見ていきましょう。

ステップ①文書の作成と承認

まず、組織はISO9001の要求事項に基づいて、品質マネジメントシステム関連の文書を作成する必要があります。

品質マネジメントシステムに関連する文書(例: ポリシー、手順書、規程、作業手順、記録など)を作成します。

文書作成では、各文書の目的、内容、それに関連するプロセスや手続きが明確に記述されていることを確認します。文書が追加または改訂されると、適切な権限を持つ責任者によって承認される必要があります。

ステップ②文書の保管と配布

次に、作成・承認された文書を適切な場所に保管し、アクセス可能な状態で保持します。

文書の保存期間、保管方法、機密性の管理などを定義し、必要に応じて保護措置を講じます。

また、関係者が最新の文書にアクセスできるよう、文書の配布方法や配布リストを定義しましょう。

ステップ③文書の改訂と廃棄

最後に、作成された文書が適切に更新および改訂され、時代遅れの情報や不要な文書が廃棄されているかを確認するプロセスが必要です。

これには、文書のレビュー、更新、承認、配布の手続きを明確に定め、実行することが含まれます。

また、適切なタイミングで廃棄する文書を特定し、その方法と手続きを確立することも重要です。

これらの3ステップを通じて、ISO9001に基づく文書管理が進められ、組織全体で情報が適切に共有、保管、更新されます。

6.ISO9001文書の保管期間に迷ったら

文書の保管期間に迷った場合は、以下の3つの観点で確認しましょう。

  • 顧客要求があるのか
  • 法的要求があるのか
  • 社内で必要な期間はどのくらいか

文書の保管期間には、法的要件や規制で定められている場合や、品質マネジメントシステムの運用上必要な場合があります。

例えば、税務関連の文書は法律で定められた一定期間、保管する必要があります。また、品質記録や品質評価の文書などは、将来の品質監査や証明、証拠としての機能を果たすため特定の期間保管する場合があります。

文書の保管期間は、顧客要求、法的要求、社内の必要性を基準に判断しましょう。適切な保管期間を設定することで、品質マネジメントの有効性を維持できます。

7. 文書をペーパーレス化することで得られるメリット

ペーパーレス化が重要な戦略となっている現代、文書管理においてもシステムを導入して、ペーパーレス化を目指す企業が増えてきています。ペーパーレス化のメリットは以下のとおりです。

(1)業務の効率化

文書管理システムを使用することで、検索や閲覧が容易になり、手間や時間を大幅に削減できます。また、同時に複数の人がアクセスして共同作業ができることから、業務の効率化が図られます。

(2)文書変更のスピード対応

紙の文書の場合、変更や修正が発生したときに文書を再印刷し、再配布しなければならないことがあります。

一方、文書管理システムでは、一度に全ての文書を更新し、すぐに利用者に配信することができます。これにより、変更に迅速に対応することが可能です。

(3)セキュリティとコンプライアンスの強化

文書管理システムでは、アクセス権限やバージョン管理が容易に設定できます。これにより、不正アクセスや情報漏洩のリスクを減らし、ISO9001の要求するコンプライアンスを維持することが容易になります。

 

ただし、文書管理システムを入れるべきかと言うと必ずしもそういうわけではありません

文書管理システムは、もちろんシステム使用料がかかりますし、データの移行時には時間と労力を要します。

管理すべき文書の量が多すぎる最新管理が上手くいっていないなど、文書管理に関する課題がある場合に文書管理システムの利用を検討しましょう。自社の状況、課題に合わせて文書管理の方法を決めることが大切です。

当社は、クラウド管理ができるツール「アシスト」をご提供しています。フォーマットに入力するだけで簡単に文書作成も可能です。文書作成・文書管理への課題を感じている方はぜひ一度ご検討ください。

8.まとめ

本記事では「ISO9001の文書管理」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

まず、「文書」とは「ルール」のことを指します。文書は下記の5種類に分類されます。

  1. 品質マニュアル
  2. 手順書
  3. 作業指示書
  4. 記録
  5. 外部文書

「管理」とは、品質マネジメントシステムに関連する文書を、体系的に管理する一覧の流れのことです。流れは以下の3ステップです。

  1. ステップ①文書の作成と承認
  2. ステップ②文書の保管と配布
  3. ステップ③文書の改訂と廃棄

文書管理を行うことで様々なメリットがあります。

  1. 情報の整合性と一貫性の確保
  2. リスク管理とコンプライアンスの向上
  3. 生産性と効率性の向上

文書の保管期間に迷った場合は、3つの観点で確認しましょう

  1. 顧客要求があるのか
  2. 法的要求があるのか
  3. 社内で必要な期間はどのくらいか

ISO9001の文書管理は、組織の品質維持・向上に欠かせない要素です。
文書管理のステップを把握し、適切な文書管理を行っていきましょう。

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