2024年6月12日
ISO9001「6.3 変更の計画」の正しい流れとは?
ISO9001における「6.3 変更の計画」とは、組織が品質マネジメントシステム(QMS)に変更を加える際の指針です。組織がマネジメントシステム変更を実施する際に考慮すべき要素や手順について規定しています。組織が変化に適応し、持続的な改善を実現するために変更の計画のポイントを理解しましょう。
2024年5月23日
ISO9001における「リスク及び機会への取組み」とは、リスクと機会を特定し、それに対する適切な対策を講じることを指します。リスクとは「脅威」、機会は「チャンス」と捉えることができます。簡潔に言うと、「課題だと感じることに対して対策を打つこと」です。
マネジメントレビューでもインプットすべき項目になっている重要な仕組みの1つです。
以下が、リスクについて該当する要求事項です。
6.1 リスク及び機会への取組み
JISQ9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項
6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき、組織は、4.1に規定する課題及び4.2に規定する要求事項を考慮し、次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。
a) 品質マネジメントシステムが、その意図した結果を達成できることを保証する。
b) 望ましくない影響を防止又は低減する。
c) 継続的改善を達成する。
6.1.2 組織は、次の事項を計画しなければならない。
a) 上記によって決定したリスク及び機会への取組み
b) 次の事項を行う方法
1) その取組みの品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施(4.4参照)
2) その取組みの有効性の評価
リスク及び機会への取組みは、製品及びサービスの適合への潜在的影響と釣り合いのとれたものでなければならない。
リスクと機会を決定する目的は、マネジメントシステムにおいて4つあります。
具体的にどのようなものがあるか、機会で考えてみましょう。
機会は、お客さんに提供する製品及びサービスの価値を向上させることで得られます。
そうすれば新たな顧客を獲得したり、既存の顧客への売上が増えたりします。
売上が増えれば、組織の運営も安定して従業員にとって幸せなことですよね。仕入れ先への発注も増えて仕入れ先にとっても幸せなことですよね。
たとえばラーメン屋さんで考えてみると、
といったことが挙げられます。
リスクとは、「脅威」や「課題」と言えるでしょう。
ISOでは「目的に対する不確かさの影響」と定義しています。
「不確かさ」とは、事象やその結果、またはその起こりやすさに関する情報、理解、または知識が部分的にでも不十分な状態を指します。
「影響」とは、期待されている結果から、好ましい方向または好ましくない方向に乖離することを指します。
ラーメン屋さんを例に考えてみると、
こんなことが想定されますね。
文書・記録の要求はないので、審査レベルで言えば、リスク及び機会への取組みに対応する処置の計画は、口頭で話せればよいということになります。
審査では、(上記のラーメン屋さんの例のような)自社で考えているリスクとその計画を話すことができるようにしておきましょう。
より細かく言えば、審査では4.1 組織及びその状況の理解、4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解に関する情報を元に、何が取り組むべき「リスク及び機会」として決定されたか、決定された「リスク及び機会」への取組計画、取組みの有効性評価方法、リスク及び機会に対する監視結果等を審査全般で検証されることになります。
リスクは、品質マネジメントシステムのあらゆる側面に本来備わっているものです。
リスクに基づく考え方は、日常生活の中で私たちが自然と行っていることが多いです。
SWOT分析をやられている会社さんは、活用できますね!
10年前のISOとサヨナラしたい方はお問い合わせください!
課題とは、理想と現実のギャップ(問題)を埋めるために取り組むべきことです。
リスクとは、不確かさの影響のことです。
課題を解決しないでそのままにしておくと、今後どんな影響が出るかを考えてみてください。
解決に向けての方法も一通りではなく複数ある中で、それぞれどんな影響があるか。この影響が、リスクとなります。
リスク及び機会への取組みとは、「リスク」と「機会への取組み」を合わせる必要があります。
その為、洗い出された「リスク」に対して、お客様や従業員などのニーズを考慮して、どんな「機会」があって、取り組みを行っていくのか決定していくことです。
また、機会とは、”opportunity”「チャンス」のことを指します。
つまり、ISO9001での機会とは、リスクに対し良い方向に向かうための「チャンス」だと考えてください。
ラーメン屋さんを例に「機会への取組み」を考えてみると、
こんなことが想定できますね。
リスクと同様、機会についても、品質マネジメントシステムのあらゆる側面に本来備わっているものです。日常生活の中で私たちが自然と行っていることが多いです。
「3.リスクとは」でもお話しした通り、リスク及び機会への取組みは文書・記録の要求がないので、審査では(上記のラーメン屋さんの例のような)自社で考えているリスクと機会、また、その計画を話すことができるようにしておきましょう。
「リスク及び機会への取組み」を考える為の一例として、SWOT分析も良いでしょう。
プラス面 | マイナス面 | |
内部環境 | ・新製品開発力がある ・特許が多く独自性がある ・自社ブランドをもっているS(強み) | ・管理者の育成が遅れている ・販売網の整備が遅れている ・社内規定の標準化が遅れているW(弱み) |
外部環境 | ・対象顧客感が増加している ・顧客が高級品に移りつつある ・高級品で競合する会社が少ないO(機会) | ・異業種からの参入が増加している ・輸入品の品質が向上しつつある ・原材料が高騰しつつあるT(脅威) |
例えばこんな感じになっていると分かりやすいですね。
もう一度言っておきますが、記録の要求はありません!必ず作らなくてはならないものではありません!
あくまでもツールの一つです。経営層の皆様は、既にやられていることです。
いつ、どこで、だれが、どのようにやるのか。出てきた課題の中で優先順位をつけて対策をしてください。
(1)リスクへの取組みを計画する
まずはどのようなところで、どのようなリスクがあるか洗い出し、どうすればそのリスクを回避又は排除できるか、 どうすればリスクを緩和できるか計画を立てる。
すべてのリスクを回避できるわけではないので、優先順位を決めて削除できるものから削除する。受容するものは受容すると決める。
↓
(2)計画通りに実施する、取り組みを行う
↓
(3)取組みの結果の有効性を確認する
↓
(4)有効性の確認から学習し、改善する
上記の手順で運用を実施していけばいいのです。 つまりはどのマネジメントシステムにも共通するPDCAサイクルですね
参考までに、例を以下に記載いたします。
①製造業
課題 :社内不良増加による売上低減
リスク:社内不良発生の増加
機会 :社内不良の削減、工場稼働率の増加
②建設業
課題 :「業務の俗人化」及び「コミュニケーション不足」による、生産性の低下
リスク:入札業務の俗人化
テレワークによる従業員のコミュニケーション不足
機会 :入札案件に関して、積算ノウハウとしての検証ができた為、
マニュアルへ落とし込むフェーズへ切り替える
計画出社を促進させること
③運送業
課題 :クレームの増加
リスク:クレームの発生による顧客からの信頼の低下、売上低下(取引先が減少する恐れがある)
機会 :フローの見直し、手順書の作成によるクレーム防止、顧客からの信頼の向上
リスク及び機会では、良くない方向へ向かう事柄に対しては悪い影響が出ないようにし、出たとしても影響が少ないようにします。また良い方向へ向かう事柄に対しては、狙い通りの結果を得られるように活動します。
リスク及び機会への取組みを通して、狙い通りの結果を勝ち取りましょう。
ISO9001新規取得、規格改訂等においてお困りの企業様がいらっしゃいましたら、当社までご連絡ください。プロのコンサルタントとして、ISO9001の新規取得、規格改訂のお悩みを解決させていただきます。
今聞きたいこと、今すぐ回答!
最短即日・全国対応いたします!
お問合せは
こちらから
全国どこでもオンラインで対応!
気軽にご相談ください!
相談予約は
こちらから
8,000社以上の支援実績に裏付けされた、
弊社サービスの概要を紹介しております。
資料の内容
認証パートナーの専門コンサルタントが御社の一員となって事務局業務を行います。
お客様の作業は審査機関との窓口役だけ。それ以外はすべてお任せください。
個人情報保護マネジメントシステム
高い保護レベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立し、運用していることを示します。
認証パートナーなら、個人情報漏えい防止の観点も踏まえたサポートを実現します。
品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステムは一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるための規格です。
認証パートナーなら、負担が増える形だけのISOではなく、より現場の実態に沿ったISOを実現します。
情報セキュリティマネジメントシステム
情報セキュリティマネジメントシステムは企業・組織の情報を守る規格です(ISMSとISO27001は同義)。
認証パートナーなら、情報セキュリティリスクへの対応計画、緊急時の対応計画踏まえPDCAサイクル回せるような仕組み作りを実現します。
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステムは環境を保護し、変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを示します。
認証パートナーなら、課題になりがちな環境法令の対応についても一緒にサポート致します。
ISO27017やISO22000など各種規格もお得に 新規取得や運用・更新ができます。ご気軽にお見積りください。
ISOやプライバシーマークを同時に認証取得すると費用や工数を抑えることができます。安心してご相談ください