2022年9月8日
ISO14001における「教育」とは、力量を担保する手段のひとつで、具体的には、講習・資格取得・OJT・訓練などが該当します。
また、ISO14001では、教育の有効性を評価することも求められています。
本記事では、ISO14001の教育で求められていることや、審査で見られるポイントなどを解説していきます。
1.ISO14001における教育とは
ISO14001における「教育」とは、従業員の「力量」を求められているレベルまで上げるために教育を施すことです。
具体的には、講習・研修・資格取得・OJT・訓練などが当てはまります。
ISO担当者だけでなく、必要があれば、該当する全ての従業員の力量を担保しなければなりません。
言い換えると、力量がある人ばかりであれば、教育を実施する必要はないのです。
2.力量とは
力量とは、「業務を行うのに必要な能力があるか?」ということです。
ISO14001だけでなくISO9001やISO27001など、他の規格においても力量は必要とされています。
まずは、その人に「どんな能力があって何が足りていないのか」を明確にし、力量を把握しましょう。
そうすると、理想と現実のギャップを埋めるためにどのような教育が必要なのかが分かります。
3.ISOで求められていること
力量を担保する方法は、教育を行うことだけではありません。ジョブローテーションや、力量がある人の新規採用などもあります。
力量を担保するために教育や訓練を実施した場合は、いつどんな教育を行ったかの記録を保管する必要があります。
また、教育をただ実施するだけではなく、「その教育が有効かどうか」を判断しなければなりません。教育の目的を達成できたかそうでないのかを判断することが有効性評価です。
有効性評価とは、その教育を受けたことで力量が上がったかどうかを判断すること、つまり、その教育に効果があるかを確認することです。
実際にはただ教育を実施をするだけで、有効性を確認できずに終わってしまっている組織も少なくありません。
有効性評価のやり方としては、教育実施後のテストや育成報告、アセスメント、面談などがあります。
4.ISO14001教育事例その1:自覚教育
教育訓練というとイメージしやすいのは、研修、座学あるいは自習による教育などでしょうか。
業務上必要な資格がある場合は取得に向けた活動もその1つです。
いずれの場合も、教材や訓練実施の内容が記載された報告書、資格証など、関連する記録は保管しておく必要があります。
また、とあるメーカー企業で行っているボランティア活動では、どこを掃除するのか?何を分別すればいいのか?を説明すること、これを教育訓練の1つとして行っており、活動結果の報告書が記録として保管されていました。
さらに別の製造会社では、外部が開催する資材に関する説明会に教育の一環として関連部署の従業員を参加させているところもあり、こちらも報告書を記録としていました。
ISO14001の教育訓練において大事なのは
- 「環境のことを知ること」
- 「マネジメントシステム運用において必要な力量を満たすこと」
であり、一見環境に関係なさそうな業務研修であっても、マネジメントシステム運用上必要な教育訓練となります。
5.ISO14001教育事例その2:緊急事態訓練
ISO14001の運用の1つに「8.2緊急事態への準備及び対応」があります。
組織において火災や水害など「緊急事態」が起こった場合、環境面でも大きなダメージを受けてしまいます。どんなに対策をしても100%防ぐことはできませんが、あらかじめ想定して備えておくことで速やかに対応できること、また環境への影響を軽減できます。
緊急事態訓練は「定期的にテストを行い、実施した記録は保管すること」としています。
この緊急事態の訓練も、「7.2力量」における教育訓練の1つになります。
6.審査で確認されることは?
審査で必ず見られるのは、緊急事態訓練の実施記録です。
5でも述べた通り、教育訓練の1つでもあり「8.2緊急事態への準備及び対応」でも要求されている内容です。
その他に実施した勉強会や研修、会議での周知内容などがあればそれも記録として見られることがあります。
また、4で述べた通り必要資格がある場合にはその証明書(社内で作成された一覧表でも可)も審査で確認されます。
環境ISOについての研修が必要だという審査員も中にはいますが、どこまでを教育するかどうかは会社が判断してよいものです。
まとめ
ISO14001における「教育」とは、従業員の「力量」を求められているレベルまで上げるために教育を施すことです。
具体的には、講習・研修・資格取得・OJT・訓練などが当てはまります。
ISO14001では力量が満たされていない場合には対象者に教育を行い力量を上げること、または新規の雇用・ジョブローテーションをして力量を担保することが求められているのです。
しかし、ISO14001の要求事項解説を全従業員にするなど、難しくする必要はありません。
業務上で必要な教育や訓練をそのまま継続することと、ISO14001を認証し続ける以上は緊急事態における訓練教育は忘れないように実施するようにしてください。
ISO14001の教育を他社がどうやっているのか?審査では実際になんて聞かれるのか?などの疑問や不安がある場合は、一度コンサルなど専門家に相談するのがいいでしょう。
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