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【ISO14001】環境方針には目的を明記すべき?

スタッフ写真
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2025年4月3日

【ISO14001】環境方針には目的を明記すべき?

「ISO14001の環境方針ってどんなもの?どのように作れば良いの?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
環境問題への関心が高まる中、ISO14001認証を取得し、環境マネジメントシステムを導入する企業が増えています。
しかし、環境方針の策定方法や具体的な内容について十分に理解しないまま進めると、方針が曖昧になり、実効性のある取り組みが難しくなる可能性があります。
この記事では、ISO14001の環境方針の基本的な考え方から、具体的な策定手順、環境方針・環境目標の具体例などを体系的に解説します。
最後までお読みいただくと、効果的な環境方針を策定するための知識が身につき、自社の環境マネジメントを強化するための第一歩を踏み出せるようになります。
環境への取り組みを通じて、企業の信頼性と競争力を高めましょう。

ISO14001の環境方針とは?

(1)ISO14001とは

ISO14001は、環境マネジメントシステム(EMS)に関する国際規格です。

企業や組織が環境への影響を管理し、持続可能な活動を推進するための枠組みを提供します。

この規格は、環境保護、汚染防止、法規制の遵守、資源の効率的な利用などを目的としており、組織が環境目標を設定し、達成するためのプロセスを構築・運用することを求めます。ISO14001を取得することで、環境への配慮を示し、社会的信頼を向上させることが可能です。

ISO14001については、こちらの記事で詳しく説明しております。

ISO14001とは?取得メリット・認証にかかる費用・期間も解説

(2)環境方針とは

ISO14001の環境方針は、組織が環境マネジメントシステム(EMS)を構築・運用する際の基本的な指針を示すものです。

環境方針は、組織の活動、製品、サービスが環境に与える影響を考慮し、環境保護への取り組みや法令順守、継続的な改善を約束する内容を含む必要があります。また、環境方針に基づき、具体的かつ測定可能な環境目標を設定することが求められます。

これにより、組織はエネルギー消費の削減や廃棄物の削減など、環境負荷を低減するための具体的な行動を計画・実行し、持続可能な社会の実現に貢献します。

環境方針がもたらすメリット

(1) 企業イメージの向上

ISO14001の環境方針を策定し、実践することで、環境保護への取り組みを明確に示すことができます。これにより、環境に配慮した企業としてのイメージが向上し、顧客や取引先、地域社会からの信頼を得やすくなります。また、環境意識の高い企業として認識されることで、競争力の強化にも繋がります。

(2) リスクの低減

環境方針に基づき、環境影響を評価し、適切な対策を講じることで、法規制違反や環境事故のリスクを未然に防ぐことが可能です。これにより、企業は環境リスクを低減し、持続可能な成長を支える基盤を強化することができます。

(3) コスト削減

環境方針に基づく効率的な資源利用や廃棄物削減の取り組みは、運用コストの削減に繋がります。エネルギーや資源の無駄を減らすことで、経済的なメリットを享受でき、企業の経営効率を向上させることが可能です。

効果的な環境方針の策定方法

(1)環境方針作成のステップ

ISO14001において、効果的な環境方針を策定するためには、以下のステップを踏むことが重要です。

①現状分析

まず、自社の活動、製品、サービスが環境に与える影響を把握するための現状分析を行います。

エネルギー消費量、廃棄物の排出量、資源の使用状況などを評価し、環境負荷の大きい分野を特定します。

この分析は、環境方針の基盤となるプロセスです。

② 法規制の調査

次に、環境に関連する法規制や規格を調査します。

自社が遵守すべき法的要件を明確にし、これらを環境方針に反映させることで、法令違反のリスクを回避します。

また、業界のガイドラインや国際的な基準も参考にすることで、より包括的な方針を策定できます。

③ステークホルダーへのヒアリング

顧客、取引先、地域社会、従業員など、ステークホルダーの意見をヒアリングすることも重要です。

これにより、企業が期待される環境への取り組みや、社会的責任に関する要望を把握できます。

ステークホルダーの声を反映した方針は、企業の信頼性向上にも繋がります。

④方針の策定

現状分析や法規制、ステークホルダーの意見を踏まえ、環境方針を策定します。

この方針には、環境保護へのコミットメント、法令遵守、継続的改善の意志を明確に盛り込む必要があります。

また、具体的な環境目標を設定し、方針が実行可能であることを確保します。

⑤文書化

策定した環境方針は、文書化して社内外に共有します。

文書化された方針は、従業員への周知や教育、外部への説明に活用されます。

また、文書化することで、方針の一貫性を保ち、ISO14001の認証取得における重要な要件を満たすことができます。

これらのステップを踏むことで、企業の活動に適した効果的な環境方針を策定することが可能です。環境方針は、企業の環境マネジメントシステムの基盤となるものであり、持続可能な経営を実現するための重要な指針となります。

(2)失敗しないためのポイント

ISO14001において、効果的な環境方針を策定するためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

① トップマネジメントのコミットメント

環境方針は、企業全体の方向性を示す重要な指針であるため、トップマネジメントの積極的な関与が不可欠です。

経営層がリーダーシップを発揮し、環境方針の意義や重要性を社内外に明確に示すことで、組織全体が一体となって取り組む姿勢を醸成できます。トップマネジメントのコミットメントは、環境方針の実効性を高める基盤となります。

② 従業員の意識改革

環境方針を実現するためには、従業員一人ひとりがその内容を理解し、日々の業務に反映させることが必要です。

教育や研修を通じて、環境方針の目的や具体的な取り組みを周知し、従業員の意識を高めることが重要です。

従業員の理解と協力が得られることで、組織全体での環境方針の実効性が向上します。

③ 定期的な見直し

環境方針は、企業を取り巻く環境や法規制、社会的要請の変化に応じて柔軟に対応する必要があります。

定期的に方針を見直し、必要に応じて修正を加えることで、常に現状に即した効果的な方針を維持することが可能です。これにより、環境方針が企業の成長や社会的責任に適合したものとなります。

これらのポイントを実践することで、ISO14001に基づく環境方針の策定と運用を成功に導き、企業の環境パフォーマンス向上や社会的信頼の獲得に繋げることができます。

環境方針に何を書くべき?具体例を紹介!

(1)環境方針に明記しなければならない項目

ISO14001の環境方針に明記すべき項目は、規格の要求事項として以下の点が挙げられます。

  • 組織の目的、活動、製品、サービスの性質、規模、環境影響に対して適切であること
    これは、組織の事業内容や環境影響の大きさに応じた方針であることを意味します。
  • 環境目標の設定のための枠組みを示すこと
    環境方針は、具体的な環境目標を定める上での指針となる必要があります。
  • 環境保護へのコミットメントを含むこと
    これには、汚染の予防や、組織の状況に関連するその他の固有なコミットメントが含まれます。
  • 適用可能な法的要求事項、および組織が同意するその他の要求事項を順守するコミットメントを含むこと
    関係する環境法規制の順守を約束する必要があります。
  • 環境パフォーマンスを向上するための継続的改善へのコミットメントを含むこと
    環境マネジメントシステムを継続的に改善していく姿勢を示す必要があります。

これらの項目を満たす環境方針を策定することで、組織は環境マネジメントシステムの効果的な運用と、環境パフォーマンスの向上を図ることができます。

(2)環境方針に目的・目標の記載は必要?

環境方針自体に具体的な目的や目標を記載する必要はありませんが、環境方針に基づいて、組織は具体的な環境目的や目標を設定し、それを達成するための計画を策定することが求められます。

たとえば、環境方針に「エネルギー消費の削減に取り組む」と記載した場合、それに基づいて「年間エネルギー消費を10%削減する」といった具体的な目標を設定することが一般的です。

したがって、環境方針は目的や目標の基盤となるものであり、直接的に記載する必要はないものの、目的や目標の方向性を示す内容を含めることが望ましいと言えます。

(3)環境方針・環境目標の具体的な記載例

【環境方針】

当社は、地球環境の保全が人類共通の重要課題であることを認識し、事業活動、製品、サービスを通じて環境負荷の低減に努めます。

1.環境影響の低減

  • 事業活動における省資源・省エネルギーを推進し、廃棄物の削減、臭気・騒音の低減など、環境への負荷低減を図ります。
  • 環境に配慮した製品・サービスの提供を推進し、汚染の予防に努めます。

2.重点推進項目

  • 環境に配慮した商品・サービスの普及に努めます。
  • 電力・コピー用紙などの使用効率を改善し、省資源・省エネルギーを促進します。
  • 廃棄物の分別管理を徹底し、資源のリサイクル化を促進します。
  • 廃棄物の排出量抑制に努めます。
  • 関連する法規制およびその他要求事項を順守します。

3.継続的改善

  • 環境マネジメントシステムの継続的な改善を図り、環境パフォーマンスの向上に努めます。
  • 環境目標を設定し、定期的に見直すことで、環境保全活動を推進します。
  • 全ての従業員に対し、環境方針の周知徹底と環境意識の向上を図ります。

【環境目標】

1.省エネルギー

  • 電力消費量を前年比で5%削減します。
  • 社内照明のLED化を〇年〇月までに完了します。

2.廃棄物削減

  • 廃棄物のリサイクル率を〇%以上維持します。
  • コピー用紙の使用量を〇%削減します。

3.環境意識向上

  • 環境教育セミナーを年2回開催し、従業員の環境問題への理解を深めます。
  • 従業員向けの環境に関する情報発信を月1回以上行います。

4.グリーン調達

  • 社用車の買い替え予定がある場合は、EV車・HV車などの環境配慮車を優先します。
  • 環境負荷の低い製品・サービスの調達を推進します。

5.地域社会貢献

  • 地域の清掃活動に年1回以上参加します。
  • 環境保全に関する地域イベントへの協賛・参加を積極的に行います。

5.まとめ

本記事では「ISO14001の環境方針とは?どんな方針にすれば良い?」をテーマに解説しました。

要点を以下にまとめます。

まず、ISO14001の環境方針について解説しました。環境方針は、組織が環境マネジメントシステム(EMS)を構築・運用する際の基本的な指針であり、環境保護への取り組みや法令順守、継続的な改善を約束する内容を含む必要があります。これにより、組織は環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献することが可能です。

次に、環境方針がもたらすメリットについて解説しました。環境方針を策定し実践することで、企業イメージの向上、環境リスクの低減、運用コストの削減といった多くの利点を得ることができます。これらのメリットは、企業の社会的信頼の向上や経営効率の改善に繋がります。

さらに、効果的な環境方針を策定する方法についても詳しく解説しました。現状分析、法規制の調査、ステークホルダーへのヒアリングを経て方針を策定し、文書化することで、組織に適した環境方針を構築することができます。また、トップマネジメントのコミットメント、従業員の意識改革、定期的な見直しといったポイントを押さえることで、環境方針の実効性を高めることが可能です。

本記事を参考に、ISO14001の環境方針を効果的に策定し、環境マネジメントシステムの運用を成功に導いていただければ幸いです。持続可能な経営を実現し、企業価値の向上を目指しましょう。

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