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ISMSを簡単に取得する方法|初心者でも失敗しない最短5ステップと運用ポイント

2026年5月21日

ISMSを簡単に取得する方法|初心者でも失敗しない最短5ステップと運用ポイント

「ISMSの取得って難しそう…できるだけ簡単に進める方法はないの?」
このように感じていませんか。

情報セキュリティの重要性が高まる中、ISMS認証取得を検討する企業は増えていますが、

「規格が難しそう」

「やることが多そう」

といった理由で、ハードルの高さを感じているケースも少なくありません。

しかし実際には、ISMSは“完璧なセキュリティ体制”を作るものではなく、自社に合った範囲で現実的に運用できる仕組みを構築することが求められる認証です。進め方を誤らなければ、必要以上に難しくなることはありません。

この記事では、ISMS取得を簡単に進めるための考え方から、具体的な進め方(5ステップ)、実務をラクにするテクニック、そして挫折しないための注意点までを体系的に解説します。

最後までお読みいただくことで、「何をどの順番で進めればよいか」が明確になり、自社の状況に合った無理のないISMS取得の進め方が理解できるようになります。

1.結論|ISMS取得は「やり方次第」で驚くほど簡単になる

(1)ISMSの取得が難しいと言われる理由

ISMS(ISO/IEC 27001)の取得が難しいと感じられる主な原因は、次のような誤解と進め方にあります。

  • 規格の要求事項をそのまま厳格に解釈し、大企業向けの大量かつ複雑な規程をゼロから作ろうとする
  • 「セキュリティを完璧にしなければならない」と考え、過剰な対策やルールを自ら課してしまう
  • 実務に合わない細かいルールを作りすぎて、運用が回らなくなる

しかし、実際の審査で重視されているのは「完璧さ」ではなく、情報資産を把握しているか、リスクを認識しているか、リスクに対するルール・対策を定めているか、これらを継続的に改善しているかなどの管理の仕組みです。つまり、「完璧な防御体制」ではなく、「自社に見合った管理が回っているか」が本質です。

(2)実際は“全部を完璧に作る必要”はない

ISMSでは、すべての管理策を一律に導入する必要はありません。重要なのは「自社に必要な範囲」に限定することです。

例えば、以下のように適用有無は企業によって異なります。

企業の状況不要または対象外にできる例
紙媒体を扱わない紙文書の保管・廃棄管理
自社サーバーを持たない物理データセンターの管理
テレワークがない在宅勤務関連の管理策
受託開発中心一部のインフラ管理策

また、規格(附属書Aなど)の管理策は、自社に関係がなければ「適用除外」が可能です。無理にすべてを実装する必要はなく、身の丈に合わない対策を追求することがむしろ負担になります。

多くの企業が難しくしている要因は、「やらなくてもよいことまでやっている」点にあります。

(3)ISMS取得を簡単にする3つの重要ポイント

ISMS取得を現実的かつ効率的に進めるための重要ポイントは次の3つです。

ポイント内容
① 適用範囲を広げすぎない全社一括ではなく、特定部署・サービス・拠点などに限定して小さく開始する
② 既存業務をベースに設計する(=運用できるルール)新規ルールを大量作成せず、既存の運用(例:権限管理、端末暗号化)を文書化する/現場で継続できる粒度にする
③ 外部リソースを活用するテンプレート、クラウドツール、コンサルを活用し、文書作成や形式対応の負荷を削減する

【補足(②の具体例)】

  • 承認フローが多すぎる
  • 記録様式が複雑すぎる
  • 点検項目が過剰

こうした設計は審査対応には見えても、実運用では破綻しやすいため、「継続できるか」を基準に設計することが大切です。

以上を踏まえると、ISMSの取得は「完璧を目指すもの」ではなく、自社に合った範囲で、無理なく回る仕組みを作る活動として捉えることができます。

2.まず押さえたい|ISMS取得を簡単にする考え方

(1)最初から100点を目指さない

ISMSの取得は、一度完成させて終わるものではなく、「継続的に改善していく仕組み(PDCA)」そのものが評価対象です。
そのため、審査員が見ているのは現在のセキュリティレベルの完成度ではなく、以下の点です。

  • 不備やリスクを自社で把握できているか
  • その改善計画を持っているか
  • 改善を継続的に実行できているか

初回審査の段階で完璧な運用を構築する必要はなく、まずは「実際に回る仕組み」を作ることが重要です。

現実的には、合格ラインとなる水準でスタートし、維持審査・更新審査を通じて徐々に成熟度を高めていく進め方が、手戻りが少なく運用も安定します。

(2)必要な範囲だけで始める

ISMSは必ずしも「全社・全拠点」で取得する必要はなく、適用範囲(スコープ)を限定することで難易度と工数を大きく下げることができます。

例えば、以下のような限定が可能です。

  • 本社のみ
  • 特定の事業部(例:SaaS事業部、開発部門)
  • 特定サービスのみ
  • 特定拠点のみ

適用範囲を絞ることで、影響は次のように軽減されます。

項目適応範囲が広い場合適応範囲を絞った場合
資産台帳対象が膨大になる管理対象が限定される
リスク分析工数が大きく増加分析対象が減る
教育・周知全社員対象一部対象で済む
審査対応多人数インタビュー対応人数を削減

特に初回取得では、「自社で確実に管理できる範囲」に収めることが重要です。

(3)“自社でやること”と“外部に任せること”を分ける

ISMS取得では、すべてを自社で対応しようとすると工数が膨らみ、担当者依存にもなりやすくなります。
そのため、業務を切り分けることが重要です。

  • 自社で実施するこ:資産の洗い出し、ルールの意思決定、社内周知、日常運用、実際の審査対応
  • 外部活用が有効なこと:規格解釈、リスク分析支援、文書テンプレート整備、内部監査、審査対応アドバイス

特に、規格の解釈や文書フォーマット整備などの専門作業は外部に任せることで、自社は「運用判断」に集中できます。この切り分けにより、社内工数を大幅に削減できます。

(4)小規模企業でも取得できる理由

ISMSは大企業向けの認証と思われがちですが、実際には小規模企業でも取得は可能です。その理由は、ISMSが「企業規模」ではなく「管理の仕組み」を評価しているためです。

小規模企業には以下のような特性があります。

  • ルール変更が迅速にできる
  • 情報共有がしやすい
  • 統制が取りやすい

また、大企業のような複雑な統制は必須ではなく、例えば以下のような既存の仕組みをそのまま管理策として定義することも可能です。

  • Google Workspaceの管理設定
  • AWSのIAMポリシー
  • 既存のアクセス権限管理

重要なのは、背伸びした運用を作らず、自社の規模に合った現実的な仕組みを構築することです。

3.最短で進める!ISMS取得の5ステップ

(1)ステップ1|現状確認と適用範囲の整理

最初に行うのは、ISMSの対象範囲を明確にすることです。具体的には、以下を整理します。

  • どの部門・サービスを対象にするか
  • どの情報資産を守るか
  • どの拠点・システムを含めるか

これらをまとめた「適用範囲定義書」を作成します。ここが曖昧なままだと、後続のリスク分析やルール整備がすべて肥大化します。

あわせて、体制も初期段階で決めます。

  • ISMS管理責任者(役員級でも兼務可)
  • 事務局(実務担当1〜2名程度)

また、クラウドサービスの利用状況や委託先管理の範囲も、この段階で整理しておくと良いでしょう。

(2)ステップ2|リスクアセスメントを実施する

次に、自社にとってのリスクを整理します。

  • どのような脅威があるか
  • どの程度の影響があるか
  • どのリスクを優先して対策するか

このとき重要なのは、「現実的なリスク」に絞ることです。

効率的な進め方としては、資産を細かく分解する方法ではなく、業務フローやクラウド利用を起点にしたシナリオベースでの整理が有効です。

【例】

  • PC紛失による情報漏えい
  • クラウド設定ミスによる公開事故

分析を過度に細かくすると工数が増えるだけで運用に結びつきにくいため、実務に即した粒度でまとめましょう。

(3)ステップ3|必要最低限の規程・ルールを整備する

リスクに応じて、必要な規程やルールを整備します。主な対象は次の通りです。

  • 情報セキュリティ方針
  • アクセス管理
  • インシデント対応
  • バックアップ
  • 委託先管理

ISO27001のカテゴリ(組織・人的・物理的・技術的)に沿って整理しつつ、 「既に実施している対策」を中心に文書化します。また、採用した管理策を整理した「適用宣言書」も作成します。

重要なポイントは次の通りです。

  • 審査対策のために複雑化しない
  • 実務に合わないルールを作らない
  • 現場で継続できる内容にする

例えば、実態に合わない過度な制限(例:全面的なUSB禁止)などは、運用乖離を招きやすいため避けるべきです。

(4)ステップ4|内部監査・改善対応を行う

整備したルールと運用が適切に機能しているかを確認するのが内部監査です。

【確認ポイント】

  • ルールが実際に守られているか
  • 文書と運用実態にズレがないか

内部監査は「減点のため」ではなく、「改善点を見つけるため」に実施します。

ここで発見された不備は、以下の流れで是正します。

  1. 課題を整理
  2. 経営層へ報告(マネジメントレビュー)
  3. 改善対応を実施
  4. 証跡として記録

この「改善の実績」が、審査で重要な評価ポイントになります。

(5)ステップ5|認証審査を受ける

最終的に、認証機関による審査を受けます。審査は2段階で行われます。

審査区分内容
一次審査(文書審査)文書の整備状況や整合性の確認(書面中心)
二次審査(現地審査)現場の運用状況の確認(インタビュー・実態確認)

審査で主に見られるポイントは次の通りです。

  • 文書と運用が一致しているか
  • ルールが実際に現場で使われているか
  • 継続改善の仕組みが機能しているか

なお、不適合(指摘事項)が出た場合でも、期日までに改善計画と対応を示すことで認証取得は可能です。

審査は合否を競うテストではなく、運用状況を確認するプロセスであり、シンプルでも実際に回っている仕組みの方が評価されやすい傾向があります。

4.ISMS取得をラクにする実務テクニック

(1)テンプレート・クラウドツールを活用する

ISMSでは、文書や台帳をゼロから作成すると大きな工数がかかります。
そのため、以下のような既存リソースを活用することで効率化が可能です。

  • 規程テンプレート
  • 教育記録様式
  • リスク分析シート

さらに、ISMS専用のクラウドツール(いわゆるISMSオートメーションツール)を活用すると、次のようなメリットがあります。

活用領域効果
リスクアセスメント画面入力ベースで整理できる
文書作成規程・適用宣言書などを自動生成
文書管理最新版・承認履歴を一元管理
教育管理実施状況・記録をまとめて管理

これにより、台帳の更新漏れ防止や、運用の属人化リスクの低減につながります。

(2)内部監査を効率化する

内部監査は過度に重く設計すると、業務負荷が増大し運用が継続しにくくなります。
そのため、効率化のためには次のような工夫が有効です。

  • チェックリストの標準化
  • インタビュー項目の整理
  • サンプル確認の簡略化

また、監査の進め方も工夫できます。

方法内容
時期分散部門ごとに月次などで分けて実施し、業務影響を抑える
改善確認型不備の指摘だけでなく、改善状況の確認を中心にする
外部委託コンサルを内部監査員として活用し、工数削減と品質確保を両立

特に小規模組織では、シンプルで継続可能な監査設計にすることが重要です。

(3)コンサルを活用した方が良いケースとは?

ISMSは自社で対応可能な認証ですが、状況によっては外部支援の活用が効率的です。

【活用を検討すべきケース】

  • 専任担当者がいない:社内リソース不足による停滞を防ぐ
  • 短期間で取得したい:作業の手戻りを減らす
  • 初回取得で知見がない:進め方の不明確さを解消
  • 内部監査員が不足:監査品質を担保

外部支援の価値は、単なるテンプレート提供ではなく、規格の解釈支援、想定問答の整理(審査対応)、手戻りの防止にあります。特に「何をどこまでやるべきか分からない」状態を解消する点で効果があります。

(4)取得後もラクに運用できる仕組みを作る

ISMSは取得後の維持運用が重要であり、負担の大きい設計にすると長続きしません。
そのため、日常業務と一体化した運用を目指すことが重要です。

具体的には以下のような工夫が有効です。

  • 記録を必要以上に増やさない
  • 月次・定期確認を簡素化する
  • 日常業務とISMS運用を分離しない

さらに、ITツールを活用した自動化も効果的です。

運用領域効率化例
教育eラーニングで自動配信・自動採点
ログ確認異常検知の自動アラート設定
記録管理クラウドで一元管理

「ISMSのための特別な作業」を増やすのではなく、既存の業務・インフラの中に組み込むことで、無理なく継続できる運用になります。

5.途中で挫折しないための注意点と失敗例

(1)ルールを作りすぎて運用できなくなる

ISMSで最も多い失敗は、「細かすぎるルール」を作ってしまうことです。過度に厳格なルールは現場で守られず、形骸化や逸脱(シャドーITなど)を招きます。

例えば以下のようなケースです。

  • パスワードを過剰に厳格化(例:長すぎる・頻繁すぎる変更)
  • 操作制限を細かくしすぎる(例:短すぎる自動ロック時間)
  • 実務に合わない全面禁止ルール(例:私物デバイス完全排除)

こうしたルールは一時的には整備されても、継続運用が困難になります。

重要なのは、「管理しやすさ」ではなく「現場で継続できるか」です。現実的には、現在の運用より少し強化した程度(無理のない範囲)に設定することが適切です。

(2)担当者1人に負担が集中する

ISMSを特定の担当者に丸投げすると、属人化により運用が停止するリスクが高まります。

具体的には以下の業務が停滞しやすくなります。

  • 更新対応
  • 教育実施
  • 内部監査
  • 是正対応

そのため、組織的な体制構築が必要です。

【役割】

  • 経営層(管理責任者):方針決定・最終責任
  • 事務局:日常運用・調整
  • 各部門担当者:情報収集・現場連携

このように、薄く広く役割を分散することで、特定個人への依存を防ぐことができます。

(3)審査直前だけ対応してしまう

審査前にまとめて記録を作成すると、運用実態との不整合が発生しやすくなります。

特に以下の記録は、時系列で確認されることがあります。

  • 教育記録
  • 点検記録
  • 改善(是正)記録

短期間でまとめて作成された記録は、不自然な日付の並びや形式の統一性から見抜かれることがあります。

そのため、日常的に記録を蓄積する運用が重要です。

【例】

  • 月1回の定期チェックを設定
  • 短時間(例:15分)でも継続実施
  • 小分けに証跡を残す

このように分散して対応する方が、結果的に負担も少なくなります。

(4)審査で本当に見られるポイントを理解していない

ISMS審査で重視されるのは、文書の量や形式ではありません。

主に評価されるポイントは以下です。

  • 実運用と文書の整合性
  • リスクの認識と対応状況
  • 継続的改善の仕組み

特に重要なのは、不備や問題が発生した際の対応です。

  • 問題を隠さず把握しているか
  • 原因を分析しているか
  • 再発防止策を講じているか

つまり、「問題がゼロであること」ではなく、問題に対して適切に対応できる仕組みがあるかが評価されます。

そのため、見栄えの良い規程を大量に作る、実態とかけ離れたルールを整備するよりも、現場で実際に守られているルール、継続的に改善されている運用の方が、審査では評価されやすくなります。

6.まとめ

本記事では、ISMSを簡単に取得する方法をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

まず、ISMS取得の基本的な考え方として、以下を解説しました。

  • ISMSが難しいと言われる理由は「完璧なセキュリティ」や「大企業レベルの規程」を前提にしてしまう誤解にあること
  • 実際には、すべての管理策を実装する必要はなく、自社に必要な範囲で設計できること
  • 重要なのは「完璧さ」ではなく、リスク認識と継続改善の仕組みであること

さらに、ISMS取得を簡単にするための重要ポイントとして、以下を挙げました。

  • 適用範囲を広げすぎず、小さく始めること
  • 既存業務をベースにルールを設計すること
  • 外部リソース(ツール・コンサル)を活用すること

ISMS取得の考え方として、次のポイントも解説しました。

  • 最初から100点を目指さず、運用可能な仕組みを優先すること
  • スコープを限定することで工数を大きく削減できること
  • 自社と外部の役割分担を明確にすることが効率化につながること
  • 小規模企業でも「管理の仕組み」があれば十分取得可能であること

具体的な進め方として、以下の5ステップを整理しました。

  • 適用範囲と体制の整理
  • リスクアセスメントの実施
  • 必要最低限の規程整備
  • 内部監査と改善対応
  • 認証審査の対応

ISMS取得を効率化する実務テクニックとして、以下も紹介しました。

  • テンプレートやクラウドツールを活用し、文書・記録管理を効率化すること
  • 内部監査を軽量化・分散・外部活用することで負荷を抑えること
  • 状況に応じてコンサルを活用し、手戻りを防ぐこと
  • 取得後は日常業務と一体化した運用にすることで継続性を高めること

また、途中で挫折しないための注意点として、以下を解説しました。

  • ルールを作りすぎると現場で守られず、形骸化するリスクが高いこと
  • 担当者1人に依存すると運用が停止するため、体制分散が重要であること
  • 審査直前のみの対応ではなく、日常的な記録蓄積が必要であること
  • 審査では文書量よりも「実運用」「整合性」「継続改善」が重視されること

ISMSの取得には特別な仕組みを新たに作るというより、既存業務を整理し、無理のない形で管理の仕組みに落とし込むことが大切です。

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