2025年11月27日

ISO14001を取得したいが、「何から始めればよいかわからない」とお悩みではありませんか?
ISO14001の取得は、対外的な信頼向上のための有効な手段である一方、最短でも半年から1年という期間と、専門的な知識を要する長期プロジェクトです。
準備不足のまま進めると、想定以上の時間がかかったり、担当者の業務負担が限界を超えてしまったりするケースも少なくありません。
しかし、正しい手順と効率的な方法を知っていれば、スムーズかつ確実に認証を取得することは可能です。
この記事では、ISO14001取得までの具体的な「6つのステップ」、気になる「費用相場」、そして担当者の負担を減らす「効率的な取得方法」について分かりやすく解説します。
1.ISO14001取得にかかる期間は6ヶ月から1年
ISO14001の取得には、コンサルタントに依頼した場合で最短6ヶ月、自社運用の場合は1年以上かかる場合があります。
ISO14001取得期間が変動する主な5つの要因は以下の通りです。
- 企業規模
- 大企業や多拠点の企業は、関連部署や文書が多くなり、システム構築に時間がかかります。
- 業種・事業特性
- 製造業など、環境負荷が高い業種は、順守すべき法規制の調査やリスク評価に時間を要します。
- 運用体制 (自社運用orコンサルタント)
- コンサルタントの専門知識を活用することで取得までの期間を短くすることが可能です。自社運用は、期間が長期化しやすいです。
- ISO取得に対する社内の優先度
- 経営層のコミットメントや担当者のリソース配分が低い場合、スケジュールが遅延します。
- 既存の管理体制との連携
- 既に類似のISO認証など(例:ISO9001)がある場合、一部プロセスの流用が可能となり、期間を短縮できる可能性があります。
2.ISO14001取得の流れ

ISO14001の認証取得は、システム構築から審査を経て認証に至るまで、長期にわたる取り組みとなります。
1章で解説した通り、ISO14001の取得には最短6ヶ月から1年程度の期間が必要です。
この長期プロジェクトを確実に進めるためにも、以下の6つのステップとスケジュールをしっかりと把握することが大切です。
ISO14001の認証は、主に以下の6つの段階を経て完了します。
- 計画を立てる
- 環境マネジメントシステム(略称EMS)の構築
- ISO14001を運用
- 審査機関に申請する
- 審査機関の審査を受ける
- 取得完了
それでは、ISO14001の認証取得のために具体的に行うべきことを、ステップごとに詳しく見ていきましょう。
⑴計画を立てる
プロジェクトの成否を左右する最も重要な初期段階です。ここでは主に以下の要素を決定します。
①管理責任者と推進メンバーを決める
ISO認証取得活動の中心となる役割を決定します。この役割は「管理責任者」や「ISO担当者」などと呼ばれます。管理責任者だけですべてを推進するのは困難なため、責任者のもとで実務を担う推進メンバーも同時に選定し、体制を整えるのが一般的です。
②いつまでに取得するか・認証範囲を決める
- ゴール設定
- 「○月までに認証完了させる」といったように、具体的な達成目標日を設定しましょう。具体的な日付がないと、活動がダラダラと先延ばしになり、スケジュールが大幅に遅れるケースが多々あるため注意が必要です。
- 認証範囲の決定
- ISOの認証範囲は、組織が自ら設定できます。会社全体での取得はもちろん、「○○事業所だけで取得したい」「特定の○○部門に限定して取得したい」といったように、事業、拠点、または部門ごとに区切って適切な範囲を設定することが可能です。
③コンサルタントの支援を受けるか決める
自社だけでシステム構築や運用を進めるリソースがない場合や、取得を急ぎたい場合は、コンサルタントの支援を受けることを検討しましょう。
専門家からノウハウを享受できるほか、スケジュール管理や審査対応のアドバイスも受けられるため、認証取得をスムーズに進められます。
④審査機関を選定する
特定の顧客や業界団体などからの指定がない限り、複数の審査機関から自由に選択できます。
審査機関を選ぶ際の主な判断基準としては、審査費用、審査日程の融通性、事務的なレスポンスの速さ、そして外部コンサルタントが審査に立ち会えるかといった審査の傾向などが挙げられます。複数の機関から見積もりを取って比較検討することが推奨されます。
⑵環境マネジメントシステム(EMS)の構築
ここでは、ISO14001の規格要求事項に基づいたルール作りと、それを文書化する作業を行います。
具体的には、以下の項目を実行します。
- 文書類の作成
- EMSの運用に必要なマニュアルや手順書などを作成し、文書化します。
- 帳票類の準備
- 環境側面の評価や運用結果の記録に必要な帳票類を用意します。
- 法規制の調査と特定
- 事業活動に関連する環境法規制(法令、条例など)を洗い出し、順守すべき要求事項として特定します。
⑶ISO14001を運用
構築した環境マネジメントシステムを、実際に組織内で動かし、PDCAサイクル(計画・実行・チェック・改善)を回す段階です。
具体的な運用項目は以下の通りです。
- 環境側面の特定と評価
- 自社の事業活動が環境に与える影響(環境側面)を洗い出し、著しい環境側面を決定します。
- 環境目標の設定と達成計画
- 著しい環境側面に基づき、具体的な環境目標を設定し、それを達成するための計画を策定・実施します。
- 内部監査の実施
- 構築・運用しているEMSが、規格要求事項と自社で定めたルールに適合しているかを、社内の人間がチェックします。
- マネジメントレビュー
- 経営層がEMSの運用状況やパフォーマンスを評価し、改善の方向性を決定します。
- 記録の作成
- 運用結果や活動の証拠を、作成した帳票などを用いて記録として残します。この記録は審査で非常に重要になります。
⑷審査機関に申請する
EMSの構築が完了し、ある程度の運用(特に内部監査とマネジメントレビュー)が実施された段階で、選定した審査機関に認証審査を正式に申し込みます。
⑸審査機関の審査を受ける
外部の審査機関から派遣された審査員により、以下の二段階の審査が行われます。
① 一次審査(文書審査)
主に文書を対象とした審査です。環境マネジメントシステムの構築状況が、ISO14001の規格要求事項を満たしているかをチェックします。
- 準備事項
- 構築段階で作成したマニュアルや手順書、および運用状況を示す一部の記録類を審査員に見せられるように準備します。
② 二次審査(現地審査・運用状況審査)
一次審査の結果を踏まえ、実際の運用状況を対象に行われる審査です。
- 確認事項
- 記録類を用いて実際の運用状況(環境目標の達成度、内部監査の実施状況など)が確認されます。
- 現場確認
- 審査員が実際に事業活動を行っている現場に赴き、各部署の従業員から話を聞くなどして、EMSが現場に定着しているかをその目で確認します。事前に各部署のスケジュール調整が必要です。
- 不適合の是正
- 審査で「不適合」(規格や自社ルールに適合していない点)が指摘された場合は、速やかに是正処置計画を提出し、実行する必要があります。
⑹取得完了
二次審査が終わり、指摘された不適合事項の是正が完了すると、審査機関の内部で審査会が開催されます。
審査会で組織が認証に値すると判断され、無事通過すると、ISO14001の認証取得となります。その後、組織の手元に認定証(認証書)が到着します。
取得後の活用として、認定証を社内に掲示したり、名刺やホームページにISO14001の認証マークを入れることができるようになり、対外的な信用力の向上につながります。
3.ISO14001取得にかかる費用
ISO14001の取得には大きく分けて4つの費用が発生します。
⑴審査費用
ISO14001の取得するためには、まず審査を受ける必要があります。
審査費用は審査機関や業種・企業規模・拠点数などによってことなりますが、40万円〜120万円が相場です。
⑵ISO登録料
ISOの登録料は認証機関や企業規模によって異なりますが、おおよその相場は3万円〜5万円程度です。
このISO登録料は審査費用に含まれる場合があります。
⑶設備投資・諸経費
設備投資・諸経費はケースによりますが、環境負荷低減のための新たな設備導入や、文書・帳票の整備にかかる経費が該当します。
⑷コンサル依頼料(任意)
ISO認証・運用コンサルティング会社にサポートを依頼する場合、コンサル依頼料が発生します。
コンサルティング会社への依頼は任意で、費用が発生する反面、認証取得をスムーズに進めることができます。
コンサルティング費用は会社の規模やサポート内容によって異なりますが、一般的な相場は50万〜200万円程度です。認証取得に関する作業を依頼できるため人件費の削減にもつながります。また、認証取得後の運用・更新サポートも行います。
ISO14001取得費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
4.ISO14001取得にかかる費用を抑えるポイント
ISO14001の認証取得にかかる総費用は、「取得期間」が同じであっても、企業形態によって差が生じます。
ここではISO14001取得にかかる費用を抑えるポイントについて解説します。
⑴複数の審査機関から相見積もりを取る
ISO認証の審査費用は、実は審査機関によって差が生じます。企業規模、業種といった同一の条件で見積もりを取得し、審査料金、審査工数(人日数)、交通費・宿泊費の有無を比較しましょう。
⑵自社取得の場合とコンサルに依頼する場合の費用を比較する
自社でISO14001を取得する場合 通常業務に加えてISOに関する作業も兼務しなければなりません。特に、優秀な人材(管理職やエース級の社員)がISOの担当責任者に任命されることが多いです。優秀な人材が、ISOの事務作業や文書管理といった非生産的な業務に集中することで、会社全体の利益に直結した取り組みへの時間が減少してしまいます。
これらを考慮して、自社運用かコストをかけてでもコンサルタンに依頼し効率化するか検討する必要があります。
ISO14001取得費用を抑えるポイントについてはこちらで詳しく解説しています。
5.ISO14001を効率よく取得する方法
ISO14001の取得を検討する多くの企業が重視するのが、「取得期間の短縮」と「担当者の負担軽減」です。
特に中小企業では、専任の担当者を置くことが難しいため、いかにリソースをかけず が重要です。
ここでは、効率的かつ確実にISO14001を取得するために効果的な二つの方法を解説します。
⑴専門性の高いコンサルタントを活用する
コンサルタントを活用する最大のメリットは、専門知識とノウハウをすぐに導入できる点です。自社で一から規格を読み込み、文書を作成する手間と時間を大幅に短縮できます。
活用するメリット
- 期間の短縮と確実性の向上
- 規格の解釈や文書作成、運用準備といった各ステップで適切な指導を受けられるため、認証までの期間を最短化できます。また、コンサルタントのサポートにより、審査での不適合リスクを減らし、審査合格の確実性が高まります。
- 担当者の負担軽減
- 特にISOの知識がない担当者にとっては、何から手をつけるべきか判断に迷うことが多いものです。コンサルタントは、企業の状況に合わせたスケジュールと必要なテンプレートやノウハウを提供してくれるため、担当者は作成や運用業務に集中できます。
⑵クラウドサービスを活用する
近年、ISO管理において導入が進んでいるのが、クラウド型のシステム管理ツールです。
これは、文書作成や記録管理といった煩雑な事務作業を効率化し、担当者の業務負荷を劇的に軽減できるツールです。
活用するメリット
- 文書・記録の一元管理
- ISOで必須となる大量の文書や記録を、クラウド上で一元管理できます。紙やローカルデータでの管理と異なり、必要な情報へのアクセスが容易になり、検索や更新作業の効率が向上します。
- 知識がない担当者でも運用しやすい
- ツールのガイダンス機能に従って入力するだけで、要求事項に沿った文書や記録が作成できるものが多いため、ISOの専門知識がない方でもシステムを運用できます。
- 審査準備の簡素化
- 審査前に必要となる書類の作成をクラウド上で行えるため、「審査前のバタバタ」を回避できます。
弊社が提供するクラウド型ISO管理ツール「14001アシスト」は、ISO14001の取得・運用に特化して開発されています。
このツールでは、手順通りに入力するだけで環境マネジメントに必要な書類作成が容易に行えるほか、スケジュール管理機能によりプロジェクトの進捗をリアルタイムで把握できます。
コンサルタントによるサポートとクラウドツールの利便性を組み合わせることで、低コストかつ短期間での効率的なISO取得を強力に後押しします。
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6.まとめ
本記事ではISO14001取得完了までの以下6ステップを解説しました。
計画を立てる
体制構築、目標日・認証範囲の設定、コンサルタントや審査機関の選定。
環境マネジメントシステム(EMS)の構築
マニュアル・手順書の作成、法規制の調査と特定。
ISO14001を運用
PDCAサイクルの実践(環境目標の設定、内部監査、マネジメントレビュー)。
審査機関に申請する
EMSの運用実績を踏まえて、審査を正式に申し込む。
審査機関の審査を受ける
一次審査(文書審査)と二次審査(現地審査・運用状況審査)に対応し、不適合があれば是正する。
取得完了
審査会の承認を経て、認定証を受領する。
取得完了までは最短6ヶ月から1年程度の期間を要します。
効率的に取得するためには、自社運用、コンサルティング会社に依頼する双方のメリット・デメリットを検討することが大切です。
通常業務とISO取得プロジェクトを兼務で進めようと思うと大きな負担がかかります。
専門家であるコンサルタントは、ISO取得についてノウハウや事例をたくさん持っているので、困ったときは一度相談してみるのもいいでしょう。
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