2025年9月9日

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「Pマーク審査のトップインタビューで経営者は何を聞かれるの?」
「どう答えればいいか分からない」
このような不安を抱いている経営者の方は少なくありません。
Pマーク(プライバシーマーク)審査における「トップインタビュー」は、現地審査の重要な審査項目の1つです。多くの企業からは、「経営者として何を聞かれるか不安」「準備不足で審査に支障が出るのでは」といった不安の声が上がっています。
実は、トップインタビューで聞かれる質問は、事前に適切な準備をしておくことで、自信をもって答えられるようになります。
この記事では、トップインタビューで聞かれる質問事項から効果的な回答のポイントまで、審査を控えた企業の経営者たちが知っておくべき情報をお伝えします。
この記事を読むことで、トップインタビューの全体像が明確になり、自信をもって審査に臨めるようになるでしょう。
1.Pマークトップインタビューの基本理解

トップインタビューとは、Pマーク現地審査において審査員が経営者に対して実施するインタビュー形式の審査です。審査の主な目的は、経営者が以下の役割を果たしているか確認することです。
- 個人情報保護方針の制定と組織への浸透
- 個人情報保護活動の継続的改善と推進
- 個人情報保護に必要な経営資源の配分
- 個人情報保護の受容性の理解と従業員への伝達
- 個人情報保護管理者や監査責任者の活動支援
経営者へのインタビューで細かいことは原則聞かれません。Pマーク取得においては、きちんと関わっていることが重要とされており、細かい実務よりも基本的な姿勢が重視されます。
2.トップインタビューで聞かれる主要な質問項目
トップインタビューで聞かれる質問内容には、共通するものがあります。
実際のやり取りをもとに、準備のポイントを紹介します。
(1)事業内容と個人情報の関わり
まずは、自社がどのような業種・業態で事業を展開しているのかという概要、そしてその事業の中で具体的にどのような個人情報を取り扱っているのか質問されます。扱う情報の種類だけでなく、それがどのような業務で使用され、どの部署が関与しているかなども説明できるようにしましょう。
【例】
審査員:「早速ですが、御社はどのような事業をされているのかをお聞かせ下さい。」
社長:「弊社はソフトウェアの開発とシステムエンジニアの派遣を主にしています。
最近では通信販売も始めるようになりました。」
審査員:「なるほど。具体的にはどのようなソフトウェアを開発さているのですか?」
社長:「主にお客様から依頼されたシステムを構築していきます。スマートフォン向けの
アプリの開発も最近ではするようになってきました。」
このように、事業内容の説明では、どのような情報を扱っているかが明確に伝わるように話すことが大事です。
(2) 個人情報保護方針の制定と公表
次に、個人情報保護方針をどのように策定したか、その責任主体は誰か、そしてその方針がどのように社内外に公表・浸透しているかについて質問されます。単に制定しただけでなく、従業員が内容を理解し、実務に反映していることがポイントです。
(3)個人情報の特別な取り扱い
委託や共同利用、第三者提供など、通常とは異なる個人情報の取り扱いがある場合、それについての管理体制や契約の内容、情報共有のルールなどが問われます。これらの特別な取り扱いについては、具体的な事例をもとに説明できるようにしておくと安心です。
(4)個人情報保護の組織体制
PMSの実施体制として、誰が個人情報保護管理者や監査責任者に任命されているのか、その選任理由や役割分担について聞かれます。また、組織として個人情報保護に取り組む上での意思決定や報告の流れも説明できると良いでしょう。
(5)リスク認識と対策
経営者として、自社の個人情報保護における主要なリスクをどのように認識しているか、そしてそれに対してどのような対策を講じているかを問われます。具体的なリスクを一つ挙げ、それに対する具体策を説明するのが効果的です。
【例】
審査員:「日常でプライバシーマークを運用している中で、漏えいなどのリスクを心配に感じられることはありませんでしたか?」
社長:「特になかったです。従業員それぞれが意識しているので大丈夫だと考えています。しかしながら、数年前の大企業での漏えい事件のように委託先の従業員が漏らされることがあるというリスクに関しては不安です。」
このように、自社が直面する可能性のあるリスクに対して、どのように認識し、対策をとっているかを伝えることが大切です。
(6)マネジメントレビューと継続的改善
個人情報保護マネジメントシステムの評価と改善のサイクルが機能しているかを確認されます。マネジメントレビューの実施状況や、その結果を踏まえた改善の実例など、経営者としてどう関与していかの視点で語ることが求められます。
審査員:「そうですね。1月の中旬頃に実施されていますね。その際にどのような指示を出されたでしょうか?」
社長:「昨年行われた内部監査で新しくリースしたPCでパスワードの設定ができていなかったので、パスワードを設定するように指示を出しました。また新入社員に対して教育ができていなかったので、新入社員に対しての教育を実施するように指示を出しました。」
課題を認識し、改善策を実行に移していることは、審査員に前向きな印象を与えます。
3.効果的な回答のポイント
トップインタビューでは、準備した内容を一方的に話すだけでなく、審査員との対話の中で自社の取り組みや経営者としての姿勢を伝えることが重要です。
(1)経営者の言葉で語る
暗記した模範解答ではなく、経営者自身の考えを率直に述べることが大切です。完璧な回答を求められているわけではなく、個人情報保護に対する真摯な姿勢を示すことが重要です。
【例】
審査員:「プライバシーマークを取得することでどのような変化があるとお考えになられますか?」
社長:「お客様に対して適切に個人情報を守っていることをアピールすることができると考えております。近年は漏えい事件も増えているので取得することでより一層の安心感を持っていただけると思います。」
経営者自身の言葉で伝えることで、審査員に真摯な姿勢が伝わります。
(2)具体的な事例を交える
「実際に当社では」「先日こんなことが」など、具体的な体験談を交えると説得力が増します。理論的な説明よりも、実際の経験に基づいた話の方が審査員にも伝わりやすくなります。
(3)改善への意欲を示す
現状の課題を素直に認めつつ、「今後はこの部分を強化していきたい」「来年度はこんな取り組みを予定している」など、前向きな改善意欲を示すことが効果的です。
【例】
審査員:「代表者による見直しはいつごろ実施されましたか?」
社長:「年明けだったので、1月中旬頃だったと思います。」
審査員:「そうですね。1月の中旬頃に実施されていますね。その際にどのような指示を出されたでしょうか?」
社長:「昨年行われた内部監査で新しくリースしたPCでパスワードの設定ができていなかったので、パスワードを設定するように指示を出しました。また新入社員に対して教育ができていなかったので、新入社員に対しての教育を実施するように指示を出しました。」
課題を認識し、改善策を実行に移していることは、審査員に前向きな印象を与えます。
4.よくある失敗例とその対策
実際の審査でみられるパターンを知り、事前に工作を講じておくことが重要です。
(1)すべて担当者に任せている
これは最も避けたい回答です。経営者の関与が不十分だと判断されるリスクもあります。
対策として、「基本的な方針は私が決定し、詳細な実務は担当者に任せています」といった形で、経営者の関与を明確にしましょう。
(2)基本的な用語の混同
「プライバシーマーク」と「個人情報保護マネジメントシステム」の違いなど、基本的な用語は正確に連絡しておきましょう。
(3)「分からない」の連発
すべてを知っている必要はありませんが、「分からない」が続くと印象が悪くなります。「詳細は担当者に確認いたしますが、私としては〇〇と考えています」といった形で、自分の考えを示しましょう。
5.まとめ
Pマーク審査のトップインタビューでは、細かい技術的な知識よりも、経営者としての基本的な考え方や方針を自分の言葉で語ることが重要です。
完璧な回答を目指すのではなく、個人情報保護への真摯な取り組みと継続的改善への意欲を示すことで、審査員に好印象を与えることができます。
今回ご紹介した内容を参考に、以下の準備を進めてみてください。
- 想定質問について経営陣と事前に打ち合わせを行う
- 自社の個人情報保護体制を経営陣と共有する
- 可能であれば当日を想定したインタビュー練習を行う
- 当日は自然体で、改善への意欲を示す
これらの準備をしっかり行うことでトップインタビューを成功させ、Pマーク審査の成功へ繋がるでしょう。
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