2024年7月25日
SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任つかう責任」は、持続可能な生産と消費の形態を確保することを目指しています。企業は、次世代のために資源をムダづかいしない社会づくりに努め、この目標の達成に貢献することが期待されています。
1.SDGsとは?
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、日本語にすると「持続可能な開発目標」です。
国連に加盟する全193か国が達成を目指す国際目標のことです。
経済、社会、環境の3つの側面にまたがって持続可能な社会の実現を目指しており、「誰ひとり取り残さない」を基本理念に、17の目標と169のターゲットから構成されています。
2.SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」を簡単に解説
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」は、持続可能な消費と生産形態を確保することを目指しています。具体的には、以下のような課題を解決することを目指しています。
- 資源の効率的な利用
天然資源の持続可能な管理と効率的な利用を促進することを目指します。
資源のリサイクルと再利用の推進をします。 - 廃棄物の削減
廃棄物の発生を大幅に削減し、リサイクルや再利用の推進をします。
食品廃棄物の削減を目指します。 - 持続可能な生産と消費のパターン
持続可能な生産と消費のパターンを確立し、環境への影響を最小限に抑えます。
環境に配慮した製品やサービスの提供を促進します。 - 化学物質と廃棄物の管理
化学物質や廃棄物の環境への影響を最小限に抑えるための管理を強化します。
有害物質の排出を削減します。 - 消費者の意識向上
持続可能な消費と生産に関する情報提供と教育を通じて、消費者の意識を高めます。
環境に配慮した消費行動を促進します。
そして、この「つくる責任つかう責任」という目標には、8つのターゲットとaからcまでの具体的な対策が3つ設定されています。
12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物資質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.A 開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。
12.B 雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
12.C 開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する、化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。
3.SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」における日本の課題とは?
SDGs目標12「つくる責任つかう責任」に関する日本の主な課題として、以下の点が挙げられます。
- 資源の過剰消費
日本は多くの資源を消費しており、これらを効率的に利用することが求められています。 - 食品ロスの多さ
日本は先進国の中でも特に高いレベルの食品ロスを抱えており、これを削減することが必要です。 - リサイクル率の向上
資源のリサイクル率を高めることで、廃棄物の削減と資源の有効利用を促進することが求められています。
これらの問題に対処するためには、政府、企業、消費者が一体となって、資源の効率的な使用やリサイクルの促進、持続可能な製品の選択を進める必要があります。
4.どのような企業が対象となるのか?
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」は、製造業、建設業、サービス業に至るまで、あらゆる業種の企業が対象となります。
なぜなら、以下のようにあらゆる業種、業界において関わりがあるといえるためです。
- 製造業 :資源の効率的な利用、廃棄物の削減、リサイクルの推進などが求めらるため
- サービス業:環境に配慮したサービスの提供、持続可能な消費行動の促進などが求められるため
- 小売業 : 持続可能な製品の販売、消費者への環境教育などが求められるため
- 建設業 :持続可能な建材の使用、エネルギー効率の高い建物の設計などが求められるため
- 農業・漁業: 持続可能な農業・漁業の実践、食品ロスの削減などが求められるため
このように、企業活動が地球規模で環境に影響を与えるため、持続可能な生産と消費を実現することが求められています。
また、消費者の環境意識の高まりや法規制の強化により、持続可能な取り組みを行う企業が選ばれる傾向があります。企業はこれらの背景を理解し、具体的な取り組みを進めることで、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。
5.企業の具体的な取り組み事例7選
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」に関連して、企業ができる具体的な取り組み事例を以下に紹介します。
- リサイクル可能な素材の使用
製品やその包装にリサイクル可能な素材を使用します。
例えば、プラスチック製品を再生プラスチックに置き換える、または紙製の包装材を使用するなどです。 - リサイクルプログラムの導入
リサイクルプログラムとは、使用済み製品や廃棄物を回収し、再利用や再加工を行うための仕組みや取り組みです。
例えば、家具メーカーでは、使用済み家具の回収とリサイクルを行うプログラムを提供し、消費者が不要になった家具を店舗に持ち込むことで、リサイクルや再利用が行われます。 - 再生可能エネルギーの利用
企業は再生可能エネルギーを利用した製品やサービスを提供することができます。
例えば、電力会社が再生可能エネルギーを利用した電力プランを提供することが考えられます。 - 省エネルギー製品の開発及び導入
企業は省エネルギー製品を開発し、販売することができます。
また、そういった省エネルギー製品を購入し使用することもできます。 - 環境に配慮した包装や配送
企業は環境に配慮した包装材や配送方法を採用することができます。 - 環境に配慮した調達基準の策定
企業として、自社の調達基準に環境配慮を組み込むことができます。
例えば、オフィス用品の調達において、再生紙やエコマーク認証製品を優先的に選定するなどです。 - 持続可能な製品やサービスの提供業者との連携
企業は持続可能な製品やサービスを提供する業者と連携し、公共調達において環境に配慮した選定を行うことができます。
例えば、建設会社がエコ建材を提供する業者と連携し、公共施設の建設において持続可能な資材を使用するなどです。
これらの取り組みは、あらゆる業種の企業が実施可能であり、持続可能な開発目標に貢献することができます。
6.私たちにもできる身近な取り組み事例7選
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」に関連して、私たちにもできる身近な取り組み事例を7つ紹介します。
- 食品ロスの削減
食品を購入する際は、必要な量だけを買うように心がけ、食べ残しを減らす工夫をすることが大切です。また、賞味期限が近い食品を積極的に選ぶことで、スーパーマーケットなどの食品ロス削減にも貢献できます。 - リサイクルプログラムの活用
地域や企業が提供するリサイクルプログラムを積極的に利用することで、廃棄物の量を減らし、資源の再利用を促進できます。ペットボトルや缶、紙だけでなく、衣類や家具なども施設に持ち込むことでリサイクルが可能です。 - 不要な購入を抑制する
不要な消費を抑制し、必要最小限の購入に留めることで、個人や家庭の支出を抑えるだけでなく、将来的に廃棄されるゴミの量を減らすことができます。
購入前によく考え、本当に必要なものかどうかを見極めることも大切です。 - エネルギー効率の高い製品を選ぶ
家電製品や照明などを購入する際に、エネルギー効率の高い製品を選ぶことで、エネルギー消費を抑え、家庭の電気代を節約し、環境負荷を軽減できます。 - エコバッグやマイボトルの使用
買い物の際にエコバッグを持参したり、マイボトルを持ち歩くことで、プラスチックごみの削減に貢献し、環境負荷を軽減できます。 - 中古品の購入やリサイクルショップの利用
新品を購入する代わりに、中古品やリサイクルショップで必要なものを手に入れることで資源の再利用を促進し、廃棄物の発生を抑えることができます。 - 地元産の食品や製品を選ぶ
地元で生産された食品や製品を購入することで、地元経済の活性化に貢献するだけでなく、輸送によるエネルギー消費を削減し環境負荷を軽減できます。
これらの取り組みを通じて、私たち一人ひとりが持続可能な消費と生産の実現に貢献することができます。
7.企業が目標12「つくる責任つかう責任」に取組む上での課題
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」に企業が取り組む際の課題をわかりやすく説明します。
- コストの増加
持続可能な取り組みを実施するためには、初期投資や運用コストが増加することがあります。例えば、リサイクル可能な素材の使用やエネルギー効率の高い設備の導入には、通常の素材や設備よりも高いコストがかかることが多いです。これにより、短期的な利益が減少する可能性があります。 - 技術的な制約
持続可能な製品やプロセスを開発するためには、先進的な技術や専門知識が必要です。しかし、すべての企業がそのような技術や知識を持っているわけではありません。特に中小企業にとっては、技術的な制約が大きな障壁となる場合があります。 - 消費者の意識と需要
持続可能な製品やサービスを提供しても、消費者がそれを選ばなければ意味がありません。消費者の意識や需要が低い場合、企業は持続可能な取り組みを進める機会を見失う可能性があります。消費者教育やマーケティングが重要ですが、それには時間とリソースが必要です。
これらの課題を克服するためには、企業は長期的な視点で持続可能な取り組みを進めることが求められます。また、政府や業界団体、消費者との協力も重要です。
まとめ
SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」では、企業は製品のライフサイクル全体を通じて環境への影響を最小限に抑えることが求められます。企業がSDGsの目標12に積極的に取り組むことで、環境負荷の軽減、社会的責任の強化、持続可能なビジネスモデルの構築、消費者からの信頼獲得などが期待されます。
企業だけでなく、私たち一人一人も日常生活で意識的な選択をすることが、大きな変化を生む第一歩となります。企業と個人の双方が協力し合うことで、より持続可能な社会を実現することができます。
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