2024年4月10日
今や産業廃棄物処理業もSDGsに取り組み、社会的責任を果たすべきと言われています。産業廃棄物処理業者がSDGsに取り組むことで、環境負荷軽減、雇用促進、地域貢献などを実現することができます。SDGsを上手く活用し、企業の持続可能な成長につなげましょう。
目次
- 1.SDGsとは何か
- 2.SDGsに取組むべき企業はどんな企業?
- 3.産業廃棄物処理業はなぜSDGsに取組むべきなのか?
- 4.産業廃棄物処理業とSDGsの関係性とは?
- (1)産業廃棄物処理業者
- (2)産業廃棄物を排出する事業者
- 5.産業廃棄物処理業の取り組み事例
- (1)環境に関する取り組み
- (2)それ以外の取り組み
- 6.SDGsに取組むメリット
- (1)企業の印象が良くなる
- (2)投資家からの評価が上がる
- (3)従業員のモチベーション向上
- 7.SDGsを取組む上でやらないといけないこと
- (1)SDGsの理解
- (2)優先的な課題の選定
- (3)目標設定
- (4)経営への統合
- (5)報告とコミュニケーション
- 8.負担なくSDGsに取組むためには?
- まとめ
1.SDGsとは何か
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連に加盟する全193ヶ国が達成を目指す2016年から2030年までの国際目標です。これは、2015年に国連総会で採択された「2030アジェンダ」に含まれている17の目標と169のターゲットからなります。
経済、社会、環境の3つの側面にまたがり、持続可能な社会の実現を目指しています。
2.SDGsに取組むべき企業はどんな企業?
SDGsは、地球規模の課題を解決するための共通の目標です。
達成には国や地方自治体だけでなく、企業、そして一般の人も含めたすべての人々が取り組むべき目標になります。
そのため、企業としても、大企業だけでなく、中小企業やスタートアップ企業など、あらゆる業界にて取り組むべきとされています。
3.産業廃棄物処理業はなぜSDGsに取組むべきなのか?
産業廃棄物処理業は、廃棄物の適切な処理を通じて環境保護に直接貢献する業界です。
SDGsに取り組むことで、その環境への貢献を具体的にし、さらには社会的な側面(例えば雇用の促進や地域社会への貢献など)も視野に入れることができます。
また、SDGsへの取り組みは企業の持続可能な成長にもつながります。
そのため、産業廃棄物処理業がSDGsに取り組むことは、環境、社会、経済の三つの側面から見ても有益であり、必要な取り組みであるということができます。
4.産業廃棄物処理業とSDGsの関係性とは?
(1)産業廃棄物処理業者
産業活動から発生する廃棄物は、適切に処理されないと土壌汚染、水質汚染、大気汚染などの環境問題を引き起こす可能性があります。
そのため、産業廃棄物処理業は、これらの環境問題の解決に向けた重要な役割を担っています。
これらの取り組みは、SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさも守ろう」などに直結しています。
したがって、産業廃棄物処理業がSDGsに取り組むことは、環境問題の解決に大きく関係します。
(2)産業廃棄物を排出する事業者
産業廃棄物を排出する事業者は、製造業や建設業、サービス業など、事業活動を通じて産業廃棄物を発生させる企業が該当します。
産業廃棄物の種類は業界により様々です。
例えば製造業からは、製品の製造過程で発生する廃油や、金属くずなどがあります。
建設業からは、建築や解体の際に発生するコンクリートや木材、鉄骨などの建築廃材があります。
また、サービス業でも例えば飲食業では、食材の残りや使用済みの調理油、医療業界では医療機関からの医療廃棄物、オフィスからの紙類や電子機器の廃棄物などがあります。
これらは適切に処理されなければ環境汚染を引き起こす可能性があるため、SDGsへの取り組みは必要と言えます。
特に、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な消費と生産を目指しており、廃棄物の削減やリサイクル、再利用などが求められています。
5.産業廃棄物処理業の取り組み事例
産業廃棄物処理業のSDGsの取り組み事例をご紹介します。
(1)環境に関する取り組み
目標6「安全な水とトイレを世界中に」 廃水処理施設の運営、水質浄化技術の開発 | |
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」 産業廃棄物からバイオガスを生成、再生可能エネルギーとしての利用 | |
目標13「気候変動に具体的な対策を」 CO2排出量の削減(例:廃棄物の焼却から発生する CO2を回収し、再利用する技術の開発) | |
目標15「陸の豊かさも守ろう」 廃棄物処理場の適切な管理、廃棄物からの汚染防止の 取り組みによる土壌や生物多様性の保護 |
(2)それ以外の取り組み
目標4「質の高い教育をみんなに」 従業員に対する継続的な教育や訓練の提供 | |
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」 女性の雇用機会を増やす、女性がリーダーシップを担う機会を増やす | |
目標8「働きがいも経済成長も」 定年退職後の再雇用制度の導入、長時間労働の是正 | |
目標17「パートナーシップで目標を実現しよう」 共同研究や技術交流、情報共有 |
6.SDGsに取組むメリット
産業廃棄物処理業がSDGsに取り組むメリットは以下のようなものがあります。
(1)企業の印象が良くなる
SDGsへの取り組みは、企業が社会貢献活動を行っているというイメージを高め、企業の価値の向上につながります。
(2)投資家からの評価が上がる
ESG投資(環境、社会、ガバナンスを考慮した投資)が増えている現在、SDGsへの取り組みは投資家からの評価を高める要素となります。
(3)従業員のモチベーション向上
SDGsへの取り組みは、働きやすさや働く環境の改善に関連する目標であるため、従業員の満足度や生産性の向上にもつながります。
7.SDGsを取組む上でやらないといけないこと
企業がSDGsに取り組む上での行動指針については、「SDGsコンパス」にて明確にされています。
この中で記載されている5つのステップをもとに、取り組む上でやるべきことは以下の通りです。
(1)SDGsの理解
SDGsの目指す目標とその意義をまず理解し、自社のビジネスや戦略とどのように連携するのかを把握すること。
(2)優先的な課題の選定
自社の業務や業界の視点から、関連性の高い目標を選び出し、注力すべき優先的な課題を選ぶこと。
(3)目標設定
選ばれた優先的な課題に対して、達成可能な目標を設定し、短期、中期、長期の目標を明確にすること。
(4)経営への統合
SDGsに関わる取り組みを経営戦略やビジネスモデルに取り入れ、持続的に実行します。
(5)報告とコミュニケーション
SDGsに向けた取り組みの進行状況や成果を定期的に評価し、報告します。そして、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて改善を進めます。
8.負担なくSDGsに取組むためには?
SDGsを負担なく始めるためにコンサルタントを入れることは一つの方法です。
コンサルタントはSDGsの目標とそれに対する企業の取り組みを理解し、適切な戦略を立てるのを助けます。
また、コンサルタントは企業の現状を評価し、どのSDGsが最も関連性があり、どのように取り組むべきかを提案します。
以下のコラムもご覧ください。
SDGsの導入や運用をサポートしてくれるサービスはあるの?
SDGsのコンサルティング会社は何をしてくれるの?認証取得・費用相場についても解説
まとめ
SDGsは環境だけでなく、経済や社会の持続可能性にも焦点を当てています。
そのため、産業廃棄物処理業者やISO14001認証企業が、自社のビジネスを通じて、これらの目標達成にどのように貢献できるのかを考えることは、社会全体の持続可能性に対する重要な一歩となります。
産業廃棄物処理業者やISO14001認証企業が、SDGsに取り組む意義と可能性を理解し、自社の取り組みを見直してみましょう。
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