2025年12月12日

「プライバシーマーク(Pマーク)の取得、または更新に向けて準備を進めているけれど、暗号化対策って本当にこれで大丈夫なのだろうか」そんな不安を感じていませんか?
実は、多くの企業がPマーク審査の現地調査でこの暗号化対策の不備を指摘され、対応に手間取ってしまうケースがよくあります。
なぜなら、単にウェブサイトにSSL/TLSを導入するだけでは不十分な場合があり、個人情報を取り扱うあらゆる場面での暗号化の徹底が求められるからです。
ここでは、私たちが数多くのPマーク取得・更新を支援してきた経験から見えてきた、暗号化対策での具体的なポイントを分かりやすく解説します。
この記事を読むと、あなたの会社の暗号化対策がPマークの要件を満たしているか確認でき、安心して審査に臨むための道筋が見えてくるでしょう。
1.Pマーク取得・更新には「暗号化対策」が必須

Pマーク取得や更新する上で、「暗号化」は企業の信頼を守り、個人情報を適切に保護するための必須条件であり、重要なポイントの一つです。では、なぜPマークにおいて暗号化がここまで重要視されるのでしょうか。
(1) Pマークが求める「安全管理措置」としての暗号化
Pマーク制度は、個人情報保護法と、その具体的な実践方法を示すJIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム要求事項)に基づいて運用されています。
これらの法規や規格の共通の目的は、企業が取り扱う個人情報を不適切なアクセスや漏洩、改ざん、紛失などから守ることです。
そのために企業に求められるのが「安全管理措置」の徹底です。
(2) 暗号化不備による情報漏洩リスクと企業の責任
もし暗号化が不十分だと、企業は情報漏洩リスクに直面し、計り知れない損害を被ります。
金銭的な賠償はもちろんのこと、最も深刻なのは社会的信用の失墜です。事業継続そのものが困難になるケースも少なくありません。
2.Pマークの暗号化対策における「ウェブサイトのSSL/TLS化」
Pマークにおける暗号化で多くの企業が最初に取り組むのが、ウェブサイトのSSL/TLS化です。SSL/TLSとは、インターネット通信における機密データを暗号化して通信の安全性を確保する仕組みのことです。ここでは、具体的な手順について4つのステップで解説します。
(1)SSL/TLSサーバ証明書を取得
SSL/TLSで通信を暗号化するためには、SSL/TLSサーバー証明書が必要になります。これは、ウェブサイトの運営者が信頼できることを証明し、暗号化通信を可能にするための「身分証明書」のようなものです。
SSL/TLSサーバー証明書は、主に以下の方法で取得できます。
- 認証局(CA)から購入する
- レンタルサーバーのサービスを利用する
- 無料のSSL/TLS証明書を利用する
(2)ウェブサーバーへの証明書インストール
取得したSSL/TLSサーバー証明書を、ウェブサイトを公開しているウェブサーバーにインストールします。この作業は、利用しているウェブサーバーの種類やレンタルサーバーのサービス形態によって手順が異なります。
(3)ウェブサイトをHTTPS化する
証明書のインストールが出来たら、ウェブサイトへのアクセスをHTTPからHTTPSに強制的にリダイレクトする設定を行います。この設定によりユーザーが「http://」でアクセスしても、自動的に暗号化された「https://」のページへと誘導されます。
(4)設定が完了しているか確認する
設定が完了したら、ウェブサイトのURLが「https://」から始まっているか、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されているか確認してください。オンラインのSSL/TLSチェッカーツールを使って設定が正しく行われているか検証するのもおすすめです。
3.現地審査では99%指摘される「SSL/TLS化」
前述したウェブサイトのSSL/TLS化ですが、多くの企業が現地審査で指摘される事項です。その割合はなんと「99%」。
SSL/TLS化を設定していなければ現地審査に合格することは非常に難しくなります。審査員によっては今後の計画を立てることで一時的に認められるケースもありますが、これはごく稀です。
特にPマークを新規で取得する場合、またはウェブサイトをリニューアルしたり新しく作成した際にウェブサイトの暗号化設定を見落としがちです。
審査では「お問い合わせフォームなどの通信経路がSSLによって暗号化されていない」といった内容で指摘されることが非常に多いため、審査前に対応しておくことを強くおすすめします。
企業の安全対策としても事前に導入しておくのが賢明です。この機会にぜひウェブサイトの設定を見直してみてください。
4.その他の暗号化対策事例
ウェブサイトのSSL/TLS化はPマーク取得・更新における基本中の基本ですが、審査ではそれだけでは不十分です。個人情報を取り扱う様々な場面での暗号化が求められます。ここでは、見落としがちなポイントと対策について解説します。
(1)社内システム・サーバー間の通信
社内システム間で個人情報をやり取りする場合、その通信も暗号化されている必要があります。例えば、顧客情報データベースと営業管理システム、人事システムなどが連携している場合などです。
<具体的な対策例>
システム間の連携には、SSH(Secure Shell)やSFTP(SSH File Transfer Protocol)、HTTPSなどの暗号化されたプロトコルを使用する。
(2)メールでの個人情報送受信
業務で顧客や取引先の個人情報をメールで送受信する場合、そのメールが暗号化されているかどうかも指摘ポイントになります。
<具体的な対策例>
大容量のファイルや繊細な情報を含む場合は、ファイル転送サービスやクラウドストレージを利用する。またダウンロード時に認証を求める設定にす。
(3)クラウドサービスの利用
SaaS(Software as a Service)などのクラウドサービスを利用して個人情報を管理する場合も、そのサービス自体が適切な暗号化対策をしているかを確認する必要があります。
<具体的な対策例>
クラウドサービスを選定する際は、データの暗号化(通信時・保存時)、アクセス制御、セキュリティ認証(ISO 27001、SOC 2など)の有無を必ず確認する。
(4)外部記録媒体の持ち出し・保管
USBメモリや外付けHDDなどの外部記録媒体に個人情報を保存して持ち出す場合や、社内で保管する場合も暗号化が必須です。紛失・盗難時に情報漏洩を防ぐためです。
<具体的な対策例>
外部記録媒体を使用する際は、BitLocker(Windows)やFileVault(macOS)などのOS標準機能、または専用の暗号化ソフトウェアを用いてディスク全体を暗号化する。
5.まとめ
Pマーク取得・更新において暗号化が重要視されるのは、企業が個人情報保護法やJIS Q 15001といったルールに基づいて適切な安全管理措置を講じているかを評価するためです。
ウェブサイトのSSL/TLS化はもちろん、顧客管理システムやメール、社内サーバー間のやりとり、クラウドサービスの利用まで、個人情報に関わる様々な場面での暗号化が求められます。
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