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是正処置とは?その重要性から具体的な手順を6つのステップで解説【注意点あり】

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2025年9月24日

是正処置とは?その重要性から具体的な手順を6つのステップで解説【注意点あり】

「是正処置ってどうやって進めたらいいの?」
「そもそも意味がよくわからない…」
「再発防止まで考えて動けているか不安」
職場で意味ややり方がよくわからず、不安に感じている方も多いはずです。

結論から言うと、是正処置とは、「すでに起きた問題の原因を見つけて、二度と同じことが起きないようにするための対策」のことです。
根本原因に向き合い、しっかり対応すれば、再発を防ぐことができます。

この記事では、是正処置とは何かという基本から、6つの実践的なステップ、そしてよくある失敗とその防ぎ方までをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、現場やISO対応の場面でも、自信を持って是正処置に取り組めるようになるでしょう。

品質管理に関わる方や担当になったばかりの方にとって、きっと役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

1.是正処置とは

是正処置とは、すでに発生した問題や不適合に対して、再び同じことが起きないようにするための根本的な対応を指します。

ただ修理や修正をするだけではなく、問題の原因を明確にし、それを取り除くことが目的です。

(1)是正処置の重要性

当たり前ですが、問題の本当の原因を見逃したままでは、表面上は解決しても、同じことがまた起こってしまいます。

たとえば、掃除をしても水がこぼれ続けているなら、原因はこぼれる場所や使い方にあるかもしれません。
こうした根本的な問題を解決しない限り、問題は何度も発生します。

そのため、是正処置は日々の改善活動の中でもとても大切な考え方です。

(2)是正処置と予防処置の違い

是正処置は、すでに起きた問題に対して行う対応であり、予防処置は、まだ起きていない問題を防ぐための対応です。

両者の違いをまとめた一覧表は以下のとおりです。

項目是正処置予防処置
対象すでに発生した問題まだ発生していない問題
目的原因を取り除いて再発を防ぐリスクを予測して未然に防ぐ
タイミング問題が発生した後問題が起きる前
考え方過去の事実をもとに対応将来の可能性に備えて対応
活動の例再発防止策の実施・手順の見直し等教育の強化・ルールづくり等

たとえば、交通事故が起きた後に安全確認のルールを作るのが、是正処置です。

一方で、事故が起きないように信号を設置したり、安全教育を行ったりするのが予防処置にあたります。

予防処置は未来のリスクを見つけて、先に手を打つ考え方です。

現在では、ISOの中でも予防処置という言葉は使われなくなりましたが、「リスクに先まわりして対策を立てること」は今でも重要な要素です。

(3)是正処置を行うタイミング

繰り返しになりますが、是正処置を行うべきタイミングは、問題や不具合が実際に発生したときです。

とくに、同じ問題がくり返し起きている場合や、今後も起きる可能性があると判断されるときは、早めの対応が必要です。

たとえば、製品の不良が何度も発生したり、作業ミスが続いたりしていると、その原因がどこかに潜んでいると考えるべきです。
このようなときは、単にその場を片付けるだけでなく、何が問題だったのかを詳しく調べ、原因に対策を打たなければなりません。

つまり、是正処置は直ちに対処するのではなく、なぜ起きたかを明らかにした上で行う必要があります。

2.今日からできる是正措置の6つの手順

是正処置を進めるための基本的な流れは、以下の6つに分類できます。

  1. 問題や不適合を発見する
  2. 原因を分析する
  3. 是正措置の内容を決定する
  4. 是正措置を実施する
  5. 効果を確認する
  6. 是正措置の結果を記録する

正しい手順を知っていれば、原因をしっかりと突きとめて、効果的な再発防止につなげることができます。

ここでは、それぞれの手順について、順を追って解説していきます。

(1)問題や不適合を発見する

是正措置は、まず問題や不適合に気付くところから始まります。
小さな異常でも見逃さず、発見できるかどうかが、品質や安全を守るための最初の一歩です。

たとえば、製品にキズがあった、手順と違う作業がされていたなど、現場では日々さまざまな変化が起きています。
このとき、「いつもと違う」「これはおかしい」と感じたことを記録し、すぐに報告する姿勢が重要です。

問題を早く見つけることで、被害の広がりを防ぎ、適切な対処につなげることができます。

(2)原因を分析する

次に、発見した問題に対して、なぜそれが起きたのかを正しく調べましょう。
この原因分析が不十分なままだと、どれだけ対策をしてもまた同じ問題が起きてしまいます。

原因を調べる方法としては、「なぜ?」をくり返して深掘りする「なぜなぜ分析」や、「特性要因図」などの手法があります。

ここでのポイントは、思い込みや決めつけではなく、事実に基づいて考えることです。

たとえば、道具の使い方が悪かったのか、指示が曖昧だったのか、環境に問題があったのかなど、具体的に原因を特定していきます。

正しい原因を見つけることが、効果的な是正措置につながります。

(3)是正措置の内容を決定する

原因がはっきりしたら、どのように対応すればよいかを考える段階に入ります。

ここで重要なのは、再発させないことを重視して対策を決めることです。

たとえば、「注意する」だけでは根本的な解決にはつながりません。
作業手順を変える、チェック体制を強化する、教育を見直すなど、仕組みそのものを変える対策が必要です。
このとき、「誰が、いつまでに、どのように」対応するのかを明確にしておくことも有効です。

対策を具体的に決めることで、実行に移しやすくなり、改善へとつながっていきます。

(4)是正措置を実施する

決定した対策は、計画どおりに実行しなければ意味がありません。

ここでは、現場への説明や周知、必要に応じた指導など、関係者全員の理解と協力が必要になります。

たとえば、作業手順を変更する場合は、新しい手順をしっかり伝え、実際にできるように訓練を行う必要があります。
対策内容によっては、設備の調整や書類の改訂など、準備も必要になってくるでしょう。

また、進捗の確認や期限管理も怠ってはいけません。

対策を実行に移すことで、はじめて是正措置としての効果が期待できます。

(5)効果を確認する

是正措置が終わった後に、その効果を確認することが欠かせません。

きちんと対策が機能しているかどうかを見なければ、本当に再発防止ができたとは言えません。

確認の方法としては、同じ問題が再び起きていないか、現場での声や作業状況を観察することなどがあります。
必要に応じて、検査や監査を行って確認することも重要です。

万が一、効果が不十分であれば、再び原因を見直し、追加の対策を検討しましょう。

(6)是正措置の結果を記録する

是正措置が完了したら、その内容と結果をしっかりと記録に残す必要があります。
記録を残すことは、社内の共有だけでなく、外部監査や品質評価にも有効です。

記録には、発見された問題、分析した原因、実施した対策、効果の確認結果などを整理して記載します。
文書の形式は会社によって異なりますが、誰が見ても流れが分かるようにまとめることが大切です。

また、記録があれば同じような問題が起きたときの参考にもなります。

3.是正処置の実務上の注意点4選

是正処置を実施する上で現場で見落としがちなポイントは、以下の4つです。

  • 対症療法で終わらせず根本原因に対応する
  • 原因分析は主観を排除し客観的に行う
  • 是正措置の実施責任者を明確にする
  • 実施後の効果確認を怠らない

せっかく対応をしても、やり方を間違えると形だけの処置になり、問題が再発する原因になりかねません。

ここからは、注意すべき点をひとつずつ取り上げ、現場でどう活かせばよいかをお伝えしていきます。

(1)対症療法で終わらせず根本原因に対応する

是正措置では、目の前の問題だけを解決して終わりにしてはいけません。
本当に大切なのは、なぜその問題が起きたのかを突きとめ、再び起こらないように根本から対策することです。

たとえば、機械の不具合が起きたときに、壊れた部品を交換するだけでは一時的な対応にすぎません。

同じような不具合が何度も発生しているなら、その背景に設計上の欠陥や使用方法の誤りがあるかもしれません。
そうした原因を放置したままでは、同じトラブルが繰り返されてしまいます。

問題の本質を見極め、原因を取り除くことが、根本的な対策につながります。

(2)原因分析は主観を排除し客観的に行う

是正措置を成功させるコツは、原因の分析を客観的に進めることです。
思い込みや感情に左右されると、正しい原因にたどり着けず、再発を防ぐことが難しくなります。

たとえば、「担当者の注意不足だった」と決めつけるのではなく、作業環境や教育の内容、手順書の分かりにくさなど、事実に基づいて調べていく必要があります。

そのためには、複数の視点から意見を集めたり、過去の記録を確認したりするなど、冷静な対応が必要なのです。

(3)是正措置の実施責任者を明確にする

どれだけ優れた対策を考えても、それを誰が行うのかが決まっていなければ、実行されないまま終わってしまう可能性があります。

そのため、是正措置では「実施責任者を明確にすること」がとても重要です。

実施責任者がはっきりしていれば、期限までに対応を終える意識も高まりますし、進捗管理もしやすくなります。

また、他の関係者との連携も取りやすくなり、組織全体での取り組みとして動きやすくなるでしょう。
役割が曖昧なままでは、「誰かがやるだろう」と放置されてしまう恐れがあります。
責任の所在をはっきりさせることで、計画どおりに是正措置を進めやすくなります。

(4)実施後の効果確認を怠らない

是正措置を行った後は、効果が出ているかどうかをしっかり確認することが必要です。
せっかく対応したとしても、問題が再発してしまっては意味がありません。

たとえば、作業手順を見直した場合、その手順が現場できちんと使われているか、ミスが減ったかなどを具体的に確認します。

確認には、チェックリストを使ったり、現場を見回ったり、関係者から意見を聞いたりする方法があります。

必要であれば、改善を加えて、さらに良い方法を探ることも大切です。

効果確認は、是正措置をやりっぱなしにせず、継続的な改善へつなげるための大切な工程です。

4.まとめ

今回は、是正処置について、その基本的な意味から重要性、実務での具体的な進め方、さらに注意すべきポイントまで解説しました。

是正処置とは、すでに発生した不適合やトラブルの原因を特定し、同じ問題が再び起きないようにするための根本的な対策を指します。

品質や安全を守るうえで欠かせない考え方であり、特にISO9001などのマネジメントシステムでも重視されています。

この記事を通して、是正処置の本質を正しく理解し、現場や監査対応にすぐ活かせる知識を身につけていただければ幸いです。

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