2025年6月4日

ISO9001内部監査の具体的な質問例を監査対象ごとにまとめました。
管理責任者、営業部門、製造部門、購買部門、の4つを事例に、実際の内部監査ではどのように質問するのかのイメージをもって、ISO9001内部監査に取り組みましょう。
目次
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1.内部監査のチェックポイント
ISO9001にかかわらず、内部監査では、以下の2つの側面を確認することが重要です。
(1)適合性
ISO9001における適合性とは、ISO9001規格要求事項や自社で定めた手順書、法令や顧客から求められている手順、それぞれの要求に対して適合しているかを確認することです。
例)作業手順書に記載されたプロセスが実際に守られているか、記録が適切に残されているか
(2)有効性
ISO9001における有効性とは、定めたルールや仕組みが目的を達成するために効果的に機能しているかを確認することです。
例)期初に設定した目標が達成できているか

2.内部監査の進め方
内部監査では、基本的に業務フローに沿ってヒアリングを行い、実際の記録を確認することがポイントです。
以下の手順に沿って進めると効果的です。
- 対象部門の業務フローを確認する
- 業務フローに基づいて質問をする
- ヒアリングを通じて実際の活動を確認する
- 記録を確認し、ヒアリング内容を踏まえ、適合性と有効性があるか判断する
3.実際の質問例
では、実際の内部監査での質問例を見てみましょう。
今回は製造業を想定し、4つの部門を用意しました。
管理責任者は、品質マネジメントシステム全体の運用状況や方針の策定・実行に責任を持つ立場です。
以下の質問例を参考に、適合性と有効性の両面を確認しましょう。
各部門では、日々の業務が規格要求事項や手順書に基づいて適切に行われているかを確認します。
以下に、部門ごとの質問例を示します。
(1)管理責任者
【適合性】
- 品質方針はどのように策定され、従業員に周知されていますか?
- 品質目標はどのように設定され、進捗状況はどのように管理されていますか?
- マネジメントレビューの記録はありますか?どのような議題が話し合われましたか?
【有効性】
- 品質目標の達成状況をどのように評価していますか?
- マネジメントレビューで議論された改善事項は、どのように実行されていますか?
- 気候変動や市場の変化など、外部環境の変化に対してどのように対応していますか?
(2)営業部
【適合性】
- 顧客要求事項はどのように把握し、記録していますか?
- 契約内容の変更があった場合、どのように社内で共有していますか?
【有効性】
- 顧客満足度をどのように測定し、改善に活かしていますか?
- 顧客からの苦情やフィードバックは、どのように処理されていますか?
(3)製造部
【適合性】
- 製造手順書に基づいて作業が行われていることを示す記録はありますか?
- 製品の不適合が発生した場合、どのように対応していますか?
【有効性】
- 製造プロセスの効率化や品質向上のために、どのような改善活動を行っていますか?
- 不適合製品の発生率はどのように推移していますか?
(4)購買部
【適合性】
- 供給者の選定基準はどのように設定されていますか?
- 供給者のパフォーマンスをどのように評価していますか?
【有効性】
- 供給者との連携を強化するために、どのような取り組みを行っていますか?
- 購買コストの削減や品質向上のための具体的な成果はありますか?
4.記録確認時のポイント

内部監査では、ヒアリングだけでなく、実際の記録を確認することが重要です。
以下の記録を重点的に確認しましょう。
(1)品質目標の進捗確認
目標が達成されているかを確認しましょう。
目標が達成されていない場合、もしくは達成が困難な場合には目標の見直しがなされているかの確認も必要です。
(2)教育・訓練の記録
従業員が必要なスキルを習得しているかを確認しましょう。
免許が必要な場合は、免許の管理(更新などされているか)がどのようにされているのかの確認が必要です。
また、今後必要になるスキルや不要になるスキルなどの見直しがされているのかを見直すのもよいです。
(3)購買先・委託先評価の記録
購買先や委託先の評価が適切に管理されているかを確認しましょう。
購買先として、品質・納期遵守・コストが適切かを見直しできているか。
委託先として、品質・納期・コストに問題がないかなど適切に見直しできているか。
また、目的に合った契約事項が盛り込まれた契約書を締結できているか、などを確認しましょう。
(4)不適合の記録
不適合の発生件数や是正処置の実施状況を確認しましょう。
不適合件数が極端に増えていないか?是正処置の実施内容が適切かを確認しましょう。
よくあるのが、是正処置を行ったが、その有効性評価まで行われていないケースです。
是正処置をされた後に、その活動が有効であったのかを見直す時期を定め、見直しができるようにしましょう。
5.内部監査を活かす方法
内部監査の結果は単なるチェックリストの作成で終わらせるのではなく、以下の活動に活用していきましょう。
(1)是正処置
不適合が見つかった場合、原因を特定し、是正処置を講じる必要があります。
(2)継続的改善の機会
有効性の観点から、プロセスの改善点を見つけ、実行する必要があります。
(3)マネジメントレビューへの反映
内部監査の結果をマネジメントレビューで共有することで、経営層に認識をしてもらい、意思決定を促す機会とします。
まとめ
ISO9001の内部監査は適合性と有効性の両面から、会社の活動や品質マネジメントシステムを評価し、改善の機会を見つける重要なプロセスです。
管理責任者と各部門への具体的な質問例を参考に、効果的な内部監査を実施しましょう。
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