初心者でもわかるQCサークル|具体的な進め方と事例紹介
2025年5月8日

目次
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- 1.QCサークルとは「現場の従業員で、サービスや仕事の質を良くしていく小グループ」のこと
- 2.QCサークル活動は、会社・管理者の支援が不可欠
- 2.QCサークルを取り入れるべき2つの理由
- (1)品質向上・改善による「短期的な成果」
- (2)「自ら考え動く人材」と「強いチーム」を育む「長期的な投資」
- 3.QCサークル活動の流れ
- (1)ステップ1:メンバー集め
- (2)ステップ2:テーマ選び
- (3)ステップ3:現状把握
- (4)ステップ4:目標設定
- (5)ステップ5:原因分析
- (6)ステップ6:対策の立案
- (7)ステップ7:実行!
- (8)ステップ8:効果を測定して次に繋げる
- 4.「トヨタ紡織グループ」におけるQCサークル活動の具体例
- (1)テーマ選定
- (2)現状把握・原因分析
- (3)対策立案・実行
- (4)効果測定・成果・次の活動へ
- 5.QCサークル活動を成功させるコツ
- (1)安心して話せるチームを作る
- (2)役割分担と助け合いを行う
- (3)「承認」でモチベーションを高める
- (4)部門間連携で成果をUPさせる
- 6.QCサークル活動にまつわるよくある質問
- (1) Q. 活動時間は?残業になるの?
- (2) Q. リーダーや発表は必須?苦手なんだけど…
- (3) Q. アイデアが出ない時はどうすればいい?
- (4) Q. 「マンネリ化」「形骸化」って聞くけど、どうすれば防げる?
- 7.まとめ
「QCサークル」という言葉を聞いたことがありますか?
製造業を中心に、多くの企業で導入されている改善活動ですが、
「名前は知っているけど、詳しくは知らない」
「昔やっていたけど、形だけになってしまった」
という声も少なくありません。
しかし、QCサークル活動は、正しく理解し、効果的に運用すれば、職場の問題を解決し、企業の業績向上に貢献するだけでなく、従業員の成長やチームワークの強化にも繋がる、一石二鳥のツールとなり得ます。
この記事では、QCサークルの基本から具体的な進め方、成功のためのコツ、そしてよくある疑問まで解説します。
QCサークル活動の導入を検討している方、既に活動しているが形骸化に悩んでいる方、そして部下の育成や職場活性化に関心のある管理職の方にも、きっと役立つヒントが見つかるはずです。
1.QCサークルとは「現場の従業員で、サービスや仕事の質を良くしていく小グループ」のこと
QCサークルとは、簡単に言えば「自分たちの職場のサービスや仕事の質を、自分たちで考え、継続的に良くしていくための小さいグループ」のことです。
このQCサークルでの活動は「QCサークル活動」や「小集団改善活動」と呼ばれます。
同じ部門の職場で働く数名(3名~10名程度)の従業員が自主的にチームを組み、身近な問題の解決や改善に取り組みます。
例えば、工場のライン数名で「工具を探す時間をゼロにする」というテーマをもとに原因を分析し、改善案を考え、「置き場の整理整頓」を実行するといった流れがQCサークル活動です。また、これらを社内のQCサークル発表会などで、活動の成果を発表することもQCサークル活動の一つです。
2.QCサークル活動は、会社・管理者の支援が不可欠
QCサークルは、従業員の自主性が基本となりますが、自然的に発生することは稀です。通常は会社の方針や推進体制のもとで意図的に導入されます。
この活動が単なる思いつきの改善提案に終わらず、継続的かつ効果的に成果を上げる「QCサークル活動」として機能するためには、会社や管理者による積極的な支援が欠かせません。
具体的には、以下のような支援が重要となります。
- 時間と場所
- 活動のための会議時間や作業スペースを提供する。
- 教育
- QC手法や問題解決スキルを教える。
- リソース
- 改善策を実行するための予算や道具、情報を提供する。
- 権限
- 必要な範囲で改善活動を進める権限を与える。
- 発表と評価
- 活動成果を発表する場を設け、努力を認め、評価する。
- 方針と理解
- 活動の重要性を示し、理解と励ましを与える。
このように、従業員の自主性を活かしつつも、会社や管理者が活動の環境を整え、必要なサポートを提供することで、QCサークルはその目的である「サービスや仕事の質の継続的な向上」を効果的に達成することができます。
自主的な活動であっても、組織的なバックアップなしにQCサークル活動を定着・発展させることは困難です。
2.QCサークルを取り入れるべき2つの理由
では、なぜ多くの企業がQCサークル活動を導入するのでしょうか?
これには、大きく2つの理由があります。
(1)品質向上・改善による「短期的な成果」
QCサークル活動の最も直接的な目的は、製品やサービスの品質向上、不良品の削減、作業効率の改善、コスト削減など、具体的な「成果」を出すことです。
現場の担当者だからこそ気づく問題点や改善のアイデアを活かし、データに基づいた分析と対策を行うことで、目に見える業績改善に繋げることができます。
例えばトヨタ自動車では、QCサークルで徹底的な「ムダ」の排除を追求し、生産性の向上やリードタイム短縮といった具体的な短期成果に結びつけていることは有名です。
これは企業にとって短期的に享受できる大きなメリットです。
(2)「自ら考え動く人材」と「強いチーム」を育む「長期的な投資」
より本質的とも言える目的が、「人」と「組織」の成長です。
QCサークル活動を通じて、メンバーは以下のことを身につけることができます。
- 問題発見・解決能力: 現状を分析し、原因を考え、対策を立てるスキル
- データ活用能力: 事実に基づいて判断するスキル
- 主体性・当事者意識: 自分たちの手で職場を良くしていく経験による、仕事への意欲向上
- コミュニケーション能力・チームワーク: メンバー同士で意見を交換し、協力して目標達成を目指す中での、チーム力の向上
これらはすぐには身につきませんが、活動を継続することで確実に育まれます。
QCサークルは、「自ら考え動く人材」と「強いチーム」を育成するための、企業にとって非常に有効な「長期的な投資」と言えるのです。
3.QCサークル活動の流れ
QCサークル活動は、一般的に以下のようなステップで進められます。これは「QCストーリー」とも呼ばれ、問題解決のための基本的な型となります。
(1)ステップ1:メンバー集め
会社の方針や上司からの指示で、QCサークル活動の推進を受けたら、まずはメンバーを集めましょう。
【仲間集めのコツ】
- 声かけ・メンバー集め: 問題意識を持つ人が中心となり、同じ職場で「一緒に改善したい」意欲のあるメンバー(3~10名程度)を集めます。
- キックオフ: 最初の会議で、活動の目的・目指す姿・進め方(頻度、ルール等)を全員で確認し、意識を統一します。
- 上司への相談: 事前に活動について伝え、理解や協力を得ておくとスムーズです。
- 心構え: 「自分たちの手で職場を良くする」という主体性が最も重要です。
(2)ステップ2:テーマ選び
自分たちの職場で困っていること、改善したいことの中から、活動のテーマ(課題)を決めます。
「不良が多い」「時間がかかりすぎる」「探し物が多い」など、身近な問題点から選びます。
【テーマ選びのコツ】
- 問題洗い出し: メンバー全員で、職場の困りごとや改善したい点を付箋などに自由に書き出し、リスト化します。
- テーマ絞り込み: リストの中から、「効果が大きそう」「自分たちの力でできそう」という観点で、最も取り組みたいテーマを一つ選びます。
- 理由明確化: なぜそのテーマに取り組むのか、活動のねらい(品質向上、効率化など)を明確にします。
- テーマ名設定: 「〇〇の時間短縮」「△△不良削減」のように、改善の方向性を示す具体的なテーマ名を決定します
(3)ステップ3:現状把握
選んだテーマについて、次は「今、その問題は実際にどのようになっているのか?」を事実に基づいて徹底的に調べ、客観的に把握します。
ここでの目的は、後の目標設定や原因分析の土台となる、正確な現状認識を得ることです。思い込みや感覚は排除し、事実とデータで語れるようにします。
【現状把握のコツ】
- 現状把握の計画: テーマについて「どんなデータを」「どうやって」「いつまで」集めるか計画を立てます。
- 事実収集: 計画に基づき、現場観察や測定を行い、思い込みではなく事実データ(数値、観察結果など)を集めます。
- 現状レベル把握: 集めたデータ(数値や観察結果)を整理して、問題の現状を明らかにします。これが改善を進める上での「出発点(ベースライン)」になります。(例:平均すると今は15分かかっている、不良が3%出ている、など)
(4)ステップ4:目標設定
現状把握を踏まえ、このステップでは「いつまでに、どのレベルまで改善したいか」という具体的なゴールを設定します。
この目標が、今後の改善活動の明確な「目指す姿」となり、達成に向けたチームの羅針盤の役割を果たします。現状に基づいた、具体的で挑戦しがいのある目標をチームで共有することが重要です。
【目標設定のコツ】
- 具体的・測定可能に: 「何を」「いつまでに」「どのレベルまで」改善するか、誰が見ても分かり、達成度が数値で測れるように具体的に設定します。
- 達成可能なレベルで: 目標は、簡単すぎず、高すぎて諦めてしまうことのない、チームで「がんばれば達成できそうだ」と思える現実的なレベルに設定することが肝心です。現状とかけ離れた、根拠のない目標は立てません。
- チームで合意: 設定する目標についてチーム全員でよく話し合い、全員が納得し、「この目標達成を目指そう!」と合意するすることが、活動の推進力になります。
(5)ステップ5:原因分析
なぜその問題が起きているのか、原因を考えます。原因を探るための代表的な手法には、以下のようなものがあります。
- 原因の洗い出しと整理(特性要因図): 問題に対して考えられる原因を、「人」「機械」「材料」「方法」などの大きな骨(要因)に分類しながら、魚の骨のような図(特性要因図)に書き出して網羅的に洗い出し、整理します。これにより、見落としていた原因に気づきやすくなります。
- 根本原因の追究(なぜなぜ分析): 特性要因図などで洗い出した主な原因や問題の事象に対して、「なぜそれが起きたのか?」を最低5回など、繰り返し問いかけることで、表面的な原因ではなく、その奥にある根本的な原因を突き止めます。
- 問題の絞り込み(パレート図): たくさんある問題の中から、「影響が大きいのはどれか」「どれから手をつけるべきか」を見極めるために、データを大きい順にグラフ化して分析します。
- 二つのデータの関係を見る(散布図): 原因と思われる要素と結果(品質特性など)のように、二つの項目の間に相関関係があるかどうかを点でプロットしたグラフで確認します。
- 事実の記録・分類(チェックシート): 現場で「いつ、どこで、どんな問題が、いくつ起きているか」などを、あらかじめ決めた項目に従って簡単に記録・集計し、事実を把握するために使います。
これらは「QC七つ道具」を含む、問題解決でよく使われる分析手法です。すべてを一度に使う必要はなく、目的に合わせて適切な手法を選びます。
「QC七つ道具」の詳しい手法については、こちらのコラムをご覧ください。
(6)ステップ6:対策の立案
分析して突き止めた原因に対して、どうすれば問題を解決・改善できるか、具体的な対策案を考えます。実現可能で効果的なアイデアを出し合うことが重要です。
以下のような考え方や手法が役立ちます。
- 自由な発想でアイデア出し(ブレーンストーミング): 原因を取り除くためのアイデアを、まずは質より量を重視し、互いの意見を否定せず、自由な雰囲気でたくさん出し合います。
- 正しいやり方を決める(作業標準化): 誰が作業しても同じ品質・効率・安全性を保てるように、最適な作業手順を明確にし、文書化(作業標準書)して、全員で共有・遵守します。
- うっかりミスを防ぐ工夫(ポカヨケ): 人間の注意力だけに頼るのではなく、構造的にミスが起きないような仕組みや、間違った作業ができないような仕掛け(ポカヨケ)を導入します。
- 作業をしやすくする改善(工具・レイアウト改善): より楽に、速く、正確に、安全に作業ができるように、専用の工具を改善したり、作業スペースのレイアウトを見直したりします。
- 状況を分かりやすく表示する(見える化/可視化): 正常か異常か、進んでいるか遅れているか、何がどこにあるかなどが、誰にでも一目で分かるように、表示ランプや色分け、標識などを使って情報を「見える」状態にします。
(7)ステップ7:実行!
立案した対策を、計画的に実行に移します。役割分担を決め、協力して取り組みます。
立案した改善策を、いよいよ実際の職場で実行に移します。
計画も重要ですが、この実行なくして改善は実現しません。「まず、やってみる」精神で、チームで協力し、計画に基づいて着実に行動することが求められます。
【実行のコツ】
- 計画に沿って実行: 立案した改善策(誰が・いつまでに・何をするか)に沿って、役割分担を守り、着実に実行します。
- チームで協力・連携: メンバー同士で進捗状況を共有し、困ったことがあれば助け合いながら、チーム一丸となって取り組みます。他の担当者や部署が関係する場合は、事前の説明や連携をしっかり行います。
- まずは試してみる: 大きな変更や広範囲に影響がある対策の場合は、まず小規模で試してみる、期間を限定して実施してみるなど、スモールスタートで慎重に進めることも有効です。
- 実施内容の記録: 「いつ、誰が、何を、どのように実施したか」を簡単に記録しておきます。これは、次のステップの効果測定や、万が一うまくいかなかった場合の原因究明に不可欠な情報となります。
- 状況に応じた修正: 実行中に予期せぬ問題が発生したり、計画通りに進まなかったりした場合は、立ち止まってチームで相談し、必要に応じて計画を柔軟に見直し・修正することも大切です。
(8)ステップ8:効果を測定して次に繋げる
実行した対策が、どのくらい効果があったのかを測定・評価します。
目標が達成できていれば、その方法を定着させ、もし効果が不十分なら、原因を考えて再度対策を練ります。
「やりっぱなし」にせず、結果を評価し、必ず次のアクションに繋げることで、改善を継続的なものにします。
【効果測定と次に繋げるコツ】
- 効果を正確に測定・比較: 現状把握の時と同じ方法でデータを測定し、実施前と比較します。結果はグラフ等で見える化し、目標達成度や予期せぬ副作用がなかったかを確認します。
- 結果を評価し、次を決める: 目標達成度を評価し、次のアクションを決定します。
- 目標達成の場合: なぜ成功したか要因を簡単に確認し、その改善策が今後も守られ、継続されるように「標準化」を進めます。
- 目標未達成の場合: なぜ達成できなかったか原因を再度分析し、対策を練り直すか、場合によってはテーマや目標設定の見直しも検討します。
- 活動のまとめと共有: 今回のテーマに関する一連の活動と結果を資料にまとめます。可能であれば、発表会や報告会などで成果や学んだことを共有しましょう。これはチームの達成感を高め、他の部署への良い刺激やノウハウの展開にも繋がります。
- 反省と今後の活動計画: 今回の活動全体の進め方について、チームで良かった点・改善すべき点を振り返り、次の活動に活かします。そして、今回のテーマでやり残したことや、職場にある新たな問題・改善テーマを見つけ、次の活動を継続していきます。
4.「トヨタ紡織グループ」におけるQCサークル活動の具体例
トヨタ紡織グループでは、グローバルにQCサークル活動を推進しています。中国・天津にある工場のQCサークル「風林火山サークル」の活動を、QCストーリーの流れに沿ってご紹介します。
(1)テーマ選定
自分たちの職場で実際に困っていた「ドアオーナメントの不良撲滅」を活動テーマとして選びました。品質に関わる身近で重要な問題点に着目したことがわかります。
(2)現状把握・原因分析
活動当初は、メンバーのQCサークル活動に関する知識が十分ではなかったため、現状を正確に把握し、なぜ不良が発生するのかという根本原因を突き止めるまでに時間がかかったそうです。
しかし、そこで諦めることなく、部署の枠を超えて他のメンバーにも協力を仰ぎながら、地道なデータ収集や「なぜなぜ」を繰り返す分析を進め、問題の本質に迫っていきました。
(3)対策立案・実行
原因分析の結果から、不良をなくすための具体的な対策として「検査方法の見直し」や「不良が発生しにくい型の変更」といったアイデアを立案しました。
そして、これらをアイデアだけで終わらせず、計画に基づき、関係部署ともしっかりと連携を取りながら、改善策を着実に実行に移していきました。
(4)効果測定・成果・次の活動へ
こうした地道な取り組みの結果、サークルは「ドアオーナメントの不良撲滅」という目標を見事に達成しました。そしてトヨタ紡織グループ全体のQCサークル発表会でも高く評価され、金賞を受賞しました。
風林火山サークルのリーダーは「今後も、お客さまのことを最優先に考え、改善活動に取り組みます」とも述べており、一つの活動の成功体験がさらなる改善への意欲や顧客志向の意識向上にも繋がっていることが示されています。
参考元: トヨタ紡織株式会社『TB Report 2014』5.QCサークル活動を成功させるコツ
せっかくQCサークル活動を行うなら、成果を出してメンバーの成長にも繋げたいものです。
活動を成功させるためには、いくつかの重要なコツがあります。
これらはメンバーだけでなく、活動を支援する管理職にとっても非常に重要な視点です。
(1)安心して話せるチームを作る
メンバーが「こんなことを言ったら否定されるかも」「失敗したら怒られるかも」と感じるような雰囲気では、自由な発想や本音の意見は出てきません。
心理的安全性が確保された、誰もが安心して発言・挑戦できるチーム作りが不可欠です。
管理職は、まず自らが傾聴の姿勢を示し、多様な意見を歓迎し、失敗から学ぶことの重要性を伝える役割を担います。
(2)役割分担と助け合いを行う
活動を効率的に進めるためには、リーダー、書記、データ収集担当など、ある程度の役割分担があると良いでしょう。
ただし、固定化せず、メンバー全員が様々な役割を経験することも成長に繋がります。
そして何より、困ったときにはお互いに助け合い、協力し合うチームワークが大切です。
- 管理職は、チーム内の協力体制を支援し、必要に応じてリソース調整を行うことも重要です。
(3)「承認」でモチベーションを高める
活動の成果はもちろん重要ですが、そこに至るまでのプロセスでの工夫、努力、挑戦、そしてメンバーの成長をしっかりと認め、具体的に褒める(承認する)ことが、メンバーのモチベーションを大きく高めます。
管理職は、結果だけでなくプロセスにも目を向け、タイムリーで具体的な承認の言葉をかけることが、活動の継続と質の向上に繋がります。
(4)部門間連携で成果をUPさせる
職場の問題には、自分たちの部署だけでは解決できないこともあります。
そのような場合は、他の部署と協力したり、専門部署(技術、品質保証など)の支援を得たりすることが有効です。
管理職は、部門間の橋渡し役となり、必要な連携をサポートすることで、より大きな成果に繋げることができます。
6.QCサークル活動にまつわるよくある質問
ここでは、QCサークル活動に関してよく聞かれる疑問にお答えします。
(1) Q. 活動時間は?残業になるの?
A.活動時間の扱いは、会社のルールによって異なります。就業時間内に行うことを原則としている会社もあれば、一部時間外活動を認めている会社もあります。重要なのは、会社としての方針を明確にし、従業員に周知することです。
(2) Q. リーダーや発表は必須?苦手なんだけど…
A.リーダーシップや発表の経験は成長の機会になりますが、全員が同じように得意とは限りません。持ち回りにしたり、得意な人がサポートしたり、発表形式を工夫したりするなど、柔軟な運用が考えられます。
(3) Q. アイデアが出ない時はどうすればいい?
A.アイデアが出ない原因は様々です。テーマが曖昧、情報不足、心理的な壁(発言しにくい雰囲気)などが考えられます。ブレーンストーミングなどの発想法を試したり、視点を変えるために他の職場を見学したり、関連する情報をインプットしたりするのも良いでしょう。
(4) Q. 「マンネリ化」「形骸化」って聞くけど、どうすれば防げる?
A.これはQCサークル活動における最も重要な課題の一つです。防ぐためには、活動の目的(何のためにやっているのか)を常にメンバーと共有し、活動が実際の仕事や自分たちの成長に役立っている実感を持てるようにすることが不可欠です。
具体的な対策は、以下のとおりです。
- 目的の共有: なぜこの活動が必要なのか、会社や部署の目標とどう繋がっているのかを定期的に確認する。
- テーマの魅力: 自分たちの困りごとや、やりがいを感じるテーマを選ぶ。
- 管理職の関心: 上司が活動に関心を持ち、プロセスを承認し、適切なサポートをする。
- 成果の実感: 小さな成功体験を積み重ね、改善効果を目に見える形にする。
- 評価の工夫: 発表会の出来栄えだけでなく、活動プロセスや挑戦、学びを評価する。
- 交流と刺激: 他のサークルとの交流会や発表会で刺激を受ける機会を作る。 といった点が重要です。管理職の継続的な関与と支援が、形骸化を防ぐ最大の鍵となります。
7.まとめ
今回は、QCサークルの基本的な考え方から、具体的な進め方、活動を成功させるためのコツ、そしてよくある疑問について網羅的に解説しました。
QCサークル活動は、品質向上だけでなく、従業員の主体性やチームワークを高め、企業全体の成長に貢献する重要な取り組みです。効果的に進めるためには、その本質を理解し、ポイントを押さえることが大切です。
本記事のポイントまとめ
- QCサークルとは: 自分たちの職場を「主体的」に良くしていくための、現場メンバーによる「小グループ」です。
- 導入する理由: 品質向上・コスト削減などの「短期的な成果」と、自ら考え動く人材と強いチームを育む「長期的な投資」という、2つの大きなメリットがあります。
- 活動の進め方: 「QCストーリー」と呼ばれるステップ(テーマ選定→現状把握→原因分析→対策立案→実行→効果確認→標準化・管理の定着)に沿って、データや事実に基づき進めるのが基本です。
- テーマの選び方: 品質、効率、コスト、安全など、自分たちの職場の身近な問題や改善したい点から設定します。
- 成功のコツ: メンバーが安心して発言できる「心理的安全性」、互いに助け合う「チームワーク」、結果だけでなくプロセスも評価する「承認」、必要に応じた「部門間連携」が鍵となります。
QCサークル活動は、継続することで大きな力となります。この記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ貴社のQCサークル活動を見直し、活性化させるきっかけとしてください。
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