2025年3月10日
ISO9001の要求事項ってなに?QMSについても解説
ISO9001の要求事項とは、品質マネジメントシステムを効果的に運用するための具体的な基準や手順を指します。顧客に満足してもらうこと、問題が起きないように気をつけること、仕事をどんどん良くしていくこと、そして社員が必要なことをしっかり学ぶことなどが項目として含まれており、会社がこれらを守ることで、いつも良い商品やサービスを提供できるようになる考えです。
2025年5月8日
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「QCサークル」という言葉を聞いたことがありますか?
製造業を中心に、多くの企業で導入されている改善活動ですが、
「名前は知っているけど、詳しくは知らない」
「昔やっていたけど、形だけになってしまった」
という声も少なくありません。
しかし、QCサークル活動は、正しく理解し、効果的に運用すれば、職場の問題を解決し、企業の業績向上に貢献するだけでなく、従業員の成長やチームワークの強化にも繋がる、一石二鳥のツールとなり得ます。
この記事では、QCサークルの基本から具体的な進め方、成功のためのコツ、そしてよくある疑問まで解説します。
QCサークル活動の導入を検討している方、既に活動しているが形骸化に悩んでいる方、そして部下の育成や職場活性化に関心のある管理職の方にも、きっと役立つヒントが見つかるはずです。
QCサークルとは、簡単に言えば「自分たちの職場のサービスや仕事の質を、自分たちで考え、継続的に良くしていくための小さいグループ」のことです。
このQCサークルでの活動は「QCサークル活動」や「小集団改善活動」と呼ばれます。
同じ部門の職場で働く数名(3名~10名程度)の従業員が自主的にチームを組み、身近な問題の解決や改善に取り組みます。
例えば、工場のライン数名で「工具を探す時間をゼロにする」というテーマをもとに原因を分析し、改善案を考え、「置き場の整理整頓」を実行するといった流れがQCサークル活動です。また、これらを社内のQCサークル発表会などで、活動の成果を発表することもQCサークル活動の一つです。
QCサークルは、従業員の自主性が基本となりますが、自然的に発生することは稀です。通常は会社の方針や推進体制のもとで意図的に導入されます。
この活動が単なる思いつきの改善提案に終わらず、継続的かつ効果的に成果を上げる「QCサークル活動」として機能するためには、会社や管理者による積極的な支援が欠かせません。
具体的には、以下のような支援が重要となります。
このように、従業員の自主性を活かしつつも、会社や管理者が活動の環境を整え、必要なサポートを提供することで、QCサークルはその目的である「サービスや仕事の質の継続的な向上」を効果的に達成することができます。
自主的な活動であっても、組織的なバックアップなしにQCサークル活動を定着・発展させることは困難です。
では、なぜ多くの企業がQCサークル活動を導入するのでしょうか?
これには、大きく2つの理由があります。
QCサークル活動の最も直接的な目的は、製品やサービスの品質向上、不良品の削減、作業効率の改善、コスト削減など、具体的な「成果」を出すことです。
現場の担当者だからこそ気づく問題点や改善のアイデアを活かし、データに基づいた分析と対策を行うことで、目に見える業績改善に繋げることができます。
例えばトヨタ自動車では、QCサークルで徹底的な「ムダ」の排除を追求し、生産性の向上やリードタイム短縮といった具体的な短期成果に結びつけていることは有名です。
これは企業にとって短期的に享受できる大きなメリットです。
より本質的とも言える目的が、「人」と「組織」の成長です。
QCサークル活動を通じて、メンバーは以下のことを身につけることができます。
これらはすぐには身につきませんが、活動を継続することで確実に育まれます。
QCサークルは、「自ら考え動く人材」と「強いチーム」を育成するための、企業にとって非常に有効な「長期的な投資」と言えるのです。
QCサークル活動は、一般的に以下のようなステップで進められます。これは「QCストーリー」とも呼ばれ、問題解決のための基本的な型となります。
会社の方針や上司からの指示で、QCサークル活動の推進を受けたら、まずはメンバーを集めましょう。
自分たちの職場で困っていること、改善したいことの中から、活動のテーマ(課題)を決めます。
「不良が多い」「時間がかかりすぎる」「探し物が多い」など、身近な問題点から選びます。
選んだテーマについて、次は「今、その問題は実際にどのようになっているのか?」を事実に基づいて徹底的に調べ、客観的に把握します。
ここでの目的は、後の目標設定や原因分析の土台となる、正確な現状認識を得ることです。思い込みや感覚は排除し、事実とデータで語れるようにします。
現状把握を踏まえ、このステップでは「いつまでに、どのレベルまで改善したいか」という具体的なゴールを設定します。
この目標が、今後の改善活動の明確な「目指す姿」となり、達成に向けたチームの羅針盤の役割を果たします。現状に基づいた、具体的で挑戦しがいのある目標をチームで共有することが重要です。
なぜその問題が起きているのか、原因を考えます。原因を探るための代表的な手法には、以下のようなものがあります。
これらは「QC七つ道具」を含む、問題解決でよく使われる分析手法です。すべてを一度に使う必要はなく、目的に合わせて適切な手法を選びます。
「QC七つ道具」の詳しい手法については、こちらのコラムをご覧ください。
分析して突き止めた原因に対して、どうすれば問題を解決・改善できるか、具体的な対策案を考えます。実現可能で効果的なアイデアを出し合うことが重要です。
以下のような考え方や手法が役立ちます。
立案した対策を、計画的に実行に移します。役割分担を決め、協力して取り組みます。
立案した改善策を、いよいよ実際の職場で実行に移します。
計画も重要ですが、この実行なくして改善は実現しません。「まず、やってみる」精神で、チームで協力し、計画に基づいて着実に行動することが求められます。
実行した対策が、どのくらい効果があったのかを測定・評価します。
目標が達成できていれば、その方法を定着させ、もし効果が不十分なら、原因を考えて再度対策を練ります。
「やりっぱなし」にせず、結果を評価し、必ず次のアクションに繋げることで、改善を継続的なものにします。
トヨタ紡織グループでは、グローバルにQCサークル活動を推進しています。中国・天津にある工場のQCサークル「風林火山サークル」の活動を、QCストーリーの流れに沿ってご紹介します。
自分たちの職場で実際に困っていた「ドアオーナメントの不良撲滅」を活動テーマとして選びました。品質に関わる身近で重要な問題点に着目したことがわかります。
活動当初は、メンバーのQCサークル活動に関する知識が十分ではなかったため、現状を正確に把握し、なぜ不良が発生するのかという根本原因を突き止めるまでに時間がかかったそうです。
しかし、そこで諦めることなく、部署の枠を超えて他のメンバーにも協力を仰ぎながら、地道なデータ収集や「なぜなぜ」を繰り返す分析を進め、問題の本質に迫っていきました。
原因分析の結果から、不良をなくすための具体的な対策として「検査方法の見直し」や「不良が発生しにくい型の変更」といったアイデアを立案しました。
そして、これらをアイデアだけで終わらせず、計画に基づき、関係部署ともしっかりと連携を取りながら、改善策を着実に実行に移していきました。
こうした地道な取り組みの結果、サークルは「ドアオーナメントの不良撲滅」という目標を見事に達成しました。そしてトヨタ紡織グループ全体のQCサークル発表会でも高く評価され、金賞を受賞しました。
風林火山サークルのリーダーは「今後も、お客さまのことを最優先に考え、改善活動に取り組みます」とも述べており、一つの活動の成功体験がさらなる改善への意欲や顧客志向の意識向上にも繋がっていることが示されています。
参考元: トヨタ紡織株式会社『TB Report 2014』せっかくQCサークル活動を行うなら、成果を出してメンバーの成長にも繋げたいものです。
活動を成功させるためには、いくつかの重要なコツがあります。
これらはメンバーだけでなく、活動を支援する管理職にとっても非常に重要な視点です。
メンバーが「こんなことを言ったら否定されるかも」「失敗したら怒られるかも」と感じるような雰囲気では、自由な発想や本音の意見は出てきません。
心理的安全性が確保された、誰もが安心して発言・挑戦できるチーム作りが不可欠です。
管理職は、まず自らが傾聴の姿勢を示し、多様な意見を歓迎し、失敗から学ぶことの重要性を伝える役割を担います。
活動を効率的に進めるためには、リーダー、書記、データ収集担当など、ある程度の役割分担があると良いでしょう。
ただし、固定化せず、メンバー全員が様々な役割を経験することも成長に繋がります。
そして何より、困ったときにはお互いに助け合い、協力し合うチームワークが大切です。
活動の成果はもちろん重要ですが、そこに至るまでのプロセスでの工夫、努力、挑戦、そしてメンバーの成長をしっかりと認め、具体的に褒める(承認する)ことが、メンバーのモチベーションを大きく高めます。
管理職は、結果だけでなくプロセスにも目を向け、タイムリーで具体的な承認の言葉をかけることが、活動の継続と質の向上に繋がります。
職場の問題には、自分たちの部署だけでは解決できないこともあります。
そのような場合は、他の部署と協力したり、専門部署(技術、品質保証など)の支援を得たりすることが有効です。
管理職は、部門間の橋渡し役となり、必要な連携をサポートすることで、より大きな成果に繋げることができます。
ここでは、QCサークル活動に関してよく聞かれる疑問にお答えします。
A.活動時間の扱いは、会社のルールによって異なります。就業時間内に行うことを原則としている会社もあれば、一部時間外活動を認めている会社もあります。重要なのは、会社としての方針を明確にし、従業員に周知することです。
A.リーダーシップや発表の経験は成長の機会になりますが、全員が同じように得意とは限りません。持ち回りにしたり、得意な人がサポートしたり、発表形式を工夫したりするなど、柔軟な運用が考えられます。
A.アイデアが出ない原因は様々です。テーマが曖昧、情報不足、心理的な壁(発言しにくい雰囲気)などが考えられます。ブレーンストーミングなどの発想法を試したり、視点を変えるために他の職場を見学したり、関連する情報をインプットしたりするのも良いでしょう。
A.これはQCサークル活動における最も重要な課題の一つです。防ぐためには、活動の目的(何のためにやっているのか)を常にメンバーと共有し、活動が実際の仕事や自分たちの成長に役立っている実感を持てるようにすることが不可欠です。
具体的な対策は、以下のとおりです。
今回は、QCサークルの基本的な考え方から、具体的な進め方、活動を成功させるためのコツ、そしてよくある疑問について網羅的に解説しました。
QCサークル活動は、品質向上だけでなく、従業員の主体性やチームワークを高め、企業全体の成長に貢献する重要な取り組みです。効果的に進めるためには、その本質を理解し、ポイントを押さえることが大切です。
QCサークル活動は、継続することで大きな力となります。この記事でご紹介した内容を参考に、ぜひ貴社のQCサークル活動を見直し、活性化させるきっかけとしてください。
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