2025年5月30日
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2025年9月1日

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ISO9001の認証取得を目指す際、最初に行うべき重要なステップが「適用範囲」の決定です。
適用範囲とは、ISO9001の品質マネジメントシステムを、組織が「どのような業務や製品・サービスに対して、どの場所で、ISO9001の要求事項を適用していくか」を示す範囲を指し、具体的に文書化する必要があります。
しかし、「どうやって適用範囲を文書化すればいいの?」「どんな具体例がある?」「『適用除外』って自由に設定できるの?」このような疑問やお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では適用範囲の基礎知識から具体的な記入例とポイントを解説しています。
適用範囲の文書化をスムーズに行うことができるよう、最後までお読みください。
適用範囲とは、ISO9001の品質マネジメントシステム(以下QMS)を、組織が「どのような業務や製品・サービスに対して、どの場所で、ISO9001の要求事項を適用していくか」を示す範囲を指します。
ISO9001認証を取得する上で、この適用範囲を決定することは、最初に行うべき重要なステップです。
具体的には、以下の例のようにQMSを適用する範囲を明確にします。
■製品やサービス
QMSが対象とする具体的な製品、提供するサービス、またそれらに関連する業務プロセスを特定します。
例:
■拠点
例:

具体的にどの業務・サービスにQMSを適用するかを記載します。
提供する製品・サービスだけではなく、それに関連するプロセスも記載する必要があります。
ある製品の製造から販売までを実施している事業の場合、「建築」のような抽象的な表現ではなく、「オフィスビルや住宅の建築、施工管理、アフターサービス」などと記載しましょう。
■なぜプロセスまで把握しないといけないのか
例えば、「建築」という抽象的な記載の場合、以下の理由でプロセス全体の把握が不可欠です。
JAB(日本適合性認定協会)により認定されたマネジメントシステム認証機関が提供する認証組織の情報を、こちらからご確認いただけます。各企業の登録範囲についても、ぜひご参考ください。
■記入例
当社所在地にておこなう以下の業務に適用される。
1) 適用業務
例)オフィスビルや住宅の建築、施工管理、アフターサービス
例)〇〇製品の設計・開発、製造、販売
例)アプリケーションの開発、運用、保守サービス
この項目では、QMSを導入する具体的な組織の部署や部門、そして拠点(事業所など)とその住所を明確に記載します。
■記入例
適用組織
例)「組織図」を明確にする。
| 拠点 | 住所 |
|---|---|
| 例)本社 例)第一工場 例)東京オフィス | 各拠点の住所を記載 |
QMSにおける適用不可能は、ISO9001の要求事項を一部適用除外にすることを指します。
“決定した品質マネジメントシステムの適用範囲内でこの規格の要求事項が適用可能ならば,組織は,こ れらを全て適用しなければならない。
組織の品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として利用可能な状態にし,維持しな ければならない。適用範囲では,対象となる製品及びサービスの種類を明確に記載し,組織が自らの品質 マネジメントシステムの適用範囲への適用が不可能であることを決定したこの規格の要求事項全てについ て,その正当性を示さなければならない。
適用不可能なことを決定した要求事項が,組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実 にする組織の能力又は責任に影響を及ぼさない場合に限り,この規格への適合を表明してよい。”引用:JIS Q 9001:2015
原則、QMSの適用範囲内でISO9001の要求事項はすべて適用しなければなりませんが、
要求事項が組織の実態として適用不可能な場合に、適用除外が可能です。
しかし、適用除外は自由に決定することはできません。
適用除外を決める際には、以下の条件を守らなければなりません。
除外することによって製品・サービスに直接影響しないこと
適用除外の理由・根拠を明確にすること
文書化すること
適用除外が可能な例として、自社で製品の設計・開発を一切行わず、顧客から提供された図面通りに製造するだけの会社の場合、ISO9001の「8.3 設計・開発」の要求事項は、業務上「適用不可能」と判断できます。
■記入例
| 項番 | 理由 |
|---|---|
| 例)8.3 | 例)現段階では設計及び開発に関する要求が利害関係者からないため 例)当社には、設計に携わる業務がないため適用しない。 |
QMSがどのバージョンの要求事項に基づいているかを明確にします。
内部監査や審査において、QMSがどの基準に適合しているかを評価する際の根拠となります。
■記入例
4) 適用規格
JIS Q 9001:2015 品質マネジメントシステム - 要求事項及び利用の手引
適用範囲と認証範囲は混同されがちですが明確な違いがあります。
適用範囲:組織が自社のQMSをどこまで導入し、運用するかを定めた領域です。
認証範囲:組織のQMSがISO9001の要求事項に適合していることを、第三者機関が認証し外部に公表する範囲を指します。
途中で適用範囲を縮小または拡大、変更することも可能です。
その場合、はじめにマニュアルなど適用範囲を明確にした文書に反映すること、必要であれば体制の変更が必要になります。
次に、拡大した場合には目標の設定・管理や内部監査の実施、そして適用範囲の縮小・拡大・変更いずれの場合も変更内容をマネジメントレビューで報告しなければなりません。
運用面だけでなく、パンフレットやホームページなどに適用範囲を掲載している場合にも対応が必要です。
ISO9001の適用範囲は自社で柔軟に決定することが可能ですが、以下の点を考慮する必要があります。
4. 3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
当社は、適用範囲を決定する場合、以下の事項を考慮して、適用範囲を決定し、決定した適用範囲は、文書化した情報として、利用可能な状態にしておく。
(1)4.1に規定する外部及び内部の課題
(2)4.2に規定する、密接に関連する利害関係者の要求事項
(3)組織の製品引用:JIS Q 9001:2015
この記事ではISO9001の適用範囲の基礎知識と、具体的な文書化について具体例を交えながら解説しました。
適用範囲とは、ISO9001の品質マネジメントシステム(QMS)を「どのような業務や製品・サービスに対して、どの場所で、ISO9001の要求事項を適用していくか」を示す範囲のことです。これはISO9001認証取得において最初に決めるべき重要なステップであり、具体的には、以下のような「製品やサービス」と「拠点」を明確に定める必要があります。
■製品やサービス
例:
■拠点
例:
次に、この適用範囲を決定する際のステップとポイントを解説しました。適用範囲は品質マニュアルなどに明確に記載する必要があり、具体的に以下を文書化する必要があります。
適用除外については、原則としてすべての要求事項を適用する必要がありますが、業務上「適用不可能」な場合に限り、製品・サービスへの影響がないこと、理由・根拠を明確にし文書化することで除外可能となります。
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