2020年12月21日
ISOにおける「適用範囲」とは、マネジメントシステムが適用される領域のことです。
会社全体で設定しているところも多くありますが、複数拠点の中の1つや1つの部署で設定しても問題ありません。 ISOを取り入れるべき拠点あるいは部署・グループがどこか、業務内容は何か、などを決めます。
ISOを取り入れるにあたって、まず決めなければならないことの1つが「適用範囲」です。
ISO9001だけでなく、ISO27001や他の規格であっても「適用範囲」はまず最初に決めるべき事項です。
これからISOを構築する方は、「そもそも適用範囲がわからない」「とりあえず場所だけ入れておけばいいの?」「適用範囲って認証範囲と違うの?」と思っている方も少なくないでしょう。
「適用範囲」の決定は、対外的に取り組みをアピールできるものにもなります。
今回は「適用範囲」についての説明と設定するときのポイント、「適用範囲」を変更するときの手順、また「適用範囲」と「認証範囲」の違いについても説明していきます。
ISO9001で要求されていること
ISO9001では適用範囲を決定するときに以下を考慮することとしています。
①決定した外部・内部の課題
②明確にしている利害関係者からの要求事項
③組織の製品・サービス そして、決定した適用範囲は文書化した情報にして維持管理することが求められています。
また、適用不可としたISO9001の要求事項がある場合には、理由を含めて明確にしておく必要があります。
適用範囲を決めるときのポイント
繰り返しになりますが、適用範囲を決めるには製品名やサービス名など何の事業をしている会社かが分かるような事業内容にします(例:製造業であれば「○○の部品加工・組立」など)。
限定されている場合はその拠点や部署などの場所を入れます。
また、マネジメントシステムはあくまで自分たちのルール・仕組みであり、自分たちで適用範囲も決定するものですが、自分たちの取組みを対外的に表現するものでもあります。
そのため、取引先など外部から見ても分かるように明確に設定しておくことも重要です。
反対に、ISO9001の要求事項の中で自分たちには当てはまらない事項があった場合には、「○○のため〇項は適用除外とする」など明記しなければなりません。
適用範囲の文書化
要求事項には適用範囲を文書化しておくことが求められていますが、わざわざそのための書類を作成する必要はありません。
ISOを認証している企業でもマニュアルに記載していることが多くあります。
それ以外ではホームページや名刺、パンフレット、看板等に載せているところもありますが、途中で適用範囲が変更になった場合には記載箇所すべてに対応する必要があるため、マニュアルなど本当に必要となるところにだけ載せておけば問題ありません。
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範囲が変わったときの手順
途中で適用範囲を縮小または拡大、変更することも可能です。
その場合、はじめにマニュアルなど適用範囲を明確にした文書に反映すること、必要であれば体制の変更が必要になります。
次に、拡大した場合には目標の設定・管理や内部監査の実施、そして適用範囲の縮小・拡大・変更いずれの場合も変更内容をマネジメントレビューで報告しなければなりません。
運用面だけでなく、パンフレットやホームページなどに適用範囲を掲載している場合にも対応が必要です。
適用範囲と認証範囲の違い
これまで適用範囲について書いてきましたが、審査機関が求める認証範囲とは少し意味が異なります。
適用範囲は自分たちで設定し文書化したマネジメントシステムの範囲ですが、認証範囲は言葉の通りISOを認証する範囲であり審査機関によって認証書などに文書化されるものです。
もちろん認証範囲も企業側がある程度決められるため、適用範囲とイコールであることの方が多いですが、あまりに曖昧すぎる表現などは審査機関から助言がきます。
3に書いた通り、「外部から見ても分かるように設定しておくこと」はそういう意味でのポイントでもあります。
また、適用範囲の変更に伴って認証範囲も変更する必要がある場合には審査機関にも連絡が必要です。
ちなみに、認証範囲が会社全体ではなく一部の拠点や部署である場合、認証マークを使用する際にそれが分かるように記載するなどの規定がありますので、使用前に確認しておくことが重要です。
まとめ
ISO9001の適用範囲は、外部・内部の課題、利害関係者からの要求事項、製品やサービスを考慮して設定する必要があります。
適用範囲は外部へのアピールにもなるものであるため曖昧な表現ではなく分かりやすい内容であること、また会社全体ではなく一部の拠点・部署・事業である場合も、誰が見ても分かるように明確にしておきましょう。
一度設定しても途中で変更することは問題ありませんが、マニュアルなどの整備、運用の見直し、さらにはマネジメントレビューでも報告しておくことが重要です。
とはいえ、適用範囲について迷って決めきれない方、イメージが湧かないという方、同業他社はどのような表現なのか気になる方、一度ISOの専門家に相談してみてください。
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