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ISOのスリム化とは?ポイントと事例を紹介

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2024年10月31日

ISOのスリム化とは?ポイントと事例を紹介

ISOのスリム化とは、複雑になってしまった文書、規程、ルールを整理整頓し、運用をシンプルにする活動のことです。
使われていないルールのせいで、必要な情報を探すのに時間がかかったり、ルールが多すぎて仕事がやりにくくなったりといった問題はありませんか?ISOのスリム化は、そのような課題を解決するための取り組みです。

1.ISOのスリム化とは?

ISOスリム化とは、企業が導入しているISO規格(ISO9001、ISO14001など)に関連する文書、規程、ルールを精査し、複雑化している部分をシンプルにする活動です。
具体的には、文書、規程、帳票を一覧化し、

  • ①社内要求
  • ②顧客要求
  • ③法令要求
  • ④要求なし

の①~④まででナンバリングします。
優先度や重要度を整理した後で、不要な文書を削除したり統合したり、簡素化したりすることです。

なぜ企業はISOスリム化をしたほうがいいのでしょうか?
理由は色々ありますが、以下3点があげられます。

⑴業務効率の向上

ルールの変更があった場合、文書・規程の変更を行うと思います。
その場合、更新作業を行い担当者承認→上司承認→社長承認などのフローになると思います。
そうした場合関連文書が多すぎると最終承認までに膨大な時間が必要となります。
ISOスリム化を行うと必要ない文書・規程はなくなるので今まで必要としていた時間は削減され、本来やりたかった業務に時間を使うことができます。

⑵従業員の負担軽減

複雑なルールは担当者及び関連する従業員に大きな負担をかけることがあります。
複雑なルールを簡素化することで従業員の負担を軽減し、モチベーションや仕事の満足度が向上し、結果として企業全体のパフォーマンスが向上すると思います。

⑶迅速な対応

文書・規程が多いと、探したい情報がなかなか見つからない事象が発生します。
例えば第1~第3階層までわかれていたり、規程の中にまた別の規程に枝分かれしたりと、探したい情報がどの場所にあるのか把握するのが難しいなどのイメージです。
ISOのスリム化を行えば不必要な文書・規程が無くなる為、特定がスムーズになります。

2.スリム化が効果的なパターン

⑴文書類がしっかりと管理されていない場合

大量のドキュメントを扱い、管理が複雑な企業では、スリム化による書類の整理、管理方法の見直しが大きな効果を発揮します。

⑵マニュアルが大量にある場合

ISO認証取得や維持に多大な時間とリソースを費やしている企業では、スリム化が特に効果的です。
プロセスの見直しと簡素化により、業務の効率が向上し、リソースの無駄を削減できます。

3.ISOスリム化までの流れ



 

まずスリム化をするにあたり、全ての文書・規程・帳票を一覧化します。
その後、以下4つの項目にナンバリングしていきます。

  • ①社内要求がある
  • ②顧客要求がある
  • ③法令要求がある
  • ④要求がない

ナンバリングすることにより優先度が高い、低い、文書・規程が把握できます。
ナンバリング後に必要なもの、いらないものに分別し、実際に削除していくことでスリム化が完了します。

4.スリム化のポイント

実際にスリム化を行おうと文書類・帳票類を見直すと、多くの場合、活動を大きく3つに分類することができます。
①ISOがあってもなくても継続する活動
②ISOがなければすぐにでもやめたい活動
一番わかりやすいのは①ですね。ISO関係なくやっている活動は今後も継続すべき対象となります。

① の活動を最大限に増やすことで、会社の実態に合わせた活動を行うことが出来ます。
減らすべきは②です。
②はどんどんやめればよい!と考えてしまいますが、ちょっと待ってください。
ISOの審査に通過するための必須事項は入っていないかもチェックすることが必要です。
スリム化で躓きやすいのがこの点になります。
例えば、内部監査やマネジメントレビューはISO9001を維持する以上、どうしても省くことはできません。
そもそも、ISOでの必須事項を把握するためには、ISOの規格要求事項と照らし合わせ、実際に要求されているかを調べることが必要になります。

調べる時間が取れたとしても、専門的な言葉で書いてある文章を読み解き、自社のルールと照らし合わせなければなりません。

5.よくある事例と解決方法

ISO9001の運用を長年やっている企業に多くあります。

実際にお話を聞いてみますと、
「審査員に指摘された場所を中心にルールを変更していた。どんどんルールが増えてしまっている。」
「コンサルに言われた通り作ったけど、結局審査対応のための書類が多くあり、似たような書類を複数作っている」
「時代と共に仕事の進め方が変わっているが、ISOのどこをどう直していいかわからない」
という声が多く聞かれます。

ISOの業務そのものを見直す必要が出てきます。

⑴事例:今やっている活動が会社の実態と合っていない。

解決方法としては、日常業務の活動にISOの文書・ルールを合わせていくことです。
社内のISOのルールに存在しても、実業務では意味がないものはどんどん削除していきましょう。

⑵事例:どの文書・規程を整理整頓すればいいかわからない

このコラム内でも説明した4つの項目にナンバリングし優先度をつけましょう。
②顧客要求がある
③法令要求がある
は必要になりそうですが、

①社内要求がある
④要求がない
は必要かどうか意思決定しやすいかと思います。

⑶事例:スリム化にはどれぐらい時間がかかるのか

量にもよりますが、1年~2年かけてじっくりしたほうがいいです。
理由としてはいっきにスリム化してしまうと企業がスリム化した事象を把握ができなくなり余計にややこしくなってしまう場合があります。

⑷事例:スリム化して審査はだいじょうぶなのか

指摘の数は増えるかもしれません。
ただ、規格要求を満たしておけば審査に落ちることはないので目先の指摘より、
今後の運用がスムーズになるほうが企業にとっては有効かと思います。

6.まとめ

文書・規程が多いからダメだ。というわけではありません。
ただ、使っていない文書があったり、従業員が理解していないルールなどは削除し、よりよい運用にしていきましょう。

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