2025年9月19日

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製造現場において、ISO9001の品質マネジメントシステムを導入したいけれど…
「製造管理でどの書類を使えばいいのか」「具体的にどのように品質管理を進めるのか」のイメージが湧かない
という声をよく耳にします。
特に製造業の現場では、品質を守りながら効率よく生産を進めることが求められており、適切な管理ツールの理解が欠かせません。
実は、その課題を解決するために非常に有効なツールが「QC工程表」です。QC工程表は、ISO9001の規格で求められる品質管理項目を現場で具体化し、管理しやすくする役割を持っています。
QC工程表には、製造工程に沿って検査ポイントや管理方法を明確に記載するため、作業者や管理者が迷わずに品質管理を実施できます。これにより、製品の品質が安定し、トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
ここでは、QC工程表の基本的な概要や具体的な使い方、さらに品質管理を俯瞰的に示す「品質保証体系図」との関係性について詳しく解説します。
この記事を読み終えれば、QC工程表の重要性が理解できるだけでなく、ISO9001認証取得や維持に向けた現場での具体的な品質管理の進め方がイメージできるようになります。
1.QC工程表とは何か?
(1) QC工程表の概要
①品質管理活動の現場レベルの計画書
QC工程表は、製造工程ごとに必要な品質特性や管理方法を詳細に記述した文書です。工程の流れに沿って、どの段階でどの検査を行い、どの測定機器を使い、合否判定の基準をどう設定するかを明確にしています。
②製造実務の品質維持に不可欠
製品の設計図や仕様書と同様に、QC工程表は日々の作業を標準化しミスを防止するための重要な基盤です。ISO9001で求められる「管理された状態での製造」を現場で具体的に実現するための道標となります。
(2) QC工程表の構成要素
①工程の時系列表示
各製造工程を順番に並べ、作業内容や検査内容を段階ごとに整理します。
②管理項目と検査ポイント
品質の重要なポイントを示し、作業者が何に注意すべきかを一目で把握できるようにします。
③判定基準と記録様式
合否判定の基準を明確にし、検査結果の記録方法を示すことで品質管理の透明性を高めます。
2.品質保証体系図との違いと役割
(1) 品質保証体系図の概要
①組織全体の品質管理体制を俯瞰
品質保証体系図は、組織全体の品質マネジメントシステムを図式化したもので、業務プロセスと部門の役割を視覚的に示します。
②戦略的視点での品質管理ツール
経営層や管理職、監査担当者がISO9001の要求事項を組織内でどのように実践しているかを理解するために活用されます。
(2) 品質保証体系図の構成
①縦軸に業務プロセス、横軸に部門を配置
それぞれの部門がどの業務プロセスを担当し、どのように連携するかを示します。
②責任範囲と業務の流れを矢印で表現
各部門の役割分担と、製品が製造される流れを明確化し、組織の品質管理体制を全体的に把握しやすくします。
(3) QC工程表との違い
品質保証体系図は「組織全体の設計図」であるのに対し、QC工程表は「現場の教科書」としての役割を持ちます。両者は対象とする視点や詳細度が異なりますが、相互に補完し合うことで効果的な品質マネジメントが実現します。
3.QC工程表と品質保証体系図の連携活用
(1) 連携の重要性
①全体像把握と具体的実務の両輪
品質保証体系図で組織の品質管理の全体像を把握した上で、QC工程表を活用して個別工程の具体的な管理活動を計画・実行することが重要です。
②業務プロセスの具体化
品質保証体系図で示された業務プロセスの詳細部分は、QC工程表で具体化されます。これにより、現場レベルでの品質管理が確実に遂行されます。
(2) 実例
例えば、品質保証体系図で「製造部門の検査プロセス」として示された部分をQC工程表で細かく管理することで、検査漏れや基準逸脱のリスクが減少し、製品の信頼性が向上します。
4.ISO9001の要求事項とQC工程表の関連
(1) ISO9001の要求事項
ISO9001での要求事項は以下のとおりです。
8.5.1 製造及びサービス提供の管理
当社は、製造及びサービス提供を、管理された状態で実行する。
管理された状態とは、次の事項のうち、該当されるものは必ず含める。1) 次の事項を定めた文書化した情報を利用できるようにする。
①製造する製品、提供するサービス、又は実施する活動の特性
②達成すべき結果2) 監視及び測定のための適切な資源を利用できるようにし、かつ、使用する。
3) プロセス又はアウトプットの管理基準、並びに製品及びサービスの合否判定基準を満たしていることを検証するために、適切な段階で監視及び測定活動を実施する。
4) 必要な適格性を含め、力量を備えた人々を任命する。
5) 製造及びサービス提供のプロセスで結果として生じるアウトプットを、それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合には、製造及びサービス提供に関するプロセスの、計画した結果を達成する能力について、当社の業務については定期的に妥当性確認を行い、定期的に妥当性を再確認する。
6) ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する
7) リリース、顧客への引渡し及び引渡し後の活動を実施する。
引用元:「ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項」
8.5.1では、「製造及びサービス提供は計画的かつ管理された状態で行うこと」が要求されています。
ここでの「管理された状態」とは、作業の標準化、適切な設備の使用、検査・監視の実施、記録の保持などを指します。
(2) QC工程表の役割
QC工程表は、この規格の要求事項を具体的に現場に落とし込み、日常の製造活動で適用可能な形にしたものです。計画的な管理の実践ツールとして、認証取得および維持において重要な役割を担っています。
(3) 認証取得のためのポイント
ISO9001の認証取得のために無理に書類を増やすのではなく、現場で実際に活用できるQC工程表を充実させ、品質管理の実効性を高めることが効果的です。
5.まとめ
- QC工程表は、製品の各工程における品質管理活動を具体的に示した「現場の教科書」です。
- 品質保証体系図は、組織全体の品質管理体制と業務プロセスの役割分担を示す「全体の設計図」です。
- 両者はISO9001の品質マネジメントシステムの構築・運用において異なる役割を持ちながらも、互いに補完し合い、品質管理の効果を高めます。
- SO9001の「管理された状態の製造」を現場で実践するには、QC工程表の整備と品質保証体系図の活用が不可欠です。
- ISO9001認証取得を目指す企業は、新たな書類を無理に増やすのではなく、現場で使えるQC工程表を整備・改善することが最善策です。
品質管理は難しいものではなく、日々の仕事の標準化と見える化から始まります。
QC工程表や品質保証体系図を活用し、誰もが安心して仕事を進められる環境をつくりましょう。
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