2021年9月8日
ISO9001に関する仕事に向いている人材、持っていると便利な資格について、
「こういう人が向いている」という明確な基準や、必要な資格などはありません。
しかし、ISO9001の継続的運用や力量の把握、会社としての目標を求める規格の性質上、新入社員にいきなり任せるというのは現実的ではなく、組織在籍期間があり業務内容を把握しており、ある程度の意思決定を行える役職の方が向いていると言えるでしょう。
1.ISO9001の運用とは?
ISO9001の運用とは、品質マネジメントシステムにおけるPDCAサイクルをまわすことです。
品質マネジメントシステムの「品質」とは、単に「製品の質が良い」という意味ではありません。
計画、運用、チェック、改善の流れでPDCAサイクルを定期的に繰り返し、
前年や前期よりも品質や顧客満足を向上させようというのが主目的となっています。
そのため、社内でISO9001の運用を行う人材については、
・このPDCAの仕組みを理解している
・ISO9001が継続的改善を目指す規格であることを理解し、社内通達や指示を行える方
が向いていると考えられます。
2.ISO9001人材の5つの仕事
ISO9001の運用に関して、実際にどのような仕事が想定されるのか書き出してみようと思います。
(1)運用における計画立案
(2)計画の実行
(3)実行したものについての評価
(4)トップマネジメントからの指示の落とし込み
(5)審査の対応
の5つが考えられます。 それぞれ詳しく説明していきます。
(1) 運用における計画立案について
ISO9001だけでなく、ISO14001やISO45001でもその要求として、 運用の定期見直しや運用を行うための資源の確保、1年で実施すべき目標を定めようというものがあります。
毎年同じ目標や人材、金額、物質や時期に行うことも考えられますが、 改善のための手段として各項目の見直しや割当、年間で内部監査などを行うタイミングを事前に計画しておく必要があるというものです。
(2) 計画の実行
(1)で計画を立てたことを実行します。
実行については教育を行う、点検を実施する等の他にも方針や目標の周知、進捗の確認も伴ってきます。
(3) 実行したものについての評価
計画通りに実行した内容の妥当性や、規格要求事項から逸脱していないかなどチェックを行う必要があります。
これが内部監査等ですが、これらが評価となります。
顧客からの監査があるような場合もここに含まれますが、あくまで組織内での実施項目と考えると、
管理者として実行し、内部監査を受けることや実施することが該当してくるでしょう。
(4)トップマネジメントからの指示の落とし込み
トップマネジメントからの指示の落とし込みは、PDCAサイクル最後のアクションにあたります。
適用範囲内で定められた代表者(必ずしも代表取締役であるということはありません)に1年に1度以上、運用の報告をして次年度に向けた指示を貰う必要があります。
指示に対して運用へどのように反映するかの計画を行いましょう。
内容によっては、人事編成や予算調整を行う必要があるかも知れません。
(5)審査の対応
ISO9001は、審査機関による審査を受けて取得できますので、当然その審査での対応や審査前後の審査員とのやり取りを行う必要があります。
審査は従業員人数や部門数、業種によって異なりますので、2日で審査が完了することもあれば、1週間審査を有する場合もあります。
その期間の対応を行うことについても、ISO9001を実施する人材として必要な仕事と言えるでしょう。
3.ISO9001人材の給与は?
上記で述べた5つの仕事内容を考慮すると、
人材として適任と考えられる、また人材として多くなるのは組織の部長クラス以上となってきます。
あくまで平均的に考えた場合ですが、 部長クラスとなると平均年収は900万円を超える場合が多く、
仮にISOのために毎週2時間使われると考えると月に4万円の損失を生んでいると考えられるでしょう。
4.ISO9001の仕事に向いている人材
ISO9001の仕事をすべき人材について、部長クラス以上以外にも、どのような人材が向いているのでしょうか。
ISO9001は通常業務以外の職務となってきますので、普段仕事をしている業務以外の物事や他部署との関係も生じて来ます。
そのため、
(1)マルチタスクが可能な人
(2)コミュニケーション能力が高い人
(3)計画に対してきっちり仕事をこなせる人
この3点が得意な人はISO9001の仕事に向いている人材と言えるでしょう。
もちろん、一人で行う必要はありません。
2人以上でスキルや得意不得意を補い合い実行することも可能であると考えられます。
もちろん専任としてISO9001に従事されている方もおられるでしょう。
その場合についても上記同様、まずは自社内の状況把握、ルールの作成、他部門への周知、記録の作成や保管といった計画性やコミュニケーション能力が必要になるのではと考えられます。
5.ISO9001人材が持っていると便利なスキル・資格
冒頭で、ISO9001を行う人材には特にスキルや資格は不要と記載しました。
しかし、持っていれば役に立つというスキルはあります。
以下に列挙するものはあくまで例となりますが、保有しているものや取得予定のあるものがあれば目星をつけられても良いかと思われます。
・内部監査員資格
これは特に試験を受けて所持するというよりも、各コンサルタント会社や審査機関が独自に開催している内部監査員養成講座を受講し、修了後得られるものとなっています
・審査員資格
認定機関が発行する資格になります。これまでと異なり、ISO知識も要求されるレベルが格段に上がります。
・MOS資格
エクセルやワードなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格で、パソコンのスキルを客観的に証明できます。
・中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業の経営課題についてアドバイスを行う専門家を指します。
助言をするに当たり一定の能力があると判断するため、経済産業省管轄の国家資格となっています。
必ずしも保持している必要はありませんが、あれば書類作成や運用、審査時に役立つでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これまでISO9001に向いている人材、資格やスキルについて説明させていただきました。
特別な資格は不要ですが、業務を理解していることや、裁量が求められるということがわかりました。
通常の業務外の仕事への従事が必要になってくるため、会社としては人件費の浪費とも言える活動かも知れません。
コンサルタントや別途外部の専門家のサポートを利用して、 生産活動の効率化や最大化を図ることも検討するとよいでしょう。
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