2025年10月28日

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ISO9001の取得は、企業の信頼性向上と社内体制強化に大きく貢献します。
世界でのISO9001の取得企業数は83万件以上で、特に多い業種は、建設業と製造業です。
実際にISO9001取得した企業では、残業時間の削減や業務の効率化、PDCAサイクルの定着など、目に見える成果が報告されています。また、入札要件や取引先からの信頼獲得にもつながっています。
ISO9001は単なる認証取得だけではなく、経営ツールとして活用することが重要です。
本コラムでは、ISO9001取得企業数や推移を解説します。また、失敗しないための成功・失敗事例とメリット・デメリットについても紹介します。
1.ISO9001を取得している企業数

2025年10月現在、ISO9001を取得している企業数は以下のとおりです。
- 国内の認証件数: 37,000件以上(推計)
- 世界の認証件数: 830,000件以上
以下、公益財団法人日本適合性認定協会・ISO Surveyが公表しているデータを元に解説いたします。
⑴日本の取得企業数
公益財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board)が公表しているデータによると、日本でISO9001を取得している企業数は2025年10月22日現在で21,611件です。(JABに認定されたマネジメントシステム認証機関から提供されたデータ)
また、2023年12月のアンケート調査によると、JAB以外の認定機関で取得している企業約1万社を合わせると日本のISO9001取得企業は37,000社以上に上ると推計されています。
⑵世界の取得企業数
ISO9001は、世界で最も広く普及しているマネジメントシステム規格です。
「ISO Survey」2024年の調査結果によると、世界のISO9001取得企業数は、認証件数ベースで1,474,118件で、事業所数は2,321,640件に達しています。
国別でみると、ISO9001の認証件数が最も多かった上位10か国は以下の通りです。
- 中国:651,851件
- イタリア:101,426件
- インド:95,007件
- ドイツ:45,983件
- 韓国:51,647件
- 日本:41,525件
- スペイン:41,616件
- イギリス:32,988件
- アメリカ合衆国:28,783件
- フランス:14,766件
国別ISO9001認証件数データの参考元:ISO Survey
認証件数は一部の国に集中しており、中国、イタリア、インドがISO9001認証件数の上位を占めています。
日本の順位は、上位10カ国の中で7位に位置しており、世界的に見ても認証取得が盛んな国であることがわかります。
⑶業種別取得企業数
JAB認定のマネジメントシステム認証組織検索から、2025年10月20日現在、ISO9001の取得企業が多い業種を3つ紹介します。
■取得企業が多い業種
- 1位 建設業:5754件
- 2位 基礎金属、加工金属製品:5200件
- 3位 電気的及び光学的装置:2691件
これらのデータから、建設業や製造業が特にISO9001の認証取得に積極的であることが分かります。
建設業や製造業の多くでは、ISO9001やISO14001の認証を顧客から求められることが多く、特に入札参加の条件として設定されることが多いです。
入札要件の緩和などもあり、取得企業数は変動しますが高い水準で推移しています。
入札要件以外にも、品質マネジメントシステムを導入することで、製品・サービスの品質向上や顧客満足度の向上を目指しています。
2.ISO9001取得企業数の推移
日本国内のISO9001の取得企業数は、「ISO Survey」のデータによると、ISO9001取得企業数の推移は以下のとおりです。
- 2020年:32,287件
- 2021年:40,834件
- 2022年:38,916件
- 2023年:39,584件
- 2024年:41,525件
2020年から2021年にかけて、ISO9001の取得件数は大きく増加しました。
2021年から2022年にかけて約2,000件減少したものの、2023年には再び件数を伸ばし、39,000件台に回復しました。
新型コロナウイルスの影響などにより、事業継続計画(BCP)の重要性が高まり、品質マネジメントシステム(QMS)を活用して組織体制を強化しようとする動きが広がったなど、様々な要因が推測できます。
さらに、2024年にはさらに増加し、過去5年間で最高となる41,525件に達しました。
企業の競争力強化や信頼性向上に役立つツールとしてISO9001が普及していると考えられます。
3.ISO9001取得企業の成功事例
ISO9001を取得してどのような効果・変化があったのか、認証パートナーのお客様の事例をご紹介いたします。
⑴大日本精密有限会社様:製造業
■取得理由
ISOの取得を検討した大きな理由は、他社との差別化を図るため、お客様からのニーズがあった。
信頼性を高める手段として、認証取得は欠かせないと感じていた。
■取得後の効果・変化
ISOを取得したことで、社内全体で「ルールを守ることの重要性」への認識が高まった。
以前よりも各自が規程や手順を意識して業務に取り組むようになり、組織としての統一感や責任感も強まった。残業時間も大きく減少し、業務の効率化を実感している。
大日本精密有限会社様のお声はこちら
https://ninsho-partner.com/iso9001/voice/q_e_0418/
⑵株式会社モリトー様:商社・メーカー
■取得理由
取引先に対して一定の品質基準を満たしていることを証明するために、ISO取得を検討していた。
■取得後の効果・変化
審査が社内を見直す良い機会になっており、理想的なPDCAサイクルを回すことができている。
株式会社モリトー様のお声はこちら
https://ninsho-partner.com/iso9001/voice/iso9001_iso14001_231019_m/
⑶株式会社日本治具製作所様:製造業
■取得理由
親会社からの要求と、今の時代に乗り遅れないためISO9001を取得。
また一部の業務を行うために、ISOの取得が必要になった。
■取得後の効果・変化
改善活動は常に行っていましたが、目標に対する社内不良が多いものがあったことが悩み。
ISOを取得してからは会社全体としてもISOを意識しており、これまで行っていた改善活動にも更に力が入り、徐々にですが解消されている感じがする。
株式会社日本治具製作所様のお声はこちら
https://ninsho-partner.com/iso9001/voice/iso9001_230111_n/
ISO9001の取得目的は、顧客要求から社内体制の強化まで様々です。
取得が目的ではなく、社内体制の強化のツールとして導入するケースもあります。
4.ISO9001取得でよくある失敗事例
ISO9001は、企業の品質マネジメントを強化する上で非常に有効なツールです。
しかしその導入や運用方法を誤ると、かえって組織に負担をかけることになります。
ここでは、ISO9001取得・運用の際によく見られる3つの失敗事例と、それを防ぐための具体的な対策をご紹介します。
⑴取得が目的になっていまい、形骸化するパターン
ISO9001の目的は、品質改善と顧客満足度向上という「目的」を達成するためです。
しかし、認証取得自体がゴールになってしまうと、次のような問題が発生します。
■失敗事例
- 組織の実態に合わない、複雑で難解なマニュアルや手順書が作成され、現場の業務改善に繋がらない。
- 「審査のため」だけの活動になり、審査が終わると元のやり方に戻ってしまう。
- なぜ新しいルールが必要なのかが理解されない。従業員が「ISO9001のためだけの仕事」をやらされていると感じ、モチベーションの低下につながってしまう。
■解決策
認証取得後も、定期的なレビューと改善活動を継続することが重要です。現場の声を積極的に拾い上げ、マニュアルを業務に沿ったものに更新していくことで、形骸化しないものとして定着させることができます。
⑵現場の状況を無視するパターン
ISO9001の取得には、新しいルールや記録作業を伴うため、現場の従業員の協力が不可欠です。
しかし、現場の現状・意見を聞かずに導入を進めると、システムが現場に支障をきたす場合もあります。
■失敗事例
- マニュアルに記載された手順が、実際の現場の作業と合わず、かえって非効率になる。
■解決策
ISO9001取得の際は、現場担当者を含めたチームを結成し、積極的に関与してもらいましょう。
また、導入後もフィードバックの機会を設け、従業員の声を拾いシステムを継続的に改善していくことが重要です。
⑶経営層が積極的に取り組みに参加しないパターン
ISO9001は、組織全体の品質向上を目指すものであるため、経営層の積極的な関与が不可欠です。
しかし、経営層が「担当者任せ」にしてしまうと、以下のような問題が発生します。
■失敗事例
- マニュアル作成から内部監査、経営層への報告まで、すべての業務が特定の担当者一人に集中し、過度な負担がかかる。
- 経営層の理解や予算が不足していると、必要なリソースが足りなくなってしまう。
- 担当者が孤立してしまう。
■解決策
ISO9001取得にはトップダウンとボトムアップのバランスが大切です。
経営層は、システムの目的や目指すべき方向を組織全体に明確に示し、積極的に参加しましょう。
これにより、担当者の負担が軽減されるだけでなく、組織全体が一体となってQMSの改善に取り組むことができます。
5.ISO9001取得のメリット
ISO9001を取得するメリットは以下のとおりです。
- 取引先や顧客からの取引要件としてISO取得を提示されている場合、それを満たすことができる
- 他社から信頼を得やすくなる
- 組織のシステムが確立しやすくなる
- 責任と権限が明確になる
- 競合と差をつけることができる
入札や取引先の要件を満たすことが可能になり、社内体制も強化されます。
6.ISO9001取得のデメリット
ISO9001を取得するデメリットは以下のとおりです。
- マニュアル・書類を作成する手間がかかる
- 保管する記録が増える
- 費用が発生する(審査費用・コンサル会社によるサポート費用)
マニュアル・記録類の作成の手間が増えることが大きな課題となります。
しかし、専門のコンサルタントに相談することで、これらの負担を大幅に減らすことも可能です。
お気軽にお問い合わせください。
7.まとめ
ISO9001は、品質マネジメントシステムの国際規格として、国内では約37,000社、世界では83万件以上の企業が取得しており、特に建設業や製造業において広く導入されています。
取得後の成功事例では、業務の効率化、社内意識の向上、顧客からの信頼獲得などがあります。
一方で、取得が目的化してしまい形骸化するケースや、現場との乖離、経営層の関与不足といった失敗事例もあります。
ISO9001の取得だけを目的とするのではなく、経営ツールとして活用することが重要です。
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