2024年11月14日
近年、ISO認証維持のメリットを実感できなくなり、ISOの認証取得を見送る、あるいは認証を返上するといった、いわゆる「ISO離れ」のケースがあると耳にするようになりました。
ISO9001については認証件数は緩やかに下降気味で、ISO離れしていると言えるかもしれません。一方で、ISO27001を取得する企業数は年々増加しており、ISO離れとは真逆の状況です。
1.ISO認証の認証組織数は増えている?減っている?
ISO9001やISO14001のような国際規格は、企業の経営を効率化し、品質や環境への取り組みをアピールする上で有効な手段と考えられてきました。
しかし近年では、これらの規格の認証取得や維持に多大なコストと労力が必要となり、その割に大きなメリットを感じられないという声も聞かれます。結果として、ISO認証を返上する企業が増え、ISO離れの傾向が見受けられています。
例えば、ISO9001やISO14001認証については、認証件数は緩やかに下降気味です。
背景として、認証への費用負担、人手不足、通常業務と分離してしまっている運用に対する工数、顧客要求・入札参加条件の緩和などが影響しているかと思われます。
一方で、ISO27001を取得する企業数は、年々増加しております。
主な背景として、デジタル化の進展やサイバー攻撃の増加に伴い、情報セキュリティ対策が企業にとって不可欠になっていることがあげられます。
特に金融、医療、IT業界では情報セキュリティが重要視されており、ISO27001への取り組みにて、顧客の信頼を得るとともに、法令遵守を果たすための手段としても利用されています。
2.「ISO離れ」が起きる原因は?
ISO認証維持のメリットよりデメリットが目立ってしまった場合に、ISO離れ・ISO返上につながりやすいと考えます。
主に、下記のような状態が挙げられます。
- 運用が重い/業務の実態とかけ離れてしまっている
- 費用・工数面で負荷になってしまっている
- 外部からの要求がなくなった
3.顧客や市場の要求の変化
業界ごとに求められるISO認証の重要性や取得状況が異なりますが、品質管理や環境マネジメントに加え、情報セキュリティもますます重要な要素となってきています。
企業は、これらの認証を取得・維持することで、市場での信頼性を高めることができるでしょう。
例えば、建設業や製造業の多くでは、ISO9001やISO14001の認証を顧客から求められることが多く、特に入札参加の条件として指定されることが多いです。このような状況では、「取得していて当たり前」との認識が強まり、企業にとっては認証を持つことが競争力を保つための必須要件となっているといえるでしょう。
また、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まっており、特にデジタル化が進む中、企業は情報セキュリティの確保を重要視しています。そのため、 大手企業が取引先に対してISO 27001の取得を条件とするケースも増えており、情報セキュリティへの取り組みが取引の信頼性を高める要素として評価されています。
4.ISO認証のメリットとデメリット
ISO認証のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 入札や契約の際に有利になる
- 業務プロセスの改善
- 国際的な基準に基づく認証により、海外市場への参入がスムーズになる
デメリット
- コストがかかる
- 工数が増える(文書・記録作成・管理)
- 即効性がないため、トップと現場の理想・目標とのギャップが大きいほど士気に関わる
ISOの認証は、取得がゴールではありません。社内への浸透や意識改革には時間がかかるため、PDCAサイクルを回し、継続的改善をする必要があります。
また、市場・企業成長には、日々変化がつきものなので、状況に合わせて計画を練り直し、対応していくことが必要となります。
これらのメリットとデメリットを踏まえ、自社に合わせた運用、ルール作りが重要です。
5.ISO認証の取得・維持のコスト
大きく分けて、2つコストがかかります。
- 審査機関への審査費用
- コンサルティング費用
審査機関への審査費用について
審査費用は、規格、人数、拠点数、業務の複雑さなどで費用が異なります。
新規取得時が費用が一番高く、その次に節目の更新審査の費用が高くなります。
概算を以下に記載いたします。
例:10名の場合
・初回 (新規):590,000円
・2年目(維持):270,000円
・3年目(維持):270,000円
・4年目(更新):435,000円
※新規認証後に有効期限が発行され、ISO認証の有効期限は通常3年です。この期間内に、企業は定期的な審査を受ける必要があります。
自社で取得、維持が難しい場合は、ここにコンサルティング費用が発生します。
6.ISOの代わりになる認証はあるか?
ISO9001・ISO14001・ISO27001に代わる認証やフレームワークは存在します。
取得の目的や業界、ニーズに沿って、認証する規格やフレームワークを選択することが必要となってきます。
例えば、自動車産業向けの品質マネジメントシステム規格のIATF16949や、環境保護や持続可能な社会の実現を目指す取り組みやプログラムの一部を指すエコアクションなどがあります。
取得を目指している企業は、今一度、どの規格やフレームワークで選択するか検討してみてください。
まとめ
「ISO離れ」は業界や企業・顧客ニーズ、取得するISO規格によって異なります。
「ISO離れ」が起きている業界や規格もあれば、逆に、ISO取得が増加している規格、業界もあり、「ISO離れ」と真逆の状況が見受けられます。
例えば、ISO9001認証については、認証件数は緩やかに下降気味、一方で、ISO27001を取得する企業数は、年々増加しております。
主な背景として、デジタル化の進展やサイバー攻撃の増加に伴い、情報セキュリティ対策が企業にとって不可欠になっていることがあげられます。特に金融、医療、IT業界では情報セキュリティが重要視されており、ISO27001への取り組みにて、顧客の信頼を得る企業が増加している傾向にあります。
ISOの認証は取得がゴールではなく、継続的改善をする必要がありますので、短期的ではなく長期的な目で効果を確認してみてください。
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