2024年9月27日
ISO9001・ISO14001の認証機関とは、ISO認証・維持・更新の審査を行う第三者機関です。審査機関とも呼ばれます。認証機関は日本国内に50以上存在するため、どの機関を選べばよいのか迷われる方も多いですが、審査費用・審査内容・対応スピードを考えて選ぶとよいでしょう。
1.ISOの認証機関(審査機関)とは?
ISO認証機関とは、企業や組織がISO規格(品質マネジメントシステムなど)に沿って適切に運営されているかを審査する機関のことです。企業や組織が構築した品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムがISO9001やISO14001の要求事項に適合しているかを審査する第三者機関です。
国内で約50社の認証機関が存在しており、審査料金、審査傾向(得意分野)などがそれぞれ異なります。
2.認証機関(審査機関)を審査する認定機関とは?
ISOの「認定」機関とは、ISO規格に基づいた審査を行う認証機関に対して、その審査能力を認定する機関です。
認証機関が企業に対してISO認証を与えることができるかどうかを判断し、認定を行っているのは、実はこの認定機関なのです。
認定機関は日本だけでなく、世界各国に存在します。
しかし、必ずしも自国の認定機関の認定を受ける必要はありません。国際的な相互承認制度があるため、どの国の認定機関から認定を受けても、その効果は同じとみなされます。
つまり、認定機関で選定する必要はないということです。企業は自社の都合に合わせて、世界中の認定機関の中から最適な機関を選ぶことができます。
3.ISO9001・ISO14001どちらも審査機関を選ぶ基準は同じ
ISO9001・ISO14001はどちらも国際規格ですが、ISO9001は品質マネジメントシステム、ISO14001は環境マネジメントシステムと異なる規格です。
規格が異なる場合、それぞれ別の認証機関で審査を受ける必要があると思われるかもしれませんが、認証機関のほとんどはISO9001とISO14001両方の審査が可能です。
選ぶ基準についても、規格が異なるからと変わるわけではなく、同じ基準で選ぶことができます。
因みにISO9001・ISO14001を同時に取得することも可能で、同時に取得した方がそれぞれ個別に取得するよりも楽になるケースが多いです。
4.ISOの認証機関(審査機関)の選定ポイント3点
認証機関を選ぶ際のポイントは、以下の3点です。
- 審査費用
- 審査内容(柔軟性)
- 対応スピード
(1)審査費用
審査費用は、企業規模(従業員数、拠点数など)や認証取得規格によって大きく変動します。
認証機関によって費用は異なり、均一価格でないため、顧客などから認証機関の指定がない場合、相見積もりを取り、費用対効果を考慮し比較検討しましょう。
平均すると、30名規模の組織のISO9001審査費用は46万円、同じく30名規模の組織のISO14001審査費用は66万円となっています。
(2)審査内容(柔軟性)
審査を行う基準は同じでも、その解釈や審査の進め方は認証機関によって多少異なります。
最低限の仕組みが構築できているかを最優先とする機関もあれば、認証後にISOの運用を通して改善の機会を多く与えようとする機関もあり、認証するまでの柔軟さが異なるケースもあります。
短期での認証取得を最優先とする場合、審査基準への適合性を重視し、迅速な審査・認証を行う機関を選ぶことがおすすめです。一方、業務改善を積極的に行い、組織全体のレベルアップを図りたい場合は、コンサルティング要素が強く、改善提案を積極的に行う機関を選ぶと良いでしょう。
顧客要求や認証までのスケジュールなどにより、認証を優先するか、すぐの改善を優先するかの判断をしましょう。
そうは言っても50を超える審査機関全ての審査傾向を把握するのは難しいので、悩んだときは認証パートナーにご相談ください。
(3)対応スピード
ISOの認証に関しては認証番号の発行や認定証の発行などの手続きが必要になりますが、これらの手続きにかかる期間は認証機関によって異なります。
例えば、海外に拠点のある認証機関でしたら、認定証の到着が物理的に遅れる可能性があります。また、所属するスタッフの数により問い合わせをしても対応が遅く必要な時期までに間に合わなかったという例もあります。
認証機関を選ぶ際は「対応がスムーズか」「レスポンスが早いか」も選定の基準に入れておくと良いでしょう。
5.なぜ認証機関によって価格の違いがあるのか
認証機関によって利益の取り方や審査員に支払う人件費に差があるので、価格に差が出ます。
ある程度の算出基準が認証機関毎に設定されているようですが、審査業務というのは形のないものを売っているサービス業でもあるので、言い値が価格という部分もあります。
6.認証機関ごとに違う審査方針
認証機関ごとに審査方針や規格要求の解釈に違いがある場合があります。規格にはそこまで具体的に書かれていないにもかかわらず、認証機関の要求として細かく求められることがあります。審査方針や審査内容を必ず確認しておきましょう。
他にも外部の人間は参加不可、オブザーバーならOK、参加OKとバラバラな部分もあるので、認証機関は良く選びましょう。
7.認証機関、失敗事例紹介
ここまでで認証機関の選定基準やポイントについて記載しましたが、「もしも選定に失敗してしまったら」という事例を見ていきましょう。
(1)必要な期日までに認証されなかった
顧客の要求により事前に期限が決まっており、現地審査2か月後目途で認証が必要でした。
ほとんどの場合、現地審査1か月〜1か月半目途で認証書が企業に届きます。
ただ、認証機関の拠点が海外にあり、認証書が物理的に届かず、顧客要求を満たすことができなかったため受注できたはずの案件を受注できませんでした。
(2)顧客要求の認定シンボルではなかった
認定シンボルとは認証機関ごとに持っているロゴマークのことです。顧客要求によってこのシンボルが指定されているケースもあります。
特に指定がない場合は、どの認証機関、認定機関でも良いと思われます。
しかし、もし顧客から日本の認証機関(審査機関)でなければならない、認証シンボルは日本の認定機関でなければならないという指定のある場合は認定証提出時に揉める可能性もありますのでご注意ください。
(3)認証までの期間が想定よりもかかってしまった
審査員や認証機関ごとに審査通過までの柔軟さが異なるため、想定していたよりも認証までの期間がかかってしまうという事例があります。
認証取得までに1段階審査、2段階審査と2回の審査がありますが、1段階審査で形はできているが運用できていないと判断され、2段階審査の延期を提案された事例もあります。
8.認証機関は途中で変更可能なのか
申し出れば、認証機関の変更は可能です。「認証機関(審査機関)移転」と言います。
移転の際、必要な書類は認証機関ごとに異なりますので、移転を検討したら確認しましょう。
また、移転の手続きが完了するとそこで新たな認定機関から受け入れ可能かという審査が行われます。
時期によってはISOの定期審査と移転審査が度々来てしまう可能性もありますので、移転時期はISO定期審査の時期にされると良いでしょう。
まとめ
ISO9001、ISO14001であっても認証機関を選ぶポイントについては同じであることを見てきました。
選定の差異はありませんが、選ぶときには
- ①審査の費用が妥当か?
- ②審査内容が希望するものか?
- ③認証までのスケジュールやスピード感が想定の範囲内のものか?
この3点に注意し、その上で顧客要求や業務内容に合った認証機関を選ぶと良いでしょう。
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