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ISO14001:規格改定9.1項「監視,測定,分析及び評価」規格解釈

スタッフ写真
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2019年6月9日

今回はISO14001:2015(アイエスオー14001:2015)9.1項「監視,測定,分析及び評価」について書いていきたいと思います。
まず、JISQ14001:2015(ジスキュー14001:2015)に何と書いてあるか確認してみましょう。

JISQ14001:2015 9.1項 監視,測定,分析及び評価 に書かれていること

9.1 監視,測定,分析及び評価

9.1.1 一般

組織は,環境パフォーマンスを監視し,測定し,分析し,評価しなければならない。
組織は,次の事項を決定しなければならない。

a) 監視及び測定が必要な対象
b) 該当する場合には,必ず,妥当な結果を確実にするための,監視,測定,分析及び評価の方法
c) 組織が環境パフォーマンスを評価するための基準及び適切な指標
d) 監視及び測定の実施時期
e) 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期

組織は,必要に応じて,校正された又は検証された監視機器及び測定機器が使用され,維持されていることを確実にしなければならない。
組織は,環境パフォーマンス及び環境マネジメントシステムの有効性を評価しなければならない。
組織は,コミュニケーションプロセスで特定したとおりに,かつ,順守義務による要求に従って,関連する環境パフォーマンス情報について,内部と外部の双方のコミュニケーションを行わなければならない。
組織は,監視,測定,分析及び評価の結果の証拠として,適切な文書化した情報を保持しなければならない。

9.1.2 順守評価

組織は,順守義務を満たしていることを評価するために必要なプロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。
組織は,次の事項を行わなければならない。

a) 順守を評価する頻度を決定する。
b) 順守を評価し,必要な場合には,処置をとる。
c) 順守状況に関する知識及び理解を維持する。

組織は,順守評価の結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。

ISO14001:2004 4.5.1 監視及び測定 に書かれていること

「9.1.1 一般」はISO14001:2004(アイエスオー14001:2004)の「4.5.1 監視及び測定」に該当します。ISO14001:2004(アイエスオー14001:2004)では下記のように記載されています。

4.5.1 監視及び測定 組織は,著しい環境影響を与える可能性のある運用のかぎ(鍵)となる特性を定常的に監視及び測定するための手順を確立し,実施し,維持すること。この手順には,パフォーマンス,適用可能な運用管理,並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報の文書化を含めること。

組織は,校正された又は検証された監視及び測定機器が使用され,維持されていることを確実にし,また,これに伴う記録を保持すること。

2004年版では、監視・測定の対象が“著しい環境影響を与える可能性のある運用のかぎ(鍵)となる特性”と抽象的な内容でしたが、2015年版では、“監視及び測定が必要な対象”といった内容になりました。

また、“b) 該当する場合には,必ず,妥当な結果を確実にするための,監視,測定,分析及び評価の方法”“c) 組織が環境パフォーマンスを評価するための基準及び適切な指標”“d) 監視及び測定の実施時期”“e) 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期”に記載されているように、方法や実施時期といった手順の内容まで踏み込んだ要求事項に変更されています。特に“c) 組織が環境パフォーマンスを評価するための基準及び適切な指標”では、「環境パフォーマンスの評価指標の設定」がしっかりと記載されています。

“組織は,環境パフォーマンス及び環境マネジメントシステムの有効性を評価しなければならない。”という内容が記載されているので、マネジメントレビューの機会等で有効性の評価を実施する必要があります。

“関連する環境パフォーマンス情報について,内部と外部の双方のコミュニケーションを行わなければならない。”これについては、「7.4 コミュニケーション」で決定しておくとよいと思います。

ISO14001:2004 4.5.2 順守評価 に書かれていること

「9.1.2 順守評価」はISO14001:2004(アイエスオー14001:2004)の「4.5.2 順守評価」に該当します。ISO14001:2004(アイエスオー14001:2004)では下記のように記載されています。

4.5.2 順守評価

4.5.2.1 順守に対するコミットメントと整合して,組織は,適用可能な法的要求事項の順守を定期的に評価するための手順を確立し,実施し,維持すること。

組織は,定期的な評価の結果の記録を残すこと。

4.5.2.2 組織は,自らが同意するその他の要求事項の順守を評価すること。組織は,この評価を4.5.2.1 にある法的要求事項の順守評価に組み込んでもよいし,別の手順を確立してもよい。

組織は,定期的な評価の結果の記録を残すこと。

最後に

ISO14001:2015(アイエスオー14001:2015)「9.1.2 順守評価」とISO14001:2004(アイエスオー14001:2004)「4.5.2 順守評価」では規格の趣旨は変わりません。

2004年版では“法的要求事項”と“その他の要求事項”の二段構えでしたが、2015年版ではこの区別がなくなりました。また、“順守評価の結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。”とあるので、2004年版と同じく記録を残す必要があります。

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